神ガ形ノ意思ニ背イテ 拾壱話
登場人物名
32歳
大雑把な性格だが、部下を率いる防衛隊の一部隊の隊長。
説明下手でよく
任務中ではかなり頭が回り、戦場をかけている。
昔受けた負傷が今も身体を蝕んでおり
いつ死んでもおかしくない
24歳
熱い正義感と無鉄砲な若さを持つ新人隊員
士官学校卒の元警官であったが、
任務より目先の命を優先することが多く、危険な目に合うことが多い
射撃の腕も上がってきており、実力が伸びてきている
30歳
部隊の中では狙撃を務める事が多く、高い位置からの索敵が得意である
先の任務で足を負傷しており、現在は入院中である/
29歳
渋谷のバーでバーテンダーをしている男性
とある事件により視力がほとんど無いらしい
49歳
大雑把でガサツな性格だが実力は確かで引退後の現在も英雄譚が受け継がれている
現在は記者をやっているようだが、身の上話をしないためどこに属しているかは不明
36歳
嫌味を言うような性格で
金こそ全てという性格の持ち主
射撃技術や統率能力は高く、そこだけを言えば
先の任務以降行方不明となっている
27歳
戦闘では弾幕を張ったり、他隊員の立て直しの時間稼ぎや
年齢不詳
マッドサイエンティスト気質な女性
未だ研究結果を世界に公表することなく、自身のみで使っている
現在はなにか新たな兵器を製造することにご執心の様子
19歳
学園を卒業し、何かの目的を以て部隊に所属した。
自分の実力を疑わず、隊員と特に
かなりの実力者で、
Nは→後のキャラ演者が読む
※所々交代があるので注意してください。かなり大変です。
・
突如世界に現れた「
Variant Hunt Army通称
自衛隊や警察組織と違い、独立した権力を持つ
一般人や学園卒業者の中で実力保有者が入隊することができる
・
2000年に突如現れた異形の生命体。
理由や目的は不明だが人類を脅かす存在。
現れた当初は世界でも数十体しか確認されなかったが、年々数を増やしていた。
出現方法も繁殖方法などは不明となっている。
生物が
一部では神の使い等と
・
その素性、人員、目的一切が不明のテロ集団
突如姿を現れては殺戮を行う事から市民から恐れられている
役表
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
神ガ形ノ意思ニ背イテ 拾壱話
N→
戦闘に勝利した
二度にわたる
隊長
一方、建物外周を回り挟み撃ちを狙っていた
ついにその攻撃を受け
どちらかが死ぬまで、この戦いは終わらない
決着の時はすぐそこまで迫って来ていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
N→
お互いに出方を伺っており、
その間に
(このままじゃ勝ち目はない
こっちの攻撃はほとんど見切られる上に
私は相手の刀が当たれば一撃でやられる
策を考えないと…)
N→
この銃は今回の任務のため至急されたもので、まだ使ったことがないものだが
銃の型を見るに射撃レートや威力はコ型の拳銃の上位互換と言えるであろう。
(この中に入っている弾は
弾の形状がライフル弾と同種で貫通に特化された徹甲弾
これが当たれば通常の弾丸を受け付けない身体であってもダメージが通るかもしれない
というより…これが通らないとなると諦めるほかないわね)
N→
刀はこちらに向けたままあだが
その表情は以前として無表情だが余裕の色が透けてみえる。
(ほんと嫌な奴ね…
負ける気がないからって余裕綽々とは……
でも…うだうだ考えてても仕方ないわね
この一撃が通らなければ私の負け
ただそれだけの事…いつもそうやって考えてきたはず
今日もそんな単純な裏表の賭けをするだけ…)
N→
それに気づいた
「死ぬ覚悟は決まったか?」
「そうね…腹は括ったわ
ただ負ける気はないわ
貴方を殺すつもりで行くわ」
「…そうか」
(
肝心な時に何の役にも立たないなんてね……
これだから他人ってのは使えないのよ)
N→
攻撃をする直前、再び攻撃のプランを思案する。
(
普通に撃っても当たらない
少しでも相手の隙をついた一撃を繰り出して撃たなければいけない
それが通らなければ私の負け……不利な賭けね
…ただ1つだけ
上位の相手でも通る可能性が高い技がある
初見でそれを見切るのは困難
でも、この技はできたら使いたくはない)
N→
急速な切り返しから
だが
「ぅ!!!」
N→
投げ飛ばされた勢いで
「がはッ!!」
「!!」
「まずっ――――」
N→
