神ガ形ノ意思ニ背イテ 玖話
登場人物名
32歳
大雑把な性格だが、部下を率いる防衛隊の一部隊の隊長。
説明下手でよく
任務中ではかなり頭が回り、戦場をかけている。
昔受けた負傷が今も身体を蝕んでおり
いつ死んでもおかしくない
24歳
熱い正義感と無鉄砲な若さを持つ新人隊員
士官学校卒の元警官であったが、
任務より目先の命を優先することが多く、危険な目に合うことが多い
射撃の腕も上がってきており、実力が伸びてきている
30歳
部隊の中では狙撃を務める事が多く、高い位置からの索敵が得意である
先の任務で足を負傷しており、現在は入院中である
29歳
渋谷のバーでバーテンダーをしている男性
とある事件により視力がほとんど無いらしい
49歳
大雑把でガサツな性格だが実力は確かで引退後の現在も英雄譚が受け継がれている
現在は記者をやっているようだが、身の上話をしないためどこに属しているかは不明
36歳
嫌味を言うような性格で
金こそ全てという性格の持ち主
射撃技術や統率能力は高く、そこだけを言えば
先の任務以降行方不明となっている
27歳
戦闘では弾幕を張ったり、他隊員の立て直しの時間稼ぎや
年齢不詳
マッドサイエンティスト気質な女性
未だ研究結果を世界に公表することなく、自身のみで使っている
現在はなにか新たな兵器を製造することにご執心の様子
19歳
学園を卒業し、何かの目的を以て部隊に所属した。
自分の実力を疑わず、隊員と特に
かなりの実力者で、
Nは→後のキャラ演者が読む
※所々交代があるので注意してください。かなり大変です。
・
突如世界に現れた「
Variant Hunt Army通称
自衛隊や警察組織と違い、独立した権力を持つ
一般人や学園卒業者の中で実力保有者が入隊することができる
・
2000年に突如現れた異形の生命体。
理由や目的は不明だが人類を脅かす存在。
現れた当初は世界でも数十体しか確認されなかったが、年々数を増やしていた。
出現方法も繁殖方法などは不明となっている。
生物が
一部では神の使い等と
・
その素性、人員、目的一切が不明のテロ集団
突如姿を現れては殺戮を行う事から市民から恐れられている
役表
白いコートの男&
Jack&(その正体)♂:
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
神ガ形ノ意思ニ背イテ 玖話
N→
数時間前に突如通達された緊急任務
危険度が高い任務は緊急任務と称されて隊員たちに通達される。
任務内容は
市民を脅かすテロリストらとの直接対決
あまりに突然すぎる緊急任務に不安と緊張を隠せない一同。
特に不安を煽っていたのは普段の任務よりも上質な支給武器の数々。
普段の装備は移動しやすく
だが今回は銃撃や刃物等を想定した重装備に身を包んだ5人は各々の武器の仕様を確認しつつ目的地へ着くまで待機していた。
普段使用している狙撃用のライフルではなく中距離戦闘を想定されたライトマシンガンを装備していた。
「なんだこりゃ…グリップでかすぎだろ」
「
その武器扱えそうですか?」
「いつものスナイパーライフルより短ぇがその分重てぇな
最初の数回は取り回しに苦戦しそうだが
やってりゃなんとかなんだろ」
「私も両手持ちの装備は久しぶりなので
訓練は受けてますが実際に使えるかは少し不安です」
「これだけの装備が支給されるというのは珍しいんですか?」
「かなり珍しいな
前に特異体が出た時もここまでは出なかったぜ
過去にこんぐらいあった時はクラスターの時だったか
まぁなんにせよ
そうそうこんな良い装備は渡されねぇぞ」
「それほどまで
どう思いますか隊長?」
N→
その問いに
黙りこくったまま一点に腕輪を見つめており
こちらの話が全く耳に入っていないようだ。
「隊長…聞こえてますか?」
「……」
「おい…
それ使うの―――」
「安心しろ!お前ら!
どんな奴が出てきても俺に任せておけ!
この
「…あんま無茶すんじゃねぇぞ
前みてぇにお前が最初に倒れられたら俺らも混乱すんだからな」
「わかってる」
N→
普段と違いその瞳には焦り、不安、そして怯えがあるように見える。
(
俺が早く敵を倒せば……
そしたら無理をさせずに済む…
そうすれば………
N→
「……」
(
貴女を人殺しにはさせません……俺が必ず止めて見せます)
N→
以前言っていた復讐相手がこの先にいる。
おそらく彼女はその人物を前にした瞬間
迷いなく引き金を引くだろう。
それが彼女が戦う理由なのはわかっている。
だが
「なぁ…お前ら聞いてくれ」
N→
全員は作業の手を止めて真剣な面持ちで
「今回の任務………
これは予想でしかねぇが、かつてないほどの危険な任務になる
下手すりゃ俺らは全滅することだってあるだろう…
だから……その……なんだ
アレだ…アレ」
「なんだ…?」
「いつも言ってますがアレじゃ全然伝わりませんよ」
「………頼む
…みんな……死なないでくれ」
N→
その言葉を4人は静かに聞いていた。
だが
「ぷっ!ハッハハハハ!
また随分と直球だなぁ!!
ってかお前が言えたクチかよ!」
「そうですよ!!
いつも隊長が言ってるじゃないですか
みんなを守って見せるって
私たちはそれを信じてます
そんな風に弱々しい隊長なんて…らしくないですよ」
「………そうだな
悪いな…柄にもなく弱気になってたみたいだ」
「しっかりしてください!
任務はこれからですよ」
「あぁ」
(
きっと二人も落ち着かないはずなのに……
そもそも…二人は
N→
そんなことを考えている
「わっ!!ど、どうしました!?」
「あまり対人戦は教えきれてねぇが…とりあえず頭にだけ入れておけ
相手は俺らを殺しにかかってくる
もしも敵を殺せるときがあれば迷いなく撃て
さもなければ撃たれるのは自分だ
必ず俺たちは勝って生き残らなきゃならない
「はぁ………それを私に言ってどうするの?
