神ガ形ノ意思ニ背イテ 伍話
登場人物名
32歳
大雑把な性格だが、部下を率いる防衛隊の一部隊の隊長。
説明下手でよく
任務中ではかなり頭が回り、戦場をかけている。
24歳
熱い正義感と無鉄砲な若さを持つ新人隊員
士官学校卒の元警官であったが、
任務より目先の命を優先することが多く、危険な目に合うことが多い
30歳
部隊の中では狙撃を務める事が多く、高い位置からの索敵が得意である
29歳
渋谷のバーでバーテンダーをしている男性
とある事件により視力がほとんど無いらしい
49歳
大雑把でガサツな性格だが実力は確かで引退後の現在も英雄譚が受け継がれている
現在は記者をやっているようだが、身の上話をしないためどこに属しているかは不明
36歳
嫌味を言うような性格で
金こそ全てという性格の持ち主
射撃技術や統率能力は高く、そこだけを言えば
27歳
戦闘では弾幕を張ったり、他隊員の立て直しの時間稼ぎや
年齢不詳
マッドサイエンティスト気質な女性
未だ研究結果を世界に公表することなく、自身のみで使っている
現在はなにか新たな兵器を製造することにご執心の様子
※
19歳
学園を卒業し、何かの目的を以て部隊に所属した。
自分の実力を疑わず、隊員と特に
かなりの実力者で、
Nは→後のキャラ演者が読む
※所々交代があるので注意してください。かなり大変です。
・
突如世界に現れた「
Variant Hunt Army通称
自衛隊や警察組織と違い、独立した権力を持つ
一般人や学園卒業者の中で実力保有者が入隊することができる
・
2000年に突如現れた異形の生命体。
理由や目的は不明だが人類を脅かす存在。
現れた当初は世界でも数十体しか確認されなかったが、年々数を増やしていた。
出現方法も繁殖方法などは不明となっている。
生物が
一部では神の使い等と
・
その素性、人員、目的一切が不明のテロ集団
突如姿を現れては殺戮を行う事から市民から恐れられている
役表
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
神ガ形ノ意思ニ背イテ 伍話
N→
腕輪に埋め込まれたモニターを見つつ
意識を失っていた間にどれだけの時間が経ったかわからないが
部下の無事をひたすらに願い続けていた。
川の流れる音と自分の足音と鳥のさえずりだけが聞こえている静かな空間に
突然、腕輪から着信音が鳴り響く。
確かめようとモニターを見ると強制的に通話を繋げられ液晶中央に
「やぁ、いい朝だね」
「何の用だ?」
「なにって君のバイタルを見たら死にかけてるようだから心配してかけてあげたんじゃないか
優しく寛大な心を持つ私に感謝してほしいね」
「黙れ、おしゃべりが好きなら壁とでもしてろ」
「特異体が出ているんだってね」
N→
腕輪の先からは優雅にコーヒーを淹れている音がする。
「なぜ任務だと知っている?」
「久しぶりに休憩をとっていたら急遽、連絡が入ってね
そしたら特異体が出現して、君の部隊が出動したと聞いたんだ
それにしてもいきなりこんな大変な任務に当てられるなんて心中お察しするよ」
「確かにお前に報告が行くことは不自然じゃない
だが、なぜ相手が特異体だとわかった?
今回俺たちにその報告はなかったぞ」
「正確に言えばそうかもしれないと聞いただけなんだけど
それよりも本当に特異体が出たんだね?
へ~~~~~!それは是非ともサンプルが欲しいね!
よかったら捕まえてきてよ!
生きたままが無理なら死んでても構わないよ~」
「どうだろうな……
相手はすさまじく強い
それに今俺たちは武器を失った…
奴を倒す手段はない」
「へーそうなんだ?
そんなのいいから
わかってることだけでいいからほら!」
「……奴はカメレオンのようなクモのような
4本の足が生えてて……背中に
あぁ違う…足の4本と違う腕の4本が……」
「あーーーーーごめん
聞く人を間違えたよ
全く言ってることがわからない」
「特異体の説明をしろって方が無理だろうが!
俺もよくわからん」
「それで、今向かってる先は廃旅館?
