第二十三話(桜視点) さようなら
「もう少しで完成だね……」
「そうだな」
ここ三週間、私は耕平くんと掲示物を作り、掲示係の活動も含め、ほぼ完成して来た。
文化祭までは後二週間だ。
「最近、うらら先輩は?」
「たまに来てるけどほぼ、休んでるらしい」
「そうなんだ」
きっと、うらら先輩は身体を売ってるんだろう。
「今日、帰りうち来ない? 今日は親は遅いんだ〜」
「おう」
最近は、耕平くんとは週四でしている。
どちらかがムラムラしたら、一人ではなく二人でしようと約束しているからだ。
そのおかげで私はいつも満たされてる。
大好きな耕平くんとずっと一緒にいられる。
でも、知っている。
ことが終わったら私は捨てられ、耕平くんはうらら先輩のところへ行くことを──。
だから、私はそれまでに耕平くんを完全に落とす。
○
私と耕平くんはベッドで横になりながら……。
「今日、桜、暴走しすぎだろ……」
息が荒い耕平くん。
「ごめん……つい……」
でも、それは耕平くんが悪いんだよ……だって、耕平くんが私をこうしたんだもん……。
「まあ、お前なら何回でもイけるわ……」
「そう……なら……」
私は耕平くんに熱くキスをした。
そして、笑顔で。
「なら、もう一度しよ……」
耕平くんとヤっていると何もかもが良くなるように考えてしまう。
このまま、耕平くんを私のものにできないかなぁ……。
ただ一つ、今の私に満たされないものがある。
それは、耕平くんがまだ私のものでないことだ。
どうせ、うらら先輩に取られるならその前に取ってしまいたい。
結局その日は四回した。
今私ができることは、とにかく耕平くんとすることだけだ。
○
次の日の放課後──。
今日は耕平くんは用事があると掲示係の活動には出ずに帰ってしまったので、私は一人歩いていると──。
薄暗い道で、電柱に寄りかさっている一人の少女……うらら先輩が視界に入り足を止めた。
「やっと来た……やっぱり、ここの道通ってるんだね」
うらら先輩は私に気づくと私に近づく──。
足が動かない……。
「ねぇ、桜さん? あなた、私がいない間に耕平くんを好き勝手使ったかな?」
徐々に近づき、私のほっぺを両手で触った。
それと同時に背中がぞくっとした。
なぜだかわからない。
多分、恐れているんだ。
彼女の姿を──。
「そ、それが……」
すると、うらら先輩はニコッと笑い私から手を離す。
「そう♪ やはり、あなたは私の敵ね……」
なんで、うらら先輩はいつもみたいな表情をしてるの?
「あ〜お金? それなら、もう溜まったわよ。どの子も後輩くんみたいに気持ち良くはないけどただただ『あんあん』言ってるだけでお金をもらえるから簡単だったぁ〜。両親は? ふふ、そんなの言ったに決まってるじゃ〜ん。しっかり、『後輩の翔太って人に無理やりされた。でも、そこら辺はもう解決してる。だから、学校には言うな』ってね」
そうヘラヘラ言ううらら先輩は、奇妙だった。
「翔太は……翔太は……」
「あんなの、もう、使いものにならないわよ。だって、私にしか興味がない生き物になってしまったもの……三週間ほど放置してるし、その後勝手に尽きてくでしょ」
心臓の鼓動はドクンドクンと増すばかりだ。
心臓が張り裂けそうなほど痛い。
なんで……なんで、翔太がこんな目に……。
全ての元凶はこいつなのに……。
「私の両親ったら、泣いて私にしかってきたんだよ? バカみたいだよね〜まぁ、全部
こんなの間違ってる。
なんで、翔太ばっかり……。
「あ、私気づいたんだけどさ、やっぱり耕平くんぐらいいい人はいないや。だからさ?」
おかしいよ。
「待ってください……翔太は……」
「ふん、だからさ? 邪魔だから捨てるんだよ。あ、それか……君、後輩くん欲しい?」
そう言うとうらら先輩は私の肩をポンと叩き。
「私は耕平くんを取り戻すね♪ あ、これって女の子同士の戦いみたい!! まぁ、私が勝つんだけど……」
耕平くんが取られる……。
はぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁ……。
殺したい、殺したい、殺したい、殺したい……。
通り過ぎて姿がなくなっていく、うらら先輩。
『殺したい』
私はうらら先輩を走って追いかけて、カバンから……カッターナイフを取り出して──。
「うらら先輩♪ さようなら」
うらら先輩の背中に向かって刺した──。
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美少女ヒロインの心の声が聞こえるになったけど裏の顔が怖すぎる
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