斬撃は寸でのところで
その一刀は壁に斬撃痕が残るほどの強力な一撃であった。
「危ないわね……」
N→
直撃を免れた事に安堵しながらもその血を袖で拭うと
(こんな回りくどい策が通じるような甘い相手じゃないわね
舐めてはいるんだろうけど油断はしてない
ほんと…つくづく嫌な奴ね)
「何度も言うがお前は俺には勝てない」
「そのようね…私と貴方じゃ相当な差がある
その目の力といい…なんなのよそれ
貴方…本当に人間なの?」
N→
その言葉を聞いた瞬間
光る眼は普段のものと違い、動揺がわかりやすく映るようだ。
「…どういう意味だ?」
「心当たりがないなんて言わないでよ
そんな奇妙な目をしておいてただの人間ですとでも答えるつもり?」
「……それもそうだったな
……あまり他言するようなことではないが
少しぐらい教えてやってもいい」
「あら?随分気前がいいじゃない
その機嫌のまま私を見逃してくれたりしない?」
「残念だがそうはいかない」
「ケチな人ね…
それで、いったいその目はなんなの?」
「……」
「カグラの血ってのと関係があるの?」
「……!?
どこでそれを…?」
N→
まだ攻撃を仕掛けてくる様子がないのを恐る恐る確認しつつ質問を続けた。
「何のことを指すのかはよくわからない
けれど
そうでしょ?
それについては教えてはもらえない?」
「………」
「またそれも答える気がないってやつ?」
N→
片目を抑えるように手で覆うように隠す。
手を離すと片目だけが通常の瞳に戻っていた。
「この目…これがカグラの力の一つだ
これを使用すると通常時より更に感覚が研ぎ澄まされる
例えばお前の心臓の鼓動
それに目線や動作、音の発生源や大きさ
すべてが鮮明に情報として頭に浮かんでくる」
「なによそれ……その時点で既に人の成せるものを超えてると思うんだけれど」
「それだけじゃない
この力を解放したことによって俺の皮膚は硬質化される
ただの刃物や銃弾程度では俺に多少の傷ですら付ける事はできない」
「どっちも効かないってわけ…?
それこそもう化け物の領域だと思うけれど
あまりに現実味がなさすぎてにわかには信じがたいわね」
「信じるかどうかは好きにしろ」
(嫌なことを聞いたわね……この弾丸が通るかわからなくなったわ)
N→
「目が…戻った……どうやらひとつも嘘はついていないようね」
「理解したか?」
「えぇそうね……戦意を大きく削がれるようなとてもいい話だったわ」
「話は終わりだ
お前もまだ打つ手があるんだろ?
それを早く見せてみろ」
「…そこまで見抜いているなんて流石ね
そうよね…手を抜いて勝てる敵じゃない……」
N→
「正面から…?」
「はぁっ!!!」
N→
だが、それに合わせるように
その手にはいつの間にか腰から持ち直していた二丁のサブマシンガンが握られており、銃口を
「なに…!?」
『
N→
拳を突き出した構えのまま銃を高速で連射した。
回避の体勢をとった
放たれた弾丸が
「ぐ!!?」
N→
連射された銃弾が
「なんだ今の技は…?ぐっつ!!」
N→
射撃を受けた腹部を手で抑えながら血をぺっと吐き捨てた。
「攻撃と同時に撃つとはな……」
「考えたものでしょ?
…って言ってもこの技は元ネタがあるんだけれどね」
N→
そう、この技は
それを
だが
(
でも技としての完成度は高いと思ったわ
実際に
どこで思いついたのか、誰から教わったか知らないけど
なんにせよ攻撃は当てられた、助かったわ
……これで勝機は見えてきた)
「形勢逆転ね
どう?流石にノーダメージとはいかないわよね」
「っ……そうだな
思ったよりも効いた…
だが、たかが銃弾の攻撃だ
俺を殺すには不十分だったようだな」
「冗談でしょ?」
N→
多少のダメージは受けているようだが、あまり重傷ではないようだ。
「嘘でしょ…これでもまだ効かないっていうの?」
「そうだな…今のを何十回も受ければ危ないが
そう何度も撃てるほど弾が残っているのか?」
N→
あと2マガジン、30×2の60発。
当然ながら全くといっていいほど弾が足りない。
「………ほんとクソみたいな状況ね
これも効かないなんて……」
N→
もう
「万事休―――」
「
N→
近くのアジトの扉が開くのと同時に
出口からは傷だらけでボロボロの状態の
「よかった…!無事だったんですね!!!」
「
「これ……は………どういう事なんですか!?」
N→
多量の血を出しながら動かない
首を斬られ頭のない状態で倒れている
二人の死を察して
「ぁ…‥‥…!!な……なぜなんだ……!