どうしてそんなところに?」
「
俺はそれを救援に向かっているところだ」
「他の部下はどこに行ったんだい?」
「二人は待機させている
もう一人は
「あ~~~もう一人の方が例の彼女だね
そうかいそうかい
順調そうなら何よりだ」
「この状況を切り抜けるためには
だが俺にはその力はない…せめて部下だけでも逃がしたい
何か案はないか?」
「ないこともないけど
私は今から朝食の時間なんだ、後で考えておくよ」
N→
急に通話が切れると腕輪は再びマップを映し出した。
「あのクソ女……」
N→
「特異体ねぇ、まぁ普通には勝てないだろうさ
君の腕にはすでに力はあるけども…どう使うか見させてもらおうかな」
N→
そして同時刻
旅館の中で
マガジンの形状が違うため、最大まで装填した状態で残りを置く。
「それで?この後はどうするの?」
「さっきの山道に戻りましょう
もしかしたら下に降りれる場所があるかもしれません
「さぁ、どうでしょうね
無事だったらいいわね」
「無事だと俺は信じてます……
「根拠もないのによく信じれるものね」
「……とりあえず俺たちは先を急ぎましょう」
N→
二人が山道に戻り、歩いていると途中で川沿いに降りれそうな階段を見つける。
「ここからなら降りられそうですね」
「川の流れを辿っていけばもしかしたらどこかに形跡ぐらいは見つかるかもしれないわね」
「少し足場が悪そうですが大丈夫ですか?」
「私は貴方に着いていくから気にせず先に進みなさい」
「わかりました
それでは行きましょう」
N→
川のふもとまで下ると、川の流れに沿って移動していく。
最初は大きな岩や倒木が多くゆっくりと進んでいたが
中流までいくと石も細かくなってきたためペースをあげて歩くことにした。
一息つこうと休憩を提案をしようとしたその瞬間、辺りに不自然な銃声が5発響く。
「銃声!?まさか…誰か戦っているんでしょうか?」
「相手に向けて撃っているならテンポが一定すぎるわ
誰かに合図でも送っているようね」
「まさか…ですが、
「考えてもわからないわ
とりあえず行ってみましょう」
「はい!」
N→
二人は急いで音のした方へと向かった。
N→
時刻は数分前に戻り
周囲を警戒するために静かに耳を澄ましていると
草木が揺れる大きな音が聞こえ、二人は木の陰に隠れる。
川沿いに姿を現わしたのは先ほどのカメレオン型の
何かを探すように川をキョロキョロとみていた。
「運悪ぃな…まさかこっちに来ていたなんて……」
「私たちの居場所がバレたんでしょうか?」
「いや、多分違うな…
おそらくだが
落ちてってた場所をあらかた覚えててここまで来たって感じだろうな
ある程度の知性を持っているとなると厄介だぞ…」
「この状況…どうしたら……」
N→
こちらの小声や少しの物音は聞こえていないようだ。
「ゆっくりとここから離れるぞ…
慎重に…ゆっくりだぞ…」
N→
二人は後方へと一歩、また一歩と下がる。
バレたら一巻の終わりになってしまうため牛歩のように歩みを進めていた。
「バレてないか…?だいぶ耳は悪いんだな」
「今のところは……問題なさそうです」
N→
後ろに下がる途中、
「え、なに!?」
N→
後ろにぶつかったのはどうやらリスのようで
リスは
しかしその逃げた先は川の方で、
「リスが…!?」
「まずい…向きを変えやがったぞ!」
N→
リスが現れたことにより
そしてその視界に
「ふざけんなっ…!とことん付いてねぇな…!」
「
「お前のせいじゃねぇ…
そんなことよりやべぇぞ!!
くそ!!!仕方ねぇ!!」
「どうするんですか!?
私たちだけじゃ危険です!」
「まずは助けを呼んでみるしかねぇ…!」
N→
「くそっ!頼む、聞こえててくれ!!」
「
N→
大ぶりな足つきであったが巨体の繰り出す威力はすさまじく
近くの細かな木々を吹き飛ばしながら突っ込んできた。
突進にはいち早く気づき動いていた二人だが
飛ばされた枝が勢いよく
「痛っつ…ぁあああ!!!」
「
N→
残った10発の弾を撃ち込むが、全て皮膚に弾かれた。
「くっ!こんな小物じゃどうしようもねぇじゃねぇかッ!!」
「痛ぃっ………
私を置いて…逃げてください!!」
「なに言ってんだッ!!
そんなの
N→
その瞳の一部が緑色の血で滲んでおり
どうやら少しだけダメージを受けているようだ。
そして
「やっぱり視界頼りで大きく動くものを優先的に狙ってくるタイプ…
思考能力はある程度あるようだが、そこまで知能は高くない…だがそんなこと言ってる場合じゃねぇ!」
N→
クモのように背から生えた足で
すんでのところで回避をしながらハンドガンに装填をするも、これでは効果がないことをわかっているため回避に専念していた。
「どうしろって言うんだよ…あと2マガジン
30発ごときで勝てるかよあんなのに…!!」
N→
焦りを通りこし冷静になりつつある
そんな時、ふと
「あんな化け物と戦うには化け物じゃねぇと無理だろ…
なんでこんなのに一人で勝てんだよあのオッサン……」
N→
時刻は現在に戻り、
「そろそろ近いはずです…一応武器を構えておきましょう」
「でも、もし接敵したらどうする気?
さっき撃ったからわかるけど
ハンドガンの弾は通らなかった
ちゃんとした武装があるならまだしも
今のままでは勝ち目ないわよ」
「でも…これしか今の俺らにはありません
何とかしないと…」
N→
近づいていくと大きな木々が晴れて遠目に
「
「待って!このまま行ってどうするつもり?」
「どうするって…!
「少し落ち着きなさい……
まずあの巨体に対して私たちだけでダメージを与えられない
なにか対策はあるの?」
「じゃあ…どうすれば!」
「ここで戦うのは仕方ないとして私たちだけじゃ知識が乏しい
一度合流して作戦を考えましょう…
二人の知識なら何か思いつくかもしれないわ」
「わかりました…手榴弾を投げて気をひいてから一度集まりましょう!」
N→
「
「
「わかりました!!
