神ガ形ノ意志ニ背イテ 陸話
登場人物名
32歳 (過去編→21歳)
大雑把な性格だが、部下を率いる防衛隊の一部隊の隊長。
説明下手でよく
任務中ではかなり頭が回り、戦場をかけている。
24歳
熱い正義感と無鉄砲な若さを持つ新人隊員
士官学校卒の元警官であったが、
任務より目先の命を優先することが多く、危険な目に合うことが多い
30歳 (過去編→19歳)
部隊の中では狙撃を務める事が多く、高い位置からの索敵が得意である
※ナレ多いです
49歳 (過去編→38歳)
大雑把でガサツな性格だが実力は確かで引退後の現在も英雄譚が受け継がれている
現在は記者をやっているようだが、身の上話をしないためどこに属しているかは不明
25歳
38歳
36歳
物静かな性格
読書が趣味
36歳
嫌味を言うような性格で
金こそ全てという性格の持ち主
射撃技術や統率能力は高く、そこだけを言えば
Nは→後のキャラ演者が読む
※所々交代があるので注意してください。かなり大変です。
・
突如世界に現れた「
Variant Hunt Army通称
自衛隊や警察組織と違い、独立した権力を持つ
一般人や学園卒業者の中で実力保有者が入隊することができる
・
2000年に突如現れた異形の生命体。
理由や目的は不明だが人類を脅かす存在。
現れた当初は世界でも数十体しか確認されなかったが、年々数を増やしていた。
出現方法も繁殖方法などは不明となっている。
生物が
一部では神の使い等と
・
その素性、人員、目的一切が不明のテロ集団
突如姿を現れては殺戮を行う事から市民から恐れられている
役表
???&
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
神ガ形ノ意思ニ背イテ 陸話
N→
病院の屋上でタバコを吸いながら
しばらくして
一息つく
「
「おう、すまんな」
「他にも雑誌とかありましたが
新聞でよかったんですか?」
「これでいい
新聞なんてこういう時じゃないと見る機会もないだろ
………そういえば今日でもう4月になるのか」
「そういえばそうですね
入院生活だと日付間隔がわからなくなりますね」
「4月1日か……」
「俺も見てもいいですか?
…オカルトコーナーだ、懐かしい
あ、これってまだ掲載されてるんですね
悲劇のエイプリルフール」
「……悲劇のエイプリルフール?」
「俺が小学生だった時によくテレビでオカルト話としてやってたんです
もう何年も聞いてない話だったんですけど
まだこんな都市伝説が残ってるとは」
「もうその事件は解決した
犯人は捕まったからな
二度とそんなことは起きないはずだ」
「え…?捕まった?
結局正体は謎のままって内容だったと思うんですが…
犯人はどんな人だったんですか?」
「………お前その事件について何を知ってるんだ?」
「えっと…どんなだったかな…
毎年3月末になると招待状が届き
その人がそこへ向かうと4月1日に必ず殺されてしまう
といった都市伝説だった気がします
俺が中学生ぐらいの時に映画化もされてたんで結構有名だと思いますよ」
「…都市伝説か
実際のところはそんな面白いものなんかじゃない」
「それは…どういう事ですか?」
「聞くか?」
N→
「…は……はい」
「その事件に俺も関わっていた
…というよりは運よく生き延びたという方が正しいな
だがそれがきっかけで俺の恩師は戦う事を辞めちまった」
「恩師…あの
「これは確か極秘だったはずだが…まぁいいだろ
俺から聞いたって誰にも言うなよ」
「は、はい…!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ぐぅぅぅぅうぅぅ~~~~がぁぁああ~~~ぐぅ~~~」
N→???
雑誌を顔に乗せ、大きないびきをかく男
彼はのちに
複数の伝説を残した有名な防衛隊員である。
だが、これはまだ彼が覚醒する前の話。
そして
防衛隊の部隊ごとに設けられているオフィスにて
作業をしながら部屋中に響く
すると棒状に巻いた雑誌で
「起きてくださいっ!!!」
「フガッツ…!!?」
N→???
新聞紙でバチーンと頭を叩くと激しい音が辺りに響き渡り
「あ…なんだ飯か?」
「なにっ寝ぼけてるんですか!!
もうお昼休憩とっくに過ぎてますよ!
それに寝るだけならまだしも
いびきが煩くて迷惑なんですよ!」
「あぁ~~~~
寝てたのか
今何時だ?」
「今ですか?
えっと…13時30分です」
「そろそろヤニ吸わねぇとだ
ってことだ、喫煙所行ってくんぞ」
「えぇえ!?もう仕事始まってますよ…!」
「その辺はあれだ!
頼んだぜ!ガハハハ!!」
N→???
咄嗟の行動に驚いて固まっていた
仕事を押し付けられたことにハッと気がつくと頭を抱え込む。
「ぁあ!!逃げたぁ!
あぁ~~~うぅ~~~~!!
また私の仕事が増えたあぁぁあ!!」
「ふふふ、ほんといつになっても
「うぅぅ…いつになったらきちんと仕事をしてくれるのよ……」
「あの性格は前からなの
もう諦めましょう
私も手伝うわよ」
「
「俺もやれることがあれば手伝いますので頑張りましょう」
「ホントにありがとう
新人がこんなにいい子だってのに隊長ときたら……
あぁーーもぅ情けないったらありゃしない!」
「ふふ、
「ははは…俺はサボったりしませんよ」
N→???
「それに…俺には隊長なんて出来ませんし
なりたくてもあの人みたいにはなれませんよ」
「
「ん?俺か…?
あぁ、今は今月の会計をやってるところだ」
「悪いんだけど終わったらこっちも手伝ってくれる?
前の作戦の時に隊長が出した被害の始末書が結構多くてね」
「わかった
こっちが終わったら言うよ」
N→???
だが、任務や訓練の際の
部下たちが慕い着いていく理由があったのだ。
彼は類まれなる近接戦闘技術を持っており、未だ弟子らとの組手では無敗を誇っていた。
「おらっ!!こんなんで倒れててどうすんだ!
あ?もう限界か?
まだ俺は準備運動にもなってねぇぞ!!」
「うぐっ………!!ゼ―…ゼ―……
ちょ、ちょっと…勘弁してください……」
「あ~ぁ??もう弱音吐いてんのか?
情けねぇな~そんなんでどうやって
「ぐッ……ハァ…ハァハァ……
もう少し…手加減してくださいよ…!」
N→???
休日の昼頃、
だが、次第にそんな日々が続くと
「全然勝てねぇ…どうやったらいけんだよ……」
「ガハハハ!!そりゃそうだ!
俺を倒そうなんざ10年早ぇ!!
まだまだお前みてぇなヒヨッコには負けねぇよ!!
何度来たって返り討ちにしてやる!
ガハハハハハッ!!」
「はぁ……はぁ…ほんと手加減を知りませんね
「そりゃそうだ!戦場にぁ手加減もクソもあったもんじゃねぇ
だが、お前今日は結構よかった方だぜ
だがお前もちゃんと上達はしてるみてぇだな!!
前よかタフになってきてんじゃねぇか」
「そりゃこんだけボロボロになってたら嫌でも学びますよ……いてて!」
「それもそうだな!ガハハハハハ!!」
「でもこんな近接戦ばかりでいいんですか?