「……」
「くそぉぉぉぉぉ!!!!」
N→
自分よりも年下で
「くっつ!!お前が…!!二人を殺したのか!!」
N→
既に満身創痍の
「こいつも防衛隊員か…中から出てきたということは……
まさか
「
「……!?」
N→
それに気づいた
「
「つ!!!」
「ぐはッ!!!」
N→
突如として
その蹴りを受けて
「と……
いったい……なにを……!?」
「……良いところに来たわね」
N→
勝田の近くまで寄るとかがんで何かを拾う。
それは
「そ………それは……………」
「これ、借りるわよ」
「……何をする気ですか!!?」
「……1つ聞くけれど
これを貴方が持っているということは隊長は死んだの?」
「……………はい」
N→
その表情を見て
「そういう事ね……だいたいわかったわ」
N→
「ぐ……!!」
「どうせ動けないんでしょう
そのまま見てなさい」
「それは…
「……さぁね?
あの科学者がその機能を入れていれば使えるかもね」
「それはどういう…?」
N→
「貴方の言ってたこと正直そんなに気にしてなかったけど
今だけは貴方の言葉を借りるわよ、隊長さん
いつだって…自分らしくあれ
だったわよね」
『装着』
N→
次第にスーツへ姿を変えていき、鈍く光ると完全に形成された。
「
「やっぱりね…残してると思った
これも計算通りってところ?
でもなんでもいいわ…せっかくだから思惑に乗ってあげる
いいのよね、
「なんだそれは?」
N→
少し眺めた後、なるほどと言った表情をする。
「そういう事か…
よく考えたものだな」
「へぇ、よくわかるわね」
「当然だ、わからないわけがない
カグラの血と
俺が一目見れば間違えたりしない」
「そうなのね…それについても聞きたいけれど
このスーツはあまり長時間戦えないのよ
ってことで始めましょう」
N→
その動きに合わせてサーベルようなものが飛び出す。
以前
片腕のみではなく両腕から出ていた。
「あれは…この前よりも進化している!?」
「いくわよ!!」
『デュアル・ブレイド!!』
N→
両腕から連続で繰り出す斬撃を
完全に抑え込んだかと思った
「なに…?」
「あら…やっぱりすごいわねこれ」
N→
いつ壊れてもおかしくないほどボロボロになっていた。
「まだまだ他にもあるのよ
見てみる?」
N→
「…凄まじいものだな
まさかここまでとは」
「次行くわよ」
『ソーン・ミサイル!!』
N→
「っ!!!」
N→
だが棘に刃を当てた瞬間、先端が大きな音をあげながら折れてしまう。
残った棘を避けるべく
だが、その回避の動きに合わせて間髪入れずに
「もらったわ!!
はぁぁっつ!!」
「ぐっつ!!」
N→
空中で大ぶりに振られた拳の一撃
「ぐぁっ……!!!」
N→
「アハハ!!流石に効いてるみたいね
流石…科学の力は偉大よね!」
「っ………確かに予想以上の力だ」
「どうする?武器がなくなって形勢逆転よ
今日は妖刀を持ってないようだけど
使わないと負けちゃうかもしれないわよ」
「……あれは今は手元にない」
「誰かにあげたの?」
「貸しているだけだ
あの妖刀は人に貸しても効力を保てるからな
だが…流石に刀がないとなると不利だろうからな
仕方がない…」
N→
「はぁぁぁぁあぁぁあ!!」
「何をするつもり?」
「はぁぁぁああ!!!!」
N→
それは
「はぁ………はぁ………」
「は………?それって…なによ」
N→
巻き付いていた触手のようなものは刀に吸い込まれるように消えていった。
「なにもないところから…刀を作り出した!!?」
「これをやるとスタミナを使うから避けていたが…仕方がないな」
N→
刀身が鈍く光っている。
その光り方は以前生徒会室で見た妖刀に酷似しているのだ。
だがあの時見たものと違い、光の強さは比べるのもおこがましいほど弱々しいものであった。
「それって…妖刀よね?
