第2話腐れ縁な女子

放課後になり、帰り支度を済ませた俺は教室を出ていこうと椅子から立ち上がると同時にイラつく女子に呼び止められた。

「もう帰んの、あんた?」

「そうだけど。悪いかよ、用もないくせにいちいち聞くなよ」

「用がなきゃ話し掛けるなって誰が決めたんだよ。あァァん!」

人差し指で差しながらめんちを切る伏間。

「ごろつきじゃあるまいし、めんちを切るのはやめなよ。佳澄は可愛いんだから、癪だけど」

「うっさいわ!ごろつき言うなぁっ、可愛いのを癪とか言うやつがあるか!」

いちいち反応して、否定するんだよな、こいつ。

「はいはい、悪かったね。今日って部活だっけ?」

「そうだよ。いい娘がいますぜぇ、旦那。どうします?」

「手を擦り合わせながら、下卑た笑顔をするな!部活仲間チームメイトがそれを聞いたら幻滅すんぞ。冗談でもそんなこと言わねぇ奴だと思ってたのに」

「それは買い被りすぎ......で言葉合ってる?浮かない顔をしてるから笑わそうと──いてぇっ!」

小突かれた彼女は、小さな悲鳴をあげ、睨み付けてきた。

「急いでんだよ。またな、練習頑張れよ」

そう言い残し、教室を後にし、バイト先へと急ぐ俺。


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