きゅう こきゅう
吐く息も吸う空気もそうしてるとわからない。
吸えば脆弱、吸えば薄弱、目の前の火が揺めき、日々の重りが頭を引っ張る。
いいんですよ、マインドフルネス。流れる小川と木と、葉のさざなみが聴こえるでしょう。
わからないから浴室で胡座をかき、シャワーを浴びながら火を見ている。
これ、消えない火なんですよ。ほら、熱は核融合で、中性子を感じるでしょう。
なにをバカなと始めた深呼吸。張り付いた髪がうっとおしい。水で傷むのも承知でやりましょう。後ろに生えた子供の頃の家庭教師のまぼろしがうるさいのだ。
吸って、吐いて、吸って、吐いて、流れる水、火は呼吸でしか消えない。
消さないようにしないと消えない火だからね、全部承知でやりましょう。
承知でやりましょうね。
家庭教師はいつも最後にそう言った。わたしはどうして家庭教師に教わっているんだろう。だからそのための、承知でやりましょう。
微分される前に、様々な記号が遊び始める。
瞼が落ちそうになるから、火が増える。ふたつ、みっつ、そうして体を打つ水は消え、全てが了解のもとに閉ざされる。
熱は核融合で、中性子を感じる葉の擦れる音が木を繰り返しの中に落としていく。流れるからマインドフルネスが軽度のうつ症状に効果がある。
張り付いた髪が背中で這う蛇を生む。重くなって、日々の重さが忘れられる。
これ、木のせいなんですよ。
木が大地を引っ張るから、つり合いを取るために頭を引っ張る。
引っ張られて、負けて、頭が弾けて花が咲きます。
これはただの呼吸ですから、全部承知で。
ハットとして冷めれば火は消えた。
だからなんなのでしょうか。呼吸はうるさく、水の流れとギュスターヴ・ドレの絵ばかりが頭に浮かんでいる。
上には社会があるから、ここでは水が流れるんです。吸って、吐いて、承知してるのだから辞めたっていいよね。
分厚い膜で変えれば薄弱な生が呼吸する。
教わったから、承知でやるんです。
消えない火なんて、ないんだから。
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