二つ目を持っていたの?」
「似ているように見えるが…これは違う
妖刀に似た何か…というべきの名もなきただの模造刀だ」
「そんなわけないでしょ
普通の刀はそう光ったり何もないところから生まれたりしないわよ」
「悪いがこれ以上は何も答える気はない
そして…これでお前には勝ち目がなくなった」
「勝ち目が…?どういう事よ」
「そのままの意味だ
お前はこの刀には勝てない
その兵器をどう使おうがな」
「一体その刀はなんなのよ…本当に何から何まで意味がわからない
せめてそれぐらいは教えてもいいんじゃないの?」
「死にゆく奴に答える必要性を感じない」
「ほんとケチな人…」
N→
「そんなに言うならこれでどう!!!?」
『デュアル・ブレイド!!!』
N→
だが修也はそれに対して刀を振るいながら技を繰り出す。
『
「うそ!!?」
N→
「くっ!!!」
『ソーン・ミサイル!!!』
N→
だがそれも
『
N→
「嘘でしょ、これも…!?」
「…!!!」
「うっ!!?」
N→
一気に
するといつの間にか
「ぐっ……嘘でしょ……この装備ごと斬るなんて!」
N→
幸いにも本体へのダメージは少ないが少なくとも完璧に直撃されていたら
もっと深い傷を負っていたであることが容易に想像できる。
「まさか…!?
あの少年は…一体何者なんだ!?」
「くそ……やばいわね……」
「外れたか……この妖刀の使い方がよくわかってなくてな
だがもう把握した
次は確実に当てる」
「そのようね……」
N→
おそらくこれが
(……ボロボロのあの人じゃ協力しても足手まといにしかならないわね
もうこれしかない…すべてをここに込める
それで勝てなきゃもうおしまいね)
N→
そしてその状態で棘を形成させた。
「お互い全力の一撃ってところね」
「そのようだな」
「どうやらこれで勝負がつくようね……」
「来い…」
「えぇ…行かせてもらうわ」
N→
空中で回転しながら銃を
「あの技は…
いや…違う!!?」
「
これが今の私の全力よ!!」
『
N→
引き金を高速で連打し、激しい連射を行う。
そしてそれに合わせて棘とサーベルを
そのサーベルと棘が銃弾の嵐の周りを回りながら発射され、銃弾を何度も何度も反射させ
その反射によりエネルギーが乗算され、激しい威力と共に
それが当たればいくら
だが
『
N→
それを
そして
それは最高威力の縦に振り下ろされる
真横に薙ぐように繰り出され、更にその威力、範囲、スピードはどんな技をも上回っていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
N→
ぼんやりとした意識の中、
(ここは……まぁなんとなく想像がつくけど……
負けちゃうなんてね……
………学園に入って実力を伸ばしたはいいけど
やっと見つけたと思ったら…それを逃がして
本命を見つけたかと思ったら…それより仲間とやらを優先して……
優先順位がなってないわね……何やってんだか)
N→
ここがどこなのか認識ができない。
走馬灯なのか、あるいは地獄なのか
それともそれ以外の何かなのか
今の
「パパ…ママ……ごめんね
仇撃ち……できなかった」
N→
そんな世界の中、
何度も聞いた耳に響くあの煩い声。
「うるさいわね…
ほんと……もっと静かに喋れないものなの?」
N→
再び
その声の持ち主は考えずともわかっていた。
「もう…いいわよね
深いことを考えるの…やめる事にしたわ
色々と…どうでもよくなった
後はあの口煩い人に任せることにするわ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
N→
血だまりの中、起き上がる力もないようで静かに倒れている。
「
N→
そして
「
「ぐ…………がぁ………あぁ………
……あーあ………負けちゃった」
「
N→
色々な感情が渦巻き合ったであろうその瞳を見て
「…なんて顔してんのよ」
「
あとは俺が戦いますから!!」
「はぁ………馬鹿ね
勝てるわけないでしょ
私が……
よく……考えたらわかるでしょ」
「でも……それでも!!
俺は……!!!
「仲間……だから見捨てられないって?」
「っ……!!そ…そうです!!
