こんなもんさ……

音澤 煙管

あれれ?……





風に乗ってやって来た!


それは偶然か必然か?


目の前に彼女が舞い降りた。


「おいでよッ付いておいで!」


「うん!」


ぼくは元気に頷いた。


時間も忘れてあちこち行った。


とても楽しい時間だった!


夜も更け、海の見える高台の

芝生の上で、

2人で寝そべって星空を眺めた。


オリオン座、流れ星、汽笛の音、

左右に流れる車のライト……

とても綺麗な光景で、

まるで夢の中にいる様だ。


黙って二人で眺めてると、

急に突風が吹きはじめた。


目にゴミが入って、

しばらく目が開けられないでいた。


やがて風も収まって、

ふと隣を見てみると、

彼女は居なくなっていた。


「あれれ?どこだどこだ???」


慌てて周りを見渡しても、

綺麗な星空の下、

海の見える高台にぼく一人。


その日、

風はもう

二度と吹くことはなかった……




恋なんてこんなものさ。

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こんなもんさ…… 音澤 煙管 @vrymtl

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