第1話…エピソードⅧ…エカチェリーナの帰還
★中央アジアの人々のことわざ
浅い川は音を立てる、深い川は静かに流れる。
1364年2月中旬の日曜日朝5時……冬営地
アドリアンはミハイルのところで交渉した。
エカチェリーナに子供2人の面倒を見させる。金のインゴットを2枚渡した。
ミハイル「エカチェリーナが男の子と女の子の双子を生んだと言っておけ。
俺の面子を守ってくれれば俺は文句を言わない」 アドリアンは了解した。
ラドミラに会って了解を得た。
アドリアンはイルティシュ川上流域で冬営しているテレングト部族の
ラドミラの両親に会いに行った。
部下たちにジェンド城の設営を命じておいた。
夏は石炭と鉄鉱石を掘り、セメントの材料を集めろと指示した。
3月上旬の日曜日朝5時……イルティシュ川上流域のテレングト部族冬営地
エカチェリーナとステファン・バザロフ0歳、アドリアーナ・バザロフ0歳
及びテムジンたちが出迎えてくれた。
ラドミラのご両親に手土産のトナカイの毛皮を持って会いに行った。
お母さんは43歳、お父さんは46歳だ。
お世話になった御礼に大金貨100枚を送った。
一族100名が1年間暮らせるだけのおかねだ。
アドリアンは地下に40mの井戸を掘り、横穴を何十本も掘って
倉庫をたくさん作った。倉庫の1つにおかねを保管させた。
お母さんが食料の保存ができると大喜びしていた。
3月上旬の日曜日昼12時……ラドミラの両親のユルタ
族長のヤクギル45歳が訪れた。お父さんがヤクギルに紹介してくれた。
アドリアン「うちの若い者が大勢お世話になったと聞きました。
この際ぜひ別の部下にも騎馬イヌワシ狩猟をお教え下さい」
アドリアンは持参したラクダの毛皮や珍しい各地の珍品をヤクギルに贈り、
授業料として大金貨100枚を渡した。
ヤクギルは快諾し、自らが師匠になると言ってくれた。
テムジンたちと一緒に分解式のユルタを10戸分作り大型のユルタ3戸を
自分用とし、残りはみんなに分けてやった。
3月上旬の日曜日午後10時……自作の蚊帳付きユルタ
エカチェリーナと久し振りに仲睦まじく語らい、
2人で過ごす幸せを噛み締めながら床についた。
3月上旬の月曜日朝5時……自作の蚊帳付きユルタ
何時もの時間に目が覚めた。エカチェリーナも起き上がり
アドリアンの身支度を手伝った。例によって朝練を開始する。
近くの空き地で下履き1つで訓練を行い、終わるとサウナで身体を暖め、
白樺の枝で身体をビシバシと叩く。
トゲが身体を刺激して毛細血管に血液が行き渡り、
身体がポカポカ熱くなってくる。そこでイルティシュ川に浸かり体を冷やす。
これを何回も繰り返すわけだ。
営地の近くに川のあるところではサウナが主流だった。
アドリアンも夏営地のイマキヤはイルティシュ川中流域にあったから
夏はサウナを利用していた。
3月上旬の月曜日午前7時……自作の蚊帳付きユルタ
ラドミラのご両親も一緒に朝食を摂った。
ラドミラのお父さんの姉妹たちが滞在中の部下たちの食事の面倒を
見てくれるそうだ。それは有り難い。
お父さんがイヌワシの世話のやり方を大まかに教えてくれた。
初雪が降れば狩猟を開始する。夏営地では牧畜が主になるそうだ。
アドリアンはテムジンたち以外の部下27名を置いて草原に帰ることにした。
アーロン、バリー、ブライアン、セドリック、チャーリー、コーディ、ダン、
デニス、ダグラス、エディの10名及びボフミル男、カルタン男、ムハメド男、
ケマル男、ラマザン男、マフムト男、サリフ男、ヤシャル男、ベキル男、
ユスフ男、オメル男、レジェブ男、ヒュセイン男、ハサン男、イブラヒム男、
アリ男の17名である。入れ替えに向こうの若者27名を引き取ることにした。
お互い良い経験になることだろう。
3月中旬の火曜日昼12時……春営地オルダバザール
エカチェリーナ、ステファン、アドリアーナの3人がアドリアンの
アウルに新しく入り、大型のユルタを設置した。
隣のユルタにラドミラのお母さんラガド43歳が赤ちゃんたちの面倒を
見るために来てくれた。ラドミラの大きい子供たちも戻ってきている。
もちろんラドミラのユルタに同居している。
ラガドさんを入れて5人で昼食を楽しみ、アドリアンは部下たち
を引き連れてカラガンダとルドニーに向かった。
人数を半分ずつに分けて向かわせた。
以前とは異なり、鋼鉄製のツルハシやトロッコを運ぶ線路が出来た
ので効率が約5倍になった。人数も5,000名となり、3日で1万トン掘れる。
3月中旬の日曜日昼12時……カラガンダ
1万トン掘ってラクダ10万頭に乗せてルドニーに向かった。
3月下旬の日曜日昼12時……ルドニーの製鉄所
1万トンの瀝青炭はコークス炉で高温で蒸し焼きにするとコークス2,000トンに
変化する。残った軽油は製鉄所に渡し、コールタールや硫黄、ピッチ、硫酸、
アンモニアは持ち帰った。2,000トンのコークスのうち1,000トンを製鉄所に渡した。
3日掛けて鉄鉱石を1万トン掘った。しばらく此れくらいでいいだろう。
ここにも砦を建設した。コークスをチュメニまで売りに行った。
一部は毛皮と交換しよう。
4月下旬の日曜日昼12時……チュメニの市場
コークスを400トン売った。大金貨5万枚で売れた。
コークス100トンを毛皮、蝋、木材、木タール、魚油と交換した。
イヌワシ猟をテムジンたちに任せてルドニー経由でイマキヤに向かった。
ルドニーに置いてあった鉄鋼100トンをラクダに乗せた。
5月下旬の日曜日昼12時……イマキヤ
イマキヤで鍛冶屋と馬具や及び交易商店を開いた。
中国から紙や火薬及び絹を購入し、代わりに毛皮や
農機具類もよく売れた。刀剣類、槍類、馬具は販売しなかった。
アドリアンは騎馬隊の馬具を最新式に変えた。戦力は数倍に向上した。
4,5mの長槍部隊で
バイの人たちが来るまでにアドリアンは鉄製のボイラーを製作した。
イルティシュ川から水を引き、コークスを熱源とするボイラーを通して
鉄パイプで温水を各家庭に供給する。
バイの人たちのために地下の固定住居を100軒建設して蒸気パイプも
全家庭の各部屋に通した。
エカチェリーナも連れてきている。感想を聞くと暖かさに感激していた。
この地も攻撃される可能性は十分にある。ジェンドと同様に砦を建設した。
この間にコンクリート100トン分の材料を集めさせた。
★アドリアン14歳、エカチェリーナ……1365年1月上旬出産予定
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