そんな事とっくにわかってるわ
他人の心配をする暇があったら自分の事でも考えてたらどう?」
「ふ……いつもながら手厳しいな
わかってるならいいんだ
「…わかりました!」
「敵はテロリストだ
油断も躊躇もするな
お前ら…気を引き締めてかかれ」
「了解!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
N→
同刻、
暗い部屋の真ん中にある円卓テーブルを囲うように三人が座っていた。
白いコートの男、黒いローブの男と並び
ボロボロの服を着た男が座っている。
その正体である
「防衛隊が0時過ぎにここを襲撃してくる
規模は12部隊、政府も絡んだ任務内容だ
武装も最上級のものが配備されるだろう」
Jack
「情報提供、感謝いたします
1つだけ質問をさせてください
――――――という隊員は動員されていますか?」
「あぁ?ちょっと待てよ……
あぁ~そいつは来てるぞ
で、それがなんだ?」
Jack
「いえ…作戦に不都合がないか確認をしたまでの事です」
「よくわからねぇが俺は命の危険を感じたら即座に逃げるからな!
それでいいんだろ?」
白いコートの男(
「好きにしろ
俺もあくまでディーラーを逃がす時間を稼ぐだけだ
それでいいんだろ
Jack
「……構いません
それが取引の内容ですから」
白いコートの男(
「たかが支部を相手に大層な戦力で攻めてくるもんだな
奴らはどうしたらいい?
全員殺した方がいいのか?」
Jack
「ディーラーさえ避難させられれば私たちの役目は終わりです
後のことは指示がありませんので自由にしてもよいのでしょう」
白いコートの男(
「そうか……相変わらず大雑把な指示だな」
Jack
「それが…あの御方の考えです
私たちはそれに従うまでの事」
白いコートの男(
「お前らはそういう奴らだったな
そっちの指示には従う
だが指定してないことは好きに行動させてもらう」
Jack
「えぇ……それで構いませんよ」
「じゃあ決まりだな!」
N→
話が終わるとその場から
「必ず奴が…
ここをお前の墓場にしてやる……
必ず殺してやる…お前の部下も仲間も…
皆殺しにしてやろう!!
…くくく!ははははは!!!」
N→
残った白いコートの男は
白いコートの男(
「なかなかに扱いづらい奴だな」
Jack
「上手く扱う必要はありません
彼の役目は既に終わっています」
白いコートの男(
「それもそうだな
……そういえば
Jack
「……お互いの詮索はご法度という契約のはずです」
白いコートの男(
「…それもそうだったな
聞いて悪かったよ」
Jack
「いえ…お気になさらず」
白いコートの男(
「じゃあ俺は一足先に持ち場に着かせてもらうぞ」
Jack
「よろしくお願い致します」
N→
1人部屋に残った
Jack
「あまり戦いたくはないですが…仕方がありません
…総てはカードの描くままに」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
N→
それから1時間後の隠れ家突入15分前
隊は各々の持ち場より少し離れた位置で指定時間まで待機していた。
そこに
「何考えてんだ?」
「あぁ……これ貰うぞ」
N→
近くの自販機で買ったばかりなのでまだ
「お、おい!!大丈夫かよ!?
熱くねぇのか?」
「あぁ………嫌な予感がしてな
どうにも落ち着かないんだ」
「
どこまで強いのかわからねぇ
お前から見てどのぐらいの強さだった?」
「以前…俺が戦った相手
そいつは俺よりも遙かに強い実力を持っていた
もし…あんなのが複数いるとなったら
いくらお前でも勝てるとは断言できねぇ」
「そこまでの相手か?
もし
「俺が戦った奴が相手なら…な
もしそれ以上の実力者がいるとなったら話は変わってくる」
「そうなってくると厄介だな
いくらなんでもあのおっさんより強ぇのは勝てねぇぞ」
「だが…俺にはこれがある」
N→
「お前それ……もうあと二回しか使えねぇんだろ」
「だがまだ二回ある
一回の起動で倒せばいい」
「絶対にそれを使うなとは言わねぇ
温存して負けちまって死んじまうよりはいいからな
だがな……お前……
だからと言ってそれ使って死んじまってもなんにもならねぇぞ」
「俺だってなるべくは使いたくねぇよ
だが…そうはいかねぇだろうな」
「…お前が死んじまったら俺らはどうすりゃいいんだよ」
「その時は少しの間、お前が率いてくれ
すぐに
だからそれまでは
「ふざけんなっての
そんな重ぇもんを押し付けてくんじゃねぇよ!
俺は楽だからお前のとこに来たんだぜ」
「お前にしか頼めない…頼む」
「お前って本当に我儘だよな
…わーったよ
だが確実にできるとは断言しねぇかんな
俺だってここを生き残れるとは限らねぇんだぞ」
「それでもいい、助かる」
「…もしお互い生きて帰れたら飯奢らせるかんな
俺だけじゃねぇ
ひろみとよしえの分もだからな」
「なるべく安い店で頼む」
「そりゃどうかな
言っとくが結構ひろみはグルメだからな
おっと…そろそろ時間だぜ」
「あぁ…行くか」
N→
別の場所では
そこに
「
「話が長くなると嫌だから手短にしてちょうだい」
「ぁ……はい……わかりました」
N→
「話しかけておいて急に黙るなんて斬新な会話ね」
「す…すいません!!
その…言葉が出てこなくて……」
「いいから早く話してくれない?
