第10話 成長期⑥ 神々の

17時を過ぎきれいな夕焼け空に向かってをゆっくりと空の色を塗り替える時間帯、すぐ近くには鳥が飛んでいた。

具体的には僕と竜二の頭の周りに3羽ずつ。【混乱】の状態異常表示だった。


 ヒカルの話が難しすぎてわからない。こうゆう時こそ落ち着いて深呼吸、今出来る事を考えるんだ。

「ドユコト?」あら?へんだな?外国人労働者みたいな片言で喋ってしまった。

「質問はしてもらって良いから長いけど説明してもいい?」竜二も僕も「「うん。」」と言った。


「まず頭を冷やす為に、竜二君、足水してもらえないかな?」とネネちゃんが言ったのだが

竜二も僕もそこは「「うん、、、うん?」」ってなるよね。 頭を冷やす為に足水?トンチか?


竜二とネネが足水に浸かる状況下でヒカルの会話が始まった。

「僕達兄妹は生まれる前から羊水検査で遺伝子解析を受けた二卵性の双生児なんだ。検査内容は国の遺伝子研究所が解析をしていた。」


 「知ってるよ、俺もそこの羊水検査で先天性心疾患がわかったんだ、3歳の時の心筋生検って検査でこのまま何もしなければ5歳まで生きられるか分からないって言われたらしい

実際長生きして15歳って話だよ。その病気、T-SAD(ティーサッド)だっけ?その治療の為に、生まれた後もずっと通わなきゃいけないから、この街に引っ越してきたってかーちゃんが」と竜二が言った。


「え?竜二君、15歳で死んじゃうの?」とネネちゃんが心配している。ヒカルはヒカルで

「ホント?T-SADティーサッドって え?じゃあ僕らもなのか?」とみんな頭上に【?】が浮かぶ。僕の【?】は人一倍大きかった。


「いや、そんな気サラサラ無いよ!佐井寺達ももしそうだったとしてもその為に5歳で手術をしたんだろ!痛い思いしたんだ!負けるかよ!」ってめっちゃ堂々と否定した。この時、竜二はさっきまで怒っていた事が信じられないほど超機嫌が良くなっていた。


「でもその病気で15歳以上の生存者がまだ世界に一人もいないのも事実だから気にはしてるけど。」と付け加えられたが諦めたわけではないって目をしている。


「竜二のお母さんも酷なこと言うよね、僕だったら落ち込んで塞ぐかもしれないよ。」とヒカルは

言ったが、竜二は笑いながら

「確かに、言われたの小学校の時だぜ!カガミが友達になってから、かーちゃんが頃合いを見て言ってきたんだろうけど、口に出したらホントに起こりそうで最初はため込んでたよ、でもカガミに言ったら

何のゲームの話だよ!って笑われて、頭叩かれたんだ、その時怖いもんが一瞬にして吹っ飛んで、吹っ切れたよ。俺には怖いもの知らずの親友がいるんだ!」って言って僕を見て笑った。


良いぞ竜二!大株主ネネちゃんに対して僕の株を一気に上げるチャンスだ!一部上場も夢じゃないね!


「それで話は戻るんだけど」あれ?もっとちやほやしてよ!

「共有感覚ってわかる?」

僕も竜二も「は?」だった。まずどこに話が戻ったのか、あと【物】の話かあるいは【気持ち】の話か


「実際に体験した方がわかる。T-SADティーサッド のT=TEAR(裂ける)ASD 日本語で【裂傷性心房中隔欠損】 の患者が持つ共有感覚はまだ僕達兄妹だけしかわかってないんだけど、えっとー突然だけど

この文字読める?」 


ヒカルは部屋の隅に向かって行って真っ白のノートに蟻のような小さい字を書いてをこちらに向けた。

僕が「みえるかいっ!」って突っ込むと同時に

竜二は「カガミ アホ! スゲー見えるんだけど」と言うとヒカルは


「正解!」と言い戻ってきてハイタッチをする。あれ見えるの??なんで??



「今日の足水で確信を得たよ。T-SADティーサッド患者同士が導電性のあるものによって接続されるとその能力が2人の平均になって分け与えられる。今ネネと接続されているのは・・・」と言ってノートに図と文字を描き始めた。


【ネネ】  超視覚 15  聴覚  1

【竜二】  視覚 5   聴覚  5


〜共有感覚状態〜

 【二人とも】 視覚 10   聴覚  3  



「こんな感じに、二人の平均になるんだ。」ヒカルはこう説明した。

「さっきからちょっと聞こえにくいのはこのせいか?」と竜二。

「この超視覚ってのは??」僕が質問すると、ヒカルはそれはねと話し出した

「僕はもともと目が見えなかったんだ、それでそのかわり聴力は異常に良く聞こえて」

「ネネはもともと耳が聞こえなかったの、その代わり目がすっごく良く見えた。」



普通の人が視力も聴力も5のところ10までブーストできる。そういう事か。

「なるほど。」と納得してる僕の隣で接続しちゃってる二人は何だかもじもじしだした。

もー見てられないんだから!早く上がりゃんせお二方さん!


「ただ、お互いの臓器移植で少しはQOL(生活の質)が上がれば不憫は少ないだろうって言う研究所と親の判断でお互いの足りない目と耳を心臓手術の入院中に移植しているんだ。」


「耳もなんだ。」僕らはついついヒカルの耳を見つめてしまった。

竜二が、

「ヒカル、ネネちゃんほんとごめん。なんか知りたい事があったらずっと気になる方で、ずっとモヤモヤしてたんだ。2人を傷つけた。今はもうイライラしてないよ、大きな声出して悪かった。」


「あ、そのイライラは、ネネのおかげなんだけど。先にリンクの話をしよう。」


きましたきました!やっと僕のわかる話だね!もしかしてトライフォースが出てくるのかな!?や、待てよこの3人がトライフォースを既に待っていると考えるべきか?そう考えると合点がいくな。

たぶん

竜二が【力】で

ヒカルが【勇気】

ネネちゃんが【知恵】か、アレ?さっきから感じてはいるんだけど、



僕だけハミってない?

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