神ガ形ノ意志ニ背イテ 参話
登場人物名
32歳
大雑把な性格だが、部下を率いる防衛隊の一部隊の隊長。
説明下手でよく
任務中ではかなり頭が回り、戦場をかけている。
24歳
熱い正義感と無鉄砲な若さを持つ新人隊員
士官学校卒の元警官であったが、
任務より目先の命を優先することが多く、危険な目に合うことが多い
30歳
部隊の中では狙撃を務める事が多く、高い位置からの索敵が得意である
29歳
渋谷のバーでバーテンダーをしている男性
とある事件により視力がほとんど無いらしく、人の顔や字が確認できない
49歳
大雑把でガサツな性格だが実力は確かで引退後の現在も英雄譚が受け継がれている
現在は記者をやっているようだが、身の上話をしないためどこに属しているかは不明
27歳
戦闘では弾幕を張ったり、他隊員の立て直しの時間稼ぎや
年齢不詳
マッドサイエンティスト気質な女性
未だ研究結果を世界に公表することなく、自身のみで使っている
現在はなにか新たな兵器を製造することにご執心の様子
※
19歳
学園を卒業し、何かの目的を以て部隊に所属した。
自分の実力を疑わず、隊員と特に
かなりの実力者で、
※
Nは→後のキャラ演者が読む
※所々交代があるので注意してください。かなり大変です。
・
突如世界に現れた「
Variant Hunt Army通称
自衛隊や警察組織と違い、独立した権力を持つ
一般人や学園卒業者の中で実力保有者が入隊することができる
・
2000年に突如現れた異形の生命体。
理由や目的は不明だが人類を脅かす存在。
現れた当初は世界でも数十体しか確認されなかったが、年々数を増やしていた。
出現方法も繁殖方法などは不明となっている。
生物が
一部では神の使い等と
・
その素性、人員、目的一切が不明のテロ集団
突如姿を現れては殺戮を行う事から市民から恐れられている
役表
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
血桜ハ還リ咲ク 別章 参話
神ガ形ノ意志ニ背イテ
N→
彼女はあの日の夢を見ていた。
瞼の裏に焼き付いた憎しみは忘れるなと言わんばかりに
まるで責め立てるように胸を締め付ける。
「はぁ…はぁっ…!!」
N→
強い雨が降り注ぎ、月が隠れる薄暗いある日
住宅街から少し離れた場所に豪邸が広がっていた。
突如鳴り響く爆発音が豪雨の音にかき消される。
止まない雨は少女の悲痛な叫びすら隠してしまう。
「やめ…て!!……たすけ…て…だれか……!!」
N→
目視できる光景は自らに跨っている男によって遮られている。
顔はぼやけていて認識できないが、笑っているのだけは理解してしまう。
不快に笑う男が再び拳を振りあげる。
激痛と共に薄れゆく意識の中、男の背後へと目を反らす。
後ろにはこちらを見ながらケタケタと話す集団がいた。
その中心にいる男が突然叫び声をあげる。
突如、舞い上がった煙が視界を曇らせた。
「な…に……が……」
N→
耳鳴りが収まると曇った視界に光が灯る。
煙の中には何かが存在していた。
それが何かはわからない。
しかし、大きな目がこちらをギロリと睨んでいる。
周りにいた男たちは悲鳴を上げながら逃げ出していく。
ここにいる少女と血だらけで倒れている二人を置いて…。
「おか……さ……お…と…さ……」
N→
雨が収まっていき、雲が晴れ、漏れ出た月夜が辺りを照らす。
先ほど叫び声をあげた男が我先にと逃げ出していたようだ。
月の灯りの反射で男の左腕がキラリと光る。
それをぼんやりと眺めていると、突然目の前に水しぶきがかかってきた。
その赤い水とぬめりとした柔らかい固形物に埋もれた少女の瞳が暗く染まっていく。
深い底へ落ちるように、少女の目から光は失われていった。
「おかあさん………おとうさん………」
N→
流した涙の滴る感覚で夢が覚める。
そして胃の中から湧き出る嘔吐物を吐きだした。
「げほっ……げほ………うっ……」
N→
荒い息を徐々に落ち着かせると水を一気に飲み干す。
「つくづく…私って……いつまで経っても変わらないわね」
N→
ゆっくりとベランダへと歩いていき、夜空を見上げる。
半分に欠けた月はぼんやりと浮かびあがっており
暗い夜空を綺麗に照らしていた。
「ほんと…憎らしいほど綺麗ね……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
N→
その責任を取らされ謹慎処分を言い渡されていた。
特にすることのない
小さな山の頂上にある展望台でタバコを吸いながら風に当たる。
ここからは街が一望でき、ひっそりと人気な場所であった。
「すごく良い場所ですね
全く人気がないのが不思議なくらいです」
「たそがれるには丁度いい場所だろ?」
「こんなところに呼んで、何かあったんですか?」
「あぁ……いや、ちょっとな」
「私でよければ聞きますよ」
N→
何かを探すようにポケットを弄りながら口を開く。
「この前、
「え?