時間が勿体ないわ」
「どうして…俺に
「……」
「いつもの
「……なんでしょうね
私もなんとなく言っただけだから深い意味はないわよ」
「……なんとなくですか」
「で、それがなんなの?」
「俺…さっきの事……まだ信じられないんです」
「あら、そう
疑うぐらいならさっさと忘れたら?」
「い、いえ…!疑ってるわけじゃなくて!
その…なんて言えばいいんだろう
し…信じたくないというか
理解しがたいというか…」
「…それで?」
「
……面倒だとか……大変だからだとか
そんな適当な理由だと思ってました
でも……さっきの話を聞いて俺の中で合点がいったんです
「……」
「俺は不器用な癖にやりたいことが沢山あって
市民を守りたいとか…
でもそれと同じぐらい
まだ一番なにが大事かってのはわからないんですけど…
それが俺の…引き金を引く理由です」
「……へぇ、よくあの時の話を覚えてたわね
ちょっと気持ち悪いわ」
「気持ち悪いって…シンプルですね…
あの………それで…その…
今回の任務が終わったら…あの時のお礼をさせてください
前にも言ったかもしれないんですがおすすめのバーが―――」
「礼なんていらないわよ
恩を着せたつもりもないしね」
「そ…そうですか……わかりました」
「そろそろ時間よ
早く行きましょう」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
N→
それから数分後、突入まで残り1分
「俺たちは隠れ家の中枢に突入し
主要人物と思わしき人物の捕縛
または敵が抵抗の意思を見せた場合は即刻射撃してもいい
俺たちは必ず生きて帰るぞ!」
「即刻射撃…相手は人ですよね
咄嗟に撃てるか自信がないです……」
「難しいかもしれんがやるしかない」
「そうですね…覚悟しておかないと……」
「ちゃちゃっと終わらせてまた休暇を貰おうぜ」
「そうだな」
「そろそろ時間になります
5・4・3・2・1……」
「行くぞ!作戦開始だ!!」
N→
5人が進んでいくとすぐに各地で射撃音が鳴り始めた。
他の場所でも一斉に戦いが始まったようだ。
隠れ家は今は使われていない大きな公民館のような形状をしている。
地上より低い位置に入り口があり、窓や扉全てがシャッターで隠されており中が確認できない。
一同はその建物の入り口付近の壁に到着すると
それを確認すると5人は少し離れた位置に移動したのを確認すると
「爆破!」
N→
壁が崩れると人が十分通れる穴が空いた。
建物の中は広い一直線の長い道が続いており
一列になって間隔を空けながら先に進んでいくと突き当りに扉があることに気が付いた。
「扉だ…!突入するぞ!」
N→
扉を蹴破って開けると中は会議室になっていた。
部屋には向かい合うように扉が二つあり
たった今その扉が閉まる瞬間を目撃した。
そこには見覚えのある50代ぐらいの男性と黒いローブを着た3人がおり、その男を隠すように逃げていく。
「隊長!もしかしてあの人物が…!」
「ちくしょう!あと少し遅かったか!」
N→
その扉に
部屋の奥は入り組んだ通路となっており、どの道を通ったのかわかりづらくなっていた。
奥まで逃げていったようでこのまま追いかけても追いつかないだろう。
「このまま追いかけてもこの重装備では追いつくことはできません!
内部の構造がわからないので先回りも難しそうですが…どうしますか?」
「そうだな…
お前たちは地上から裏に回りこんでくれ!
俺と
「わかった!必ず無事でいろよ!」
「お前もな!」
N→Jack
「二人とも…気を付けてください!」
「
「貴方にだけは言われたくないんだけれど
心配の気持ちだけは素直に受け取っておくわ」
「それじゃあそっちは頼んだぞ!」
N→
三人は来た道を戻り、地上へと向かう。
曲がり角や人が通って行ったであろう痕跡を見つけながら進んでいく。
奥へと進んでいるとその途中、二人へ向けて数発の銃弾が撃ち込まれる。
「どこから撃ってきてるんだ!?」
「死角から…手馴れてるな…
この感じ…まさか!?」
「はっ!久しぶりだな!
N→
銃声が止むとどこからか声がする。
二人はすぐにその声の正体に気が付いた。
「この声は…!?」
「
「そこのテメェ…あの時の新兵だな?
お前のせいで俺は地位も資金も何もかも失っちまった…!
そのツケをここで払ってもらおうか」
「貴方が
到底許されることじゃないですよ!」
「許されるだって?
前も言ったが俺は俺のためだけに動く
阿呆の
N→
暗がりの中だがマズルフラッシュが最小限に抑えられたアタッチメントを付けているためか射撃地点が掴めずにいた。
音はあえて大口径の銃を使うことでこの狭い建物内で反響し、頼りにならない。
その辺りも計算したうえで
「どこから撃ってきてるんだ!?」
「
「ですが!一人では危険です!!」
「あいつは…俺がケリをつけたいんだ!」
「………わかりました!」
「ケリをつけるだと?
ふっ!本当に阿呆は困る
お前らごときに負けるわけがないだろ
次はそこの部下を殺す!!
その次は…わかるだろ!!?」
「んな事させるわけねぇだろ」
N→
10メートル先の物陰辺りに姿を捉える。
「居たッ!!!」
N→
銃弾を的確に避けて
だがそこに
「なっ!!居ない!!?」
「こっちだ!ウスノロ!!」
N→
背後から飛び出した
組み付かれたまま
「ぐっ!?」
「
「動くなよ?」
「ぐっ!!!?」
N→
「このままじゃ照準が…!!」
「テメェは上司が殺されるところを見ながら
最後の言葉でも考えてるんだな」
「クソっ!!」
「ざまぁないな!
自信ありげに突っ込んできやがって!
自分が優秀だとでも錯覚したか!!?
これだから阿呆は困る!!!」
「っぐ…!!貴様ッ!!
なぜ…ここまで落ちぶれやがったんだ!!」
「落ちぶれただと?