まず…安全ピンを抜いて……おらぁあっつ!!」
N→
ピンを抜き手榴弾を顔に向けて高く投擲した。
それにより
その隙に
「
よかった…いなくなった時はどうなるかと思った……」
「
こいつをどうするか…」
N→
「走って逃げることはできないでしょうか?」
「あの巨体が走ったら人間なんてすぐ追いつかれるぞ…
それに森の中じゃ俺らが圧倒的に不利だ…バラバラになれば真っ先に狙われた誰かが死ぬことになるだろ」
「仕方がないでしょ
この場で全滅より、一斉に走り出したら1人…あるいは2人は逃げれるかもしれないわ」
「なら…私が囮に……!」
「そんなの…!絶対にダメです!!
皆で生きて帰らないと…!!」
「お前………ははっ
どんどん
「俺が時間を稼ぎます
俺もなんとか逃げ延びてみせるので皆さんは先に逃げてください」
「
「啖呵を切るのもいいけど逃げれる自信はあるの?」
「正直言うとありません…ですがもうそれぐらいしか……」
「いや…一つだけ策がある」
「策って……一体どうするつもりですか?」
「あいつは視覚を頼りに行動している
もしあいつの目を二つ潰せたら追ってくることはできなくなるだろう」
「で、でも!どうやって目を潰すんですか?
私たちのハンドガンでも攻撃があまり効いてないようですし…」
「いや、さっき
流石に目はそこまで硬くねぇんだろ
どうにか光彩を潰せりゃ可能性はあるってことだ…」
「なるほど……そうすれば逃げれるかもしれません!」
「でもこっちがしっかり狙うためには正面からじゃダメよね
あの爬虫類タイプは目の幅が広いから側面から撃たないといけない
とはいってもあいつの動きに合わせている間に攻撃を受けない保証もないわ
どうするつもり?」
「みんなで一斉に撃つのはどうでしょうか…?」
「いや、それだと確実性がない
あいつがそれに勘づいて瞼を閉じたら一貫の終わりだ
確実に潰すためにはなるべく接近して至近距離で撃たないとならねぇだろうな」
「だとしても…それは私たちが万全だったとしてもできるとは思えません」
「私も正直、身体はボロボロで歩くのがやっとなの
いつもなら出来なくはないだろうけど今は無理ね」
「なら………俺が気を引けば…!!」
N→
拳を握り締める
瞳を閉じて意を決する。
「まぁ待て…」
N→
立ち上がろうとした
「俺に任せろ」
「そんな…でも!
俺には身寄りがいません…なので俺が行くべきです」
「馬鹿かお前…そんなボロボロの体で何ができんだ
俺がこの中で一番軽傷だ」
「でも…死ぬなら俺の方がーーー」
「それ以上先を言うんじゃねぇぞ
命の価値はどんな奴でも等価だ
大事とか要らないかとかじゃねぇ…俺が一番動けるって話だ」
「でも…
「そうですよ!!
あのデカい足を避けて正確に狙うなんて一人じゃ危険です!」
「そういや
「え?あぁ…はい
以前隊長と一緒に会いました」
「
「それって…」
「あの人から教わった力…使うなら今だろ!」
N→
ハンドガンとバヨネットを片手で持ちながら、
練習するように武器を構えると
「ねぇ…あの人って近接戦に慣れてるの?」
「え?そんな話は聞いたことないけど…
だっていつも狙撃と援護射撃をやっているのよ
…前に聞いた時は苦手だとも言ってたわ」
「あれが…?苦手?…なんの冗談?」
「どうしたんですか?」
「なんであの人はこの隊だと部下なの?
そんな器じゃないと思うんだけど…」
「それは…どういう……?」
N→
「苦手……ってか、あのオッサン見てたら誰だって自信なくすぜ」
N→
「危ないっ!!」
「うぉぉっ!!」
N→
「すごいっ!!あんな方法があるなんて!!」
「おらあああっつ!!」
N→
頭の上に乗る。
視野の範囲外に突然消えた為、
視線の向きを確認してから空中に飛び上がり、瞳に向かって連続で発砲する。
「はぁああああ!!」
N→
その弾丸は右の瞳を貫くと、化け物は甲高い鳴き声を上げる。
地面に着地するとリロードを瞬時に終わらせた。
「すごいっ…片目にちゃんと当たってる!」
「ほら、言ったでしょ
あの人、私と変わらない腕前よ」
「まさか…
N→
爆音に一同は耳を塞ぐも、
「そらっ!」
N→
先ほどと同じ方法で飛び上がった。
しかし
空中に浮かんだ
「何っ!?ぐわああぁぁぁぁああぁ!!」
「
N→
ボキッと骨が砕ける音が響く。
勢いを消され、ぶらりと宙吊りになってしまう。
しかし
「がああっ!!くたばれえぇえ!!!」
N→
バランス感覚を失っているのかふらふらとした足取りで何度か足をもつれさせていた。
その際に顎の力が緩んだのか
「うぐっ!!……痛ってぇえ!!ちくしょっ…!