「断られたよ」
「いきなりそんなこと言われたら誰だって断りますよ」
「そりゃそうだよな…」
N→
ポケットからタバコを取り出すと口に咥える。
ライターで火をつけようとするが何度やっても火がつかないようだ。
「ん?オイルが切れてんな
「私は持ってません
というか、禁煙してたんじゃないんですか?」
「まじか…」
「健康診断で引っ掛かったんですよね
医師にもお酒やタバコを控えろって言われたばかりじゃないですか!」
「ニコチン中毒者に禁煙しろってのは無理があるぜ嬢ちゃん」
N→
突然下から聞こえた声の主が展望台の階段を上がってくる。
姿が見え、
その男は何かを
手元に投げられたものを掴んだ
「っと…これは、ライター?」
「火つけれねぇんだろ?遠慮なく使え」
「あの…どちら様ですか?」
N→
コートを肩から羽織った大柄な男はタバコを咥えながら大らかに笑う。
「久しぶりだな
「どうしてここに?」
N→
「聞いたぞお前!
責任押し付けられて謹慎だってな!ガッハハハ!!
とんだ災難だったなぁ!!」
「本当に冗談じゃないですよ、
N→
二人は固い握手をする。
そしてギュッと握り合うかと思えば、なぜか力比べを始めた。
「ぬぅぅぅぅぅっ!!!!」
「ぐぅおおおおおおっつ!!!」
N→
ギチギチと音がするほど強く握り合う。
少しして
「いたたた……馬鹿力はまだまだ健在ですね」
「阿保か!もう流石に歳だってぇの!
てかお前…めちゃくちゃ鈍ってんじゃねぇか!
謹慎中にトレーニングはしてんだろうな?」
「いや、最近は少し忙しくて…」
「とかなんとか言ってサボってんだろうが!
嬢ちゃん、お前さんも苦労してんだろ?」
「あ、いえ本当にそうな……なことないです!!」
「おい待て、何を言いかけた?」
「ガッハハハ!!いい部下を持ってんじゃねぇか!」
「あの…
N→
「
それに俺の特訓もずっとやってくれてな
色々と世話になったんだ」
「おうよ!
まだ青臭い坊主だったころから知ってるが
一丁前に大人の雰囲気を出すようになりやがったな!」
「え…もしかして!剛鬼と呼ばれたあの
「そういやそんな名前で呼ばれてた時期もあったな!懐かしいぜ!!」
「私たちの代でもずっと英雄譚が伝わってますよ!
引退するまでものすごい量の
「あぁ、この人はほんとにすげぇよ
その話は全部本当だ」
「そうなんですね!!」
「そんなのは昔の話だ!今はただの中年おやじだよ」
「そういえばどうしてここに?」
「お前が謹慎になったって聞いたからケツを叩きに来てやったんだ
どうせ迷ってる時はここにいんだろうなと思ったが大正解だったみてぇだな」
「そうですね、ずっとここが好きなんですよ」
「良い場所だよな
ここで何度もしごいてやったな!
最初の頃は毎日毎日ボロボロになってやがったよなぁ!ガハハハ」
「あれを新米の頃に捌ける奴なんていませんよ
というかここで本気で特訓するもんだから怖がられて
せっかくの絶景スポットだってのに俺ら以外一人も来なくなったんですよ」
「ここ…人がいないのそういう理由だったんですね…」
N→
「なんだ、今度は何を迷ってやがんだ?」
「……俺の部下に
正直まだまだ弱いですし
無鉄砲ですし、石頭な奴なんです
でも、昔の俺に…そっくりなんですよ」
「そういや入ったばっかのお前は青臭ぇことばっか言いやがってたもんな!
ガハハ!懐かしいぜ」
「その熱血馬鹿がまた来たんですよ
俺はその道を突っ走れなかった…
だからあいつには夢を見てしまうんです」
「……そういうことか
そいつを後釜にしたいってのか?
随分と師匠みたいになっちまったじゃねぇか!!」
「ははは…
「で、断られたんだろ?」
「……はい」
「ガハハハハ!!!そうだろうな!!
お前も最初は相当反対したよな!」
「結局押し付けていったじゃないですか!」
「ガハハッ!!!わりぃとは思ってるよ!
今度酒でも奢ってやるから大目に見てくれ!!」
「高い店で頼みますよ」
「そうかそうか!お前もお前で悩んでんだな!
だが、それが生きるってもんだ!
色々なもんにぶち当たるし、悩むし
ミスだってする
その度にクヨクヨしてたら時間の無駄だぜ!!
もっと気楽に構えろよ!」
N→
勢いよく背中を叩いたため
「ゲホッ……ほんと馬鹿力なんですから!
ちょっとは老いを知ってくださいよ!!」
「悪ぃ悪ぃ!加減はしたつもりだったんだけどよ
そうやって悩んで選択をミスったらそれこそしめぇだろ
よく言うだろ!
