第5話憧れを抱きながら
結局、橘に話題を振ることが出来ず、帰宅した俺だった。
夕飯を摂り終え、風呂から上がった俺は自室のベッドにダイブして、枕を胸に抱きながら、夢で見た橘の姿と言葉を思い出した。
祐斗くん、かぁ......お嫁さん......良いなぁ、言われたいよぉっ!
バンッと扉が勢いよく開いて、
「うっさいから静かにして、ヘタレにぃ!」
と、妹が不機嫌な声音で怒鳴って、扉を壊す勢いで閉めて姿を消した。
ベッドで橘に関して妄想を膨らまし、悶え苦しんで寝転び暴れていたのは悪いが、ヘタレまで付け足さなくてもいいだろ......妹。
数年前までは、おにぃちゃんおにぃちゃんと、何をするにもくっついてきていたというのに......
なんだか、寂しい......
冷たくあしらわれ始めたきっかけがどうにも解らない。俺が声を掛けても妹は生返事を返すだけだ。
最近、MVが上がったハニワの『東京スプリングセッション』を聴いて、妄想を膨らましながら寝るか......
俺は電気を消灯し、掛け布団を被って、就寝した。
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