笑わせんな!俺はもとからこういう性格だ!
お前のように平和だの善意だの臭い言葉を掲げる単細胞にはわからねぇか?」
「ぐ…最初会った時から気に食わん奴だったが!
ここまで…クソ野郎だとはな!」
「そのクソに殺されるんだよお前は!
あ~そうだ!前のあの女
あいつも同じ隊だからな、来てるんだろ!?
今度こそ甚振ってから死にたいと願うまでゆっくりと苦しませてから殺してやるよ!
それを先にあの世から眺めてな!!」
「
お前のようなクズに会わせるわけがないだろ!!!」
「はぁ?調子にのるなよ!
この状況を考えてみろ
お前に選択権はねぇ!」
「ふざけるなぁ!!!」
N→
だが、その抵抗をいち早く察した
「うぐっつ!!?」
「
N→
そのナイフの刃先が
だがナイフごと
懐に向けて蹴りを繰り出した。
「こんのッ!!馬鹿野郎がァ!!!」
「うぐっ!!?」
N→
蹴りを受けた
だが態勢を崩されながらもホルスターから拳銃を取り出し、
ニヤリと笑い、引き金に指をかける。
「しまっ―――」
「貰った!死ねぇえぇ!!!!」
「ッツ!!!!?」
N→
銃声が鳴り響く。
その射撃を頭部に受けると、ドサッと音を立てながら地に倒れた。
N→
その頃、
3人は建物沿いを移動しながら裏側に向かって走っていく。
すると4人の黒いローブを着た男たちが建物の影から姿を現わす。
「来やがったぞ!!」
「
「ここは任せろ!」
N→
2人を抑え込み、刺客の足が止まる。
だが同時に
もう1人の刺客が
「
「ちょっとどいて!」
N→
それを受けて吹き飛ばされた2人のうち1人が
だが
「う…動かないでください!!う、動くと…撃ちます!!」
黒いローブを着た男(
「…ひっひひ!!ひゃあぁぁあっつ!!」
N→
反応が遅れた
「ぁっ!!?」
「何をしてるの!」
N→
銃声が鳴り響く。
「ぁ……!!?」
「こんな時に恐れてどうするの!
油断するなってさっき隊長にも言われてたでしょ」
「ご…ごめんなさい!」
「はぁ……謝罪を求めてるわけじゃないんだけど…」
「どらああぁあっつ!」
N→
その攻撃が命中したようで二人の刺客はそのまま倒れる。
強烈な一撃を受けて気を失っているようで手際よく
「いきなり襲い掛かって来やがったな…危なかったぜ」
「二人とも…すみませんでした」
「さっき
撃てる時は撃てって
そうじゃねぇと…死んでたかもしれねぇぞ」
「そうですよね……すみません
私が甘かったです」
「無理もねぇ…急に撃てって言われてもきついだろうからな
それよりも今回の任務…
相当危険なはずだが……さっきの相手といい
あまり手ごたえがねぇ…」
「あまり勢力は大きくないということでしょうか?」
「いや…そういう感じじゃねぇな
どっちかと言えば外れを引いた感じだな」
「外れを引いたというと?」
「ここは奴らの本拠点じゃねぇな
とはいっても一定数いるのは間違いない
だがただのアジトの一個ってだけなんだろう
こいつらは
ただの雇われの犯罪者集団だ」
「という事は…危険性は薄いということですか?」
「俺らも相当な数がいる
所詮ただのゴロツキや犯罪者相手じゃ武装も実力もこっちのが上のはずだ
流石に負けはしねぇと思うぜ」
「それなら少し安心しました」
「本当にそう思うの?
もし手練れがいたら数は問題じゃない」
「
「
なのに負けないだなんて早計としか言いようがないわよ」
「その通りだ…そうあって欲しいって思っちまってるんだろうな」
「でも…隊長には
あれで勝てない相手なんているんでしょうか?」
「居たら困るぜ…そんなのにどうやって勝ちゃいいんだか」
N→
3人が再び走りだすと少しして建物の反対側が見えてくる。
「そろそろ反対口に回れますよ…」
「かなり早く着いたな!
これで先回りはできたはずだ!」
N→
3人が反対側の出口であろう場所に着く。
そこには既に3部隊が到着していた。
だがその部隊は既に壊滅しており血だらけの死体が転がっていた。
「な…なんですか!?この死体の量は!!?」
「こいつら…俺らより先に突入した部隊だぜ…
もう全滅したのか!?」
「ひどい…まさかこんなに一気にやられるなんて!」
N→
「この傷…刃物でつけられたものね
それも圧倒的な技術よ
装備の隙間を確実に狙ってる」
「これをやった奴が近くにいるってのか…」
「待ってください!誰かがこっちに来ます!」
N→
その時、出口の扉が開く。
そこからとある男が姿を現わした。
「こいつ……!?」
N→
その男を
国会議員の一人である
彼は国会議員の中で保守派の一人であり
「防衛隊…手が早いものだな…」
「なぜ…テメェ!!政治家がどうしてこんなところにいんだよ!!」
「…姿を見られた
必ずこの3人は殺せ」
N→
黒いローブを着た刺客らは頷く。
二人の前に
「
「やっと…見つけた……お前が……!!」
「……?」
「嬉しいわ…この時をずっと待ってた…………」
「そうか、こいつが…
あの
「あら…私を知っているのね
なら単刀直入に言うわ
貴方を殺しに来たわ」
「ふっ…やれるものならやってみるがいい」
「言われなくてもそのつもりよ!」
N→
だがその銃弾を遮るように影が現れる。
その影は弾を弾き、
白いコートの男(
「お前たち先に逃げていろ
ここは俺がやる」
「ここは任せたぞ
白いコートの男(
「あぁ」
N→
「待て!!逃がす―――」
白いコートの男(
「動くな」
N→
白いコートの男は一瞬で
「っ!こいつ早い!!?」
白いコートの男(
「………」
「須加さん!離れて!!」
「くそっ!そうもいかねぇんだよ!」
N→
だが、すぐに白いコートの男は後方へ下がって距離を離した。
「随分と久しぶりね
……
「…
そういうお前は防衛隊にいたんだな」
「こんなところで戦うことになるとは…変な巡り合わせもあるものね」
「お前が防衛隊にいるのなら遅かれ早かれこうなっていただろう」
「それもそうね
私と貴方は最初から敵同士だったものね」
「
「一度しか会ったことはないけれど知ってるわ」
「…………」
N→
その見た目は成長しているが以前見た姿と変わらない。
「悪いんだけれど貴方と戦ってる暇はないの
放っておいてくれる?」
「なら、まずはお前が武器を下ろせ」
「懐かしいセリフね」
N→
2人は今すぐにでも戦いそうな雰囲気を出しているが
そこに
「ちょっと待ちな!」
「…」
「急になに?」
「
「任せてください!!」
N→
「二人とも一体なんのつもり?」
「お前には…あいつを追っかける理由があんだろ!」
「……なぜ知ってるの?」
「私たちが何も知らないと思ってるの…?