いつだって――――」
「自分らしくあれ、ですね」
「あ、その言葉って………」
「ガハハハ!!わかってんならいいんだ!!
じゃあ俺はそろそろ行かねぇとな」
N→
「もしまた迷ったときは俺がケツを叩いてやるからよ!
じゃあ元気でな!ガハハ!
邪魔したな嬢ちゃん!」
「あ、いえ!」
「ありがとうございました
色々と靄が晴れました」
「おう」
N→
「すごい人でしたね」
「粗雑な人だろ」
「ふふっ……
「ん?…そうか?」
「あの…
「防衛隊を辞めてからは記者になったって聞いたことがあるな
実は俺も詳しくは知らねぇんだ」
「まだ元気そうに見えましたけど
どうして防衛隊を辞めてしまったんでしょうか?」
「あの人は黒いものを見すぎちまったんだ
それが嫌になって急にいなくなっちまった
そんでもって俺が急遽、隊長になったのが始まりなんだよ
それから少ししてお前や
「黒いものって…?」
「人間が1番汚ぇって話だ
関わる気がないなら知らない方がいい」
N→
突然、
「ん?…
ちょっと待っててくれ」
「はい、わかりました」
「あぁ俺だ……ん?
そうなのか?わかった…
N→
電話を終えると
「何かあったんですか?」
「どうやら俺らの謹慎が明後日解けるみたいだ
ほんと急に言いやがるな」
「明後日!?いきなりですね…
どうしよう…美容院の予約取ってたのに」
「仕方ねぇな
他の休日にでも行ってこいよ」
「そうします」
「じゃあ俺らも帰るか……………ぐっ!!?」
N→
突然、
「だ、大丈夫ですか!!?」
「いや!気にしないでいい!
「ほんとですか?無理しないでくださいね
急に倒れられたら困りますからね」
N→
さっと手を背に隠す。
「…時間がない」
「何か言いましたか?」
「いや、なんでもない
飯でも行くか…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
N→
そして視点は移り
隣には
まさに達人のような
(すごい銃捌きだ……
指切りの速度…正確な反動制御…
それにスマートな高速装填…
学園機構卒業の女性にはこんなことができてしまうものなのか!?)
「さっきからこっちを見て何なの?
気が散るんだけども」
「すいません!
その…すごい銃の扱い方で……」
「褒めてくれてありがとう
それよりまた何か迷ったような顔ね
いつもいつも嫌でも見えるものだから表情でわかるようになってきたわ」
「…流石ですね、そうなんです」
「答えるとは限らないけど聞いてはあげるわ」
N→
銃の装填をしながら
「
俺にそれが務まるわけがない
一体何を考えてるんでしょうか」
「さぁ?頭がおかしくなったんじゃない?」
「ん、え?そ、そういうわけじゃ…ないとは思うんですが」
「貴方ほんと色々と悩んでるようだけど
そんなたくさんの事を一気に捌けるほど器用じゃないでしょう?
一つずつ答えていかないと一生悩んでいそうね」
「一つずつ……」
「私は今日は上がるわ
あとは好きに悩んでなさい」
N→
それに気づいて声をかけようと顔をあげると、いつの間にか
「あ……行ってしまった
はぁ………どうすればいいんだ
一つずつ……そんなこと言ったって……」
N→
それから射撃訓練を終わらせ、行きつけのバーへと向かうことにする。
そこは以前、
それ以来、休日の空き時間に通うようになっていた。
バーのカウンター席に向かうと以前、街中で知り合った
「こんにちは、よく来たのがわかりましたね?」
「何度も来ていただいているお客様はすぐにわかりますよ」
「今日は…どうするかな……」
「…何か悩んでいるご様子ですね
そうであればオールドファッションドはどうでしょう?
シンプルですがウイスキーの渋みが落ち着きを与えてくれますよ」
「あ…それじゃあそれをお願いします」
「かしこまりました」
N→
目の前で氷を綺麗に包丁で削っていき
見事なほど綺麗なクラッシュドアイスを作るとグラスに入れた。
そこにバーボン、砂糖、ビターズを合わせてシェイクし始める。
そうして出来上がったものを
「お待たせいたしました」
「ありがとうございます」
N→
普段より渋みはあるが、徐々に落ち着いてくるとほっと一息をつく。
「本当にすごいですね!
