神ガ形ノ意思ニ背イテ 漆話
24歳
熱い正義感と無鉄砲な若さを持つ新人隊員
士官学校卒の元警官であったが、
任務より目先の命を優先することが多く、危険な目に合うことが多い
29歳
渋谷のバーでバーテンダーをしている男性
とある事件により視力がほとんど無いらしい
ミハル
12歳
かつて
その過去から
本来は友達思いで素直な性格だが相手が大人となると口が悪くなる
アオト
12歳
ヒマリの幼馴染
途中で転校してきたミハルの最初の友達
ミハルの
幽霊やオカルト話などが好きで
その1つである下水道に現れる影を確認すべく
忍び込んだ際に
ヒマリ
12歳
アオトの幼馴染
ミハル、アオトとは友達同士で今のところ恋愛感情はない
無茶をしがちなミハル、アオトが放っておけず一緒に行動している
19歳
学園を卒業し、何かの目的を以て部隊に所属した。
自分の実力を疑わず、隊員と特に
かなりの実力者で、
Nは→後のキャラ演者が読む
※所々交代があるので注意してください。かなり大変です。
・
突如世界に現れた「
Variant Hunt Army通称
自衛隊や警察組織と違い、独立した権力を持つ
一般人や学園卒業者の中で実力保有者が入隊することができる
・
2000年に突如現れた異形の生命体。
理由や目的は不明だが人類を脅かす存在。
現れた当初は世界でも数十体しか確認されなかったが、年々数を増やしていた。
出現方法も繁殖方法などは不明となっている。
生物が
一部では神の使い等と
・
その素性、人員、目的一切が不明のテロ集団
突如姿を現れては殺戮を行う事から市民から恐れられている
役表
ミハル不問:
アオト不問:
ヒマリ&
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
神ガ形ノ意思ニ背イテ 漆話
N→
暗い部屋の中
小さな灯りを中心に集まる3人の子供たち
彼らは地面に地図を広げて何かの作戦会議をしているようだ。
ミハル
「それじゃ…あとは武器を集めないとだな」
ヒマリ
「武器って言ってもどうしたらいいの?
子供じゃ銃は買えないし」
アオト
「そうだよねぇ
いくらなんでも包丁じゃ大人だって倒せるかわからないよ」
ミハル
「安心しろ
良い作戦がある
新宿にとある店があるんだ
そこに張り込みをする」
アオト
「え?張り込んでどうするの?」
ミハル
「そこは射撃場がある店なんだ」
ヒマリ
「でもそこに私たちがいっても銃は買わせてくれないでしょ」
アオト
「そうだよミハル
前にそこで盗むって話もしたけど警備員とかしっかりしててダメだったじゃんか」
ミハル
「馬鹿だな、そうじゃない
あそこには銃を外でも持つような防衛隊の人も出入りしてる
そいつらの中で1人でいるようなマヌケなやつを狙って倒せばいいんだよ」
アオト
「でもそんなに上手くいくかな?
相手は大人だよ?
僕らじゃ3人ともやられちゃうんじゃ…」
ヒマリ
「そうだよね…」
ミハル
「大丈夫だ、俺に考えがある」
N→アオト
視点移り
幸いにも内蔵や血管などに損傷が少なく、あの事件から1か月ほどで早期退院する事となった。
日課である射撃訓練場を借りることにした。
指定位置に立ちながら持参の銃を取り出し、的を狙って射撃する。
以前と比べて成績が上がっており、今日は特に毎ゲームごとの平均成績が良い日であった。
「あと1つ!!」
N→アオト
最後の一つを狙い撃つ。
電子音と共にスコアがモニターに映し出される。
スコアは自己ベストを更新する最高得点であった。
「よしっ!最高記録だ…!」
N→アオト
今までほぼ毎日のように見かけていた彼女だったが今日は珍しくいないようだ。
「そういえば
退院したきり見てないな
……考えてても仕方ない
もう一度だ」
N→アオト
再び成績はよく、ここ数日の調子はかなり良好だ。
「これなら……いける」
N→アオト
ここ数日の調子の良さは彼に自信を与えていた。
「まだ15時か…
N→アオト
入店した
「
あの…今日ってこの後空いていますか?」
「はい、あと40分ほどで終業になります」
「もしよければまた特訓をしていただきたいんです」
「構いませんよ
それでは終わり次第一緒に向かいましょう」
「ありがとうございます!」
N→アオト
40分ほど軽くワインを飲みながら待ち
私服に着替えた
歩いている最中、
「なにかよい事がありましたか?」
「え?どうしてですか?」
「行動と話し方に以前よりも自信が滲み出ていましたので」
「そ、そうですか!?本当に
実は最近調子がよくて
銃の腕も日に日に上達してる実感もあって少し気分がよかったんだと思います」
「なるほど……」
N→アオト
「今日の稽古内容が決まりました
それでは到着ですね」
N→ヒマリ
「病み上がりでしょうが
修行のレベルを一段階あげましょう
今日はいつもよりも激痛を負う事になるかと思いますので覚悟をしておいてください」
「えっ!?レベルを上げるって…なぜ急に?」
「
ですが慢心に近い今のままではあまり良い事ではないです
ですので、心を打ち砕く形にはなるかと思いますが
いつもより現実的な技を教えていきましょう」
「現実的…というと?」
「以前教えた
あれは敵の武器を奪い、それを使用する技です
それとは違い今度は他の武術を教えましょう」
N→ヒマリ
それに合わせて
「わかりました…それではよろしくお願いします」
「始めましょう
本日教える技は
相手の身体へと直接的に攻撃を与える技になります
まずは格闘を仕掛けてきてください」
「格闘…!殴りかかるということでしょうか?
