第14話

「ほんとはね。佐久島ってとこから歩いてきたの」

「??」

「わかんないよね。私もつい最近名前知ったような、小さな島。こっから60kmくらい離れたとこかな」

オリヴィアは、よくわかっていない顔を浮かべる私に丁寧に説明する。

「どうしてそんなとこに?」

「ちょうど1ヶ月くらい前にね。私そこに捨てられたの」

「……だ、誰に?」

「おとーさんに」


オリヴィアが軽々しく発したその声は、私にはどんなモンスターの攻撃よりも重く感じられた。

初対面の私ですら、思わず絶句するような、その内容に。

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