こんな風にオススメできるなんて…」
「恐縮です」
「そんな謙遜しなくても…あ、そうだ
えっと、
「はい、どうされましたか?」
「こんな事を言われても困るかもしれないんですが…俺、すごく悩んでいて
どうしたら答えが出せるのかって…ずっと考えているんです」
「…」
「俺は…いつもこうやって答えを出せずにいるんです
どうすればいいのかとずっと迷い続けているだけで…」
「…」
「すいません!急にこんな愚痴を!!」
「構いませんよ」
「すごく美味しかったです
それでは会計をお願いします」
N→
会計を支払うために財布を取り出す
すると
「これは?」
「17時30分ほどにそこに来てください
答えを私が教えることはできませんが
力になれることがあります」
N→
何の事かわからず会計を支払ったあと、外に出てから紙を開く。
そこにはこの店から少し離れた場所に×印でマークされており
丁寧に17時30分と時間が記載されていた。
「力になれること…?なにをするつもりなんだ?」
N→
腕時計を見ると現時刻は16時ちょうどで予定時刻まで1時間半あった。
だが今からやることもなかったので、先にその場所に向かうことにした。
そこは何かの倉庫のようで、2メートルほどの塀で周りが囲われている。
入り口の門はカギがかかっていないようですぐに入る事ができた。
倉庫の中を窓から覗き込む。
「ここは…?中には何もないように見えるけど…」
N→
倉庫の中は何も置かれておらず何もない空間が広がっていた。
扉も鍵がかかっていないためすぐに入る事ができる。
ゆっくりと中に入ってみるが、倉庫の壁際に段ボールがいくつか置かれていることに気がつく。
「何が入っているんだ?」
N→
段ボールをゆっくりと開ける。
そこにはエアガンが4丁、オモチャのナイフが4つ
他のものには用途の分からない棒状の道具がいくつか入っていた。
「これは…?何に使うんだ?」
N→
中身を漁っていると段ボールの底に何かノートがあること気がつく。
「ノート…?」
N→
ノートをめくっていくと、そこには格闘術の知識やメモが書かれており
人型のイラストを添えて書かれているその記述はとても分かりやすくまとめられていた。
「これは…なんの格闘術なんだ?
武器と…拳を…同時に使う?
ちょっと待てよ…」
N→
入っていたエアガンを手に持ち、書いてある内容を真似ようとしてみる。
しかし複雑なその動きが急にできるはずもなくエアガンは明後日の方向へ飛んで行ってしまう。
「思ってたより難しいぞ!?
これは…!!うおっ!!また間違えた!」
N→
夢中になって練習をしていたが、一度も再現ができずにいた。
拳を振り上げながら銃を拳の突き出しに合わせて正面に構える動作。
それを繰り出した瞬間、目の前にいた男性に腕を掴まれ、気がつくと地面に倒れて天井を見上げていた。
「え…あ!
すみません!全然気がつきませんでした」
「気配を消していたわけではないのに気がつかないのは油断しすぎですね」
「あの…ここは一体?」
「ここは私が借りている倉庫です
こうして身体を動かすにはちょうどいい空間なのですよ」
「あの、このエアガンや他の道具は一体?」
「今からこれを使った修行を
「え!?
「目が視えないからとはいえ油断しないことをお勧めします」
N→
目が視えていないというデメリットを意に介さず
正確無比に不良をノックアウトしていた。
あの動きはたとえ本気の自分が挑んでも勝つことができないものだと
流石の
「はい…わかりました
でも、何をすれば…?」
「まずは模擬戦を行いましょう
ルールはこのエアガンとナイフを一つずつ持ち
どちらをどのように使っても構いません
腹部に一撃を入れた方の勝ちとしましょう」
「え…!?
「私はこのままでいきます。それではお互いの距離はこのぐらいでいきましょう」
N→
二人の距離は5メートルほどで互いに向かいあうように立った。
「この距離で始めるんですか?」
「まずはホルダーにしまっていてください
それでは、いつでも初めてください」
「……わかりました」
N→
実力者であるのは理解しているが目の視えない者が相手となり気が引ける
しかし戦う流れになってしまったため、覚悟を決めて銃に手をかける。
「行きます!!」
N→
銃を抜き
しかし、銃を向けた瞬間にステップで位置を変え続ける
「狙えない!?」
「こちらからも攻めますよ」
N→
気がつくと正面へと思い切り飛び出してくる。
「はやいっ!!!」
「ふっ!!!」
N→
銃を発砲するも、引き金を引いた瞬間には既に射線上に姿はなかった。
「なにっ!?」
N→
銃を片手で弾き飛ばされる。
驚きつつ防御態勢をとったが激しい格闘を受けて後方へと大きく怯む。
「うぐっ!!なんてパワーだ…!!」
「もう終わりですか?」
「ぐっ…まだです!!」
N→
「大振りな動きですね」
「うおぉぉ!!ぐっ!?」
N→
突如腹に一撃、掌底を喰らわされる。
腹部に強烈な一撃を受け、ナイフを手放す。
それと同時に左胸にエアガンの弾が当たった。
