第18話 発症期④ 兵器

「結果から言おう!めっちゃくちゃ簡単だった!」僕は天高くピースを掲げた。まぁ結果は後日だけど。

「おぉ~」パチパチパチパチ。

「ありがとうみんな!」残念だが君たち3人よりも点数が良いかもしれない。


期末テストが終わり、僕は確かな手ごたえを感じていた。テスト前に来た公園の木陰で4人はワイワイしていたんだ。

「ネネちゃんに教えてもらった問題がそのまま出た時は後で上靴を舐めに行こうと思ったくらいだよ!」


「へ、へ~。私そうゆうのダイジョウブ。」引き気味のネネちゃん。今、最後に即死魔法使ったな!


「ところで夏休みの佐井寺家のご予定は?」と聞いてみた。

正直に言おう。今回はネネちゃんの下着ではない!あと破壊力のあるメイドファイター春日の胸でもない!

佐井寺のお家に保管されている父さんが見ていた本が凄い気になるんだ。


「えっと、実は毎年別荘に行って夏を過ごしてるんだけど、今年も行くのかなぁ?」

「ネネは虫多いから嫌なんだけど~。行きたくないなーできればみんなで遊びたいね!」


「別荘?行きたくない??

奥さん聞きました!?あちらの兄妹きょうだい。庶民の私たちをからかってましてよ!」と竜二

「いやーねヒカルさんたら。私たちには市民プールで毎日浮いてろって!言ってるらしいじゃない!」と僕も返す。

「あらやだ!」


ヒカルは はぁとため息を付きながら「勝手に話作んのやめてくれない?」と言ってごめんごめんと僕らが笑った。


ヒカルから

「竜二は?」

「兄貴が来年高校受験だから家でゲームはちょっとなー。とりあえずカガミんとこで宿題終わらせてからゲーム三昧コースで。」

「ってそれいつも一緒じゃん!竜二小学校でホントに友達いたの?」やべっ!爆弾付きブーメランを投げちまった!


「いるいる!めっちゃいるよ!みんな誘ってくれるし、でもなんだか面白くないんだよね、やる事が。カガミの方が盛り上がる。」

ありがとう!そうゆう返しを待ってたんだよ。って思ってたら、フリスビーをキャッチして何の悪気もなく、嬉しそうにくわえて戻ってくる犬の様にネネちゃんが


「カガミ君は小学校の友達とは中学では遊ばなくなったの??」

「・・・。」 

「あ、ごめん。」高性能な爆弾付きブーメランでした。


「でも、えーっと、でもさぁ(焦)ほんと二人ともゲームばっかりだよねぇ?」ネネちゃん焦りが会話に見えてますよ。

「そうだね、僕たちのやったことないゲームの名前が出てくるからたまについていけないよ!」と笑うヒカル。


ヒカル大丈夫だよ。時代にのは僕たちの方だから。。。


竜二は

「俺はまだやってない積みゲーがあるからこの夏全部クリアしようと考えてる。テストも終わったし。あ、そーいや点数良かったらスマホ買ってもらえるかも知んねーんだ。」!

「え?スマホめっちゃいいじゃん!」「いいねー!」「ほしー!」それぞれが反応して竜二は、

「違うよ君たち。スマホはこの大量消費社会が生んだなんだ。」と神妙な顔つきになって口に手を添えて小さな声で囁いた。 は?バカかこいつ?

僕たちは竜二の話をスルーして会話を続けた。


「ちょっと母さんに頼んでみようかな、多分テスト学年トップだし。」僕はこの時完全に調子に乗っていた。前からだけど。

「僕達も小さい頃から両親に欲しい時に言いなさいって言われてたから、そろそろ話してみようか?ネネ。」

「えっ!そーなの?お兄ちゃんそうゆう事、先に言ってよ!もう持てたじゃん!!」


竜二が「じゃあ無事みんなスマホ持てたら連絡交換しようぜ!」って言ってさりげなくネネちゃんの

連絡先を聞こうとしたのかニマニマしてるように見えたが、僕はその竜二のセリフを聞き逃さなかった。

「無事スマホもてたらね!」と念を押す。抜け駆けは許さねーぞ!


この時点でスマホ購入確定者は3名!天道家はこういうの結構厳しいぜ!

まだ僕だけ夏休みの予定聞かれてないし。

現時点で色々ハミってる。


この先スマホと言うを持って彼ら3人に格差を広げられたら何だか切なすぎる。

あながち竜二が言ってた【】って表現も間違ってない気がしてきた僕だった。


「とりあえずうちに電話かけてもらったら予定合わせる事できると思うから夏休みいっぱい遊ぼう!あとT-SAD関連で調べたい事をお互いまとめてて!」

とヒカル。

ネネちゃんは

「もっとこう楽しい事をしたいなぁー。」って言って

僕は「ネネ大臣、具体案をおねがします!」と返すと

ネネちゃんは

「キモ 試しとか?」って言った。ん?一瞬キモの後に間があったかも?

僕に向かって【キモ】って言って無いよね。

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