もっと銃とか、作戦とかについてやったほうがいいのでは…」
「敵が
どんな奴が相手になるかわからねぇんだ
こういうのは覚えておいて損がねぇんだよ!」
「殺人鬼や犯罪者と戦うことも確かにありますけど…
でもそういう奴らは基礎も何もないようなゴロツキじゃないですか
ここまで鍛えても仕方ないんじゃないですか?」
「そうとも限らねぇぞ
そろそろあの日も来ることだしな」
「あの日…?あ、そういえばもう3月末ですよね……
あぁ…そういう事ですか
そろそろ4月1日が来ますね」
「そうだな
あのイカレ野郎が今年も現れるだろう…
今年こそ必ず俺がとっ捕まえてやる!」
「その犯人ってどんな奴なんですか?
あまり俺ら新人には情報が入ってこないんです」
「そうだなぁ~毎年4月1日に現れんだ
毎年この時期になると殺害予告が届いてな
そいつが必ず死体になっちまうって話だ
都市伝説はそれに色々付け加えて話が広がってるが
実際に30人以上も人を殺してる大量殺人鬼だ」
「30人も…!?どうしてすぐにでも逮捕しないんですか?」
「そいつの正体がずっとわからねぇんだ
死体以外なにも情報を残さねぇ」
「そうなんですね…
もしそんな奴がいれば防衛隊が確保しに行けばいいじゃないですか」
「既に戦ったんだ
その結果2部隊が全滅しちまった」
「…そ、そんなに強いんですか…!?」
「だろうな…だが俺は奴を捕まえる
俺はそいつらの仇を討ってやりてぇんだ」
「そうなんですね」
「そんなのだっていんだ
だから格闘戦も覚えなきゃなんねぇんだぜ」
「…わかりました
それじゃ続きをお願いします!!」
「お!いいじゃねぇか!
やる気十分ってか!ガハハハ!!
さぁかかってこいよ!!」
「うぉぉぉぉぉぉっ!!!」
「いいじゃねぇか!!
でもまだまだだな!!!オラッツ!!!」
「ぐはぁぁぁああっつ!!!?」
N→???
それから次の日
早朝から
「痛っ!!いってて……ほんと強すぎますよあの人」
「毎日毎日よくやるわねぇ
こんな怪我ばかりでいつか死んじゃうかもしれないわよ」
「ははは…そうなる前に何とか勝てるようにならないと身が持ちませんね」
「無理はしない事よ
いざ出動の時に怪我してちゃ危険だからね」
「ありがとうございます!」
「ところで、隊長と
「今頃こっぴどく叱られてるわよ」
「叱られるって上にですか?」
「正確に言えば
どうせ隊長は上からどれだけ怒られても気にしないわ」
「なにしたんだ?」
「あぁ…どうやら今日の訓練…
また練習場の使用許可取ってなかったみたいで…」
「あー…またか」
「俺はやったって聞いてたので全く疑ってなくて
そう言ったらそれは仕方ないからって
「申請ぐらいただ窓口に言えばいいだけじゃないのか?」
「隊長がそんな面倒なことすると思う?」
「しないと思うな」
「でしょうね」
「ほんと大雑把な人ですね」
「昔からそうなのよ
あのタイプは頑固だから言うだけ無駄よ
私たちで何とかしましょう」
N→???
その頃、上官の会議室から出てきた
「ほんっと…なぁにやってんですか!!!
あれだけ何度も使用許可だけは絶対取るようにって言ったじゃないですかァ!!」
「あ~~~やったかどうか忘れちまったんだ
ガハハハハ!まぁ細けぇ事はいいじゃねぇか!」
「よくないんです!!!!
もしあそこで怪我したとしてちゃんと申請してなかったら労災も降りませんし
また始末書とか出てその度にやるの私じゃないですか!」
「そんなもんは知らん!
怪我なんか自己責任だ!」
「隊長はよくても私たちはそうはいかないんです!!」
「ガハハハハハハハ!!
悪ぃな、いつも一緒に怒られてよ」
「な、なんですか急に!?
まぁ…仕方ないです
ここに配属された以上諦めてます」
「今度酒でも奢ってやるからよ
じゃあ行くぞ!ガハハハ!!」
N→???
「ちょ!ちょっと!待ってください!!
あの!私飲めないんですけど~~!!」
N→
それから数日後
机には酒類やつまみが食い散らかされている。
チャイムの音が鳴ったが、
何度か強いノックがすると声が聞こえてくる。
「
「がぁぁああ~~~~ぐぅぅぅううぅぅ~~~~~!!!」
「いびきしてるから中にはいるけども…」
N→
だが鍵穴は差し込めはしたがきちんと回らなかった。
そう、鍵が元々空いていたのである。
「え、鍵空いたまま!?
まったく……防犯意識はないの??
もう……入りますよ~」
N→
案の上ソファーの上で晩酌をしていた跡が残っていた。
「こんなに散らかして…
ってかこの部屋臭っ!!?
タバコ部屋の中でも構わず吸ってるのね…はぁ~」
N→
きちんと燃える、燃えない、ビン、ペットボトルと分けていく。
大体のゴミをまとめ終えると掃除機を探す。
「あれ?掃除機はどこ?」
N→
部屋の中を探していると棚の隅に掃除機が埃を被ったまま放置されていた。
「掃除用具がホコリ被ってるなんて何のためにあるのこれ…」
N→
「ぁーーーー飲んだ飲んだ…
「何しにじゃないですよ
今日は飲みに連れていってくれるって言ったじゃないですか」
「あぁ、そういや…今日だったか」
「それより鍵開けっ放しでしたよ!もう…泥棒に入られたらどうするんですか!」
「取るもんなんかねぇだろ」
「そういう問題じゃありません!」
N→
複数の箱が置いてあり、空になったものだけでも相当な数があった。
「こんなに吸って…早死にしますよ」
「だろうな!ガハハハ!!」
「笑いごとじゃないです」
「そういやもう昼か
腹減っちまったなぁ
出前でも頼むか?」
「私はもう食べてきました
出前やカップ麺ばかりじゃ健康に悪いですよ」
「って言っても料理なんかできねぇよ」
「はぁ~~わかりました
私が今から作りますよ」
N→
掃除機を元あった位置に戻すと手を洗い、冷蔵庫をあける。
その姿を見ながら
「まともなものがない…これってむしろ何が作れるのよ」
「お前もあれだ!
こんなおっさんの相手なんかしてねぇで男でも作れよな」
「ん!!余計なお世話です!!
「俺ぁ…そうだな
面倒なんだよ」
「面倒って……
「こんな仕事やってたらよ
いつ死ぬかわかんねぇだろ
そうなったら残されるやつに悪ぃからな
俺はそういうのはしねぇんだ」
「いつ死ぬ…か……そうですよね」
「俺がいつくたばるかもわからねぇだろ
それまでにぁ俺も後に託してぇんだ
だから
「やりすぎたら先に
「まぁそん時はそん時だな!ガハハハハ!!」
「笑いごとじゃありません!」
N→
少しして
「ほんとはもっとしっかりしたのを作りたかったんですけど
全然食材がなかったのでこれしか出来ませんでしたよ」
「ありがとよ!遠慮なくいただくぜ!
……ズズッ
おぉ美味いじゃねぇか!塩ラーメンってあんまり食わねぇが美味いもんだな!」
「ホントですか?それならよかったです」
「お前はいい女房になりそうだよな」
「え…」
「だから早く男作れよな!
防衛隊でいいのがいるか分からねぇが良い奴探せ!」
「余計な!お世話です!!」
N→???
そしてこの日が訪れた。
4月1日、
非常招集を受け、指示を聞いた
「まず作戦を話す前に
昨日、私たちの部隊宛てにこれが届いたの」
「これは…手紙ですか?」
「えぇ、これはそれを写真で取ったものをプリントした資料なの」
N→???
