バイト仲間の超絶美少女ではなく、その妹に迫られてる?

闇野ゆかい

第1話プロローグ念願の──!?

「──くん、──て。祐斗くん、起きてってば!」


甘ったるいながらもそんな言葉が耳に届き、瞼をあげるとロングの黒髪が垂れ下がり、顔が覗きこんでいることに気付き、小さな悲鳴をあげることしかできない。

「ひゃあぁっ──!」

「やっと起きたよぅ~もう祐斗くんはねぼすけなんだからぁ~!」

「えっと、何で俺ん家に萌香さんが?」

顔を覗かせたままの橘が驚きの言葉を口にした。

「祐斗くんのお嫁さんなんだから、当たり前でしょう──」

「ええええええぇぇぇぇぇ~!」


──ええええええぇぇぇぇぇ~っ痛ぇっっ!


「授業中に寝てるかと思えば、いきなり叫ぶとはいい度胸じゃない。寝るほど詰まらないとでも言うのか?久代ぉ~!」

「いやいやっ、決してそういうことじゃ──」

橋爪夏帆先生の怒声が教室が響き渡り、廊下につまみ出され、説教を20分も聞く羽目になった。


昼休みになり、昼食を摂っていると二人のクラスメートが近付き、声を掛けてきた。

「どんな夢をみてたの?あんな叫び声をあげるほどのって、気になって」

「言いたくない......佳澄たちには」

「へぇ~ふぅ~ん!さてはあっち系だね、そんな溜まってるんだぁー」

にやけ面の伏間から視線を逸らす俺。

「うっさいっ!最悪だぁぁ、本当に」

伏間からキスしてきたくせに、よくもまあ言えるものだな。


何でよりによってあのタイミングだよ、ついてねぇな~俺。








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