わかりました!!
はぁぁっつ!!」
N→ヒマリ
相手の胸へと繰り出すその拳が当たる直前
拳が
「っぐああああぁああ!!いっ!!なんだッ!!この痛みは!!」
「これは相手の攻撃に合わせて反対から力をぶつけてダメージを与えることで関節を外す技です
今
「お、俺の…!関節が外れて…ッ!!?」
「痛いでしょう、力を一度入れてください」
N→ヒマリ
激痛を耐えるように力を入れていた
その瞬間、
「痛っ!!………あ、あれ…?
痛みが…徐々になくなって……」
「関節を元の位置に戻しました
次第に痛みは引いていくはずです」
「な…いったい何をしたんですか?」
「貴方の繰り出す拳の向きと反する方向へ腕を曲げさせました
反発する力が一気に関節へと向かい腕の関節が外れたのです
今は手加減をしたので外れただけで済みましたが、本気を出せば相手の骨を曲げてしまうことも可能です」
「ま、曲げるって…骨を折るってことですか!?」
「相手の力と自身の力を作用させ相手の強固な防御や骨すら砕く技
私はそれを
「こんな技があるなんて……」
「この技の有用な点は相手との体格差がある場合でも効果的な事です
相手がこちらより一回り二回りも大きい場合であっても
この攻撃を耐えることはできないでしょう」
「二回りって…この技は
「相手次第といったところですが、体格の小さな
倒せるかどうかは
「まさか…ここまで凄い技をまだ持っていたなんて……
「………」
「あ…すいません!急に何者かなんて…無礼ですよね」
「構いませんよ
……そうですね、以前の私はただの兵員でしたが
このような技を得たのはつい最近の事です」
「兵員…もしかして
「えぇ、ですが今はもう辞めています」
「そうだったんですね…理由を聞いてもいいですか?」
「この目ですよ」
「あ、あぁ…そういう事だったんですね
ありがとうございます!色々と教えていただいて!」
「構いません
それでは話の続きをしましょう
この
「なるほど…本当にすごい技です……ですが俺が覚えれるでしょうか?」
「これの習得難易度は
習得には理論的な部分を理解することが大事で
それさえ理解してしまえば後は再現するだけになります」
「理論…さっき言った力の向きとかですか?」
「えぇ、当然の事ですが力と力の衝突は一方的な力よりも強い衝撃を生み出します
それは日常生活で起こりうる交通事故や人同士の正面衝突がよい例ですね
これを利用し相手の部位へと攻撃する技
それが先ほどの
そうですね、まずは一つずつ教えていきましょう」
「はい!お願いします!」
N→ヒマリ
目の前で実演しながら説明をし、一時間をかけて理論を教え実際にやってみる事になった。
|勝田 信二《かつたしんじ
「いつでもお願いします!」
「それでは行きます
ふっ!!!」
N→ヒマリ
その攻撃は胸に当たり、一瞬呼吸ができなくなったのだ。
「ガハッツ!!
……くそ!まったく見えなかった…!」
「もう一度です」
「ゴハァッ!!
くそっ!全然見えない…!」
N→ヒマリ
何度も倒されてるが一向に攻撃に対応できなかった。
座り込んだまま考えていると
「ありがとうございます
まだ全然つかめないです
俺になにが足りてないんでしょうか?」
「
なので新しいことや迷ったことを考えすぎて
情報を得てから行動するまでにタイムラグがあるんですよ
なので今のような咄嗟の際には攻撃が回避できなくなってしまっています」
「咄嗟に…でもそういうのって難しいものではないんですか?」
「えぇ、相手との実力差があれば不可能な場面というのも出てきます
ですが
これは
「弱点……
そう…なんですかね…」
「あまり納得できませんか?」
「いえ!そういうわけじゃないんですが…
その…俺はそんなに……弱いのかなって
また…わからなくなりました
最近調子がよかったので…俺自身かなり成長したと思ってたんですけど…」
「はい。確実に上達はしています
ですが今はその成長速度に対して心が追い付いていません
油断や慢心は時に自己評価を偏らせます
なのでここで一度挫折をしていただこうと無茶な修行をさせてしまいました
申し訳ございません」
「い、いえ!謝らないでください!
俺が…油断してただけなんですから」
「私の伝えたい事と少しずれてしまいました
一度休憩しましょう」
N→ヒマリ
「
上達したとは言っていただけましたが…本当に俺は強くなってるんでしょうか」
「……」
「俺は…どうしてこんなに不器用なんでしょうか」
「
「戦う…理由……?」
N→ヒマリ
その答えはまだ一向に出てこないものだった。
「貴方の思う一番大切なこと、それはなんですか?」
「大切なこと……」
「今の貴方はそれを見失っています
色々なものを思い悩む中で真っ先に目指していたもの
それを思い浮かべてください」
「俺が…大事にしてたもの……多分…強くなることだと思います」
「強くなってどうしたいのですか?」
「え、強くなって……えっと……その先までは…」
「
それが何か、まずは思い出すことが貴方への最適な修行になるでしょう
今日の修練は終わりにしましょう
ここから先は自分で導き出していただかなければなりません」
「自分で…ですか?でも俺は……答えがまったく見当もつかなくて」
「人は迷った際に何かしらの指針を持っています
たとえば森に迷った際には月を
時間を知りたいときには時計を
そして、重い決断をする際には大事なものを
それが何か、それは誰かに教えられるものではなく
自分自身で思いつくものでなければなりません」
「自分自身で……」
「それでは今日のところは私はお暇させていただきます
また後日、答えが分かった際は店をお尋ねください」
N→ヒマリ
鍵を閉めると
残された
「俺が……大事にしているもの……わからない
一番大事なこと…一体なんだ
全然思いつかない」
N→
呟きながら俯く
ヒマリ
「あ、あの!すみません!!
私たちの友達を助けてください!」
「え!?助けるって何かあったのか?」
アオト
「裏路地で遊んでたら物が倒れて下敷きになっちゃったんです!」
ヒマリ
「どうか助けてください!」
「わかった!すぐ案内してくれ!」
N→
ヒマリとアオトは走って路地へ進んでいき
二人が路地を進んで行き止まりに辿り着くと急に足を止める。
「その下敷きになった子はどこにいるんだ!?」
ヒマリ
「えっと……」
ミハル
「はぁっつ!!」
N→
急に物陰から飛び出したミハルは鉄パイプで
「うっ!!」
N→
その一撃を受けて頭が朦朧とした
アオト
「よしっ!成功したぞ!」
ミハル
「早く隠すんだ!急げ!」
ヒマリ
「う、うん!わかった!」
N→
その声を聴いていた
それから1時間後
ミハル、アオト、ヒマリら一同はゴミカートを押しながら隠れ家へと入る。
そこは何かの目的で使われていたであろう用具入れのような小屋で
小屋内には様々な道具が置いてあり、その中にあるパイプ椅子をミハルが持ってきた。
ゴミカートの中に隠した
そして
ミハルは腰に隠すようにつけられているホルスターを外し、取り付けられている軍用ナイフと警棒、そして拳銃を手にとる。
アオト
「おおお!それが拳銃なんだ!僕にも持たせてよ!」
ヒマリ
「すごい!ねぇ私も触ってみていい?」
ミハル
「危ないから間違えて撃ったりすんなよ」
N→
アオトとヒマリは興味津々で銃を眺めていた。
ヒマリ
「思ったより重いんだね…」
アオト
「そりゃそうさ!エアガンなんかと違うんだ!本物だぜ?」
ヒマリ
「でも大丈夫だったのかな…この人防衛隊の人でしょ?」
N→
ポケットから出てきた防衛隊ライセンスを見てヒマリは不安そうな顔をする。
ミハル
「大丈夫だって
こんなぼーっとしてる奴なんか誰も気にしねぇよ」
アオト
「でもさ…これって犯罪だろ
流石に警察とかにバレたらヤバいでしょ」
ミハル
「警察だの防衛隊だのうるさいな!
あんな使えない奴らどうだっていいだろ!!」
N→
ミハルが声を荒げると二人はしおらしくなる。
ミハル
「ひとまず武器は手に入ったんだ
もうこれでいつでも行ける!」
アオト
「そうだよね…でも今夜もう行くの?」
ミハル
「このおっさんが捕まったのがバレて捜索されたら厄介だ
なるべく早く動かないと」
ヒマリ
「そうだけど…夜って何時に行くの?」
ミハル
「そうだな…日付が変わった0時すぐに出発する」
ヒマリ
「えぇ…その時間家から出れるかな……
パパ門限きびしいから大丈夫かなぁ」
アオト
「僕のところもそうだよ
9時過ぎは家から出ちゃダメって言うからさ」
ミハル
「そんなの抜け出せばいいだろ」
アオト
「逆にミハルは大丈夫なの?」
ミハル
「……俺は―――
施設の消灯時間に抜け出せばいいだけだ」
ヒマリ
「あ…アオト!ちょっとは考えて言いなよ!」
アオト
「ごめんって!そんなつもりじゃなかったんだって…
ミハル…ごめん」
ミハル
「どうでもいいよ…
それよりまず一旦アオトの家に行って最後の作戦会議だ
懐中電灯を取りにいったりもしないとだからな」
N→
そんな話の最中、
そこには先ほどの二人と自分の拳銃を持つミハルの姿があった。
「君たち…なぜそれを持って!
……あれ…なんで俺縛られて…?」
N→
この子供たちが自分を襲ったのだと状況を理解する。
「君たち!その銃はオモチャじゃないんだ!
それにこんな事をしていったいどういうつもりなんだ!」
アオト
「それは…なんでもいいだろ」
「なんでもいいわけないだろ!
それは危険なものなんだ!
人を傷つける武器なんだぞ!」
ミハル
「知ってるよ、これで人が簡単に殺せるってことぐらい」
N→
奥に拳銃を持ったまま座る男の子は立ち上がると
「それを使って何をする気なんだ?
犯罪をしようとしてるのか!?」
ミハル
「お前には関係ないだろ」
「それで強盗や犯罪をしたら君たちがどうなるかわからないの―――」
ミハル
「だから!関係ないって言ってるだろ!!」
N→
ミハルは近くに転がる鉄パイプを持ち、縛られた
「うがっ!!」
N→
アオト
「ちょ!ちょっと!流石にまずいって!!」
ヒマリ
「そ…そうだよ!!流石に怪我をさせるのは……」
ミハル
「お前らもだまれって!
こいつはたかが防衛隊のおっさんだ!どうでもいいんだよ!」
「たかが………一体どういうことだ?」
ミハル
「ウザいなぁ!もうッ!!」
N→
再度鉄パイプで
ミハル
「もうここはいい!行くぞ!!」
ヒマリ
「待ってよ!この人はどうするの?」
ミハル
「ほっとけって!どうせ誰か助けに来んだろ!」
N→
そう言ってミハルは部屋から立ち去っていった。
アオト
「待ってよミハル!」
N→
アオトとヒマリもそれに続いて部屋から出ていく。
「お、おい!待て!戻ってこい!
くそっ!もうどっか行きやがった!
どうするか…この状態じゃ助けも呼べないよな」
N→
しばらくの間、
目を瞑ってなるべく力を使わないようにして助けを待つことにした。
それから少し経ち
ミハルら三人はアオト家の部屋で話し合いをしていた。
バッグに銃や懐中電灯を入れた後地図を広げ、マーカーで目印を書いていく。
ミハル
「この武器を入れれば準備は終わりだ
今日の0時に近くにある公園に集まってから向かうぞ」
アオト
「わかったよ
もしかしたらちょっと時間かかっちゃうかもだけど待っててよ」
ミハル
「あぁ、ヒマリもそれでいい?」
ヒマリ
「うん……でも本当に大丈夫かな……」
ミハル
「大丈夫だって言ってるだろ
これを使うのは俺なんだ
二人は懐中電灯で照らすだけでいいからな」
アオト
「うん、わかった
それじゃあまだ時間あるけどどうする?」
ヒマリ
「まだ七時過ぎだもんね」
ミハル
「そうだな…この後結構大変な一日になるだろうから少し寝ておこうぜ
後で親が起こしてくれるだろうからそれまで一旦休憩しよう」
ヒマリ
「そうしよっか
私、あんまり夜更かししたことないから心配だったんだよね」
アオト
「え~ゲームとかするんじゃダメ?」
ミハル
「この後眠くて失敗するなんてなったらダメだろ」
アオト
「そうだけどさ~ちぇっ
わかったよ、僕も寝る」
N→
ミハルが真っ先に横になる。
アオトとヒマリもそれに続いて床に寝転がると少しずつ眠気が襲い掛かってきた。
ミハル
「…………………」
N→
二人が眠ったのを見てミハルは薄っすらと目を開ける。
そしてミハルは音を立てないように立ち上がるとぼそっと呟いた。
ミハル
「ここまでありがとう
あとは俺がやる」
N→
それから少しして
アオトとヒマリは誰かの声で目を覚ます。
アオトの父親が部屋に起こしに来たようでアオトを揺さぶって起こしていた。
アオト父(
「おい、アオト!起きろ!!」
アオト
「ん………ぁ……なに?」
アオト父(
「何じゃなくてもう20時だぞ
そろそろヒマリちゃんも帰りなさい」
ヒマリ
「もう…20時
わかりました…帰ります
ミハル帰ろ…」
N→
ヒマリがミハルの方を見るとそこにミハルの姿はない。
二人がきょろきょろと部屋を見ているのを不思議そうにアオト父が見ている。
アオト
「あれ…?トイレにでも行ったのかな?」
アオト父(
「何言ってんだ?ミハル君はもう先に帰ってたぞ」
アオト
「え?帰ったっていつ!?」
アオト父(
「1時間ぐらい前だったか
ちゃんと挨拶して帰っていったから間違いないぞ」
アオト
「え……待って荷物は!?」
N→
アオトは部屋中を見渡すが武器の入ったリュックがそこにはない。
先ほどマークした地図だけは置いてあるがそれ以外の荷物だけが忽然と姿を消していたのだ。
その状況を察したアオトの顔はひどく青ざめる。
アオト
「もしかして!ミハルは一人で行ったんじゃ!!?」
ヒマリ
「え!!?そんな…まさか!」
アオト
「やばい!行くぞ!!」
N→
アオトとヒマリは急いで立ち上がるとアオト父を押しのけて部屋から出ると玄関に走っていく。
アオト父(
「おい!アオト!どこ行く気だ!?
もう夜だぞ!!!」
アオト
「今それどころじゃないの!!」
ヒマリ
「行くってどこに行くの!?」
アオト
「あのおじさんのとこだよ!!
行くぞ!!」
ヒマリ
「うん!!」
N→
アオトとヒマリは外へ飛び出す。
真っ先にアオトは
アオト
「流石に1人じゃまずい!大人の力を借りないと…!」
ヒマリ
「大人って…あの人に頼むの!?