数枚の資料には写真が貼り付けられており
そこには招待状のような紙が写っていた。
紙には綺麗な装飾がされており、中央に文字が書いてある。
「防衛隊…
今宵お送りするショーへとご招待いたします
時刻は21時、
…なんだこりゃ」
「これは【仮面の
有名な都市伝説、4月1日の悲劇の元になった犯人です」
「これがそうなのか…舐めやがって」
「あの仮面の傀儡師と呼ばれる殺人鬼
一体、何が目的なんだ?
どうして俺たちを…?」
「隊長…どうするんですか?」
「任務だから断るわけにもいかねぇだろ
ってのもあるが…ちょうどいい
奴は俺がぶっ飛ばしてやりたかったんだ!」
「目標は生きたまま捕縛せよとの事よ
そこは忘れないでよ」
「おうよ!
俺ら防衛隊を怒らせるとどうなるか見せてやるか
ガハハハ!!」
「嫌な予感がします…大丈夫でしょうか?」
「ガハハハ!安心しろ!
お前らは俺が守ってやるよ」
「…わかりました
隊長に任せます」
「ちょっと待って……もう出動の準備ができたらしいわ
詳しい話は移動中に言うからまずは移動しましょう」
「了解!」
N→???
一同が武器を揃えて装甲車に乗ると、
「指定された場所は2年前に廃校になった
校舎内には備品がほとんど残っているそうだけど
持ち主が居るらしいからなるべく壊さないようにだって」
「任せとけ!!」
「任せるって言ったっていつも壊すのって
「あ、そうだったか?ガハハ!!
まぁ細けぇ事はいいんだ!」
「ほんと…少しは反省してください」
「なぁ、その相手ってのは単独犯なんだよな?」
「単独以外での活動報告はない
過去の事例を見ても間違いないと思うわよ
それがどうしたの?」
「たかが単独犯を捕らえるのにこんな武装がいるのか?
俺ら以外にも2小隊いるんだろ?」
N→???
過去の任務で凶悪犯を抑えるような任務の場合
基本は拳銃のみの武装を指定されることが多かった。
だが今回はその指定がなく、弾薬などがまるで
「確かに……上もそれほど危険視してるってこと?」
「どんな奴だろうが俺がぶっ飛ばしてやる!
奴を見かけたら俺に知らせろ!」
「そうですね
私たちは発見次第隊長を呼ぶのを優先しましょう」
「仮面の傀儡師……どんな奴なんだろうか」
N→???
都市から少し離れた場所に小さな集落がいくつか並んでいる田舎に移動する。
周辺地域からも子供が集まるような学校だったが
付近で
その影響を受けて市民が次々と引っ越して行ったため学校が経営できなくなり
廃校となってしまったようだ。
防衛隊一同が廃校に着くと、入り口の前に車を停める。
草木が生えており、付近は街灯もないため薄暗い。
少しして雲が晴れると月明かりが校庭を照らし
まるで心霊スポットのような不気味な雰囲気を醸し出していた。
「小学校か…こういうところに入るのはいつぶりだったか
ワクワクするな!ガハハハハ!」
「遠足じゃないんですよ!
もっと緊張してください」
「さて、俺らはどっから行くか」
N→???
校舎は二つ並んでおり、2つとも3階建てをしており
他にもプールや体育館が隣接されている。
校庭には遊具が複数置いてあり、昔は活気があったのであろうことが読み取れた。
「B小隊は体育館で、C小隊は校庭周りをまわってくれ
俺らはまずは校舎に入ってしらみ潰しに探していくぞ!」
N→???
他2小隊が了解と答えると、装備を整え終わり校舎に入るために入り口に並んだ。
「いくぞ…お前ら!!」
「いつでも」
「えぇ準備万端よ」
「私もです」
「はい!」
「突入だ!!」
N→
それに続くように少し間隔をあけて4人も続いていく。
走りながら校舎の窓越しに中を確認しようとするが
中は薄暗く人影や中は見えなかった。
だが近づくにつれ校舎の不自然さに気がつく。
「これは…飾り付け?」
「まるで文化祭みたい…普通こんなのがずっと残ってるわけないわ」
「目標が付けたものという事か…?」
「でも何のために?」
N→
一同が校庭の中央にたどり着いた瞬間
学校のチャイムの音が鳴る。
「わっ!!?び、びっくりした…なんだ…チャイムか」
「待って…なんで電気が通ってるの?」
N→
その言葉を言い終わるのを聞いていたかのようなタイミングで放送のノイズ音が響く。
少ししてノイズが止まり音楽が流れ始める。
それはサーカスやショーで聞くようなファンファーレのクラシック音楽であり
2年放置された施設のためか音が割れており、昔のレコードのような音質になっていた。
音楽が一通り流れて小さくなると、放送から声が流れてくる。
???
「防衛隊の皆さま…
傀儡師の送る悲劇のショーへようこそおいでくださいました!
悲劇的かつ凄惨!
命を代償に奏でる演目の数々を是非お愉しみください!」
「なんだこいつ…?」
「ショー…何をするつもりなんだ?」
???
「さぁそれじゃあ順番に校舎内へお入りください
順次演目をご紹介していくので今しばらくお待ちくださいませ~」
「こんな放送まで…ふざけやがって……」
「放送しているということは、放送室にいるという事でしょうか?」
「そうかもしれねぇな
まずは当初の指示通りに動いて
俺らは放送室を探すか」
「それでは各隊散開!」
N→
B、C小隊はあらかじめ決めた場所へと向かっていった。
何かあった際はトランシーバーで連絡を取り合う予定である。
「俺らは先に進むぞ」
N→
正面にある昇降口から5人は警戒をしながら中に入る。
校舎内は狭いので背に長物の銃を背負い、拳銃を持ちながら進んでいく。
「見てください!…これ」
N→
玄関に入るとそこに校舎の地図が書いてある事に気が付く。
「放送室は3階の中央廊下にあります
階段はこの左右どちらからでも行けますね
どうしますか?」
「俺と
入れ違いにならねぇようにしねぇとだからな」
「了解」
N→
「もし目標と遭遇したらどうするんですか?」
「相手が武器を持っているならまずは無力化からだ
お前も気を付けろよ
問答無用で発砲許可が出てる
自分の身を守ることをまずは優先しろ」
「はい、わかりました!」
N→
階段を登って三階にたどり着く。
廊下に出ると反対側から
「こちらも遭遇せず不審な物音もなかったわ
ってことは…」
「奴は放送室かもしれねぇな
まだ放送が続いてやがるからな」
「この中に…」
「お前らは一旦外にいろ
もし逃走を図ろうとしたら足を狙って発砲して構わない
わかったか?」
「わかりました」
「いくぞ…!」
N→
放送室は頑丈そうな扉をしており、開けるのに少し力がいるようだ。
そこは放送に必要な器具が揃っており、他にも棚や机があり
一番奥には放送モニターであろう場所と目の前に椅子が置いてある。
そしてそこには誰かが座っていた。
???
「ようこそ
それではまずは一つ目の演目にしましょう!」
「何が演目だ
ふざけるな…遊びは終わりだ!
お前を確保する!」
N→
座っている人はこちらに振り向かず喋り続けている。
???
「まず第一演目は―――」
「いい加減にしろって言ってんのが聞こえねぇか!!」
N→
肩を掴みこちらを振り向かせる。
「な!!?
なんだこりゃ…人形!?」
N→
座っていたのは人型をした人形であり、その顔にはへのへのもへじが書いてある。
「おちょくりやがって…
お前ら!ここにはいな―――」
???