めちゃくちゃ痛ぇじゃねぇかよ」
「これは…成功したの!?」
「やった…か!?」
N→
しかし
銃弾は外れていたようで、瞳から逸れた位置に数発当たっているだけであった。
「やべぇな……しくじった…」
N→
銃を向けて引き金を引くが、カチッと音がするだけで弾は出ない。
どうやらすでに全て撃ち尽くしていたようだ。
「ふざけんなよ……こんなところで死ねねぇってのに…
次の休みに遊園地に連れてくって約束しちまったんだぞ…
カッコつけれねぇだろが!!」
「
「状況はかなりマズイわね…」
「万事休すか!!
ひろみ……よしえ……
すまねぇ
俺……帰れねぇかも」
N→
時は少し戻り
マップを見ながら進んでいくと旅館にたどり着く
その場に二人の姿はなかった。
残っていた血痕を頼りに建物内の3階へと登ると
そこには
全員後頭部に鈍器による一撃を受けていた。
「これは……どうなってる?」
N→
近くには
そのストックには血がついており、隊員の受けた傷と似通っていた。
「まさか…あいつが殺したのか?」
N→
武器を拾い上げマガジンを抜く。
中にはまだ20発ほど弾が入っており、壊れている様子はなくまだ使えるようだ。
「これなら奴に効くだろう…」
N→
立ち上がりその場を後にしようとすると
咄嗟に拒否を押したが、再度かかってくると勝手に通信がオンになる。
「着信拒否とはひどいね
君のためにかけてあげたっていうのに」
「日頃の行いが悪いからだろ」
「それで、旅館に部下はいたのかい?」
「いや…いなかった」
「まぁ、だと思ったよ
せっかくだから機能紹介も兼ねて教えてあげよう
これ見てよ」
N→
腕輪を見るとマップが突然灰色の一色に染まり、先ほど自分が歩いてきた方面にオレンジ色の丸い波形が出ていた。
「なんだこれは?」
「さては君、機械に疎いね?
これは音声波形をマップに表示したものでさ
今表示されてるのは30秒前の記録だよ」
「あ……あぁ?どう見るんだこれ?」
「へ?そのままの通りだろ?
5回音が鳴ってるのさ
鳴る感覚はだいたい1秒あたり?心当たりは?」
「
「そっちの方面を見てみると川の音じゃないデカい音もあるね
これが
「今すぐ向かわないと…!」
N→
走りながらも通話は続いており、
「どうしてそんなに部下のために命をかけれるんだい?
君ほどの階級だったらすぐに部下は補充してくれるだろ?
別に今の部下じゃなくても変わりはいるんだよ?
どっちかと言えば君の方が特別だよ」
「はぁ…はぁ……ふざけるな!
命は…平等なんだ…!
特に俺の部下は、全員護ると誓った…!
必ず救って見せる!!」
「もはや強迫観念だねそれ
…でも命が重いってのは私も同感だよ」
「何言ってやがるんだ?気持ちが悪い
イカレてた頭がさらにイカレたか?」
「ひどいなぁ~私だって傷つくことはあるんだよ」
「ざまぁみやがれ」
「……私にも大事だった人がいたんだ」
「何の話だ?」
「争いってのは人を強くも、弱くもする
気に入らない奴を潰すことだって、逆に潰されることだってある
争いは常に進化と共にあり続けた
それが生物の共通認識であり、とても興味深く
とてもシンプルかつ奥深い
そう思うんだよね」
「話に着いていけない…何が言いたいんだ?」
「いや、ただのヒトリゴトさ」
「なら口を閉じてろ…!気が散る!」
N→
通信を切断してすぐに爆発音が響く。
どうやら川沿いの先でグレネードが使用されたようだ。
その方向は先ほど自分が川から引きあげられた方と同じだった。
「くそ!無事でいてくれみんな!!」
N→
視点は移り
しかし先ほどの
「くそ…弾切れ……」
「私も…もうないわ…」
N→
その一撃を受けて
「ごほっ…ゲホッ…!!がは…くそ……強すぎる」
N→
ゆっくりと足に力を入れるも、すでに限界であった身体には力が入らない。
「動けよ…!なんで、動かないんだ!
まだ…俺は……強くなったんじゃないのかよ…!」
「なにやってるのよ!」
「
N→
『
N→
連射により射撃でけん制すると、
「あなた…!私の家族を殺した奴らを追い詰めるの手伝うんでしょ!
こんなところで死にかけてて出来るっていうの!?」
「ぐ………
「ここから私一人で逃げろって?
ほんとうに馬鹿なのね…
それができたら苦労はないわよ」
N→
その衝撃で石つぶてが飛び散り、
「ぐうっ!!!」
「うっ!!………
「うっ………ゲホっゲホ……!!」
N→
身体が動かない。
既に先の
絶望的な状況に過去の一件が
「ここで…!俺が……戦わなきゃ…誰があいつを倒すっていうんだ!!」
N→
どこにそんな力が残っていたのか
気合だけで立ち続ける
「どうして…俺は…こんなにも弱いんだ」
N→
絶望に塗れたその声は誰にも通らないほど小さい声であった。
大きな歯が
世界がスローモーションになった。
こんな経験を
(俺は、ずっと変わってないんだろうか
あの頃から……何も……)
N→
その時、銃声が鳴り響く。
何度も止まった世界から響いていた声が聞こえてきた。
「
「はっ……はいっ!!」
N→
「二人とも無事か?」
「俺は…まだ何とか大丈夫です」
「こっちはもう結構ギリギリの状況よ」
「
「あそこです…!」
N→
「あいつらは無事か?」
「
「
後は俺に任せろ!」
「え、どうするつもりですか?」
「お前らは…俺が必ず護ってみせる
そう言っただろ?」
N→
腕輪をちらりと見て何かを打ち込むように触り始めた。
「
もう二度とあんな思いはしたくない
あれからずっと…救えなかったことをずっと責め続けられているような気がしていた
お前らを護った時は救われたような気がした…
だから俺はお前らを失いたくなかった」
「
「カッコわりぃだろ?見損なっていい
だが、俺は決してお前らを犠牲にしたりしない
俺の命ある限り…お前らを護り続ける…
それが俺の弱さであり、強さだ!