隊長から色々聞いてたのよ……
元々…こうするつもりだったの
何をするかもわかってる
良くない事だとも思う
でも仲間のためだからね…少しぐらいは目を瞑るわ」
「行けよ
今を逃したら次が来るかわかんねぇぞ…
俺らはお前とまだあんまり話した事ねぇしお前がどんな奴かよくわかんねぇ
でも相当な思いで復讐しようとしてんだろ
だったらそれを止めたりしねぇ
だが……生きて帰れ
隊長からの俺ら仲間全員への命令だ!
それぐらいは守れ!」
「また仲間……ね
………えぇ、わかったわ」
N→
「追いかけさせねぇぜ…
せめて俺らを倒してから行きな!」
「なるべくは倒されないようにしたいんですけどね!」
「追いかけるまでもない」
「なにっ…?お前の仲間じゃねぇのか?」
「仲間……そんなもの必要ない」
(なぜ…追いかけない?
こいつらにとって
「私たちは…このまま戦いますか?」
「そうだな…少しすりゃ
そこまで耐えれりゃこっちのもんだ
踏ん張るぞ!!」
「わかりました!!」
「……仕方ないな
かかってこい」
N→
対して
その動きを見た
使い慣れている者の取り回しだ。
「やべぇな………持ちこたえられっか?
…あんま自信ねぇぞ」
「
「俺と
「そ…そんなにですか!!?」
「死ぬ気で挑まないとやべぇぞこいつは…」
N→Jack
その時、
何か気に食わないといった表情をしながら後ろを振り返った。
「はぁ………………仲間ね」
N→Jack
なぜか
「なんかあった時は俺らを頼れよ
俺らはお前の仲間だ」
「何度思い出しても暑苦しい言葉ね……」
N→Jack
「だが…生きて帰れ
それが…隊長からの俺ら仲間全員への命令だ!」
「言われなくても死ぬつもりはないわよ
生きてないと復讐は果たせないでしょうが…」
N→Jack
「仲間のためだから…ね
何をするかもわかってる
良くない事だとも思う
けれど少しぐらいは目を瞑るわ」
「それはありがたいけれど…急になんの話だっていうのよ」
N→Jack
「どうしてって…仲間だからって言ったじゃないですか」
「仲間仲間って…本当にうるさいわね……
いやに気持ちが悪い言葉……」
N→Jack
未だ胸をざわめかせる謎の気持ちに説明が付けられぬままで。
「いちいちそんなことばかり言われちゃ気が悪いわね…」
N→
同刻、
一発の銃声が建物内に鳴り響く。
すぐにドサッと音を立てて
「……なにが…!」
「……………」
N→
おそるおそる
脳天には銃弾が撃ち込まれてあり、そこから血が流れ出ていた。
その表情は驚愕に満ちており瞬きを止めて硬直しており、完全に死亡しているようだ。
敵になったとはいえ、死なせてしまうのは不本意だったのだ。
「これは………まさかこんなことに…」
「……俺は……お前を心底気に食わなかった
だが……実力は認めてたんだがな………」
「
「ここで止まってても仕方がない…先を急ぐぞ!」
「…は、はい!」
N→
ぎゅっと拳を握った後、溢れ出そうな気持ちを抑えたまま
「
そろそろ出口でしょうか?」
「そうだな…そんなにでけぇ建物じゃない
流石にもう結構進んだはず…
……待て、誰かいるぞ」
N→
道を進んでいるとそこに一人の黒いローブを着た男がそこに居た。
今まで見た刺客らと違い、その男は目元を隠す仮面を被っており
こちらに向かって姿勢よく立っている。
Jack
「防衛隊の御二方
足を止めて頂きましょうか」
「なんだてめぇは
そこをどけ!さもなければ撃つ!」
N→
だがその男は動じる様子もなく不気味に真っすぐ立ち尽くしていた。
「…銃を向けられて動じねぇとは
こいつ…かなり強いぞ
気をつけろ」
「本当ですか…?俺たちで戦って勝てる相手ですか?」
「やってみなきゃわからねぇ…
だが相当な手練れなのは間違いない」
Jack
「…退いていただけませんか?」
「なに…?」
Jack
「我々の目的はここで殺し合うことではなく
ディーラーの退避にあります
それさえ完了すればここで戦う理由はありません
お二人もここで素直に退き下がってはいただけませんか?