「それではゲームスタート」
N→
放送室の扉が勢いよく閉まる。
「な、なに!!?鍵か…鍵穴がない…どういうことだ!」
N→
学校中にはいまだに放送のBGMが流れており
外の声が聞こえず、4人がどうなっているかわからなかった。
「ちくしょう!!どうなってんだ…」
N→
少しして
「なんだこの臭い…」
N→
後ろを振り返ろうとした瞬間
部屋の中が赤く光った。
後ろで火の手が複数の箇所で上がっており
すぐに煙が部屋中を覆ってしまう。
「ゲホっ!ごほっ!!
くっそ!!吸い過ぎると不味ぃ!!」
N→
この部屋に窓はなく、付近も頑丈な壁に囲われているため入り口の扉以外に出られそうな箇所はなかった。
通気口も狭く、流石に
「クソっ!!!煙は慣れてるつもりだが流石にこんな量は吸えねぇよ!!」
N→
でかい衝突音がするが扉はそう簡単に開かなった。
「ぐっ!!くそっ!!
まずい…このままだと…!!
うぉぉっ!!」
N→
何度もタックルを繰り返しているうちに視界が徐々に曇っていく。
だが10回を超えたタイミングで扉の金具が揺れる音がしていた。
「いける!!うおおおお!!」
N→
再び勢いよくタックルすると扉が開き、そのまま
???
「脱出おめでとう」
N→
その言葉がきこえると放送室内にスプリンクラーが流れ
大量の水が部屋と外にいた
徐々に火が消されていった。
「なっ……スプリンクラーがあったのか
ちっ…遊んでやがるな……ふざけやがって
絶対ぶっ飛ばしてやる…」
N→
周りを見るとそこに4人の姿がなかった。
「あいつら…どこいった?」
N→
どうやら先ほどの水が内部に入ってしまったようで壊れていた。
「おい…聞こえるか!!?
あ…?なんだこのノイズ……
くそっ…こんな安物なんて使うからだ……
あいつら…無事でいろよ」
N→
時は少し戻り
目の前で放送室の扉が閉まり、
後ろで付近を確認していた
「…足音?」
N→
「
「
「私は聞こえなかったけど
どこからかわかる?」
N→
階段を降りていくと放送の音に混ざって
水が流れる音がすることに気がつく。
どうやらその音の先は階段を降りた先にある女子トイレからのようだ。
「水音……多分あそこのトイレよね
行ってみましょう」
「はい!」
N→
女子トイレの扉を開けると
中の水道から水が勢いよく流れ出ており床が浸水していた。
二人はトイレの外から中を見ていたが、個室の中から音がする。
「誰かいるの!!?
……返事はない?
でも確実に聞こえるわ
N→
二人は銃を構えながら入ると、後ろで扉が勝手に閉まってしまう。
「なに!!?」
「な、なぜ!?俺は扉に触れてないですよ!!」
「まさか…
???
「ようこそ
それでは第三演目を開始しましょう」
「第三…?」
「答えろ!何がしたいんだ!!」
???
「どこかの扉を開けるとそこに鍵があります
見つけることができるかな?
それじゃゲームスタート!」
「どういうこと…ゲームって
まるで遊んでるみたい」
「まずはここから出ないと…鍵が本当にあるかわかりませんが
とりあえず探してみましょう」
N→
扉は4つ並んでおり、1つずつ開けていく。
一つ目の扉を開けると中に服を着た人形が置いてある。
「もしかして、この人形が持ってるってこと?」
「隣も見てみます!」
N→
2つ目の扉にも人形が置いてある。
3つ目、4つ目と開けるが同じく人形が置いてあった。
そしてその人形は
「こっちにもあります!
なんだこの悪趣味な人形は…」
「鍵はある?」
「っ……ありません!隣を探してみます!」
「こっちも…私は奥に行くわ」
「わかりました!」
N→
二つ目の人形を探すも、何も持ってはいなかった。
「くそっ!扉の中になんてないじゃないか!」
「どこにあるっていうの!?」
???
「残念、時間切れ~
正解は~~~」
N→
その瞬間、入り口の扉が開く。
そこには椅子に座る人形が置いてあり扉の鍵を手に持ってこちらに見せていた。
???
「正解は入り口の扉でした~~~
実はスタートからすぐに扉の鍵は閉まってなかったんですよ~
確認を怠ったのがミスの要因だねぇ」
「ふざけるな!!」
「馬鹿にして…」
???
「それじゃ、不正解者には罰を」
「罰…!?」
「なにするつも―――」
N→
その瞬間、何かが水の中に落ちた。
コードが途中で切れた電線が天井の穴から落ちて水の中に入る。
水を伝った電気ショックが二人を襲う。
「あがががぁああがあああがあぁぁぁぁ!!」
「がががああああがががっ!!!」
N→
感電した二人は身体の力を失いその場に倒れた。
???
「さぁそれでは次のステージへご移動願います」
N→
その言葉を聞いた瞬間、二人の意識は途切れた。
N→
そしてその頃、
開かないため二人に意見を聞こうと背後を振り返る。
だが、そこに
「二人はどこに!?」
「本当だ…気づかなかった」
「こんな時にどこに…」
N→
廊下の奥を注視すると、何者かが一番最奥の教室に入るのが見えた。
「今あそこに人が!」
「
「遠くて見えなかったんですが確実に人がいました」
「もしや、目標か?」
「わかりません…」
「とりあえず見に行くぞ
ここで俺らが出来ることはない
他の部屋を探してみる方がいいはずだ
何か開けれる道具があるかもしれない」
「そ、そう…です……ね
わかりました…」
N→
二人が教室の前に立つ。
扉には窓がなく、中の様子は開かないと伺えない。
「入るぞ」
「了解…」
N→
教室の中に入るとその中心には椅子が5つ置いてあり
まるで椅子取りゲームをしているような配置で並べられていた。
その上には人形が置いてあり、その人形たちはまるで自分たち5人を模したような姿になっていた。
「なにこれ…なんで私たちの姿なんて」
「趣味が悪いな…」
N→
その時、扉が勢いよく閉まる。
「え!?なんで急に閉まったの!?」
「なっ…まさか閉じ込められた!?」
N→
そこでマネキンの中央にあるラジオから音が流れ始めた。
???
「ようこそ
第四演目を開始します
今回のゲームはこちら!」
「ゲームだと…?」
???
「この教室のマネキン
どれか一つに鍵が入っています!
ハサミがそこにあるのでこれで解体して探してみてね」
「ハサミ…ほんとだ確かに置いてある」
N→
ラジオの近くにはハサミが二つ置いてある。
「ちょうど2つなんて…まるでここに私たちが入るのは計算されてるみたい…」
「仕方ない…やるぞ」
「あ…はい!」
N→
二人はマネキンを乱雑に解体していく。
だがどこにも鍵はない。
「どこにもないじゃないか!」
「人形はこの5つしかないはずですよね…どこにあるの」
???
「残念~タイムオーバー
正解は~~~教卓の中のマネキンでした~~~」
「はぁっ!!?」
N→
二人は急いで教卓を覗き込む。
その裏の隙間には人形が入っており
鍵をつまんで見せつけるような態勢で畳まれていた。
「こんなのわかるわけないだろ!」
「ひどい!くそゲーよ、こんなの!」
???
「中心にあるものに目が行き過ぎたのが失敗の要因ですね
というわけで失敗した者には罰を」
N→
エアコンが付く音がする。
そこから白い煙が流れてきて部屋中に充満していった。
「げほっ!ゲホッツ!!
