第3話 一人っ子、孤食
小学生の高学年から、両親共働きの私は、夏休み、冬休み、午前中だけの授業の時は、孤食が当たり前でした。
学校から帰ると、母親の「何か買って、食べて」の置き手紙と千円が、暗い部屋のテーブルに置いてあるだけです。
それを見た瞬間、寂しさとそれでも食べなきゃいけない虚無感と現実が押し寄せた。
他人事のように、自分のランドセルが床に落ちる音を聞きながら、ドスンと心まで床に落ちる音がしたのを、大人になった今でも覚えてる。
近くのコンビニで、適当なパンとジュースを買って、また暗い部屋に戻る。
テーブルの上に置く、レシートとお釣りのカチャカチャ鳴る音。
独りで食べる、味気のしない食事。
私は、大学生になった後も、大人になった後も、いまだに人と食事をすると、ぎこちなく、独りで食べると、何も感じない孤食にほっとする、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます