第8話…エピソードⅡ…ストロガノフ一族

1370年5月上旬の火曜日朝5時…アストラハン宮殿


何時もの時間に目が覚めた。


硬く勃起したペニスがアイシャの膣に突き刺さっている。


抜こうとするとアイシェが目を覚ました。


まだ寝惚けているアイシャは顔をアドリアンの胸に埋めて甘え声を出し、


腰を使ってペニスを締め付けてくる。


アドリアンもアイシャを上に乗せてアイシャの背中を撫でながら全身を愛撫する。


勿論ペニスを動かすのは止めない。


アイシャは前夜の快楽をすぐに思い出し、大声を張り上げて朝から大絶頂を極める。


後宮に住む者全員に聞こえるような嬌声である。


女共がこれみよがしに音を立てながら朝食の準備を開始する。


流石にアイシャも気が付き、起き上がって2人の身支度を手早く済ませて


自室に退散する。アドリアンは恒例の朝練を済ませて湯船に浸かる。


1370年5月上旬の火曜日朝7時…アストラハン宮殿


女達と一緒に朝食を摂った。一際ひときわ目立つ女が2人居る。


そういえば朝練の時にも見物していた女だ。


際立つ美貌を惜しげもなく見せて男心をくすぐる女達だ。


色が透き通るように白く、目鼻立ちはくっきりして心地良い。


1人は大柄で、もう1人は小柄だ。顔は双子かと見紛うほど良く似ている。


姉妹のようだな。アドリアンはマクシムとルキヤンの妻達を呼んだ。


案の定この2人だった。大柄な方がマクシム29歳の妻ルキア23歳、


小柄な方がルキヤン26歳の妻ルーシー26歳だ。やはり姉妹だった。


ちなみにアイシャが3姉妹の長女である。サボローチェ地方


はどういう処かと訊ねた。


「ドヴィナ」または「ドヴィナ地方」というのは、ロシア東北部の辺境、


白海に臨む北ドヴィナ河流域一帯の地であって、「ザーヴォロク」


または「ザヴォローチエ」なる名でも呼ばれている。


キエフ国家とジョチ・ウルス中央集権国家との中間期にあたるいわゆる


「分裂時代」 (およそ13-14世紀)には、ノヴゴロド共和国の広大な


領域の一部を形成していた。3姉妹が云うには


「本来からのノヴゴロド領ではなく、


その北や東北に広がる広大な植民地領域なんです。


主にてん黒貂くろてん白貂しろてん、ビーバー


など西欧市場でもロシア国内でも非常に高値のつく貴重な高級毛皮の産地です。


ノヴゴロド市の公的軍事力を使って征服した植民地の住民


(主にフィン・ウゴール系の諸民族)から定期的に貢税ダーニ


として徴収するかあるいは貴族が自分の奴隷や隷属民から組織した私的な


狩猟部隊ヴァターギを植民地に送り込み、


一定期間現地で狩猟を行わせたり、原住民から買い取らせたり、


時には武力で略奪させたりして毛皮を集積させたりするんです。」


アドリアン


「そうか。よく分かった。北ドヴィナ地方に行って狩猟をすれば良いという事か。


早速やることにしよう。良いことを教えてくれた。感謝するぞ。」


3姉妹「ちょっと待って下さい。今から行ってもそんなに儲かりませんよ。


オボネジェや北ドヴィナ川流域では高価な毛皮は取り尽くされて


少なくなっているんです。ノヴゴロドの貴族や修道院が進出したり、


それに伴ったスラヴ人農民の植民により急速に私的所領化が進んだんです。


ですから貴族達は狩猟部隊による毛皮の採取から植民地に取得した土地保有民


(原住民とロシア農民)から現物貢租オブローク


として取る方法に変わったんです。」


アドリアン「何だと、それじゃあ良いものから取り尽くされて


何処からでも採れる銀リスしか残らんじゃないか。」


3姉妹「そうなんです。今じゃあノヴゴロドの西欧への輸出品の大半は毛皮と


ろうが占め、毛皮の中では高価なてん黒貂くろてん


白貂しろてん、ビーバーなどの高級毛皮ではなく圧倒的多数を占めたのは


安価な銀リスの毛皮なんですよ。」


アドリアン「何だ。それじゃあ儲からんじゃないか。


それでお前達は河川賊ウシクイニクをやり始めたんだな。


もうお前達を生かしておく値打ちはない。皆殺しにしてやるぞ。」


3姉妹達「ちょっと待って下さい。儲かる方法を教えます。お手伝いもします。


どうか命だけは取らないで下さい。」


アドリアン「本当に儲かるんだな。早く教えろ。


教えたらお前達だけでも助けてやろう。」


3姉妹達「私達は役に立ちません。


マクシムとルキヤンの2人がお役に立てると思います。


お助け下さい。」


アドリアン「まあ聞くだけ聞いてやろう。」


3姉妹達「西シベリアに手付かずの無尽蔵な毛皮の宝庫があります。


マクシムとルキヤンの2人を狩猟隊の隊長にして行かせてやって下さい。


原住民との交渉や戦いも出来ます。何とかお願いします。」


アドリアン「分かった。条件付きで認めてやろう。」


ルキアとルーシー「どんな条件ですか。身体は嫌です。」


アドリアン「本番だけはしない。その他は認めろ。嫌なら全員皆殺しだ。」


3姉妹は集まって相談した。


アイシャ「本番がなければ良いでしょう。2人共処女でもないんだし。


私がアドリアン様の精液を毎日搾り取ってあげるから


貴女達には何も出来ないわよ。」


ルキアとルーシー「それもそうね。姉さん頑張ってよ。」


3姉妹「その条件を飲みます。マクシムとルキヤンの2人も助けて下さい。」


アドリアン「よし、分かった。今夜の伽はルキアだ。午後10時に寝室に来い。」


カリーナの長男ヴィクトルと次男ゲルマンを大至急呼びにやった。


1週間で来れるだろう。


カリーナを呼び、シベリア開発の計画を話した。


カリーナの一族ストロガノフ家はペルミ地方ソリ・ウィチェグダの


製塩業者として成功していた。


カリーナ個人も交易商人としての地位を確立している。


シベリア開発の協力を申し入れた。


カリーナ一族にカマ川流域の土地を所領として与える。


カリーナを侯爵に叙し、その開拓のために20年間納税を免除する。


カリーナは一族を代表して謹んで拝命した。


マクシムとルキヤンの2人を呼んだ。


カリーナの長男ヴィクトルと次男ゲルマンに従い、


シベリア開発を手伝うよう命令した。


大分渋っていたが3姉妹が説得した。


カリーナの長男ヴィクトルと次男ゲルマンが来週くるまでまた入牢させた。


そうこうしているうちに昼食の時間になり、昼食が運ばれてきて


3姉妹とアドリアンだけになった。


★アドリアン20歳

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