うっ!!目がッ!痛いぃ!!」
「これは!!まさかッ!催涙ガス!!?」
N→
二人が咳き込むが次第に呼吸ができなくなり、二人は倒れ込んだ。
???
「それでは次の演目にご移動願います」
N→
その言葉を最後に二人の意識は暗転した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
N→
それから少しして
放送室を脱出した
3階を探し終わり、1つずつ2階の部屋を探し始める。
「
みんな…どこいったんだ?」
N→
そこに校舎内に放送が入る。
???
「これより体育館にて
本日のメインイベント
『
主要演者である
直ちに体育館の壇上までお越しくださいませ」
「俺を…呼んでんのか?
なんのつもりだ…」
N→
校舎を出て体育館に近づく。
どうやら体育館内にも電気が通っているようで
外から漏れ出る色とりどりの光が暗い中でも目立つように光っていた。
「何をするつもりだ…?」
N→
近づくと中から流れる音楽により中の様子が伺えない。
正面入り口が開放されており、そこにはレッドカーペットが敷かれていた。
「ここから入れとでも言いたいのか…」
N→
罠の可能性が高い。
だが
「くそっ!考えていてもわからん!
行くしかねぇ!」
N→
体育館の正面入り口から銃を構えながら入る。
中央にはカーペットが敷かれており、壇上の講演台に向かって続いていた。
「何があるって言うんだ…?」
N→
「なんだこりゃ…ボタン?」
???
「レディース&ジェントルメーン!」
N→
壇上の向かい、二階席にスポットライトが当たる。
その中央に仮面を被りタキシードに身を包んだ人が姿を現わす。
仮面の傀儡師は拍手をしながらこちらに話しかけてくる。
???
「ここまでお越しいただき誠に光栄です
防衛隊の
申し遅れました
わたくし仮面の傀儡師と呼ばれる
しがないマリオネッターでございます
以後お見知りおきを」
「貴様っつ!なんのつもりだ!
なぜ俺をここに呼んだ!!?」
N→
???
「おっと…ストーップ!
まずはお見せしたいものがあるんです」
N→
仮面の傀儡師が指を鳴らすと、後ろのカーテンが開く。
下までゆっくりと降りてくると電源が付いた。
???
「こちらの映像をご覧くださいませ」
N→
映像がゆっくりと切り替わり
そこに監視カメラのような視点のプールが映し出される。
薄暗いモニターのためよく見えないが、この学校のプールであることはわかった。
「これがなんだ?」
???
「それではライトアップ!」
N→
仮面の傀儡師が指を鳴らすとライトが点灯する。
するとプールの様子が鮮明に映し出された。
そこには先ほど離れていったB,C小隊の隊員たちがプールの水面ギリギリに逆さで吊るされているのが映っている。
「な…なんだこれは…!!他の小隊が…!?
お前っ!!これはどういうことだ!?」
???
「これは貴方の連れてきたお仲間たちですね
そしてこちらは!」
N→
再度、仮面の傀儡師が指を鳴らす。
すると二階席よりも高い天井すれすれの位置がライトアップされる。
そしてそこには逆さ十字に縛り付けられた
4人の首にはロープがきつく巻きつけられており、その先が傀儡子の足元に繋がっている。
仮面の傀儡師が体育館に複数ある監視カメラに向かって一礼をしており、未だ
「お前たち…!!!!!
こいつらを今すぐ解放しろ!さもなくば―――!!」
???
「ただいまよりメインイベント
それではルール説明を行います
この天秤は貴方の価値観によって測りを行い
どちらが大事なのかを判別できるシステムとなっております
これにて
貴方の大事なものを確かめることができるのです!」
「大事なもの…だと!?
ふざけるな!すぐそこから降りてこい!」
N→
???
「ストップ!ルール説明の途中です
ルールを破った場合、そちらの大事なものすべてが一瞬でなくなる事をお忘れないように」
N→
傀儡師は
「テメェ……!人質ってわけか?」
???
「大事な演目道具にはお手を触れないようお願い致します」
「そいつらは道具じゃねぇ!俺の部下だぞ!!」
???
「他にご不明点ありましたらその場でおっしゃってくださいね」
「そいつらに手を出したらただじゃ済まさねぇぞ!!」
???
「それではルール説明も終わりましたので早速始めていきましょう!」
「テメェ!!人の話を―――」
N→
仮面の傀儡師は
「何をやってるんだこいつは…」
???
「それでは一度目の選別
こちらの隊員
それとB小隊の半分の3人
顔なじみの部下と大勢の同僚
どちらの命が大事でしょうか!?」
「どちら…だと!?」
???
「
小隊3名を選ぶ場合は青のボタン
さぁ!Lets Choice!!」
「ふざけるな!!こんなの…選べるわけねぇだろ!!」
???
「ほうほう?選べないと?
という事はこの二つは同価値であるということですね!
二兎を追う者は一兎をも得ず
それではどちらも捨てたと見なし
どちらも捨てることにしましょう!!」
「何をする気だ!?
やめろッ!!」
N→
モニターが突如切り替わり3人がアップで映し出される。
仮面の傀儡師が杖にあるボタンを押すと3人が頭から水中に沈められた。
「やめろ!!!貴様ッ!!やめろおおおお!!」
???
「取捨選択のできない半端な愚か者には喪失を」
N→
モニターに映る3人はしばらくの間暴れていたが
数分もすると動かなくなってしまった。
???
「それではお次はこちらの番ですね!」
N→
仮面の傀儡師が目の前のロープにサーベルの刃先を置く。
そして力を込めて一気に切り裂く。
その瞬間、
地面に落ちるより前に弾性衝突し空中で跳ね返る。
その衝撃が首に巻き付いたロープに圧力をかけ、強く締めてあげていた。
「ぐっ…があがががああぁぁあ!!」
「
「うぅぅぅううぅ……‥‥ぐぐっ……がっぐ……
ぁが…‥‥…………………」
N→
「くっそおおおおおお!!貴様ッ!!!
なぜだ!!なぜ
???
「それでは第二選択となります!
貴方の部隊、
さぁ!どちらを選びますか!!?
小隊3名を選ぶ場合は青!
さぁ!!Lets Choice!!」
「ふざけるな……ふざけるなあぁぁぁ!!」
???
「さぁ!それではカウントを致します
5・4・3・2・1……!!」
「くっそおおおおお!!!」
N→
???
「0!!
選んだのは……」
N→
???
「選んだのは
それじゃあ価値のない小隊3名は捨てましょう~」
「く…そ…こんなの……!!」
N→
モニターが切り替わり、C小隊の3人が映し出された。
そして再び杖のボタンを押すと3人が水面に落とされるが
すぐに残りの3人も時間差で水の中に落とされる。
「なにっ!?なぜ全員を!!?
貴様っ!最初から全員殺すつもりで―――」
???
「おや!!?機械の故障ですね
まさかこうなるとは…申し訳ございません!
こちらの不手際で6名となってしまいました」
「今すぐやめろ!!!」
???
「そうですね……かしこまりました」
N→
ボタンを再度押す。
すると3人が水から上げられた。
だが間違えられた方の3人は水から出されることはなく
仮面の傀儡師は何度かボタンを押しているようが身体全体で困惑を表現していた。
「おい!!どういうことだ!早く戻せ!!」
???
「おや?反応しない…機械の故障?
えぇとこういう時は………仕方がありません
それではこちらの選択は一度中止といたしまして…
次の選択へと移りましょう!」
「あいつらをこのままにする気か!!?
……もう…やめてくれ……!!」
???