でも私たちの話を信じてくれるかな…」
アオト
「それでもそうするしかないだろ!他にどうすればいいっていうんだよ!」
ヒマリ
「わ…わかった……」
N→
アオトとヒマリが急いで隠れ家に入ってくる。
そこには
床に倒れている
「君たちはさっきの…何しに来たんだ!?」
アオト
「あ…あの!さっきのミハルって友達を助けてください!」
ヒマリ
「お願いします!!」
「ちょ…ちょっと待ってくれ!助けるって
一体なにがあったんだ?」
N→
アオトとヒマリは
頑丈に巻き付けたため苦戦しているようだ。
アオト
「ミハルが…その……銃をとったのに理由があって…!
あいつは…1人で化け物を倒しにいったんです!」
「化け物って…まさか……
ヒマリ
「はい…!ミハルはそれで武器を手に入れるために…おじさんを襲ったんです」
「武器って…あんなのじゃ
ヒマリ
「で…でも……拳銃があれば勝てるってミハルが!」
「どこから聞いたか知らないが
あの拳銃はあくまで護身用であって
アオト
「じゃ…じゃあミハルはどうなるんですか!?」
「くそっ!なんでそんな無茶をした!!
防衛隊に連絡をすればいいって学校でも習わないのか!!?」
ヒマリ
「そ……それが………」
N→
ヒマリは手を止めて俯く。
ヒマリ
「ミハルは…防衛隊が大嫌いなんです」
「防衛隊が嫌い…?」
ヒマリ
「ミハルは…2年前に私たちの小学校に転校してきたんです
その理由が…ミハルの親は……
「
アオト
「助けを呼んだけど…防衛隊は間に合わなかったって……
だからミハルは大人が嫌いで…
それで…自分たちの力で倒すってずっと言ってたんです」
「でも…なぜ
アオト
「実は1か月前に他のクラスの子が下水道に探検にいったときに幽霊の声を聞いたって噂話をしてて」
「下水道?」
アオト
「学校からちょっと離れたところに河原があるんだけど
道路沿いのところに大きな穴が空いてて
そこから下水道に繋がってるんだよ」
ヒマリ
「そこに幽霊が出るって噂をしてて
とはいっても元々危ないところだから先生とかも行かないようにって言ってたのと
皆怖いの嫌いだからって本当に行く人はいなかったんですけど…」
アオト
「ぼ…僕が気になって一人で行ったんだよ……
そしたらそこで見たんだ!
でかい化け物がいるのを…」
ヒマリ
「それをミハルに言ったら先生や親に言うなって…
自分たちの力で倒すんだって言ってたんです…」
アオト
「最初は遊びだと思ってた…
でもおじさんを襲ったときに……本気でやるつもりだったなんて……知らなかったんだよ!!」
「っ……!くそ…」
N→
アオトとヒマリがロープを外し終わる。
ある程度ガムテープもなくなると
ガムテープをちぎって脱出すると、
「場所は知ってるか?」
ヒマリ
「こ…これです!」
N→
ヒマリは地図を
地図を広げて場所を確認すると
アオト
「待って!おじさん!どうする気なの!!」
「俺は今から助けにいく
君たちは親でも誰でもいい
今からいう番号に連絡をしてくれ」
N→
携帯番号の数字を言うとヒマリは持っていたメモ帳に番号を書いていく。
ヒマリ
「あの…この番号は一体?」
「それは俺の上司に繋がる番号だ!
わかったか?」
アオト
「で…でも僕たち携帯持ってないんだ」
「だったら家に一度帰って
親に頼むんだ
俺は…今すぐ助けにいく」
ヒマリ
「待って…おじさん!
おじさんの武器…今どこにもないんです…
もしかしたら全部ミハルが持って行ったのかも」
「それでも助けにいく!
あと…それと!
俺はおじさんって歳じゃない!
お兄さんだ!わかったか?」
ヒマリ
「は…はい!」
N→
地図を見ながらその方向へと向かう。
「ガキんちょ!無事でいろよ!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
N→アオト
その頃、ミハルは河原の下水道入り口前に到着していた。
懐中電灯を手に持ち、銃をポケットにしまった状態で中へと入っていく。
ミハル
「ふぅ………はぁ………はぁ………」
N→アオト
ミハルは深呼吸をしながらゆっくりと歩みを進めていく。
暗闇の中いつどこから化け物が現れるかわからないため緊張と恐怖心で動悸が激しくなる。
ミハル
「はぁ………はぁ………どこだ……」
N→アオト
いつでも銃を取れるように警戒しつつ進んでいると遠くで何かが壁にぶつかったような物音がした。
ミハル
「あっちか!?」
N→アオト
音のした方へと早足で進む。
何度か鳴る音を目印に道を進んでいくと
ちょうど目の前の曲がり角の先から音がしている事に気がつく。
ミハルは覚悟を決めてライトで照らした。
だが、そこに
ミハル
「あれ…?いない?」
N→アオト
道の奥や辺りを見渡すがそこには何もいない。
一安心からほっと息が漏れる。
その漏れだした感情に気づいたミハルは奮い立たせるように自分の顔を叩く。
ミハル
「なんで安心してんだ…俺は化け物を倒しに来たんだぞ……いなきゃダメだろ」
N→アオト
ミハルは自身の臆病さにため息をついてぼんやりと天井を見上げる。
その時、天井の暗がりに何かが蠢いているのに気がついた。
懐中電灯をおそるおそる照らす。
そこにいたのは天井に張り付く大きな蜘蛛の見た目をした
ミハル
「うわああぁああっつ!」
N→アオト
ミハルは懐中電灯を落とし、そのまま腰が抜けるように尻餅をついた。
ミハル
「て!天井にいるなんて!!」
N→アオト
ミハルは銃を構える。
その手は震えており、銃口は定まらない。
ミハル
「うあああああああ!!」
N→アオト
ミハルは引き金を引く。
だが、弾は出ない。
ミハル
「な……なんで!!?」
N→アオト
銃には安全装置があり、誤射防止のため
素人が拳銃を使用する際に弾が出ないということの理由としてよく挙げられるものだ。
ミハルは焦って引き金を引くが一向に発射されなかった。
ミハル
「なんだよこれ!!?不良品かよ!」
N→アオト
ミハルはゆっくりと後ずさりしていくが、背後に壁が迫ると絶対絶命の状態となってしまう。
ミハル
「くそっ!!こんなとこで死ぬのかよ!!
