第十九話 出会い

 あれはまだ、俺がまだ五歳の頃だった──。


「近所に引っ越してきました。上坂です」


 そう家に一人の女性と俺と同じぐらいの女子がやってきた。


「え、あっちゃん!?」


 そうお母さんが言うと「どうぞ、どうぞ、あがって!!」


 その女性と女子をうちに招いた。


 客室で話しているうちに、この女性はお母さんとどういう関係なのかわかった。


 どうやら、昔の仲のいい同級生みたい。

 幼馴染? っていうやつ……。


「え、たしかその子は……」

「そうそう、前に話してた一人っ子のうらら……」


 すると、お母さんは優しそうな顔でその女子に。


「よろしくね、うららちゃん」


 そう言うと女子の頭を撫で撫でする。


 それに、喜んで笑顔で──。


「うん!! よろしくお願いします!!」

「それで……その子が……」

「私の一人っ子の耕平」


 俺は頭を下げて。


「よ、よろしくお願いします……」

「うん、よろしくね!! ほら、うららも……」

「よ、よろしく……」


 うららちゃんって言うんだ……可愛い名前だなぁ。

 顔も美人さんだぁ……。


「いや、まさか、あっちゃんが引っ越してくるなんてね!!」

「良子ちゃんこそ!! まさか、こんな近くに住んでるとはね!!」


 そうやって俺たちの両親は盛り上がっている中、うららちゃんは一人キョロキョロとして暇そうにしていた。


 だから、俺はうららちゃんに手を差し出して。


「ねぇ、うららちゃんってゲームとか好き?」


 うららちゃんはその言葉を聞き、笑顔で。


「うん!!」


 うららちゃんは俺の手をグッと掴んで、俺の部屋へと招待した。


 その後は俺たちはテレビゲームを一緒にした。


 それからだろう、俺たちは打ち解け合い、よく遊ぶようになった。


 うららちゃんの家にも行った。

 二人で公園で遊んだ。


 そんなある日のことだろう──。

 うららと出会って五年が過ぎたころ──。


 俺とうららは俺の部屋でいつものようにゲームをしていた。


 うららは歳をとるごとにどんどんと可愛くなっていった。

 そのせいか、うららと一緒にいるだけで胸が痛い。

 緊張する。


 なんでかは、わからないけど。


 それがまた、気持ち悪るかった。


 すると、うららは俺の右手を両手で握った。


「えっ──」


 そして、うららはニコッと笑い俺にキスをする。


「えっ──」


 頭が真っ白になった。

 え……?


 混乱する俺。


 親からキスはいけないものと教わってきた。

 そんな掟を破ってしまったのだ。


 うららは顔を真っ赤に染めて。


「こ、恋人ごっこ……かな?」


 こ、恋人ごっこ………。


 その一言を聞いた瞬間、俺には一つの欲ができた。


「な、なら……将来、ごっこじゃなくてほんとの恋人になりたい!!」


 そういうことか……だから、俺は胸が痛かったんだ。


 やっと、理解できた──。


 あ、この気持ちは恋だと──。

 