倒れた際に自分の敗北にようやく気がつく。
「え…エアガン…?」
「勝負ありですね」
N→
いつの間にか
それは先ほど吹き飛ばされた
どのタイミングで拾っていたのか全くが気がつかなかった。
「い、いつの間に?」
「先ほど銃を持っていた手を攻撃した際に奪いました
このように武器を奪い攻撃する手段もあります」
N→
その手を掴み、立ち上がると先ほど吹っ飛ばされたナイフを探す。
しかし付近にナイフは落ちていなかった。
「あれ…?ナイフは?」
「この二つをお返ししますね」
N→
手渡されたものは先ほどのエアガンとナイフであった。
「ナイフも…あの一瞬で!?」
「何かご質問は?」
「今の…攻撃
俺には何がなんだか……」
「貴方の攻撃スタイル
おそらく警察学校のものでしょうか
その技術ですが、テロリストや実力者を相手にした際は使い物になりません
まず私に銃を構えた際、銃先は私の足元に向かうようになっていました
それではもしも当たったとしても相手を一撃では倒せません
対して相手はこちらを殺しにかかってきます
相手は迷うことなく息の根を止めにかかるでしょう
そんな相手に躊躇することは命取りになります」
「…確かに、俺は直接撃とうとは考えてなかったかもしれません」
「それと正面から銃口を構えてると先ほどのように
銃口の向きや引き金をひく動作を見て避けられます
私以上の実力者になると確実に覚えている動作でしょう」
「銃口を見る…そんなこと考えたこともなかった」
「先ほど見せたのは相手へと攻撃をしつつ
武装解除させる技です
私はこれを
拳は蹴りや武器での攻撃ほどの威力は見込めませんが
こうした攻撃を盛り込むことで敵に対する有効打が増えます」
「
すごい技だ……!」
「そして先ほどの二度目の攻撃
ナイフを奪った際にまず片手の掌底により武器を奪いました
これは先ほどの
そして、その後の銃で攻撃した方法ですが…」
N→
その手には銃を持っているが、銃口を正面に向けていなかった。
「その持ち方は?」
「よく見ていてください」
N→
正拳突きを繰り出す。
そのモーションの後時間差もなく銃を手元でくるりと回し
銃口を正面にする。
そして瞬時に引き金をひき射撃した。
その間は僅か1秒にも満たない時間であり
目視していたが細かな動作を見逃してしまうほどのものであった。
「拳とほぼ同時に射撃を!?」
「正確には拳のあとに撃ちます
先ほどの攻撃を例とするならば
掌底を喰らった
後方へと飛ばされています
なので、この射撃を避けることができなかったのです」
「…そんなことを瞬時にしていたんですか!?」
「こんな曲芸のような技ですが
攻撃の手数が増えることで勝率を劇的に上げることができるでしょう」
「ですが…俺にそんな高等な技ができるとはとても…思えないんです」
「そうでしょう
一朝一夕で習得できるものではないです
そして、ハッキリ言いますが
貴方は一度に複数をこなせる才能はありません
残酷かもしれませんが、その溝は努力でしか埋めることはできないです
自分を見失わずひたすらに努力をする
それができれば今迷い悩むその答えもいずれ出るでしょう」
「…わかりました、やってみます」
「それでは私の稽古を受けたいときは店を訪ねてください
私の勤務が終わってからでよろしければいつでもお受けしましょう」
「ありがとうございます!」
「では、休憩にしましょう」
N→
一息つくため二人は一度倉庫を出た。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
N→
定期検診を受けるため診察台に寝転がっていた
「今日の検査の結果知りたいかな?」
「早く診断書を見せろ
ぶっ飛ばすぞ」
「お~お~毎度の如くご機嫌ななめだね~
今日はどうしたのかな?」
「お前が気にすることじゃない
それよりもさっさと結果を教えろ」
「良い感じだよ~退院もそろそろかな~?
先生は少し寂しくなってきたよ~~~」
「くだらない冗談はいいから真面目に答えろ」
「あーーーーーーうん
全然ダメだね、治る気配ナシ
こうして薬で怪我を無理やり治してるけどさ
本当なら戦うなんてもってのほかなんだよ
そんな君がアレに進んで協力をするなんてどういう風の吹き回しだい?」
「ただの気まぐれだ」
「そうかな~私の研究を手伝ってくれるのは嬉しいんだけどね
素直に手伝うなんて言われたら疑っちゃうじゃないか」
「それならなしでもいいんだぞ」
「いやいや、それは勘弁だね
私の推測だと
「俺は…あいつと似てるんだ」
「へ?」
「入隊した当時は本気で正義が必ず勝つと思っていた
だけど実際は違った
人類を護るはずの政府の中で陰謀が渦巻いてやがるわ
そんな俺たちの仲間が化け物に潰されていくわ
世の中はそんなもんだって心底がっかりした
誰の犠牲も出したくなかったから
俺は真っ先に自分の命を懸けてきた
だがそうやって突っ走った俺のせいで部下を失うことになった
俺にもっと力があれば…」
「救えたかもってかい?