俺は…
俺は隊長になるって…だから……部下を……仲間を守らないといけないんです!!」
「ほんといつまで経っても暑苦しいわね……
前に変わったって言ったけど
あれ撤回⋯⋯するわ
変わらないわね⋯ずっと」
「それが…俺の戦う理由ですから………!」
「……!!?
ぷっ………ヒヒヒッ!アハハハハ!!!」
N→
その顔、その笑い方を
「
「………………デート」
「え?」
「前誘ってたでしょ………
よく行く…………バーがあるって……」
「あ……あぁ……はい
覚えてたんですね…」
「仕方が……ないから…………行ってあげるわよ」
「え…?」
「あれだけ…………色々…………聞いた……のよ
………私の………いう事ぐらい………聞いても…………いいでしょ」
「そ……それは…………はい!
俺でよければいくらでも!!」
「そうね……でも……………
今………は……………さ
つかれ………た………から………
また…………こん……ど…………………
………ね………………………………
………か…………つた………さ……ん…………
……………………………………………」
「………ッッッ!!!!!」
N→
そしてそれは残酷な真実を呟いた。
音声アナウンス(
『使用者の心音停止確認
生命反応ロスト
N→
ボロボロと形成されたスーツが剥がれていき、消滅した。
「…………………
N→
あの皮肉の詰まった言葉や、冷ややかな瞳すらもう見せることはない。
「………」
N→
ゆっくりと
刀をすっと向けるが
「抵抗しないのか?」
「俺は……………もう………いいんです
殺してください…………」
N→
ゆっくりと顔をあげる
その表情は絶望に染まっており
既に戦いの意志や生きる気力などは残ってなかった。
「抵抗しない奴を殺すのは俺の流儀に反する
死にたいのならば最後まで足掻いてみせろ」
「…もう………身体が………動かないんです………」
「………そうか」
「どうして………あなた達は……こんなことを………?」
「…………なぜ……か………」
N→
「これが決められた運命だからだ」
「決められた…………?
いったい…………だれが?」
「それがどうやら人類という種族の罪らしい」
「罪だなんて………俺達は…………
ただ……市民を……仲間を……守りたかっただけです………」
「さぁな……だが、お前らはいわば被害者だ
お前ら個人に罪があるとは俺も思わない」
「被害者………?」
「…話し過ぎたな」
N→
その時、遠くから大きな音が鳴る。
謎の男(
『エアロ・ストライク!!!!』
「!?」
N→
上空から振り下ろされるかかと落としを
だがその勢いは強く
「っぐ!!?」
謎の男(
「どらぁあああ!!!」
『パワー・フィスト!!!』
N→
着地した体勢のまま、男は渾身のストレートを
腹部にクリーンヒットした一撃を受けて
「ぐぁぁっつ!!
くっ⋯いったい……何者だ!?」
謎の男(
「ガハハ!!!これ受けて無事たぁ…テメェ!
ガキの癖してタフじゃねぇか!!」
「この一撃の威力……
的確な攻撃箇所の選別……
まさかお前は…?」
N→
謎の男は
「
謎の男(
「助けに来たぜ」
N→
その男の姿がはっきりと目に映る。
だがその男は
「あなたは……?」
N→
「お前がそうか……
防衛隊の伝説…豪鬼と呼ばれる伝説の隊員……
「坊主、俺を知ってるのか?」
「テロリストや犯罪者にお前を恐れる人間は多い
まさかそんな大物がここに来るとはな
防衛隊を辞めたとか死亡したとか噂が経っていたが…?」
「あぁ確かに防衛隊は辞めたぜ
今回来たのは個人的な頼みからだ」
「頼みだと?」
「そういうわけだ!
行くぞ坊主!!歯食いしばれ!!」
N→
「おおおおおおおお!!!!」
『
N→
だがそれを見ても尚、
まるで盾を殴りつけるように拳を繰り出した。
「どらぁああ!!!!」
「なに!?」
N→
そのまま
だが
「あ!!?」
『
N→
そして空を切ったかに見えた拳だが金属と硬いものがぶつかるような音が周囲に鳴り響く。
「おらああぁああ!!」
「っ!?…なぜ気づいた!!?」
「あ?決まってんだろ!!