いやだ……俺は!こいつを倒すって決めたんだ!」
N→アオト
ミハルは覚悟を決めて正面から殴りかかる。
それどころか
ミハル
「ゴハッツ!!!!」
N→アオト
ミハルは壁に背中から叩きつけられる。
地面に倒れた際に身体中が擦り切れ、血が至るところから滲み出す。
ミハル
「痛っ…!痛ぃ!痛ってぇ!!」
N→アオト
ミハルは立ち上がると目の前に蜘蛛の
蜘蛛の
ミハル
「ちくしょう!!なんでこの銃撃てないんだ!」
N→アオト
ミハルは銃を持ち、本体の側面を見る。
そこに小さなレバーのような部分があり、それを動かすとカチッと音が鳴った。
ミハル
「そっか!?これが邪魔してたんだ!
くそーーッ!!当たれ!!!」
N→アオト
ミハルは銃を向けて引き金を引く。
目の前まで迫っていたため、いくら不慣れな子供であろうと射撃は命中する。
だが予想以上の反動に拳銃は後ろへと吹き飛ばされてしまった。
ミハル
「あっ!!銃が!!」
N→アオト
だが蜘蛛の
そしてドサッと身体ごと倒れると動かなくなった。
ミハル
「や……やった!!倒した!!
倒したんだ!!」
N→アオト
ミハルは喜びのあまり痛みを忘れて立ち上がると、ガッツポーズをとる。
ミハル
「やっぱり…大したことないじゃないか!
アオトやヒマリがビビりすぎだったんだよ!」
N→アオト
その時、
ミハル
「ぐあああぁあっつ!!」
N→アオト
吹き飛ばされたミハルは地面を転がりそのまま倒れてしまう。
痛みに耐えながら顔を上げると
ミハル
「な……なんで!!?
今銃を…当てただろ!?」
N→アオト
先ほどと違い敵意を向けた視線でミハルを噛み砕こうと大きく口を開いた。
ミハル
(し…死ぬんだ……俺は……こんなとこで……)
ミハル
「くそぉぉぉぉぉぉっ!」
N→アオト
目の前に飛び出してきた男がミハルを抱えて横へと飛んで回避した。
「っぐ!!おいガキんちょ!大丈夫か!!?」
ミハル
「お前…さっきのおっさん!なんでここにいるんだ!」
「あの子たちから話は聞いた…なんて無謀なことをしやがるんだ!」
ミハル
「お前に何がわかんだよ!
防衛隊は俺ら家族を助けてくれなかった!
俺の家族は…お前らに見殺しにされたんだよ!その気持ちがわかんのかよッ!!」
「……わかるさ
俺も…似たようなことがあった」
ミハル
「…似たようなこと?」
「元々俺は警察だったんだ
だが、警察は市民を守らない…弱くて守れないんだ
その時、俺は絶望したさ…世の中クソだってな
だがそんな俺を助けてくれた人がいたんだ」
ミハル
「だから何だよ……結局助かったんじゃないか!
俺は父さんも母さんもあの時に失ったんだよ!!」
「あぁ…だから全部わかるとは言わない
だけど少しはわかるつもりだ」
ミハル
「わかったような口を利くなよ!!
俺らみたいな子供にやられるようなおっさんに言われたくねぇよ!」
「そんな俺ですら
ガキんちょがどれだけ頑張っても倒すことは無理だ」
ミハル
「無理だと…!!じゃあなんだったんだよ!!」
N→アオト
ミハルはぽろぽろと涙をこぼす。
悔しさに唇を噛み締め、絶望に満ちた嗚咽をあげながら振り絞った声を出した。
ミハル
「じゃあ……俺は何のために………
俺はあいつらを倒すために……復讐するために…!
それだけを考えて生きてきたんだ!!