だからこそ、俺は俺自身を曲げたりしない!
俺の気持ちに答えてくれようとしてたんだろ?
だが、答えを急ぐ必要はない…
どんな決断をしても俺はお前を責めるつもりはない
だが忘れるな………
N→
対する
決意を込めて、
師としての
隊長としての
人としての
彼なりの最大の言葉を送った。
「いつだって…自分らしくあれ」
≪装着≫
N→
いつかの
モニターやパソコンが置いてある何かの部屋に待機していた。
「あいつ…遅ぇな」
N→
ふと机を眺めていると、何かの資料であろう紙を見つける。
なんの気兼ねもなく手に取り、内容を読み始めた。
「なんだこりゃ…なんかの身体みたいなのが書かれてる…が
後はあんだこれ…?NE…X…U…S?
何て読むんだこりゃ」
「
N→
突然モニターの電源が付くと
「なっ!!びっくりするじゃねぇか!
…急に出てくんじゃねぇよ」
「人の机を物色する趣味の悪い男に言われたくないよ
それよりそれが何か気になるかい?」
「興味ない」
「まだ教える気はなかったんだけど、せっかくだから教えてあげるよ」
「人の話をーーーーー」
N→
モニターの表示が切り替わる。
そこに映し出されたのはスーツのような形をした服であった。
だが不自然なのはその表面が常に動いており、何かの生物のようになっていたのだ。
「なんだこれは…!?なぜ動いているんだこれは!!?」
「当ててみてよ
これは何で出来てると思う?」
N→
そしてすぐに気がつく。
その表面が以前戦った
「これは…!!!
まさか
「正解~~~~!
何かって言うとね
今作っている最中の
形作ったものを人間が着れるように変えてみたんだよ
これを人が装備したらどうなると思う?」
「どうなるんだ?」
N→
その答えを聞くや否やすぐにモニターが切り替わり
そこには先ほどの装備を纏った
何も設備がない真っ白な部屋に立っていた。
そして少しするとその壁が大きなシャッターのように上がっていき
その中からは3メートルほどの角の折れた牛型の
「これは…お前がテストしたのか?」
「正確には私の体組織から複製したクローンに最低限の戦闘技術を覚えさせただけの人形ってとこかな」
N→
飛び掛かるように突っ込んできた
その突撃は
だが
「なんだ今の力!!?」
「そう、これを使用した人間の力は飛躍的に向上する
人間は本来の力を抑えてるって聞いたことある?
それを人工的に引き出し、尚且つこの
人体が出すことの出来る力にブーストをかけることができる
こうすれば戦闘力は格段に上がると思わない?」
「こんなものが……!」
N→
吹き飛ばした後の
次第に動きが鈍くなっていき、最後の強い一撃を受けて完全に沈黙した。
「これは…すごい発明じゃないか!!」
「いずれはこれを量産までもっていきたいんだ
そうすれば
「この力があれば…
それだけじゃない…たとえ強いテロリストだろうと確実にッ…!!
おい
N→
その瞬間、モニターに映し出された
次第に身体が震えるように痙攣し始め、悲鳴をあげながら正面から倒れる。
「お、おい!!どうなってる!?
大丈夫か!!?おい!返事をしろ!」
「うるさいなぁ
それは私じゃないって言ってるだろ?」
「そうだった…だが、このクローンとやらになにが起きたんだ?」
「副作用だよ
この装備は人体を無理に使わせるだけじゃなく
装備して動くたびにこの
その原因が究明できてないのと、サンプルの数があって
まだまだ完成には至らないんだ」
「副作用を…なくすことができるのか?」
「そうだなぁ…
いつかは出来るかもしれないけど
今は難しいと言っておこうかな
特異体をベースに作っているからサンプルは極端に少ない
データが豊富にあれば人間と上手く適合するものや
その外殻の組織も解明できるかもしれないね」
「そうか…特異体か
だがそんなものがどれだけいるかもわからんぞ」
「あ、でも一つだけ少しだけ早く完成させる方法があるよ」
「なんだ、それは?」
「君がこれの試験型を使って実践で使用してくれたまえよ
実践データってとっても有用でね
ゴミが出ないぐらい参考になるんだ
とはいってもまだ完成してないこれを使うことになったら
君の身体はどんどんと貪られていって命の危険もある
だけど君の命を使えば7~9パーセントは完成に近づくだろうさ」
「俺の命で…数パーセントだと?」
N→
自分の命と引き換えに研究が進むことで得られるメリットは大きい。
先ほどの兵器が完成すれば強力な
これが量産され、リスクがなくなれば兵力が大幅に上昇する。
防衛隊内で支給されれば犠牲者の数も減ることになるだろう。
そう頭ではわかってはいるが決断できずにいた。
それが何かというと
「一つ聞かせてくれ…
何のためにこんなものを作った?
