第10話……エピソード6……再出発
1376年12月上旬日曜日朝7時……バルバドス諸島
1ヶ月間この島を捜索したが金も銀も出なかった。景色はサンゴ礁に取り囲まれ物凄く綺麗なところであったが見切りをつけることにした。
上図のような航路をたどり、キューバに到着した。上陸してから北に進みハバナ港に到着した。
3種族の先住民:グアナハタベジェス族、シボネイ族、タイノ族が島には暮らしていた。バルバドス諸島で暮らしていたインディオと同じ種族である。男女を問わず全裸で過ごしている。肌の色は黒くもなく白くもない。この先どうするかについて幹部全員で会議することになった。
アドリアン「ここで暫く生活するグループと南北に進むグループの3つに分けよう」
アドルフ「僕は西方向に進みます。女性たちは帰還させるつもりです」
アドリアン「良し。それなら元に戻り俺は南西に進もう。俺も女たちは帰還させる」
次兄たちは暫くここに滞在して島であるかないか確認する。島と分かれば我々は北へ進路を取ろう。我々も女たちは帰還させる」
1377年2月上旬日曜日朝7時……キューバ「ハバナ港」
アドルフは19歳になっていた。
ハバナ港を出発し、西に進路をとった。2週間ほどで陸地に到着した。
センポアラ……注①に上陸した。先住民のトトナカ族は軍備を整えた我々の威容を見て戦うことなく降伏した。賢明な判断である。西のテスココ湖に向かった。と言っても西へ西へと進んでいったら大きい湖があったというだけである。
テスココ湖とメキシコ盆地
テスココから部隊を3つに分けた。北に1部隊、南に2部隊進んだ。各集落を征服しながら先へ先へと進んだ。インディオたちはほとんど無抵抗だった。武器らしいものは何一つ持たず全裸で暮らしている先住民に抵抗するすべはなかった。
何名かの女を先導して進ませた。女たちには衣服と食料を渡した。アドルフ自身もその女たちの中で利発なマリンチェ22歳を可愛がり妾として連れて歩いた。彼女は母語のナウル語だけでなく、マヤ語もしゃべることが出来た。アドルフは連れ立っているうちにマリンチェにチュルク語やロシア語、ペルシャ語、アラブ語も教え込んだ。
彼女たちに金や銀の鉱石を見せたが銀には反応を示した。湖を渡った北西方向にあると言っているようだ。
今日はこの辺にしておきます。次回をお楽しみに。
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注① ……センポアラ……世界大百科事典によると
家々が密集した村落を形成する高地民は,自給的なトウモロコシ,豆,カボチャの栽培と家禽飼育に従事するが,低地民は散在する農家に住み,自給用食料のほか商品作物やはちみつ,バニラなどを生産し,経済的にはやや豊かである。
1519年スペイン軍がメキシコ湾岸に上陸した時,低地トトナコの町センポアラCempoalaの首長は戦いを挑まずに降服し,流血を避けた。原住民の神殿を改築して,メキシコ地方最初のカトリック教会が建立されたのも,センポアラである。
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