もう…俺にはそれしか生きる意味がないんだよ!!!」
「馬鹿野郎!!!」
N→アオト
その言葉を聞いた
ミハルはその気迫に押されて言いよどむ。
「…俺の仲間にも同じことを言ってる人がいる
だけど俺は復讐しかないなんて
そんな事…ちっとも理解できない」
ミハル
「じゃあ……どうしたらよかったんだよ……」
「ガキんちょ…お前いくつだ?」
ミハル
「12だけど…」
「俺は24歳だ
お前の倍も生きてる
だが俺だってまだ生きる意味なんか考えたことねぇぞ」
N→アオト
蜘蛛の
どうやら臆病な性格のようで、
「生きる意味……そんなもん
死ぬときにでも考えたらいい
今は…明日強くなることを考えりゃいいんだ!」
N→
体格差は
その為、少しだけ押し込むことに成功した。
「この図体のままの強さ!いける!!」
N→
攻撃は効いているようで
「だが…このままじゃ有効打がない!どうしたら…!!」
N→
相手を倒す手段を考えたその一瞬
油断したその瞬間に蜘蛛の
「うぉっ!!」
N→
咄嗟に上体を曲げて回避した
「ぐわぁああっつ!!」
N→
蜘蛛の
ミハル
「ひっ…!!お、おい!おっさん!!」
N→
ミハルは呼びかけるも返事はない。
ミハル
「くそ!!口だけかよおっさん!!
ちくしょおおおお!!!」
N→
ミハルは立ち上がろうと気力をあげるも一向に立ち上がれない。
その時、奥の道から二人が走ってくる音が聞こえた。
アオト&ヒマリ
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
「やぁぁぁぁぁぁぁっつ!!」
N→
二人は鉄パイプの先端に軍用ナイフをグルグルと縛った即席槍を二人で持ち、同時に走って
ミハル
「アオト!!ヒマリ!!なんで!!?」
アオト
「なんでって…!助けにきたんだよ!」
ヒマリ
「そうよ!私たちで化け物を倒すんでしょ!!」
ミハル
「馬鹿!!逃げろ!!」
N→
そして三人を見つけると怒りを露わにした鳴き声を出した。
ミハル
「お前達だけでも逃げろって!!」
アオト
「やだよ!!置いてくなんてできるかよ!!」
ヒマリ
「そうよ!!絶対にいや!!」
N→
三人は徐々に追い詰められる。
もう武器はないため三人は恐怖のあまり泣き出す。
「おおおおおおお!!!」
N→
雄たけびをあげた
ミハル
「おっさん!!」
「悪い!油断した!!」
N→
ミハル
「どうして…逃げればよかったじゃんか!どうして助けに来たんだよ!」
「俺は…防衛隊の隊員だ
市民を守るのが俺の責務だ!」
ミハル
「カッコつけんなよ!お前…勝てるのかよ!!」
「確かに…俺は弱いさ
同じ隊の中でも経験は一番浅い
実力だって新人の仲間に100回やって100回負けるらしい
そんな俺じゃ誰も倒せないのかもしれないな」
ミハル
「じゃあ――」
「だがな…!
ガキ見捨てて逃げるほど腐ってねぇよ…
それに…たとえ弱くても……
それでもお前達を守ってみせる
その為なら弱くたって勝ってみせる!!」
N→
何かが変わったような気配を3人も感じ取っていたのだ。
「おぉぉぉぉッ!!!」
N→
「まずい!!!」
N→
「あれは…!
でもあれをどうやって取るか…!」
ミハル
「おっさん!!これを!!」
N→
ミハルは銃を
「俺はおっさんじゃねぇ!お兄さんだ!」
N→
殴りつけた衝撃で
その拳の突き出しと同時に手に持った銃の引き金を引いた。
「おらああ!!」
N→
その瞬間を逃さず
「喰らえぇぇぇぇっつ!!!!」
N→
壁を蹴って進む勢い、それに反撃するように突撃を仕掛けてくる
その刺突により頭に深く槍が突き刺さり
完全に死亡したようだ。
「や……やった!!初撃破だ!!
よっしゃぁぁあ!!!見てたかガキんちょ共!!」
N→
「怪我はねぇか?」
アオト
「僕たちは大丈夫です…」
ヒマリ
「私もです」
ミハル
「俺は見たらわかるだろ…」
「馬鹿野郎が…死にに来たようなもんだぞ
生きてたのは運がよかっただけだ!
これより強かったら俺じゃ勝てなかった
わかってんのか?」
ミハル
「わかってる…俺じゃ勝てなかった…
でもじゃあ…どうしたらよかったんだよ!!」
「復讐だとか…俺はよくわからねぇ
だけどそのお前の気持ちだけで友達を危険に晒すんじゃねぇよ!
お前の大事な友達だろうが…」
ミハル
「大事な…友達……」
アオト
「ごめん…ミハル
僕らさ……最初からミハルを1人で行かせるつもりなかったんだ」
ミハル
「は?…どういうことだよ?」
ヒマリ
「私たちね…化け物倒すとか……そういうのどうでもよくって
ただ…ミハルと一緒にいたかっただけだったの…」
アオト
「だから…何かあったら大人を呼ぼうと思ってたんだ……ごめん」
ヒマリ
「ごめんなさい…騙してたわけじゃなかったの
ただ…ミハルが心配で……」
ミハル
「そう…だったのか」
「いい友達持ってるじゃねぇかよ
そういうやつは一生大事にしろよ」
ミハル
「言われなくても…わかってるよ……」
「ぷっ…はははは!」
N→
ミハル
「なにがおかしいんだよ!」
「わるぃ…お前根性あるなって思ってな
今時ガキで戦おうとするようなのがいるもんなんだなってな」
ミハル
「ガキで悪かったな…!」
「どうしてもあいつらと戦いたいならまずは勉強して
その後、鍛えて鍛えて鍛えまくれ
そっから防衛隊に来い」
ミハル
「防衛隊……俺が?」
「お前の中にある正義心
忘れんじゃねぇぞ
だが勇気と無謀は違う
それをしっかり理解してから一緒に戦おうぜ」
ミハル
「……わかったよ
その…ありがとう」
アオト
「あの!本当にありがとうございます
それと…その……ごめんなさい」
ヒマリ
「でも…私たち……お兄さんを襲いました…
もしかして私たち警察にいくんですか?」
「あぁ…そういえばそうだったな……
その事は内緒にしてくれねぇか?
