第21話

「突っ立ってるんだったら、このまま私が倒しちゃうよっ!」

「笑わせないで!」

オリヴィアをキッと睨みつけると、私もモンスターの体側を斬りにかかる。

「せいっ!」

「はあああっ!」

お互い覇気を出し合いながら、スピードを落とすどころか、ますます加速しながらモンスターを斬りつける。

「キョーカ! 残り10%!」

「わかってる!」

オリヴィアは、ボスモンスターの頭上に表示されているhpバーを見ながら叫ぶと、一旦背の上から離脱する。


「やっぱすごいねキョーカ。私が惚れただけあるよ」

「あっそ」

ボスモンスターから距離を取るため、並走しながらオリヴィアが話しかけてくる。

「ほんとだよ? 可愛い顔に負けない、綺麗な太刀筋。キョーカ殺りやり慣れてる?」

「物騒なこと言わないで。ちょっとゲームと古武術を嗜んでただけ」

「ワォ、リアルジャパニーズクノイチ!」

「やめて恥ずかしい」

オリヴィアはなぜかテンション高めに、返事を返した。


「そんなん良いから、最後。行くよ」

「おっけっけ」

私とオリヴィアは、端的に告げると、同じタイミングで加速する。

「いいねいいね! やっぱりキョーカ気が合うよ!」

「そりゃ、どうもっ!」

ちょっとむかついたのでスピードを上げるも、難なくオリヴィアはついてくる。


私は話すのを止め、こちらを見下ろすボスモンスターを見上げて睨みつけた。

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