第4話

『我々は、統一国家阻止を掲げる者達です。我々人類は増えすぎました。ここで今一度選別を執り行います』

[Imaginary World]に連行された人類全てに対して、GMゲームマスターからのチュートリアルのように伝えられた。


この一言は、未だきちんとした法整備のない未開拓社会には危険すぎた。

先の見えない不安が蔓延る、ほぼゲームのような世界。

初期装備として与えられた殺人など容易なビームソード。

この先の展開は、赤子にだって想像できる。


大方の予想通り、そこから1、2週間は文字通り殺し合い地獄が世界各地で行われたようだ。

極度の緊張状態で、誰か一人が殺人を犯せば瞬く間にそれは広がる。

こうしていとも簡単に、人殺し文化は伝染していった。

B級サバイバル映画も顔負けな勢いで。

何故伝聞系で、しかも世界各地のことを語っているのかと言うと。

ご丁寧にまるでゲームのように、視界右上に表示されたウィンドウに残存人類の数が表示されているからである。

743,006,045/8,500,460,719と、はっきり。

いつのまにか残り8.7%しか人類は残っていないらしい。

分母を見る限り全人類が電脳世界にいるのだとすれば、現状地球上の人類の91%以上は既にいないと言うことだ。

7億もいて、10%以下って。

統一国家反対派さん達の言うように、確かに人類は増えすぎたのかもしれない。


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