勘だ勘ッ!!!」
「勘で当てられたら俺の技の意味がないな……」
(豪鬼……これほどとは
予想以上の実力だ…)
N→
「
「んだとッ!!?おおぉぉぉぉぉぉ!!!」
N→
上から振り下ろされる一撃に対して
横からの強い衝撃により振り下ろす一撃の威力が相殺され
「白刃取りだと!!?」
「こんなもんが効くわきゃねぇだろ!!」
N→
「………ここまでとはな」
N→
すると先ほどまで光っていた両目が次第に普通の目に戻っていった。
「……ふぅ
これは提案だが、この戦い見送ることにしないか?」
「ぁあ?なんだ坊主、逃げるのか?」
「どう捉えても構わない
ここで戦ってもお互いに得がないだろう
お前の目的は…どうやらその隊員を守るためだろうからな
手打ちを受け入れるのなら
これ以上そいつやお前に追撃をしない」
「………ちっ、いいぜ
さっさと行っちまいな」
N→
「……理解が早くて助かるよ」
N→
「退き際がいいとは…生意気なガキだな」
「………おわったのか?」
「おい、無事か?」
「…………は……い」
「あ?!お、おい!!無事か―――」
N→
戦いが終わった安堵からか
耐えがたい疲労に襲われるとそのまま意識が暗くなっていく。
目の前で倒れる
「
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
N→
それから3日後
先の任務の負傷により左腕をギプスと包帯で固定していた
彼は一人で霊安室の前に待機していた。
この後
同じ部隊であった
(……みんな死んでしまった
俺だけが生き残ってしまった……)
N→
顔には白い布が被されており、
4人の死を
未だ遺体を直視することができなかった。
(………どうしてこうなるんだ)
N→
すると廊下の奥から二人の人物が姿を現わした。
「あ………」
N→
その二人を見て
相手も
「貴方が…娘の隊の
「はい…」
「
「私は…
あの………主人は……この奥ですか?」
「はい……お二方とも遺体のご確認をお願いします」
N→
遺体が眠るベッドの前にそれぞれが立った。
そしてゆっくりと
「ぁぁぁぁぁ………あなた…
…なんでよ……‥よしえになんて言ったらいいのよぉぉぉぉ!
いやあぁぁあああぁぁあああ!!」
N→
ひろみはその場に膝をついて泣き崩れる。
すると
「ぐぅぅっ………こんのッ………親不孝もんが…!!!
馬鹿野郎ッ!!!」
N→
「こんな事になるんなら……軍人なんてやらせるんじゃなかった………
俺の……俺のせいだ………」
N→
二人が悲しみにくれていると
俯きながら
「娘の……最期は………どんな……最期だったんですか?」
「え………っと…………その……
おれ………自分は…………
合流したときには既に……息はありませんでした………」
「そうか………
娘は………娘が命を賭けた意味は……
本当にあったのか?」
N→
その言葉を聞いて
ぐるぐると駆け巡る感情を抑え、
「自分は……そう信じています」
「っぐ……………ありがとう………
ありがとう………ありがとう………!!」
N→
その言葉を聞いて
「自分は席を外します……
何かありましたらいつでもお声がけください……」
N→
長い間、二人が出てくるのを待ちながら
(俺は……なぜ生き残ってしまったんだ
身寄りもなく…弱いだけの俺が………)
N→
二人を訪ねる者はいない。
遺族とその後の手続きを行うべく霊安室を後にした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
N→
ここのバーテンダーの一人である
その責任に負い、店は営業停止処分を受けていた。
「………」
N→
そんな
見知らぬ音に驚きながらポケットから何かをゆっくりと取り出す。
その音の発生源は
「誰から…?」
「やぁ、
久しぶりだね」
N→
「悪いんだけどさ
今からこの
ちょっと改良案を思いついてね
今すぐにでも開始したいから頼めるかい?」
「わかりました……今から向かいます」
「それじゃあ自由に入れるようになってるからそのまま入ってきてよ
それじゃまた後でね」
N→
静かに俯く
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「お届けご苦労様だね
さぁて~どんな実践データがとれたかなぁ?
おっ?おおぉぉぉ!!?
こんないい戦いをしてたんだね二人とも!!
流石だね!!」
N→
「ふむふむ~新しく使用したツインサーベルは耐刃物との硬度に問題があり
ソーンミサイルの方は…こっちは4つだと足りなかったかな?