なんとも非合理な希望的観測だね」
N→
「そうかいそうかい
くだらない話はもういいかな
そろそろ帰ってくれたまえよ
私は多忙なんだ」
「あぁ、そうするよ」
「そうそう、喫煙や飲酒はさっさと辞めることだね」
「心配してるつもりか?」
「いや、臭いから辞めてほしいだけさ」
「さっさと地獄に落ちろクソ眼鏡」
N→
「さっきの結果とシュミレーションしてみるか
……今の怪我の状況だと
アレとの照合率は…へぇ60%か
やっぱりすごいね
連続使用のリスクは…どうだろね~」
N→
少しして結果が表示される。
それを嬉々として見ながら再び何かを打ち込み始める。
「使用時間は6分が限界
連続使用は不可能かぁ…残念
それと運用した際は身体へのダメージは重大か
ふむふむ…8回以上の装着は命の危険性が大と…試しづらいなぁ
せめて10回は耐えてくれるといいんだけどね~」
N→
飴をガリッと嚙み砕くとニヤリと笑う。
「そろそろスペアも欲しくなるね」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
N→
本来一か月の出勤停止命令であったが、二週間ほどで突然出勤せよとの連絡が届いたのだ。
「今
「それが私たちもわからないの
普通は謹慎命令が出たらその期間は解除されることはなかったんだけど
今回のはかなり稀なケースよ」
「せっかく貰えた長期休暇だったからな
いい家族サービスになったぜ」
「娘さんと沢山遊んであげました?」
「まぁそりゃもう毎日のようにな
…だが起きてりゃ遊んでやらねぇといけねぇからクタクタだよ
下手すりゃ
N→
そこには武装を済ませた
「隊長、急にそんな装備でどうしたんですか?」
「集まって早々で悪いが出動命令だ
詳しい話は車でする」
「いきなり出動ですか!?」
「…きな臭いわね」
N→
5人が装備を整え、装甲車に乗ると
「これはなんだ
どっから説明すりゃいいんだ
まぁ、あれだ
仲間と合流しなけりゃならないみてぇだ」
「ちょっと掻い摘みすぎじゃないですか!?
私が説明するんで見せてください!」
N→
その表情が突然曇ったかと思うと顔をしかめる。
「え、これって…」
「どうしたんだ?」
「
そのまま縮めていったが目標を見失った…との報告
それから付近を散策していた2部隊が
山頂からの偵察班と捜索班に分かれて捜索を行った
しかし、捜索を行っていた隊からの事前に決めていた合流地点に待機していましたが
現時刻まで一切の連絡や消息は不明
目標の姿やクラスは…不明?
十分な注意を払いつつ目標の情報を洗い出せとのことです」
「はぁっ??どういうこった?
目標を姿かたちも捉えてないってのか?
偵察班は何してんだ?」
「定時連絡はしていたとの事ですが突如消失…
高所から確認していたそうですが気配すらなかったようです」
「そんな不自然な状況だったから謹慎を解いてまで俺らを呼んだのか
…ほんとにふざけてやがんな」
「使いっぱしられるのは慣れてるが
いくらなんでも露骨すぎるな」
「なぜそこまで情報が得れないんでしょうか…?
敵は小型の生物だから…とか」
「そんなわけがねぇ
小型の
いくらなんでも2部隊もいたら負けはしないはずだ…」
「でかいなら流石に偵察が視えねぇわけがない
まさかだが…」
「かもしれねぇな」
「何か心当たりがあるんですか?」
N→
「特異体が出たかもしれない」
「特異体…?それはなんですか?」
「ホントに稀にしか見ない個体があってな
同じ種類の
以前現れた例で言うと常に身体中が発火していてな
簡単な銃弾だとその熱気で威力を相殺されちまったらしい
そいつは
こんな感じで特異体は異名を付けられて呼ばれることもある」
「そうなんですね…」
「その
「そいつ自身の強さはB-Classといったところだった
だがその火がすごい厄介でな
熱気をある程度自在に操ることができたんだ
それが原因で近くにある爆弾や自動車が爆発した」
「消防隊の協力を得て水でまずは鎮火させることにしたんだ
そして火がなくなったら一斉射撃
だが奴もかなりしぶとくてな
暴れるように突撃で周りの仲間たちを押しつぶしていきやがった
俺と前に所属してたとこの隊長もいたんだがそこで殉職した
なんとか俺らの弾も尽きる頃には死んでやがったが、ほとんど持ってかれちまった
俺らが生きてたのは運がよかっただけだ」
「そんな強い
「そん時は
その場にいたらまた状況は変わってただろうな」
「
「あれ?
