よんーに 沈み

 お礼を言わなければいけません。

 私は階下に残したものが必要でした。

 ひりつくような風が吹きました

 だから、

   お礼を言わねばなりません。


  三、

  年頃の男たちが眠っていたのです。

  疲れてずぶ濡れになって。

  火を焚いてやりました。


   ニ、

   木の葉のように舞っていたのです。

   みんなを待たずに頼って。

   渦に巻き込まれました。


    一、

    私は死にかけ漂っていたのです。

    自分勝手に探しに行って。

    亡骸思い出が必要です。


      、

     もう有りませんと言われました。

     だからもう何度も行って。

     その度にこうなって。

     だから、

       お礼を言わねばなりません。


     ひりつくような風が吹きます。

     お願い分かってくれと云います。

     わかりません。わからないのです。


   風で一人でに切れた指のように。

      私はわからないのです。


 だから、

   行かねばなりません。

 

 苔に口付けし固まった彫像のように。

 その隅でただ待つ蜘蛛のように。

 ただ、そうするしかないのです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る