第十八話

 俺は強く春川さんの首を締める。


「うっ──」と涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃな春川さん。


 俺はとにかく今までのストレスを全て春川さんにぶつけた。


 春川さんにぶつけた理由はない。

 ただ、ぶつけたかった。

 翔太の元カノとして……一番、翔太と見えてしまったからだ。


「気持ちいい……気持ちいよぉ」


 春川さんの顔は完全にメス顔だった。

 

 その顔に俺はニヤリと笑い。


「さらに強く首を絞めた」

「くっ──、もっと、もっと、もっと」


 俺は知った。

 もう、俺と春川さんはあいつらに壊されていた……もう、普通には戻れないことを──。



 ファミレスを出て俺たちは手を繋いで帰ることにした。


「ねぇ、春川さん?」

「ん〜なに〜。もうさ、身体の関係なんだし、桜でいいよ」

「た、たしかに……俺も耕平で」

「わかった。オッケーです!!」


 普通のエッチじゃもう、俺たちは気持ちよくなれない。


「それでだけど……金は払うからさピル飲んでくんない?」

「え……」


 金ならなんとかする。

 最悪、親の金だって盗んでやる。


「俺、生でしたいんだわ……」

「わ、わかった。そっちの方が気持ちいいもんね!!」


 元々はきっと桜は清楚だっただろう。

 でも、翔太によって桜は黒く染まった。

 なら、もっと黒くしたい。

 黒く染まった桜が見たい。

 今の桜も可愛い……なら、もっと黒くなった桜はもっと可愛くなるに違いない。

 俺はただただ、桜を黒くしたい。


「うん。桜も気持ちいいの大好きだろ?」

「うん!! 大好き!! まだ、少し痛いけど……」

「大丈夫だよ。俺がなんとかするからさ。あ、そうだ……明日さ? 放課後、男子トイレでしよ」

「え………」



 放課後、俺と桜は男子トイレの個室の中に入り、ロックをかけた。


 今は人はいなく、男子トイレには俺と桜はしかいない。


「ほ、ほんとにこんなところで……ねぇ、旧校舎でしよ? ここ、一番人が来るところじゃん」


 桜が言うとおり、ここの男子トイレは他のところと違ってとても綺麗だ。

 そのため、いろんな人がここの男子トイレを使う。


「なに言ってんだよ? それがいいじゃねぇかよ……」

 

 俺はズボンを脱いで。


「ほら、舐めろ……」

「う、うん」


 いやいやな顔をする桜。


 それでも、俺は桜を黒く染め続けた。


 ある日は、授業中に抜けて保健室の先生がいる中、隠れてしたり。


 ある日は、昼休みみんなのいる中、掃除ロッカーの中で隠れてしたり。


 ある日は、掲示物を作る空き教室でしたり。


 ある日は、屋上でしたり。


 ある日は、放課後の人がいる教室でフ○ラをしたり。

 

 ある日は、人がいない廊下でしたり。


 ある日は、放課後の誰もいない教室で、堂々としたり。


 いろんなところでした。


 していくうちに、どんどんと桜は壊れ、黒くなっていった。


 そんなある日の昼休み──。


 俺と桜は人気の少ない階段に座り、昼ごはんを食べている。


 桜は自分のお弁当のウインナーを口に含み、俺にキス。

 そのまま、俺にそのウインナーを口で渡す。


「なぁ、桜?」

「何、耕平❤️?」


 ここ最近の桜はネジが飛んでいる。

 

「ねぇ、今日、ノーパンで来たの……」とスカートをあげる桜。


 いいや、俺が飛ばしたんだ。


「だから、しよ❤️」


 ふん、完全に頭がピンクだ……。


「今度はノーブラで来いよ」

「うん、耕平がそれを望むなら❤️」


 すると、一つのLINEが……。


「誰から〜?」

「ん? うららから……」


『今日、久しぶりに帰らない?』


 ここ一週間ほど、うららとは帰ってないし話もしていなかった。


「あ〜懐かしいなこいつ……」

「ねぇ〜」


 まぁ、そろそろこいつを壊してやろう。


『うん、帰りたい!!』



 最近、生理が来ていないと思い、私は調べてみた……。


「やっぱり、そっか……」


 逆に今まで、奇跡だったのかもしれない。

 最近はピルを飲み始めて、後輩くんと生でするようになった。



「うらら先輩!! 今日もたくさんしましょ!!」


 ほんと、後輩くんは可愛いなぁ……。


「ごめんね、その前に一つ伝えておくね。私、妊娠したの……」


 私がそう言うと、「え……」と両膝をつける後輩くん。


 あらら……。


「それって……」

「ええ、私たちの子供」


 そして、私は後輩くんの顎をカクリとあげて。


「でも、大丈夫よ。私には耕平くんがいるもの……」


 だったら、簡単だ。

 耕平くんとたくさん生でして、耕平くんと妊娠したことにしてしまおう。








  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る