もし退いていただけるのでしたらお二人に追撃は致しません」
「悪いがそれはできねぇ
任務なんでな
逃げるわけにはいかねぇんだ!」
Jack
「そうですか…」
「そういう事だ!警告はしたからな
悪いが撃つぞ!!」
Jack
「……」
N→
だが
「なにっ!?」
Jack
「交渉決裂ですね…残念です」
N→
その構えを見た
「あの構え…どこかで……」
「いくぞ
「は、はい!!」
N→Jack
そして場面移り
連撃を繰り出し
冷ややかな表情のまますべてを止められていた。
「防衛隊員…個々の力は大したことないと思っていたが
認識を改める必要があるな」
「上から目線で言いやがって…生意気なガキだな!!」
「
「わかった!」
N→Jack
その瞬間を見計らい
だがそれも
「そ、そんな!?この距離の射撃を避けるなんて!??」
「鬱陶しいな
なら…お前から狙うまでだ」
N→Jack
高速で移動した
だがそれに合わせて
「ぅ!!!?」
「…よく止めたな」
「そう簡単に仲間はやらせねぇよ!!」
「厄介な奴だな」
「撃ちます!」
N→Jack
後ろから発砲された射撃を避けた。
撃つところを自身の身体で隠したコンビネーションは絶妙で
普通であれば攻撃は避けることができないであろう。
だが、その銃弾が
すり抜けるようにその射撃が外れた。
「な…!?なんだ今の!?」
「これも避けられた!?」
N→Jack
その方向にはいつの間にか
銃弾を近くの大きなドラム缶を引っ張って盾のようにして弾いた。
「いつの間にあんなところに?」
「
ど…どういうこと?」
「タネはわからねぇが…こいつ色んな技をもってやがるぜ…
だが…なぜ本気で来ねぇ!
俺らを舐めてるのか?」
「そういうわけじゃない
俺の目的は足止めだ
お前らの生死など俺に関係はない」
「だから本気を出さずに遊んでるってか!!」
「俺はわざわざ虫を潰すのに本気を出すほど馬鹿じゃない」
「ちくしょうが…!!」
「残り4マガジンです…このままでは無駄に弾を消費してしまいます」
「援護は助かるがいちいち呼びかけてこなくてもいいぜ
それで読まれもするだろうしな」
「で、ですが万が一にも誤射をしてしまったら……」
「大丈夫だ、なんとか避けてみせる」
「わかりました…
「とはいえそういう問題の実力差じゃない
…しゃーねぇな
こっちも本気で行くぞ!」
N→Jack
1秒間の「極地」を発動させ、その構え隙を発見した。
「「極地」を使えるのか
…思ったよりも実力があるみたいだな」
「いくぞ!!!」
『ツイン・スピア』
N→Jack
現在の構え方で守りにくい部位である左の脇と右の腰
そこに向けて必殺の2連撃を放った。
これを回避するのは至難の業
だが
続く右の腰への攻撃を軸足をずらして大きく踏み込むとそれも避けてしまう。
「……中途半端な完成度だな」
「なっ!?嘘だろ!!」
「援護が…間に合わない!!」
「終わりだ!」
「
N→Jack
首が一刀のもとに飛ばされてしまう。
そう思った瞬間、銃弾が
その射撃を咄嗟に刀で弾くと攻撃を止めて再び後ろへ飛び下がる。
「今のって!?」
「危ねぇっ…!!助かった!
…ナイスだ
「い、いえ!私じゃなくて―――」
N→Jack
そこには
「……
「なんで…どうして戻ってきたの!?」
「どうして…?さぁなぜでしょうね」
「貴女がずっと探してた相手なんでしょ!
どうして…!?」
N→Jack
その言葉を聞くと
自分の行動をよく理解していない様子であった。
「私だって行こうとしたのよ
でもどっかの熱い二人の声が頭に響くほど煩くてね
気が逸れたから戻ってきたわ」
「どっかの二人ってそれ……ハハハ!
お前…意外と面白いやつだな」
「ありがとう
でも私は貴方たちのこと面白いとは思ってないわ」
「やっぱり生意気だぜお前」
「それが
いきなり
「
「はははは!流石にあんなのが二人もいたら俺らも疲れちまうぜ!!
…ってことだ!
3対1になっちまうが悪く思うなよ!」
「好きにしろ」
N→
その頃、
だが
だが
「ちくしょう!なんだこの感じは……撃ちにくい!」
「
「まだだ!抵抗してくるまで待て!」
Jack
「やはり心優しい方だ…
ですがそれでは命を落としますよ」
「やはり…?どういうことだ?
俺はお前を知らないぞ」
Jack
「…ただの独り言です
それではいきますよ」
N→
言葉で言い表し難いプレッシャーを感じているのだ。
「くそっ!なんだこの感覚は…!!」
「
「戦うしかないだろ!いくぞ!!」
「わかりました!!」
N→
だがその一撃が当たる直前勢いよく銃を弾き飛ばされてしまう。
「なっ!!!」
Jack
「ふっ!!!」
「ぐああっつ!」
N→
倒れかけた
「うぉぉぉっつ!!」
Jack
「良い動きですね!ですが!!」
「なにッ!!」
N→
その勢いだけを逃がされた
その際に蹴りを腹部へと受けて吹き飛ばされてしまう。
倒れた
「ぐッ…!!」
「
「ぐっ……俺は平気です!
それよりこいつは…!」
「あぁ…相当強ぇな……
明らかに俺らよりも技術が上だ…
どうするか……」
N→
ある考えが頭に浮かび上がってくる。
答えの分からぬモヤモヤとしたものが戦う気持ちを削ぐように駆け巡っていた。
(なんだ…この違和感は……
何が気になるんだ…こいつの動き……どうしてあの人を思い出してしまうんだ)
「
N→
「それは…!!?」
「大丈夫だ!少し改良が加えられたらしくてな…
それならこいつは倒せるはずだ…」
「そ…そうじゃなくて――」
「俺にしかこいつは倒せねぇ
必ず勝って見せるから心配すんな!」
「違うんです!!!