「いえ、実は謹慎中に一度だけお話できる機会があったんですよ」
「へー、あのおっさん今なにしてんだ?」
「俺も詳しくは知らないんだ
どうせどこに行ても好き勝手やってるよ」
「かなり適当だったからな、あの人」
「その…
「あぁ~……結構語ることが多い人だからな
また聞かせてやるよ
とりあえずそろそろ目的地だ」
N→
目的地に到着したようで装甲車から一同は降りる。
他にも新たに1部隊が到着していたようで
2部隊での合同任務となるようだ。
現場はかなり山奥になっており、連絡を取ろうにも電波は通らない。
その為、いつ交戦してもいいように装備を整えたうえで作戦が開始された。
「さて、俺たちはいなくなった部隊の捜索からだ
最後の位置情報はわかってるからその付近を探してみよう
もしかしたらどこかに逃げ延びている可能性もあるからな」
「無事だといいんですが…」
「あまり期待をしすぎない方がいい
もし特異体が相手になったとなれば生き残れる確率は限りなく低い」
N→
他の部隊からその後の合流方法を言い渡される。
そのまま他の部隊はそれぞれの方向へと散開した。
「さて、気を付けて進め
幸い森の中で風もない
葉や枝が音を鳴らしてくれるだろう
注意しておけ」
「はい!」
「もし敵対したらどうすんだ?」
「いくらなんでも1部隊で戦うのは無理だろう
煙幕や閃光で時間を稼ぎつつ他部隊との合流を優先するぞ」
N→
5人は隊列を組みつつ、ゆっくりと森の中を進んでいく。
動物の鳴き声は一切せず、そよ風が葉を揺らす音のみが辺りに響いている。
目的地に近づいてきているが
「もうそろそろ目的地だ…
N→
一同は目的地に到着した。
辺りには武器が散らばっている。
しかしそこには隊員の姿はなく、辺りに戦った痕跡はなかった。
「どうなっているんだ?」
「これはまちがいなく防衛隊の装備です
弾も入ってない…全て撃ち切っているみたいです
でもどうして誰もいないんでしょうか?」
「まずは位置情報を遡ってみよう
他にも痕跡があるかもしれない」
N→
辿っていたルートを戻るように歩いていくとその途中で戦闘の跡を発見した。
そこは近くの枝や木が折れており、熊よりもでかい何かの力で押し潰されたことが想像できる。
「ここで戦っていた……?」
「待ってくれ、さっきのところまで5分は離れてる
ここでやられたんだったらなんであんなところに銃が落ちてんだ?」
「俺にもわからん……だが不可解だな」
「やはり生存者はいないんでしょうか…?」
「いや、なんとも言えないな
もしかしたら何とか逃げ延びて一度武器を捨てていった可能性もある
血痕や遺体がないのは誰も死んでいないからかもしれない」
N→
捜索を3時間続けたが行方を突き止めることは出来なかった。
「そろそろ暗くなるな
この後どうするかだが、さっき行く前に聞いておいた」
「どうしろって言ってたんだ?」
「一度、装甲車に戻るぞ
そこでまた説明する」
N→
装甲車へと戻るころには日が暮れそうになっていた。
車内に入った5人に
「ここに待機ですか!?
このままだと夜になります
いくらなんでも夜に戦闘になったら危険ですよ」
「だが、待機命令は取り下げられない
二日も動員して何もできなかったじゃ上は納得しないそうだ」
「命令されたなら仕方ない
それでここに待機って言ったってどうすんだ」
「今日はここで野営しよう
ある程度はこの車に積んであるはずだ」
N→
車の積み荷を確認する。
そこには5人で2日分は持つであろう備蓄食料や
5人が入れそうなテント類
他には懐中電灯やセンサーライトなどが揃っていた。
「おいおい…これ食うのか」
「これは
何か問題なんですか?」
「あぁ…それは長期保管できる用のものだから
味がすこぶる悪い
正直腐った肉を食うものだと思っておけ」
「こんな事だったら弁当でも買ってくるんだったな」
「
「あぁ、そうだ…あのクソ野郎め
仕方ない、食わないわけにもいかないだろ
腹くくるしかねぇな」
N→
一同はライターを使用して集めた枝木で仮のキャンプを作る。
火を中心に囲うように座った全員は備蓄食料の封を開けた。
「もう一度言うぞ
腐った肉を食うようなもんだからな」
「わかりました」
「せめて酒でもありゃなぁ…」
「いただきます」
N→
4人は一斉にかぶりついた。
「うっ!!!?」
「ちょ…ゲホっ!!なにこれ不味い」
「雑草よりマシだと思え」
「ぐっ!!……うえぇっ…」
「おえっ…ほんと不味すぎじゃねぇかこれ」
「なんでこんな味なんですか…!?」
「安価かつ量産可能だかららしいが
せめてもう少し味は気にしろよなあいつ…」
N→
4人が吐きそうになって食べる中
不味いものを食べていると感じないほどに無表情で口に入れている。
「これ…よく食べれますね」
「別に…普通よ」
「あ~~不味ぃ!!口直しかなんかねぇのか!」
「タバコならあるぞ」
「お、ほんとか!助かる」
N→
食べ終わり、ゴミを片付けながらこの後の予定を話し合った。
翌日、日が昇る頃に再度合流予定との事らしい。
それまでの間は交代で見張りをしながら待機することになる。
「それじゃ俺は少し近くを見回ってみるか
そうだな…
「いいわよ、どうせすることもないしね」
「よし、それじゃここは任せたぞ
お前らも一応警戒はしておけよ
……さて、行くぞ
N→
二人はライトを持ちながら森の中へと入っていった。
「じゃあ私は少し休憩するね
あとは
「はい!」
N→
「休暇明けでいきなり徹夜とは身体がおかしくなっちまうな」
「そうですね…
「俺はずっと家族との時間にしてたよ
こんな仕事をしてたら突然出動ってこともあるし
もしかしたらがあり得るからな
空いてる時間ぐらいは家族と過ごしてぇんだよ」
「そうなんですね
家族思いでかっこいいです」
「おいおい!照れるだろうが~
…そうだな、家族ってのはいいもんだぞ
お前も気になってるやつとかいねぇのか?」
「いえ…俺はずっと訓練ばかりだったので考えてる暇もありませんでした」
「そうかそうか、今いくつだっけか?」
「24です」
「まだまだいくらでもそういう機会が来んだろ
守るものがあるってのは心強いぜ」
「守るもの…」
「
本気で俺らを守ろうとしてんだぜ」
「はい、それはわかってるんです
でも俺は不器用なので…色々な事に悩んでしまうんです
一つずつ向き合う
そうした方がいいと
「俺はそうは思わねぇけどな
沢山の壁に突き当たった時に
一つずつこなしていくのは要領の良い奴じゃねぇとそう出来るもんじゃないぜ
色んな壁にぶち当たって、迷ってもいいんじゃねぇか?