「では第三選択の時です
今回はこちらの2人!」
N→
今度はライトが
???
「今回選ぶ二つはこちら
一つは
もう一つは先ほどの残り6名
さぁどちらを選びますか?」
「
N→
大雑把な自分を支えようとしてくれていた事
年齢差はあるが自分に恋心を向けてくれていた事
そしてそれに答えることができずしらを切ってきていた事
それらが
「くそ……」
「ま……
N→
どうやら目を覚ましたようだが、首に巻き付くロープとダメージであまり意識がはっきりしていないようだ。
「
「わ……わたしより……6人を……選んでください……」
「何を…言ってるんだ…」
「1人の…命より……6人を……お願い……します…」
「ふ…ふざけるな…!!俺は…お前を見殺しにはできない!!」
「お願いします……た……隊長…!」
「ぐっ………くそっ!!
くそっ!くそ!!くそくそくそ!!」
N→
「ちくしょおおおおおおおっつ!!!!」
N→
赤色の光がモニターから映る。
「……
俺は…お前を……死なせたくねぇんだ…」
「そ……んな……なん……で……」
「俺は……お前が……大事だった……
すまねぇ……俺の我儘だ…」
「そ……そんな……こと……」
???
「それでは今回選んだのは赤
というわけで小隊6名を選びました~」
「なっ!!ち、違う!俺は
???
「今回赤は小隊6名、青が
「なにっ!!!待て!それは言われてないぞ!!
まさか…お前わざと言わなかっただろ!!!」
???
「最初に言ったとおり
ご不明点がありましたらその場で仰っていただかないと対応しかねます
というわけでそれじゃあ不要な方を捨てましょう~」
「やめろおおおお!!」
「ま…
「止めろ!!頼む!!やめてくれぇぇぇっ!!」
「私は……たい…ちょうが……だい……すき…でし――
――――――っぐ!!!!」
N→
その衝撃は強くグキリと大きな音が体育館内に響く。
「貴様ぁぁぁぁぁあっつ!!!殺す!!
殺してやるッ!!!」
N→
咄嗟に物陰に隠れた仮面の傀儡師は少しだけ顔を出して
???
「台から離れるのはルール違反だよ!!
罰則は全員処刑だ!そうなりたくなかったらすぐに戻って!!」
「ぐっ……貴様ッ……!!」
???
「それじゃあ気を取り直して…最終選択!
赤は
青は
大事な部下もしくは旧来の同僚
さぁ~どちらを選ぶでしょうか!
これは最後の演目になりますので特別に時間制限を伸ばさせていただきます!」
「
どっちを…選べっていうんだ……!!ふざけんな…!!」
「ぐぅっ……
「
「隊…ちょう……
「ま…待って……ください!
俺よりも…
「なに…言ってんのよ!
若いのが生き残らないと……ダメでしょ!!」
「くそっ…こんなの……選べるわけないだろ!!!」
「……っ、隊長!!!!」
N→
互いに自分を犠牲にしようとする姿を見て
「くそ……クソっ……」
「たい…ちょう……!」
「
「せめて……
「何を…言ってるんだ……」
「……もうこれしか……ない!!」
N→
そのピンを指で引き抜き、床に落とす。
だがグレネード本体は固く手に握りしめていた。
「何をする気だ!!!やめろッ!!!」
「っ……ぅ……
死にたく……ない……」
「に……にし…
N→
それは心の底で怯える死への恐怖
そしてそれは
だが、彼女はそれでも手を離さなかった。
「どうか……二人だけでも……助かって………」
N→
「あぁぁ……ぁぁ……!!!」
N→
その爆発の影響で吊るされていた
「ぐっ!!
N→
だが落下には間に合わず
「ごはあっつ!!」
「
N→
あの落下だったが、思った以上に出血はしていないようだった。
だが、後ろに倒れる
「ふっ…ははは
「だから……大事だって…言っただろ……」
N→
それを上から眺めていた仮面の傀儡師は拍手をする。
???
「素晴らしい!
なんとも感動的な師弟愛でしょうか!
同僚よりも!長く戦った仲間よりも!
自分を愛してくれた者よりも!
弟子を選ぶとは!なんともドラマチック!
ビューティフル!!ファンタスティック!!」
「黙れぇぇぇえ!!」
N→
仮面の傀儡師はそれを物陰に隠れて回避した。
???
「おっと危ない…
それでは次の演目は外になります
N→
仮面の傀儡師はそのまま走って外に出て行った。
「ここで待ってろ…あいつは……必ず殺す!」
「ぐっ……待ってください!俺も行きます!」
「そんな怪我で何ができんだ…俺はまだ無傷だ……
俺がケリをつける!」
N→
校庭に出るとその中央に仮面の傀儡師が立っており、こちらを真っすぐに見つめていた。
体格は
だが表情が見えず、慌てる様子もない
「貴様……何のために……こんなことを!」
???
「何のためですか…?」
「こんな事を…どうして貴様は!!
仲間を…人をどうしてそんな平然と殺せるんだ!!」
???
「………そうですねぇ」
N→
仮面の傀儡師は黙りこくる。
???
「遊びたかったからですかね」
「……なに」
N→
その瞬間、銃の先端がスパリと切断された。
「なっ!!?なんだ!!?」
???
「それじゃ次の遊びはこれですね
ここで私と戦いましょう
いわゆるラスボス戦です」
「部下たちを……殺しておいて…
遊ぶ…だと……ふざけるな……ふざけるなァ!!」
N→
???
『
N→
仮面の傀儡師は指をまるで傀儡人形を操作するような手ぶりをする。
???
『
N→
風を切る音がする。
指を動かしながら校庭の至る所に引っ掛けた細いワイヤーを巻き取り、
「なんだこれは!!?」
N→
目の前に何かワイヤーのようなものが通ったことに気がつき警戒しながら周りを確認する。
「なんだこの技は…何をした!?」
???
「
僕オリジナルの対人用殺傷技術ですよ」
「なんだそりゃ…ふざけてるのか」
???
「大真面目ですよ」
N→
一気に巻き取ると
そのワイヤーに斬られた箇所からは血が滲み出し、痛みが
「ぐぅっ!!?痛ってぇ!!
なんだ!なぜ紐ごときで切れる!?」
???
「電熱線って上手く使えばナイフより切れるんですよ
知ってました?」
「どこで…こんな装備を……!
自作したってわけでもねぇだろ!!
どうやってこれを…」
???
「確かに自作はしていませんが…設計は私なんですよ」
N→
仮面の傀儡師が指を動かすのに合わせて
???
「それでは…そろそろ終わりにしましょうか」
「なに!!?」
???
「トドメです」
『
N→
一気に強く指をからめる。
その巻き取りによって周囲のワイヤーが一斉に
「ぐぁあああああ!!」
N→
身体中を斬られ勢いよく血が噴き出す。
???
「ゲームオーバー……とはいえ不完全燃焼ですね
あぁそういえばもう一人…生存者がいましたね
あっちと戦うとしましょうか」
N→
仮面の傀儡師は
そのまま体育館へと向かっていった。
「……く……くそ……」
N→
体育館で待っていた
その足音は
違う人物であることが伺える。
「お前……
???
「さぁどうでしょう?」
「許さない……みんなの…仇だ!!
うぉぉぉっつ!!!」
N→
しかしそれをひらりと回避する仮面の傀儡師は何かを悩んでいた。
「お前!!避けてばかりかよ!!
かかってこいよ!」
???
「う~ん……どうしましょうか」
「何を迷ってやがる…!?」
???