でもこれ以上だとスーツの持続限界に関わって―――」
「
「ん~そうだな
このままだと対A-Class想定が相手だと耐久性に不安要素が残る
新しく
今の副作用に対して、使用効率を上げるために……」
「
N→
だが
「なんだ?まだ居たんだ?」
「二人は……
「うん、知ってるよ」
「最後まで…自分の信念に従い戦い抜きました……」
「そうかい、それで何か用かい?」
「どうして……
「お、これは……なるほど現存の武器と併用して使用したんだ!
なるほど!これは面白い使い方だね!!
こういう用途を考えると武器と―――」
「なぜ…!!あそこまで
「ちょっと今それどころじゃないから後にしてもらえるかなー」
「ふざけないでください!!!」
N→
きょとんとした顔をしていた
「なんだい、急に怒り出して?
嫌な事でもあった?」
「
これが危険だったってことは…
「…あーーーー」
「それなのに俺らをまるで実験道具のように使うなんて――」
「………あのさ、
N→
すると女性のものとは思えない驚異的な握力を前に
「ぐ…がぁぁあぁああっつ!!!」
「なにか勘違いしてないかい?」
N→
「ふッ!!!」
「がはっつ!!!?」
N→
一瞬の出来事で何が起きたかわからなかったが
激痛と背中を打ち付けられて息が止まったことで状況を把握することができた。
「ぐ……こんな…力が……?」
「1つずつ訂正しようじゃないか…
まずさ、君は何を勘違いしてるか知らないけどさ」
N→
「人のせいにしないでもらえるかい?」
「ぐぁああああ!」
「君たちがここまで戦ってこれたのは
でもさ、その
普通なら前線復帰なんて出来ない状態だったんだ
彼たっての希望で戦えるように治してあげたのは私だ
それを叶えてあげたんだ
云わば私は恩人だよ
特異体の時だって
今回の件だってそうだろ?
それをなんだい?私のせいにしたいのかい?
まぁ別にどう思ってくれてもいいんだけどさ
君は感謝こそすれど責任転嫁されても困るんだよね
いや、一つ訂正しよう
君の感謝なんか貰っても嬉しくないからね
黙っててくれればいいのさ」
N→
「わかったかい?
君は私に対して多大なほどの恩がある
それを仇にして返そうが構わないけどさ
私を怨むなんてお門違いも良いとこだよ」
「……」
「確かに二人の事は多少なりとも気の毒だとは思ってあげるよ
けれどいつまでも死人の話をしてても仕方がない
過ぎた事をうだうだ言うのはみっともないよ
男らしくないね」
「過ぎた…こと……?」
「そうさ、もう一つ君の間違いを訂正しておこう
私の事を正義の味方か何かと勘違いしてるようだからハッキリ言ってあげるよ
私は私以外の人類の事を取引が可能な生物の一種族としか思ってない
人類が滅ぼうが、君たちが死のうが、あるいは無様に生き残ろうが
私には何の関係もなければ興味もない
私は常に研究のためだけに生きてるんだ
だから私に道徳を語ろうが時間の無駄なんだよ
あれだね、犬に論語というだろ
君と私では根本から考え方が違うんだ
それを理解したまえよ
改めて言おうか
私は君たちの味方じゃない
それだけは肝に銘じておきなよ」
「…………ッ」
「それじゃ私は研究に戻るから邪魔しないでよ
あ、そうそう
手間をかけた礼にお金でもあげるから美味しいものでも食べてきなよ
それじゃあね~」
N→
そのまますっと立ち上がると駆け足で部屋を出ていった。
残された
急にゆっくりと立ち上がり無言のまま建物を後にする。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
N→
土砂降りの雨が降る中、
傘を差しながら持参した花を各々の墓の前に置いていく。
手を合わせると
「
なんて伝えればいいか…すごく困ったんですよ……」
N→
「奥さんとお会いしました……とても悲しそうでしたよ……」
N→
「
とても厳しそうな方でしたけど……
N→
「
沢山あったんですよ………
まだタバコや……女遊びってのも……いつか教えるって……言ってたじゃないですか」
N→
最後に
「きっと…いらないって言うんでしょうけど……一応置かせてもらいますね」
N→
他の墓前と同じく花を置いた。
「………………」
N→
それを吸おうと箱を空けるが、手元にライターがない事に気づく。
「あぁ…ライター……買ってなかった
流石にお墓の前にタバコ置くのは…やめておいた方がいいですかね……」
N→
そうしていると、一人の男が訪ねてきた。
手に酒瓶を2つ持っており
1つずつ
「貴方は……あの時の…」
「師より先に死ねなんて…俺は教えてねぇぞ……馬鹿野郎どもが」
N→
その男、
「……それ貰っていいか?」
N→
「あ…はい!どうぞ」
N→
タバコを一本手渡すと、
「ふぅー…………はぁ……………」
「あの……
「おう、お前はあいつの弟子の……名前なんつってたか」
「えっと……俺は
「そういやそう呼んでたな」
「あの……こんなことを…突然言われても……困るかもしれないんですけど…」
「なんだ?」
「俺を…鍛えてくれませんか?」
「ぁ?」
「俺は…もう……こんな風に……失いたくないんです
その為には…力が必要です……
俺にできることならなんでもやる覚悟はあります…!
