復讐を誓う日【後編】

「ねぇ……後輩くん?」

「どうしたんですか……」


 うららは翔太に抱きついた。

 そして、耳元で……。


「私ね、あなたの親友の耕平くんじゃもう、身体は反応しないの……だから、ずっと、私のそばにいてね……」

「は、はい……でも、それは間違って──」


 すると、うららは翔太にスマホを見せた。


 うららは鋭い目つきで。


「ならさぁ? 私としたやつレイプってことでばら撒いていいかなぁ〜? そしたら……君、終わりだよね? だって、私ってほら、可愛いし? 人気あるわけじゃん? まぁ、私は耕平くんしか愛してないけどさ。そんなのバレたら君の居場所は……」


 翔太は恐れながら……。


「で、でも……それも全部、うらら先輩からさそってきたじゃないですか?」


 すると、うららは翔太の性○を踏みつける。


「うっ──」と痛さのあまり声が出る翔太。

「何勃ってんの? キモ……もう一回する?」

「お願い……うっ──」

「ねぇ? あなたが悪いんだよね……」

「………………はい……」


 うららは翔太のその返事を聞くと、「ふふ」っと笑い、翔太の頭を撫でた。


「よくできましたぁ〜」



 家に帰ると俺は涙を流しながら何度も床に頭を打ちつけた。


 床には血が垂れ赤く染まり、俺は知った。

 額から血が流れていることを。

 それでも、俺は打ち続けた。


「くそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそ」


 打ちつけるたびにうららとの思い出が頭の中を流れそれを何としてでも消したかった。

 

 うららはなんで……なんで、翔太としたんだよ……なぁ……。


「なぁ……教えてくれよ……なぁ!!」


 うららと付き合い始めたのは中学に入って俺が三年になった頃だった。

 当時、うららとは純粋に行為なしで付き合っていた。

 でも……ある日、受験のストレスを発散という理由で一度したら、その気持ちよさに中毒になり毎日するようになっていた。

 今思うと、俺が悪い……んだよな……。

 だって、俺のせいでうららは俺とするのに飽きたんだ……。

 毎日すればそれは飽きるよな……。


『……いや、違うよ……悪いのは翔太だ……』


 心の中でそう誰かが言った……いや、俺だ。


『お前もうららも悪くない。全部、翔太が悪い……』


「だよな……だよな……だよな!!!!」


 そうだ、俺もうららも悪くない。

 全て翔太が悪い。

 なんせ、翔太は俺からうららを奪った張本人だからだ。

 そもそも、セフレを沢山持ってそれでも彼女がいる時点で終わってる。

 そうか……あいつなのか。


「うらら……うらら……」


 今思うと、うららが俺で気持ちよくなっていない理由がわかった気がする……それも、翔太が悪い。 

 ぜーんぶ、ぜーんぶ、翔太が悪い。


「待ってろよ……」


 俺は頭を打ちつけるのをやめ、額の血と涙を手で拭く。

 

 そして、俺は覚悟を決めて……。


「俺が翔太から救う……絶対に……」


 でも……どうやって……。


 そこで、一つの記憶が頭の中を流れた。


『それはだな? ……なんと!! あの、学年一の美少女と有名な!!』


 あ……そうだ……。

 

 俺はニヤリとして。

 

「そっかぁ〜いいこと思いついた」


 そうだ、翔太から桜さんを奪えばいいんだ……俺も寝取り返せばさ……。

 そうすれば、翔太は知るだろ? 

 自分のしたことに……そして、俺の気持ちを。

 待ってろよ……翔太。

 お前から全てを奪ってやる……。


「楽しみだなぁ……お前が地獄に落ちるのが!!」

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