お前が世界の為だとか人類の為だとか
そういう感情はお前にはないはずだ」
「ん~~~~~~~
簡潔に言えば興味本位だよ
作ってみたかったものを作ってみた
それはどんな人間にも共通して持つであろう好奇心ってやつさ」
「だと思ったよ…」
「それでいいじゃないか
私を君たちを利用して実験をする
君たちは私の力を使い人々を守ればいい
利害の一致というやつさ」
「…………」
N→
目を閉じて考える。
今度こそ、それを守る力が手に入るかもしれない。
「わかった、俺が手を貸そう」
「決断が早い男は好きだよ
それじゃあ早速、君の体に適合するように調整を施すよ」
N→
それからまた時間が過ぎ
「まさかあれは完成していたのか!?」
「まだ75%ってところかな
ある程度副作用は緩和したからいきなり死ぬなんてことはないけど
確実に人体にダメージを蓄積させ続ける
しかも治りづらいことに表面上の傷じゃなくて
内組織から削り続けてる
複雑なんだよね
例えば、何もないところから外殻を生成していくとか
それを利用して作ったこの兵器だけど
そのルーツについて明確じゃないから極めて危険だ」
「だが…緩和されたということは何度かは使えるということだな?」
「そういうことだね
だから君に一度渡しておこうと思って
それを使って特異体を倒せば、より完成度が上がる
もし遭遇しなかったとして君が死亡した場合でも
その実践データで確実に完成に近づける」
N→
それを
手に取ってみるが、どう見てもスーツには見えない。
「これはなんだ?あのスーツを使うんじゃないのか?」
「ん?これがそのスーツだよ」
「どう見たってこれがスーツなわけないだろ!」
「まぁ、落ち着いて聞いてよ
あのスーツはさっきも言ったように何もないところから生成される
それを利用してその腕輪の中から外殻を形成するんだ
その為のコントロール装置として腕輪がいいかなって思ったんだ
オシャレだしね」
「これがあのスーツに変形するっていうのか?」
「正確に言えば形成なんだけどなぁ
君たちに力を与える装備
「これが……
「起動方法は簡単だ
君がその腕輪を付けていると1つ目のロックである静脈が認識される
それを手のひらで握ることで2つ目のロック、指紋が認識され
君がコードを言えば、声帯認証がされる」
「何を言えばいいんだ?」
「そうなんだよ
認証できればなんでもいいんだけど
内容が思いつかなくてさ~
変身!とかチェンジ!とかあるいはネクサスって言わせてもいいかな~って思ってるんだけど何がいいかな?」
「コードか……」
N→
時は現在に戻り
対する
そしてコードを決意を込めて叫ぶ。
「いつだって…自分らしくあれ」
≪装着≫
N→
コードを叫んだ瞬間、腕輪から英語の羅列が鳴り響いた。
腕輪から根が巻き付く
そしてその形はスーツのような形状へと変形していき
縛り上げるようにギチギチと音を立てつつ鈍く光り出す。
痛みに耐えながら気合を込めて放つ咆哮と共に、その形が完成した。
「うぉおおおおおお!!!!」
「…な!?な、なんなんですかそれっ!!?」
「説明は後だ…下がってろ」
N→
痛みが引いていき、
先ほどまでの疲労や怪我が嘘のようにない。
「あのクソ女……ここまでのものを作ってるなんてな」
「それで…あいつに勝てるっていうの?」
「初めて使うからわからん………だが必ず倒してみせる!」
N→
それから威嚇するように
対して
「ビビってるのか?かかってこいよ…化け物」
N→
装甲車でさえ砕くその一撃を受けて
普通ならばーーーー
「効かねぇな」
「な!!無事…なのか!?すごい…」
「あの隊長が…こんなに強くなるものなの…?」
「はあああぁっつ!!」
N→
両足を拳で殴りつける。
するととてつもない打撃音と共に
その強烈な一撃を受けて驚いたのか
「いくぞ!!!!」
N→
急速に
その一撃で
そして飛び上がった
すると右腕の先からサーベルのような刃が飛び出す。
「片目を貰うぞ!!!」
N→
そのままの勢いで目を切りつける。
緑色の血しぶきと共に
「ぬぅ!!うるせぇな!!」
「すごい!もう片目を潰した!
これなら…勝てますよ!」
N→
するとその身体の色が抜けていき、徐々に視えなくなっていった。
「なに!!?ど、どこに!?」
「これが…前の部隊がこいつを見失った理由ね…
いきなり透明化なんてされたら仕方ないわね」
「そ、そうか!こいつは特異体だった…!
でもこれじゃあどこに本体があるのかわかりませんよ……!」
「いや、俺にはわかる…!理由はわからんが姿が見える!