なので……その……俺を…鍛えてくれませんか?」
「…………」
「その…すいません………急にこんな話をして…」
「……話に聞いたまんまの奴だなお前は」
「…話?」
「あいつから頼んできやがってよ
お前を助けてくれってな
まったく…面倒なこと俺に押し付けやがって」
「そんなことを…
「あぁ…悪いが俺ぁ面倒なことが嫌いなんだ」
「そ……そうですよね……」
「弟子が師に頼み事とぁ生意気だがよ
俺に頭を下げて頼んできやがってな
筋通したアイツの頼みを断るってのは俺にぁできねぇ…」
「え、それじゃあ…!」
「望み通りビシバシ鍛えてやるよ
だがよ…泣き事や口答えは許さねぇぞ
それにきつかろうがしんどかろうが俺ァ手加減しねぇ
死ぬかもしれねぇぞ?」
「覚悟のうえです!」
「ガハハ!!!いい返事じゃねぇか!!
…それじゃ……早速始めんぞ!
着いてきな!!」
「はい!」
N→
計12部隊で行われたこの一件だったが
生存者は
たったの5名であった。
この事件は情報統制が行われたが情報はどこかの新聞記者によりリークされ
世間に知れ渡る事となる。
この犠牲に見合う成果を得られなかったことで
世間から防衛隊への支持率が急激に低下してしまう。
対して、今回の件の数日後に発生したクラスター対処を
相対的に
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
N→
その女性は
茜(
「
完璧に遂行して参りましたぁ!」
「成果はどうだった?」
茜(
「こっちに来たのが確か…30人ぐらいだったんですけど
全員殺しました!
もう余裕でしたよ!」
「そうか…よくやった」
茜(
「ありがとうございます!!エヘヘ!!」
「それで遥はどこにいる?」
N→
その名前が出ると茜はムスッとした表情を浮かべる。
茜(
「むぅ……遥は体調がわるくて先にどっか行っちゃいましたよ」
「発作か?」
茜(
「そこまでじゃなくて
ちょっと気分が悪い程度だって言ってましたよ」
「ならいい…先に遥と合流するぞ」
茜(
「あ、そうだ
どうしてすぐにあの大男を殺さなかったんですか?
まだ時間に余裕はありますよね?」
「確かに戦えば勝てるかもしれない
だがあいつはかなりの手練れだ
極地を習得するものとの戦いは油断できない
妖刀もない以上不確定要素を避けただけだ」
茜(
「そうだったんですね!
さすがは
そこまで見抜いていたんですね!」
「それもあるが…あの場のあいつは俺を倒すことが目的じゃなかった
そういう相手はなるべく殺す気はない」
茜(
「え~でもいいじゃないですか〜
あんなのいくら死んだって大丈夫ですよ?」
「………そうだな」
神ガ形ノ意思ニ背イテ 拾壱話 完
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・アドリブ演技に関して
この台本はアドリブを入れる事を前提として書いています
なので演者様方の判断で挟んで頂いて構いません
是非素晴らしい演技にアクセントをつけてください
しかし作風に合わないものはご遠慮ください
・性別変更や比率に関して
作者はあまり好ましくは思っていませんがある程度ならば可とします
そのある程度の境界線は他の演者様たちとの話し合いに委ねます
・特殊なものについて
台本を演じる際に読み込まないで演じる行為や
言語を変える、明らかに台本無視と取れる
特殊な行為をするものは認めていません
流石に読み込んで普通に演技してください
多分そうじゃないとこの台本は演じれないです
二次創作等、商権利用問題のある場合、質問や不明点ございましたら
作者のTwitter
https://twitter.com/kaguratizakura
のDMにてご連絡ください
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