よんーよん 靴

 いつもどうしてって、きくの?

 だって、まいにちそうしてるんですもの。


 いつだってそう。

 やっているのに、やっていない。

 いつもいっしょにいるのに、しらない。


 生きるのって、糞の上を歩くようなもんだ。

 避けてもくれないんだから。

 ペットはわがままに黙ってついていく。

 

 キラキラとしたものが転がっていきました。

 アメシストです。

 わたしが酔っているものだから、差し入れ。


 きゅうきゅうと音が鳴って、それでも。

 アメシスト混じりのわたし。

 こころの中で、語っている。


 じくじくとねじ込まれるわたし。

 常に揃えられて、常に一番下で踏み固められる大地を見ている。

 今日も元気だね、明日は泥沼だね。


 不意の穴ぼこによろけて、ぐるり。

 だって、まいにちそうしているんですもの。


 いつだってそう。

 ささえているのに、ささえられない。

 いつもいっしょにいるのに、きづかない。


 生きるのって、反吐を避けて歩くようなもんだ。

 不意に当たって避けられずに泣いてるんだから。

 水たまりはいつかの歴史を描いて潰れていく。


 ギラギラと太陽が大地を焼きました。

 アスファルトです。

 わたしはわたしをそこに置いて、少しずつ消えゆく。


 じいじいと死を疎んだセミたち。

 常に決められて、常に繰り返して続くこの道を這いまわる。

 今日は少ないね。明日は新しいね。


 どうしてって、きいて?

 だって、まいにちそうしてるんですもの。


 アスファルトに混ざったわたし。

 もうやることもなく、やりおえた。

 いつもいっしょにいたのに、しらない。


 その上をまたわたしが踏み固める。

 それも、わたし。

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