「貴方の方が弱いんですね
ん~デザートはあっちの
N→
仮面の傀儡師は指をはわし、
???
『
N→
瞬時に仕掛けたワイヤーを絡めとり、
初見では咄嗟に反応ができず
激痛のあまり立ってられず正面から倒れてしまった。
「ぐああぁぁあぁつ!!
な、なんだ!?何が起きた!?」
???
「どうしましょうか…まぁ今日はこれぐらいでいいとしましょうか
それじゃあ…トドメですね」
N→
仮面の傀儡師は
???
「
N→
その瞬間、仮面の傀儡師の背後から拳が迫る。
咄嗟に反応ができず勢いよく顔を殴られて後方へと吹き飛ばされた。
???
「ぐわあぁあっ!!な…なんだ!!?」
N→
吹き飛ばされて倒れた仮面の傀儡師の前に立っていたのは
血だらけでどうやって動いているのかわからないが、その目には憤怒の意思が宿っている。
傀儡師は痛みに耐えながらも嬉しそうに笑いながら立ち上がった。
???
「あ…あれ…まだ動けたんですね!
なんだ…!よかった!!
それではまた違うゲームをしましょう!
一つ思いついたのがございまして
きっとたのし―――ぐはああっつ!!」
「………ッ!!」
N→
再度顔面に拳を受ける。
吹き飛ばされながら体育館の外へと飛ばされた。
???
「痛いっ…痛い…
ちょ…ちょっと待って!まだあるんですよ!
他にももっと君たちの仲間にもたのし―――ふがあっつっ!!」
N→
首を掴まれた後、再び顔面を殴られる。
仮面の傀儡師は校庭に倒れて空を眺めながら意識が朦朧としていた。
???
「ちょ……っとま―――ぶはっ!!!」
「っッッ!!!!」
N→
倒れる仮面の傀儡師に馬乗りになり、
???
「ぐはぁっ!!!ま!!まって!!
ちょっと!!タイ…!
ぶはっつ!!ごわっつ!!
し……ぐはっ!!
死んじゃう…って…ぎゃあっ!!」
「ッツ!!!!!!
っ!!があぁあっつ!!!!
はぁあっつ!!ッつ!!!!!
らあぁああっつ!!」
N→
仮面の傀儡師は動かくなる。
だがそれでも止まらず拳を振り続けた。
恨みを、悲しみを、怒りを、殺意を
「
N→
「邪魔を!!するなッ!!!」
「
「……っつ!」
「今回の任務は…生け捕りです……殺してはいけません!!」
「こいつは……!
俺の部下を……殺したんだ!!!
生かしてはおけねぇ!!」
「見てください…!こいつの顔……!」
N→
血だらけでグチャグチャになった顔はひどく変形してしまっていた。
だがその顔を見て
「こいつ……まさか……未成年…の……ガキか……?」
「多分……そうです」
「なんだと……」
「
この怪我です、すぐには起きません
俺は体育館にいる人たちの生存者を確認してきます
「いや…俺が体育館に行く」
「ですが―――」
「頼む………行かせてくれ」
「…………わかりました」
N→
そこに倒れていた
「……………………」
N→
全員の目を閉じさせると
血が出ようとも、何度も何度も殴り続けた。
行き場のない後悔と怒りを発散するようにただひたすらに。
「がああぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁあああああああああ!!!!!!」
N→
4月1日の悲劇のエイプリルフール
この日、B,C小隊の6人
計9人が死亡した。
生存者は
そして小隊6人を合わせた計8人であった。
それから数か月後
仮面の傀儡師の取り調べが行われた。
それによりこの男の詳細がわかってきた。
名前は
年齢は14歳
親族は不明、学校などにも通っていないという
現在でこのような行為に至るまでを調査されているという。
それから
たった5か月の間にA-Class6体、B-Class28体その他100以上の
次第に他隊員から
更に数か月後、
その報せを防衛隊本部の喫煙所にて
「
もうそろそろ終わると思います」
「あぁ……そうだな」
「どのような刑になると思いますか?」
「死刑だ!!それ以外ありえねぇだろ!!!」
「そ……そうです……よね
すいません」
「わりぃ……」
「いえ…こちらこそすいません」
N→
そこに
どうやら裁判の結果を報せに来たようだ。
「結果がわかったぞ」
「
「懲役20年だ」
「は……?」
「20年……たったそれだけ…?」
「………っつ!!!」
「お、おい!!どこに行く気だ!!?」
N→
駐車場からは防衛隊副長官である
「
「
「報せの通りだ
我々も最後まで極刑を求め続けたが結果は弁護人の勝訴だ」
「んだと……なぜなんだ…!!
あんなクズがどうして死刑じゃないんだ!!」
「
彼は幼少期より身寄りもなく犯罪に手を染めてしまうような環境にあった
それが大きく考慮されたのだ
他にも精神鑑定の結果も出た
複数の点から倫理観や常識の欠如が見られたのだ
事情聴取には素直に応じていた事、その間に反省の意思が見られた事
よって更生の余地ありと判断された」
「更生だと……ふざけるな!!
ふざけるなぁあぁ!!」
N→
ボディーガードがそれを止めにかかり、複数人で引きはがそうとするが
「私にもどうにもできなかったことだ
わかってくれ…それが法律なんだ」
「わかれって……何をだよ!!!
……ふざけるな!!!
あいつらの死をたったの20年だと………!!!」
「そうだ…第二審以降で量刑が変わることはあるだろう
だが現在提示されている弁護から鑑みるに死刑が求刑されることはおそらくない」
N→
力なく膝をつく
「上官への暴力行為、刑罰に値する
「…………」
「頭を冷やせ、
N→
これは後で知ったことになるが
政府関係者の中に彼を支援する者が居たという噂を耳にする。
過去の被害者の中には恨みのある人物が仮面の傀儡師に依頼して抹殺するための手段として利用していたという。
その複数の人物が
その事を知った
「
N→
普段の数倍の量の酒を飲んで無理やりにでも酔おうとしていた。
だがどれだけ飲もうとも気持ちが晴れることはない。
既に感情は怒りを超えており、その矛先がわからなくなっていたのだ。
「俺ぁ……もう……無理だ」
N→
「もう
「そんなに経ってたのか…」
「今そっちの隊はどうなってんだ?」
「今俺以外に4人入ってくるって話だが
毎日事務ばかりやってる」
「
「ずっと音沙汰無しだ」
「あの人に限ってそれはねぇとは思うが
思い詰めて身投げなんかしてねぇだろうな
もう歳だろあのおっさん」
「わからん…」
「………
「俺は…会ってなにを言えばいいのかわからない
運よくただ生き残っただけの俺に……一体何が言えるんだろうか」
「だがお前にしか聞けねぇことだ
一番弟子は俺かもしれねぇけど俺はあの事件を体験したわけじゃない
おっさんの苦悩を理解できるのはあの場にいたお前だけだ」
「……そうだな。わかった」
「どこに居んのかわかるのか?」
「場所はわかる
共通の嫌な思い出の場所だ」
N→
展望台の階段を上るとそこには
「久しぶりだな、
「お久しぶりです
N→
「吸うか?」
「いただきます」
N→
お互いに沈黙の時間が流れる。
「俺ぁよ、防衛隊辞めることにしたんだ」
「辞める……本気ですか?」
「辞表、ついさっき出してきたとこなんだ」
「そんな……
逃げるんですか………」
「あぁ…そうだ
俺はもうやめだ」
「………」
「俺らは何のために戦ってる…?
国のためか?
偉いやつのご機嫌取りのためか?