銃取られたなんて言ったら始末書が大変でな」
N→
その言葉を聞くとアオトとヒマリは安心したように笑顔になった。
ヒマリ&アオト
「わかりました!」
ミハル
「なぁ……おっさ―――」
「おっさんじゃねぇって言ってるだろうが!」
N→
ミハル
「痛っつ!!?なにも殴ることないだろ!!」
「ちょっとは痛い目見ねぇと学ばねぇだろ」
ミハル
「いてて………!
あの…さ、俺でも…その……戦えるかな……
防衛隊員に……なれるのかな?」
N→
「お前に気絶させられるような俺がなれてるんだ
お前にならなれるさ」
ミハル
「…わかった。俺やってみるよ」
「おう…覚えておく
俺は
お前の名前は?」
ミハル
「ミハル……
「
N→アオト
それから
状況を説明すると子供たち三人に事情聴取をしたが、子供たちは偶然巻き込まれたとして処理され、大ごとになることはなかった。
今回の事件はオフの防衛隊員が子供たちを助けたとして美談化されニュースとして翌日報道されることになる。
それから翌日、
射撃レーンに向かうと隣には先に
「
「
任務ぶりね、で今日はどうしたの?」
「いえ!ただ練習をしに来ただけですよ」
N→アオト
「最近なにかあった?」
「え?どうしてですか?」
「変な顔をしてたから」
「え??俺ってそんなに顔に出ますか?」
「えぇ…わかりやすいわよ」
「そうですか!流石ですね
俺実は…昨日
「そうなのね、おめでとう」
「それで…前に
俺に銃の引き金を…戦う理由を持っておけって
それがわかったんです」
「へぇ…で、それは何にしたの?」
「俺はなんのために強くなりたかったのかわかったんです
強い者は弱い者を守る
それは力を得た者の責任だ
そんな風に語るヒーロー作品は多いです
そんなよく聞く言葉ですけど
それが俺の考えそのものだったんです」
「へぇ…」
「俺は誰かを守るために強くなりたかった
それを俺はずっと見失ってました
でも…もう見失いません
俺は弱くても市民を守るために戦う
その為に俺は防衛隊に入ったんです!」
「……そうなのね
…ふぅん……
「ありがとうございます!」
「浮かれてあっさり死なないことね
前も言ったけど死なれたら気分悪いのよ」
「そうですね…!
「お好きにどうぞ…」
俺はよく迷い、悩み、選択を間違えてしまう
それは俺の弱さなのかもしれない
だがそんな弱さであっても俺は受け入れる。
たとえ弱くたって誰かを守るために俺は諦めず戦い続ける
昔の俺はどんな大人になりたいと言っていたか思い出してみる。
確かその時は皆を守れるような強い人になりたい
そんな風に言っていたな
まだ今の俺は強い人ではない
だが必ず市民を守ってみせる
もう俺は後悔をしたくない
その為に命を張り続けるんだ
例え泥臭くてもかっこ悪くても
ただひたすらに俺は戦う
神ガ形ノ意思ニ背イテ 漆話 完
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あとがき
6話よりハイペースでの7話投稿となります
まさかここまで筆が乗るとは思いませんでした
今回は壱話や弐話で張った言葉を色々と使用していますが
元々そのセリフたちは今回の話で回収する予定だったんです!
まさかそういう意味で張っていたなんて!って驚いてくれると嬉しいですね
今回も
次回8話は
どんな話になるかはまだ内緒ですが、今回出てこなかった
そして
6,7話と
さて長くなりましたが
次回8話もお楽しみに
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利用規約
ミクロさん台本を動画、配信で使用するのは全てご自由にどうぞ
・アドリブ演技に関して
この台本はアドリブを入れる事を前提として書いています
なので演者様方の判断で挟んで頂いて構いません
是非素晴らしい演技にアクセントをつけてください
しかし作風に合わないものはご遠慮ください
・性別変更や比率に関して
作者はあまり好ましくは思っていませんがある程度ならば可とします
そのある程度の境界線は他の演者様たちとの話し合いに委ねます
・特殊なものについて
台本を演じる際に読み込まないで演じる行為や
言語を変える、明らかに台本無視と取れる
特殊な行為をするものは認めていません
流石に読み込んで普通に演技してください
多分そうじゃないとこの台本は演じれないです
二次創作等、商権利用問題のある場合、質問や不明点ございましたら
作者のTwitter
https://twitter.com/kaguratizakura
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