 小学四年生に恋とかいまいちわかんない。

 でも、きっとこの気持ちが恋なんだろう。


「うん!!」


 こうして、俺たちは付き合うことにした──。


 そして、更に二年が過ぎ、俺はついにうららと同じ中学に通うことになったのだが──。


「オラっ」とガタイのいい三年生男子の先輩が俺の腹を思いっきり殴る──。

「うっ──」とその場に四つん這いになって、勢いよく嘔吐──。


 その光景をパシャリとスマホで写真を撮る先輩。


「気持ち悪っ、お前……それよりさぁ? お前ってほんとに石川さんと付き合ってんの?」


 な、なんなんだよ……こいつ……。


「そうだけど……それが──」


 次の瞬間、先輩は俺の顔面を思いっきり蹴る。


「うっ──」


 そのまま、俺は倒れた。


 鼻からは血が出ている。

 意識が少し朦朧としている。


 何で俺がこんな間に合わなきゃならねーんだよ。


 まだ、入学して二日目のことだった。


 俺が何をしたんだよ……。


 そんなことより、とにかく悔しかった。


「なぁ? それでさ? お前って石川さんと付き合ってんの? そうだったら、別れろ……」

「な……んでだよ……」


 何で俺が別れなきゃならねーんだよ。


「そんなの簡単だろ? あのエロボディー。たまんねーよぜってぇ。俺のおもちゃにするために決まってるだろ?」


 その言葉を聞いた瞬間、俺は勢いよく立ち上がる。


「お前……今なんつった?」


 その言葉にパチリときた。


 うららは身体はもう大人いや、俺の母親を超えている。

 でも、違うんだ……うららはそんな身体よりも……。


「うららはそんな身体よりも、性格の方がすごいんだよ!!」


 俺がそう放った次の瞬間、目の前には拳があった──。


「うるせぇ……」


 そのまま、先輩は俺の顔面を思いっきり殴った──。


「ま、待てよ……」と倒れながら手を伸ばす俺。

「いいか? これはチクんなよ? チクったら殺すからな?」


 その言葉とともに俺は目を閉じて倒れた──。



「耕平くん……耕平くん……」

「ん……ここは……」


 俺は目を覚ますとそこは、うららの部屋だった。


「大丈夫……、耕平くん……」と涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃなうらら。


 そっか、俺はあの先輩に……。


「あ、う、うん……」


 少し、傷が痛いが我慢だ……。


 すると、うららは何故か制服を脱ぎ出した。


「えっ──」と俺はほおを染めてそっぽを向く。


 え? え? ……。


 そして、うららは俺を優しく包んだ。


 ムニッと柔らかい感触がすることから、裸だ。


 む、息子が……。


「恥ずかしがらなくても大丈夫だから……」


 そう優しく言ううららの言葉に俺は、うららの方を振り向いた。


 その次の瞬間、うららは俺の顔を両手で抑え、舌を入れて熱くキスをする。


 え……え……。


 キスなんて日常茶飯事だ。

 でも、今日のキスは違った。


 何故か、初めの頃のような脳が溶けるような感覚だった。


「え……」

「媚薬だよ……耕平くん」


 身体が突如熱くなる。


 媚薬?

 なんで、どういうことだ?


「耕平くん、今日何があったの……?」


 素直に言うべきか……でも、うららに心配を──。

 

 俺の目から突如、悔しさのあまり涙が流れ出した。


 そっか、うららは俺の先輩だ……。


 俺はうららに抱きついて。


「せ、せんぱ、……いにぃ!!」


 少しぐらい、甘えてもいいよね?


「ち、あいつか……」


 そうボソッと呟くうらら。


「え………?」

「ううん、なんでもないよ。それよりさ? 今の耕平くんを癒やしてあげたくて……ねぇ、耕平くん。耕平くんはさ、私のこと好き?」


 そんなの当たり前じゃないか。


「大好き、大好きだよ!! 愛してるし、セックスもしたい!! 結婚もしたいし子供も欲しい!!」

「そ、そこまで……は、恥ずいよぉ……でも、私も耕平くんが大好き!! 多分、耕平くんがいれば私もう何もいらない!!」

「俺もだよ」

「だから、セックスしよ……」


 そう言うとうららはベッドの上に乗り、俺を押した──。


 そして、その後は俺とうららは共に初めてを捨てた──。


 とても気持ちよかった。

 自分でするのとは段違いだ。

 もっと、もっと、もっと、うららの全てが欲しかった。


「うらら、痛くなかった?」

「全然……媚薬のせいかな? 気持ちよかった!!」 

「俺も……」

「ねぇ、耕平くん? あの人のことは私に任せてね❤️」


 そう彼女が言った、一週間後に先輩は消えていた──。

 きっと、うららが俺を助けてくれたんだ。



 耕平くんをあんな目にさせたあいつをもう、許さない……。


 私は放課後、耕平くんをあんな目にさせた本人を旧体育館倉庫に呼んだ。


「お? その感じ……石川さん、俺と付き合ってくれる感じ……?」


 しばらくすると、彼がきた。

 

 こいつを地獄に落としてやる。

 もう、耕平くんの前には現れなくしてやる。


「うん、涼くんと付き合いたくて……」


 そう言うと私たちは服を脱いだ。


 そして、号泣きながら──。


「こ、これでいいんですか……」

「お? なんだ? そういうプレイか……まぁ、なんでもいい。石川さんのエロボディーとできるなら!!」


 その後、私はこいつとした。


 私はとにかく抵抗する人を演じ切った──。


 そして、全てが終わったあと──。


「ねぇ、今の全部録画してるんだぁ❤️」


















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