仲間のためじゃなかったのか
市民のためじゃなかったのか
あんなおふざけで部下をほとんど失っちまった
その仇すら殺すことができねぇ
俺にぁもう…なんもわからねぇよ」
「……情けないですよ
「悪ぃな……俺はもう折れちまった
もう…この拳の振るう先がなくなっちまったんだよ」
「でも……隊長はどうするんですか……
俺らの隊を……見捨てるんですか?」
「そりゃよ…
お前に託すぜ」
「え…はぁっ!?俺ですか!?
無理ですよ!まだ指揮をしたことなんてありませんし
まだまだ俺はわからないことだらけです!」
「俺だって最初はよくわからねぇままやったもんさ
だが……お前ならやれる
俺は信じてるぜ」
「そんな…勝手な……」
「まぁやってみて無理ならやめりゃいい
そういうもんは誰かがやるんだ
お前がやりたいならやれ
やりたくねぇなら逃げちまえ」
「そういうものでしょうか…」
「そう!結局お前がやりたいようにやりゃいいんだ
俺は面倒になったら辞めちまうのが自分らしさってやつなんだよ!
あれだ!よく言うだろ!いつだって―――」
「自分らしくあれ……ですね
わかりました……やってみますよ」
「ガハハハハ!よくわかってんじゃねぇか!
それじゃ、後は頼んだぜ」
N→
「そういう事があってな
俺は無理やり隊長にされて今までやってきたんだ」
「そんなことが…あったんですね」
「あの時、俺は正直ほとんど気を失っていた
だから俺は引き止めることができなかった」
「それは…そうですよね……」
「前にも言ったがあの人は裏を知っても尚生きてる理由がわかるか?」
「いえ…全くわかりません」
「あの人はあの事件の日
本当は仮面の傀儡師によって殺される予定だったんだ
色々裏事情を知ってた
だが、結果まさか勝つとは思わなかったんだろうな
その後
飼い慣らそうとした
だから階級も上がっていったし報酬もたんまり出た
だがそれを知った
「まさか…防衛隊がそんなことを?」
「クソみたいな話だろ
結局自分たちの汚点をばらされたくねぇからって色々やったが
暗殺しようとしたのかもしれねぇがあの強さだ
おそらく断念して放置してんだろうな」
「
「やべぇぞまじで
見たらわかるがありゃ生物として格が違ぇ
俺があの兵器使っても下手すりゃ負けるぞ」
「え!!?あれを使っても?
そんなレベルだったんですか!!」
「まぁそういうわけだ
さっきも言ったが俺から聞いたって言うなよ」
「は…はい!」
「俺らも病室に戻るとするか
ちょっと今日の夜は行かねぇといけないところがあって準備もしねぇといけねぇんだ」
「外出ですか?身体は大丈夫なんですか?」
「別に問題はない
お前より軽傷だったからな」
「わかりました、お気をつけて」
「おう」
N→
その日の夜
とある居酒屋にて
「女将さん、注文いいかい?」
女将(
「あいよ…あら?いらっしゃい」
N→
店内に入ると真っすぐ
「やっぱりここにいましたね」
「よくわかったじゃねぇか」
「ここ行きつけだって言ってましたもんね
ちょっと話があってきたんです」
「なるほどな
悪ぃ女将!また後で注文呼ぶわ!」
女将(
「あいよ」
「で、どうした?
俺になんか用か?」
「実は…」
「あーなんだ込み入った話か?
じゃあ待て
酒がねぇとダメだな!
女将~!
あれ取っといたのあったよな?一升瓶
あれ持ってきてくれ
…で、なんだ?」
「俺が前に言った俺の部下の
「あ~最近入ったって青臭い坊主の話か?」
「そうです
そいつを隊長にしたいって話
あいつ、すぐには受けれないけどいつかはって言ってくれたんです」
「おう、そりゃよかったじゃねぇか
お!ちゃんとあったな!ありがとよ
「俺はやめておきます
一応まだ入院中の身なので」
「アルコール消毒だ!一杯ぐらい付き合え!」
「……わかりました
一杯だけですよ」
N→
ぐいっと一気に飲むのを見ると
「ガハハ!お前日本酒もいけるようになったのか!」
「俺はワイン派ですけど日本酒も飲めますよ」
「で、その坊主がどうしたって?」
「もし…俺に何かあったらあいつを鍛えてやってくれませんか?」
「そういう話か……すまねぇが断る
師匠はテメェだろ
自分で教えたらいいじゃねぇかよ!」
「………」
「俺はもうお前と
老兵はもう引退だ引退」
「俺はもう……長くありません」
N→
「どんだけあんだ?」
「もって半年だそうです
しかもこれは俺がこれ以上身体を酷使しないとしての期間だそうです」
「半年か……短ぇなぁ……」
「だから……俺は全部を教えきれない
「面倒くせぇなぁ~」
「
お願いします」
「…………」
N→
「考えといてやるよ」
N→
隊長の恩師となる人物の悲劇
その出来事は国の闇を表すような残酷な現実であった
戦う意味、誰を守るのか、なぜ命を懸けるのか
それは果たして本当に正しい事なのだろうか
その答えはわからない
だがそれでも尚、藻掻き抗い続ける
例え利用されようとも、捨て駒にされようとも
市民のために戦い続ける
身を裂かれようとも
全てを失おうとも
救済を求めてただひたすらに
神ガ形ノ意志ニ背イテ 陸話 完
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あとがき
ようやく6話が投稿できました
せっかくなので作者のその時の感想を書きたいと思います
実は今作、
それが体育館で部下たちが吊るされているシーン
ここはジャッキー・チェン主演の香港国際警察のあるシーンを元にしています。
子供の頃に見て衝撃を覚えたシーンなのでかなり印象が強く
ちょうど今回の話に盛り込みたいなと思って描かせていただきました。
そしてその部下たちが吊るされる逆さ十字
これがなぜ十字架ではないかというと
十字架は本来は罪を犯したものが吊るされるものですが
逆さ十字はその逆で、今回
ただ標的にされただけであり
他の意味である邪悪の象徴
これは政府の陰謀がもとに起きた事件ある事の暗示として使わせてもらってます。
まさか
そして今回出てきたマリオネットダンスパーティー
なぜこの技がその後
これについてもいずれ描こうかなと思いますが、今はまだ内緒です。
そういえば2024年5月時点でもう一本出していまして
断チ切レヌ運命二抗イシ者タチ 他話
も公開しています。
こちらは
是非そちらも読んでいただけたらな~と思っております。
さてそれでは長くなりましたがお愉しみいただけましたでしょうか?
次は7話となります
次回登場する主要なキャラは
是非お楽しみに~
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
利用規約
ミクロさん台本を動画、配信で使用するのは全てご自由にどうぞ
・アドリブ演技に関して
この台本はアドリブを入れる事を前提として書いています
なので演者様方の判断で挟んで頂いて構いません
是非素晴らしい演技にアクセントをつけてください
しかし作風に合わないものはご遠慮ください
・性別変更や比率に関して
作者はあまり好ましくは思っていませんがある程度ならば可とします
そのある程度の境界線は他の演者様たちとの話し合いに委ねます
・特殊なものについて
台本を演じる際に読み込まないで演じる行為や
言語を変える、明らかに台本無視と取れる
特殊な行為をするものは認めていません
流石に読み込んで普通に演技してください
多分そうじゃないとこの台本は演じれないです
二次創作等、商権利用問題のある場合、質問や不明点ございましたら
作者のTwitter
https://twitter.com/kaguratizakura
のDMにてご連絡ください
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