第4話 中学生時代 ひだまり

ボクは卒業間近で進路を決めた。

国内最難関の進学校へ進む。東大へ行くかどうかはまだ決めてない。


陸上も、もちろん続ける。

ベストタイム更新中のボクを狙う学校はたくさんあったけれど、敢えてそちらには行かなかった。


「無理すんなよ」

ソウタが肩をポンと叩いて追い越していく。運動場で走り込み中。いや、競争中かな?誰が多く走れるかを競争していた。


タイチは6週目で脱落した。

カケルとトモは不参加。トモはどうにしてもカケルは参加すべきだろ、と思うが。


現在、9週目。

「陸上部をなめるな」

ボクはソウタをにらみ返す。


ソウタはペースが速い。ボクより2周くらい多い気がする。

フェンスの向こうで2人が応援しているのがみえる。着替え終わったタイチも2人に合流していた。


「ソウタが15でソラが13。2人とも頑張れ〜!」

3人が大声で応援してくれる。

ボクもソウタも親指をグッと突出し答える。


最近、ソウタとロードワークに出ることが増えた。2年まで妙なわだかまりのせいで素直になれなかったボク。

その間もトモは1度家に帰り部活の終わる頃、ボクを迎えにくる、なんてことをずっとしてくれていた。

元の5人組に戻れたのもトモのおかげだ。

でも、時折ボクはトモたちと一緒にいても寂しい感じがして……。


……


部室でシャワーを軽く浴びて着替えての下校時。久しぶり5人で団子になっての下校だ。


「バケモンじゃ、2人とも」

カケルが茶化す。結果はボク35、ソウタ34。

「日頃の練習の賜物です。次はカケルもやろうぜ」

ソウタとボクが返す。

「距離にして1周が200だから。怖っ」

「だいたいいつも10キロ走ってるよね」

タイチもカケルもげんなりした顔をする。

「練習は裏切りません」


あと、数ヶ月でボクたちはそれぞれ別々の道に進む。でも、この楽しい時間は永く続いて欲しいと思った。






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