おおおおおおおおっ!!」
N→
そして空中で翻り、蹴りの姿勢をとる。
『エアロ・ストライク!!!』
N→
空中で何かを勢いよく蹴り落とす。
その蹴りを受けて地面に大きなものが叩きつけらる音が響く。
中心から不可視がどんどんと解けていく
強い衝撃を受けたためすぐに立ち上がれずに身体をジタバタと動かし続けている。
「トドメだッ!!!」
N→
その一撃を受けて
そして次第にその叫びも弱くなっていき、動かなくなった。
「勝った……!!」
N→
≪解除≫
N→
その一言でスーツがボロボロと崩れていき、中に着ていた装備が見えていく。
「
「はぁ……はぁ……勝ったぞ…!見てたか!
「は、はい!!
あの…今の装備は一体なんだったんですか?」
「なんだったか…
あー…悪いがあいつが何を言ってるのかほとんど理解できてなくてな
俺もよくわからないんだ」
「
「
なんだったか?
それを詰め込んで…それがこの腕輪になった
つまり、そうする事で軽くなるとかなんとか」
「あぁ…そうだったわ
もう説明しないでいいわよ
意味がわからなかったから」
「そうか?…そうだな
とりあえず詳しい話はあとだ…
「向かってどうするの?
電波も繋がらないここじゃ助けも呼べないわよね」
「こんなところに居てもやれることはない
まずは山道に出てから考えよう」
「わ、わかりましーーーー」
N→
その途中で銃声が遠くから聞こえる。
空を見上げると少し離れた位置に硝煙が上がっているのが見えた。
「あの煙は一体!?」
「硝煙弾が上がったような煙みたいだけど
私たち以外の隊はもう居ないはずだけれど」
「まさか…救援が来たのか?」
「まず、俺たちがここにいることを知らせましょう!」
N→
その音を聞いたのかすぐに複数人の足音が聞こえ始める。
草木を分けて現れたのは完全武装をした防衛隊員であった。
「あれは…他の隊員か…?」
「なぜだ……どうしてここがわかった?」
名もない防衛隊員 (
「救援信号を受けて来たH-6隊とG-3隊だ
生存者は全員か?」
「あ、あぁ…俺たちはF-4隊
隊長の
N→
防衛隊員は確認を終えると
そこには残り3部隊はいるであろう隊員らや
複数の
そして救護用の救急車が3台到着していた。
救急車の後方から出たタンカに腰かけたナースがこちらに来るように手を振っている。
「こっちを呼んでないか?」
「そ、そうですね」
N→
近づくとすぐにその正体がわかった。
「やぁ二人とも、まだ生きてるようで何よりだよ」
N→
担架に座っていたのはナース服を着て飴を舐めている
「なぜお前がここにいる?」
「え!?
医者だったんですか?」
「そんなわけないだろ
こいつに人を救う仕事ができるわけねぇ」
「言っておくけど医師免許は普通に持ってるからね
それも独学で1週間で取ったほど超優秀さ」
「お前が救援を呼んだのか?」
「その腕輪で位置がわかったからね
呼んであげたんだよ、感謝してね」
「あ、ありがとうございます!」
「馬鹿野郎、こんなやつに礼なんてするんじゃねぇ」
「ひどいなぁ」
「というか位置がわかってたならなぜすぐに助けを呼ばなかった?」
「これは結果だけど
数だけいたところで死体が増えてただけなんじゃない?
特異体を倒すのに必要なのは圧倒的な個か
打ち負かすほどの戦略しかない
頭数だけいても勝てるものじゃないのはわかってるだろ?
もし居たとしてもどうせ君が
「もしかして
「そうだよ、興味ある?
人体実験には人員が欲しくて君もよかったらーーー」
「俺の部下まで引き抜こうとするなクソ女!
頭カチ割るぞ!」
「お~こわいこわい
ちょっとしたお茶目じゃないか
糖分足りてないんじゃないの?」
N→
そうこうしていると
残された
「あの…
「
恋人の有無かい?それともスリーサイズかい?」
「そ、そういうのではなく!!その…救援を呼んでいただきありがとうございます」
「あぁそれね
別に感謝を言われる筋合いないよ
私はただもし負けた際に
どうやら私を買いかぶってるようだけど
君が思うほど善人じゃないよ私は」
「たとえそうでも、俺たちは助かりました」
「真っすぐだねぇ……」
N→
そう話していると
身体の至る所から耐えがたい痛みに襲われ、悶えるように膝をつく。
「うがっ!!?ぐぅぅぅ!!!
な、なんだ…!!急に…痛みが!!?」
「強いアドレナリンが出てて気づいてないかもしれないけど
今回の任務で君が一番の重傷者だよ」
「…ぅ……がぁ……」
N→
次に気が付いたとき
病院のベッドで眠っていたようだ。
「ここは…?」
「目が覚めたか?」
N→
上体を起こして辺りを見渡すとそこは軍管轄の病員の一室のようで
4つのベッドに
「お!起きたか?
「よかった~
「そう……だったんですか」
「あれ?