N→
大声を出す
「
もう……戦うことだって本当はできないんだって……」
「知ってたのか…」
「知ったのはついさっきの事です…
やっぱり本当なんですね」
「…………………そうだ」
「なら、ここは俺がやります!
…
「
「俺を…隊長にさせたいんですよね!
だったら…まだ教えてもらわないといけないことが山ほどあるんですよ!
今死んだら……俺は……誰に教えを乞えばいいんですか………
俺は…不器用です
…教えてくれる人が居ないと……すぐに迷ってしまいます
だから俺は…
いつになっても一人前にはなれません!」
「…………」
「だから
「ダメだ」
「なぜですか!?」
「
俺の事を気遣ってくれてんだろ
だがな…部下ってのは上司の背中を見て育つもんだ
俺や
あのおっさんの背中を追ってここまで来た
だからこれは意地みたいなもんでな
お前に見せてやりてぇんだよ
俺がこいつに勝つところを」
「で…ですが!!」
「それにこれは上官命令ってやつだ
お前はそこで見てろ」
「っ!!」
「そういうわけでタイマン張らせてもらうぞ
待たせて悪かったな…」
Jack
「お気になさらず」
「案外良い奴なんだなお前……!!
行くぞ…いつだって自分らしくあれ」
『装着!!』
N→
次第にスーツへ姿を変えていき、鈍く光ると完全に形成された。
その色は以前のとものと少し違い黒みがかかった色をしている。
Jack
「その力は…?」
「いくぞ……
N→
拳を握りしめて強く足を踏み込むと跳躍しながら勢いよく前へ出た。
その速度は人間が出せるような速度ではなく
更には以前の
だが
Jack
「っぐ…!!?…力が格段に向上している…!?」
「まだまだいくぞ!!」
N→
だがそれを寸でのところで回避した
すぐに壁まで追い詰められてしまう。
Jack
「…くっ!!?なんてパワーとスピード……まさかこんな兵器があるとは…」
「トドメだ!!」
『パワーフィスト!!!』
Jack
「ッ!!!!!?」
N→
それは風を切る音を鳴らしながら
だが
数歩下がる
「え……今の技は!!!?」
N→
「今のは…
なぜこいつが!!?」
「銃を奪っただと!?
だが…構わん!まだまだ行くぞ!!!」
Jack
「…っ!!!!」
N→
だがそれを
「効かんッ!!」
「銃弾が通らない!?」
「これでトドメだ!!」
『スイングアッパー!!!』
N→
振り子のように大ぶりに振りかぶった拳を
予想外の追撃に反応が遅れた
Jack
「ぐぁぁああっ!!!!?」
N→
「どうだ!!これが
「……まさか……この仮面の人って……」
「
言ったろ!俺は勝つってな!!」
「あ……あぁ…はい!
そうですね……流石です!」
「なんだ…急にどうした?」
「あ、いえ…!ここまでの強さ…
一体何者だったんだろうと…思ったので……」
「そんなに気になるのか?
まぁそうだな…そこで倒れてるから顔を見てみればいい
ついでに手錠をかけて捕縛しておいてくれ」
「わかりま―――なにっつ!!?」
N→
仮面はヒビが入っており立ち上がる際にピシッと音を立てて割れてしまう。
仮面は壊れてしまいそのまま地面へと落ちて、その顔が露わになる。
その顔は
「お…お前は!!?」
「な………なぜ…………」
Jack
「……………」
「どうして貴方が!!?」
Jack
「………姿を見られてしまいましたか」
「どうして貴方が
N→
「
「……………このようなところで再会するとは……
非常に残念です……」
「まさか……
「………」
「いつから…ですか!!?」
「…………」
「答えてください!!!」
「
「そんな……なぜ……俺に…
…技を…教えを………力を与えたんですか……」
「…………」
「こいつが…お前の師匠なのか……」
「…………はい」
「お前……なんのつもりだ……
俺の部下を勧誘でもするつもりだったのか……
いや違ぇ…そんなことはもうどうでもいい
なぜお前が……
「…………」
「確か…
「……私は…………貴方と同じですよ」
「なに?…どういうことだ?」
「あの事件で死にかけ…
経緯は違いますが、選択の余地が私にはありませんでした」
「…だからテロリストに力を貸してるってのか!!?」
「最初はそうでした
ですが…今は違います
私は私の意思で
もう…以前の
「
一体なんのためですか!?」
「それは…貴方たちにお答えすることはできません
ですが……一言で言えば…………贖罪です」
「意味が解らねぇな
テロ行為をしておいて何が贖罪だ…!
所詮お前がやってることは犯罪だろ!!」
「理解していただきたいとは思っていません
おそらく話してもわからないでしょう」
「俺を……鍛えたのは…何のためだったんですか?」
「………」
「なぜあんなにも真摯に俺を教えてくれたんですか…?」
「……理由は特にありません
ただ…隠すつもりはなかったんです
それだけは嘘ではありません」
「ですが……なぜ貴方ほどの人がテロリストに…!!」
「理由はもうどうでもいいだろ…
わかるのはこいつは人類の敵であり、俺らの敵だ
そして俺の部下や仲間にも危害を加える害悪そのもの…
ここで必ず倒す…」
「人類の……敵……」
「…………」
「
わかってるだろうが…こいつは敵だ
下手な情けをかけるんじゃねぇぞ!」
「倒す………わかりました…」
「どっちにしても…お前に俺が倒せるのか?