自分らしくあれ
それが何よりも大事だと思うぜ」
「自分らしく……」
「偉そうに言ったが、これは恩師の受け売りだ」
「そんなことありませんよ!
勉強になります…
そういえば
「…そいや教えてなかったっけか?
その後の隊の人数編成で割り当てられたって感じだ
元々顔見知りだったのもあって俺が異動を志願したってとこだ」
「そうだったんですね」
「あいつは俺らを守ろうとしてる
それが伝わるから俺も信じる
なんかんだすげぇ奴だからな」
「はい、それはわかっています」
「たまに馬鹿ですけどね」
「ははは!ちげぇねぇな!」
N→
テントから顔を出した
「ふっ…はは」
N→
それに釣られて緊張の糸が切れたのか
「ははは…さて、二人とも少し休憩しておけ
どうせ定期的に起きないといけないんだ
休めるうちに休んでおけよ」
「はい!それじゃ俺も少し休憩に入ります」
N→
そして付近を歩いていた
「さっきの飯くそ不味かったろ?
もっと豪華な弁当でも用意しておけって思うよな」
「そうね」
「空気は美味いし、景色もいい
「そうね」
「つれないな、話すのは苦手か?」
「別に、話がつまらないだけよ」
「お、おう…結構言うな」
N→
足を少し止めると
「聞いてもいいか?
お前どうして防衛隊に入ったんだ?」
「…」
N→
少しの間黙っていた
「民間人を守りたいって理由じゃ納得できないかしら?」
「嘘が下手だな
お前にそんな大層な考えがあるとは思えない
話したくないならいいが、よけりゃ教えてくれないか?」
「そうよ。民間人を守るためでも、世界平和なんてのにも興味がないわ
一言で言えば私怨ってところ」
「私怨か……それはお前の家族に関係があるのか?」
「……」
「俺も細かくは聞かねぇ
誰にだって言いたくねぇ事の1つや2つあるだろうからな
だがこれだけは覚えておいてくれ」
N→
真っすぐ
「なんかあった時は俺らを頼れよ
俺らはお前の仲間だ」
「……えぇ、覚えておくわ」
「それならいいんだ!」
N→
嫌そうな目をする
「ねぇ…そろそろ辞めてくれない?」
「悪い悪い、部下ってのは可愛く思えちまうんだよ
「部下…ね
そういえば前に他の部下がいたって聞いたのだけども
その人達にもお節介を焼いてたわけ?」
「お前らよりも年上だったからな
今の
N→
「
こうしてずっと写真を残しててな
あいつらを守れなかった事、絶対に忘れちゃならねぇと思ってな」
「へぇ…これはいつの写真なの?」
「確か一度記者かなんかの独占取材のときに何部隊かで取った集合写真だ
俺や
「……え」
N→
その中の一人に見覚えがあった。
突然
「どうした…?なにかあったか?」
N→
しかし急に普段と同じ無表情に戻った
「別になんでもないわ
気にしないで」
N→
刻々と時間は進み続ける
その中で俺は新たな光を掴みつつあった
この力は俺を強くしてくれるだろうか
強くなれば今度こそ守れるのだろうか
覚悟を握りしめ、銃弾に気持ちを乗せる
俺は長い闘いへと身を投じていく
どれだけ傷つこうとも逃げることはしない
ただひたすらに
神ガ形ノ意志ニ背イテ 参話 完
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・アドリブ演技に関して
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なので演者様方の判断で挟んで頂いて構いません
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・性別変更や比率に関して
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そのある程度の境界線は他の演者様たちとの話し合いに委ねます
・特殊なものについて
台本を演じる際に読み込まないで演じる行為や
言語を変える、明らかに台本無視と取れる
特殊な行為をするものは認めていません
流石に読み込んで普通に演技してください
多分そうじゃないとこの台本は演じれないです
二次創作等、商権利用問題のある場合、質問や不明点ございましたら
作者のTwitter
https://twitter.com/kaguratizakura
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