「昨日の夕方頃だったと思います」
「そっかそっか、
お前は丸3日も寝てたんだぞ?」
「でも私たちも2日は起きなかったんですよ」
「そんなに…眠ってたんですね
あの…今どういう状況ですか?」
「全員こんな感じだから安静休暇になったのよ
前の任務についての説明も一旦後でって指示が出てるわ」
「あ、そういえば
「俺らが寝てる間に退院してるらしいぞ
あの怪我の癖に入院じゃなくて自宅療養で大丈夫なくらい無事だってさ
だが見舞いにも来ねぇんだぞ?
薄情なやつだよなあいつ」
「でも彼女らしいですね」
「そうですね」
N→
一同は笑い出す。
そうしているとノックの音と共に1人の子供が部屋に入ってきて
どうやら
「おお!よしえ!それにひろみも…心配させちまったなぁ
わるぃわるぃ!元気になったら遊園地行こうな?」
N→
「お母さん!…こんなに買ってこなくても…
でもありがとう!そっか、お父さんは来れなかったんだ…
あ、でもーーーーーー」
N→
家族団らんで話しているのを見て
「
「あ、はい!わかりました」
N→
「せっかくだから家族の時間にしてやろう」
「そうですね…」
「流石にタバコはダメだよなぁ」
「…やめておいた方がいいと思います」
N→
屋上の風に当たりつつ、
「
「あぁ、いえ…俺は何もできませんでした」
「だが死人は出なかった
「そうなんですね…なら素直に受け取ります」
「おう」
「あの…以前話してた隊長になれって話ですけど……」
「あ~それか、忘れてくれ」
「その…俺はこれからも
「なんだよ急に?こっぱずかしいな」
「俺は
なので、その‥まだ
「……」
「もし、俺が一人前になったら
またこの話をしてください
その時にまた考えたいんです」
N→
その言葉を聞き、
「……そうか、そうだな
急ぎすぎたな…悪かった!」
「いえ…!俺もすぐに答えを出せず、すいません!」
「ほらよ」
N→
その瞬間、
「いっ!!!痛たたたたたっ!!
「はははは!!悪ぃ悪ぃ
ちょっとした悪戯心が出ちまっただけだ」
「本気で痛かったですよ…
入院中の身でよくそんな力が出ますね…」
「俺は鍛えてるからな!
お前がまだまだヒヨッコだったって事だ
これからもビシバシとしごいていくからな!
覚悟しろよ、
「はい!」
N→
そう言いながら笑いあう二人の声を屋上の扉から除く
「師弟か……見てて暑苦しいわね」
N→
携帯を取り出し、着信をかける。
「そういうわけで何とか私は生き残れたわ
それで、
…………そういう事…ね
……だから最初の部隊が消息を絶ったわけね…納得だわ
それじゃあさようなら…」
N→
着信を切ると
「
口先だけじゃないかどうか、楽しみにさせてもらうわね」
N→
先の事件が終結した際に時は戻り
そこにナース服を着た女性が歩いてくる。
「君が
ちょっと話いいかい?」
「いいけれど、貴女は?」
「私は
名前ぐらいは聞いたことあるんじゃないかな?」
「そんな有名な科学者さんが私に一体なんの用?」
「君の復讐相手、それについての手がかりを知ってる」
N→
その言葉を聞いた瞬間
「良い目だ。殺意っていうのかな
目は口程に物を言うというがその通りだね」
「私に何を求めてるの?」
「フフッ話が早いね
条件は簡単さ
君は
「えぇ」
「アレに使用者の実験データが必要でね
とはいってもアレに適合するようなのってそうそう見つからなくてさ
そこでだ
君が協力してくれるならその見返りとして情報提供しようじゃないか」
「……なぜ貴女がそんなことを知っているの?」
「私は顔が広いんだ
それじゃ納得できないかな?」
「そう……ね。貴女が嘘をついていないという保証はない
けれど現状手がかりがなかった
協力するわ」
「即決してくれて助かるよ」
N→
「なに?」
「交渉成立だろ、素直に取ってくれたまえよ」
N→
「それじゃ…色々とよろしくね
N→
階段を下りながら微笑む
その瞳には未だ晴れることのない闇が立ち込めていた。
N→
先の事件は数日の時間を空けて終息することとなる。
犠牲となった
だが
今回の任務を受け
こうして事件は解決したが、彼らの戦いは終わらない
彼らは命を張り前線で戦い続ける
例えどれだけの兵士が犠牲になろうとも……
兵士たちは命を賭ける
救済を求めてただひたすらに
神ガ形ノ意志ニ背イテ 伍話 完
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・アドリブ演技に関して
この台本はアドリブを入れる事を前提として書いています
なので演者様方の判断で挟んで頂いて構いません
是非素晴らしい演技にアクセントをつけてください
しかし作風に合わないものはご遠慮ください
・性別変更や比率に関して
作者はあまり好ましくは思っていませんがある程度ならば可とします
そのある程度の境界線は他の演者様たちとの話し合いに委ねます
・特殊なものについて
台本を演じる際に読み込まないで演じる行為や
言語を変える、明らかに台本無視と取れる
特殊な行為をするものは認めていません
流石に読み込んで普通に演技してください
多分そうじゃないとこの台本は演じれないです
二次創作等、商権利用問題のある場合、質問や不明点ございましたら
作者のTwitter
https://twitter.com/kaguratizakura
のDMにてご連絡ください
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