「今のままでは無理でしょう……
ですがここからは私も手加減できません……」
N→
「…
目撃者は…全員殺してください」
「なっ!!?」
「貴様……本当にここまで落ちぶれやがってたとはな……」
N→Jack
数分前に戻り
槍による刺突と柄を使った殴打を振りかざし
だが
だがそこに間髪入れずに
「はぁっ!!」
「ちっ!」
N→Jack
そのまま連続で繰り出される蹴りや拳を防御していた。
攻撃を何度も当てているのだが
「前は途中で終わったけど
今日はあの時の続きができそうね」
「懐かしい話だ
お前もその頃よりは腕を上げているようだな」
「あら?お褒めの言葉…ありがたく受け取らせてもらうわ!!」
「そうか…!」
「うッ!!」
N→Jack
その一撃を受けた
その回避に合わせて
だがその瞬間、
「どらああああっつ!!」
「っ!」
N→Jack
「ちっ…!」
「
「わかってるわよ…!」
『
N→Jack
だがそれが当たる直前、
その弾丸は当たったように思えたが外れてしまっていた。
「これは…あの時の!?」
「今のも避けるのか!?」
『
N→Jack
斬撃を振り下ろそうとする。
だがその瞬間、数発の銃声が鳴り響いた。
「っ!!?」
「当たった!!」
「ナイスだ!!」
N→Jack
銃弾が当たった一瞬の隙をつき、
「いいぞ!
「いえ!先ほどの指示があったからです!」
「だがなぜ俺らには姿が見えなかった?」
「そういう事…大体わかってきたわ
あの技は私たちの感覚を狂わす技だった
だけど戦いの基礎が足りてない者には効果が薄かった」
「基礎が足りてないって……ハッキリ言うわね」
「だが…そのおかげで勝てたんだ!
結果オーライだよ!よくやっ―――」
「流石に3人の連携となるときついな」
「なにっつ!!?」
「嘘‥!!なんで立ち上がれるの!!!?
N→Jack
その表情を見るにあまり効いていないようで涼しい顔をしていた。
「…まさか効かないなんて」
「……いくらなんでも1対3はやりづらいな」
「どういうことだ…!!?
俺の槍先も
なんで怪我のひとつもしてねぇんだよ!」
「流石は
「…!?お前…なぜそれを?」
「私だって無知じゃない
お得意先から色々と聞いているのよ」
「………」
N→Jack
少し驚いた顔をしていたが、すぐに真剣な顔へ戻った。
その時、
「何の用だ?」
「…
目撃者は…全員殺してください」
「そうか…わかった」
N→Jack
先ほどとは違い、明確な殺気を乗せた目に威圧された
「…おいおい!さっきまで本気で戦ってなかったのかよ…
「さぁね…でも一つだけ言えるのは
「あそこの生徒会…まさかそんなに優秀な人間がなんで
「さぁ…?でも…私は以前この男に負けてる
私もその頃よりは腕をあげたとは自負してたけど…
悪いわね…こいつがここまで腕を上げてたなんて誤算だったわ」
「
そんな相手に勝てるの…?」
「…ここでお前達を殺すことにしよう」
「……不味いわね
二人とも………油断したら一瞬でやられるわよ」
「あぁ…そうだろな…
さっきから身体が震えて仕方ねぇ…
「二人がそこまで警戒するなんて…
私にはわからないけど…きっと強者にだけわかるオーラを感じ取ってるんだ…
隊長……………」
N→
場面切り替わり
その小瓶の蓋を開けると、中に入っている液体を飲み始めた。
「あ…あれはいったい?」
「急に何をし始めやがった?」
「ぐぅっ!!!?」
N→
顔中の血管が浮き出るほどに力を込めているようで
俯くように顔を下ろし表情がわからなくなる。
「なんだ……? 一体何を飲んだんだ?」
「ぐっ……はぁぁぁぁぁぁっつ!!」
N→
苦しみ悶えていた
頭から少しずつ白みがかっていく髪が全体にいきわたると同時に
「……………はぁ……はぁ……」
N→
ゆっくりと
息が荒くなっていたが、すぐに落ち着いたようで最後に大きな一息をつくと
深呼吸を止めた。
「
「……この力が………やはり素晴らしい」
N→
その瞳は緑色をしており、白目の部分はひどく充血していた。
「……ふふ、
口から血が垂れていますよ」
N→
その時に違和感に気がついた。
「
もしかして……目が視えるんですか!!?」
「えぇ……始めまして…そのようなお顔をされていたのですね」
「もう…ほとんど視えてないって……」
「はい…視えてませんでしたよ
でも今は違います
ハッキリと視えています」
「どういうことだ…あの小瓶の液体
中は一体なんだったんだ?」
「それはお答えできません
残念ですが…ここで御二方を殺させていただきます」
N→
「……
「…なにが起きたか知らねぇが
…決着をつけるとしよう!」
「ここからは…
「……なんだか知らねぇがぶっ倒してやる!!」
「
俺が止めないといけないんだ…!」
N→
視点移り
数的有利な現状に対して不敵に笑うその表情には余裕が浮かび上がっているようにみえた。
「さぁ死ぬ気でかかってこい。防衛隊」
「油断するなよ…二人とも!」
「わかりました…!」
「えぇ…そっちも無駄死にしないことね」
N→
戦いはここから更にボルテージを上げていく
この戦いの結末は
ひどく残酷で救いがない
これは悲劇の物語
戦いの後に残された絶望の物語
救済を求めてただひたすらに戦う隊員たちの物語
神ガ形ノ意思ニ背イテ 玖話 完
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・アドリブ演技に関して
この台本はアドリブを入れる事を前提として書いています
なので演者様方の判断で挟んで頂いて構いません
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・性別変更や比率に関して
作者はあまり好ましくは思っていませんがある程度ならば可とします
そのある程度の境界線は他の演者様たちとの話し合いに委ねます
・特殊なものについて
台本を演じる際に読み込まないで演じる行為や
言語を変える、明らかに台本無視と取れる
特殊な行為をするものは認めていません
流石に読み込んで普通に演技してください
多分そうじゃないとこの台本は演じれないです
二次創作等、商権利用問題のある場合、質問や不明点ございましたら
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