幼馴染の先輩を親友に寝取られたのであなたの彼女を寝取ります

さい

復讐を誓う日【前編】

 俺には幼馴染で一つ上の先輩彼女がいる。

 名前は上坂うえさかうらら。

 身体付きも性格も良く、とても人気だ。

 そんな彼女と付き合える俺はほんとに幸せだ。



「うらら……」

耕平こうへいくん……」


 最近、一つ悩みがある。

 それは、うららとしても全く気持ちよさを感じないことだ。

 もちろん、していてとても身体的ではないが心的には気持ちがいい。

 でも……身体はなんも気持ち良くない。


 はぁ……結局、今日もそこまでだった……というか、うららがそんなに気持ちよさそうにしていなかった気がした。


「うらら……」

「どうしたの? 耕平くん?」

「俺としてて気持ちいい?」


 だから、俺は直接本人に聞いた。

 気持ち良くなかったら、俺はもっと頑張る……。


 少し、間が空き、うららはクスッと笑った。


「え……?」と困惑する俺。


 そして、うららは俺を抱きしめた。


 うららの身体は汗でべったりとしていた。

 それでも、ずっとこうやってくっついていたい!!

 そんなことを思うほどに気持ちが良かった。


「耕平くんは、私が気持ち良くなるためにしてるならそんなこと思わないでいいんだよ。私は耕平くんが気持ちよければそれでいいんだから……」

「でも……」

「うんうん、私は気持ちいいよ。あの人の方が気持ちいいけど……」

「え……」

「なんでもないよ……浮気しません!!」


 そんな意味深なことを言ううらら。

 き、聞き間違えだよな……?

 あの人って……。

 でも……浮気しないって言ってるし……多分聞き間違えだな?

 そんなことより、やっぱりうららは優しいな……。


「ありがとう!! うらら、俺さうららを気持ち良くさせることだけを考えたんだ……」

「そんなの考えなくていいよ。じゃぁさ、それを踏まえて……もう一回しよ……」


 そして、俺とうららは熱くキスをしながらベッドに倒れた。


 やっぱり、俺はうららが大好きだ。

 絶対に将来、うららと結婚したい。



「おいおい、どうしたんだよ? そんなに幸せそうな顔してよ?」と俺の親友の石川いしかわ翔太しょうたはニヤニヤしながら言った。


 彼はイケメンで女子から人気があり、俺の自慢の親友だ。


「いや、なんでもねぇ〜よ!!」

「ほんとかよ!? てかさぁ〜、いいよなぁ〜お前は……」

「ん〜、なんでだよ?」

「だってよ? あの、うららさんと付き合ってんだぜ? 俺も好きだったのによ!! 噂によればお前ら幼馴染なんだってな!!」

「まぁ、そうだよ……」


 ほんとに俺は幸せ者だ。

 ちなみに、翔太は彼女を作らない。

 それは……翔太を好きになった女子とは付き合うのではなくセフレとしての立場に置くからだ。

 今では百人を超えたとか……。

 やってることはかなりやばいことだけど……うららが無事なら別にどうでもいい。


「ということで……ここでいいニュースです!! 俺、昨日、彼女できました!!」


 その言葉を聞いた瞬間、俺は勢いよく席を立ち上がり「ぇえええええええ!!」と叫んだ。


 当然だ、なんせ翔太にはセフレが……そんななか、彼女を作るなんて……。


「はは、驚きすぎだ」

「お前……セフレは……」

「ん? そんなの別だろ? 恋愛とはよ」

「そ、そうかよ……まぁ、そうだな。これだから、イケメンはずるい!! んで、誰なんだ? 彼女……」


 まぁ、そっか。

 しかし、それによって不幸なことが起きないことを祈ろう。


「それはだな? ……なんと!! あの、学年一の美少女と有名な!!」


 ま、まさか……!!


春川はるかわさくら!!」

「ぇええええええ!!」と俺は再度驚きのあまり叫んだ。

「はは、だから、驚きすぎだ」


 まぁ、翔太の顔からそれが妥当だろう。


「いやよ? 昨日さ、告白されてよ? それで、『セフレ』ならっつたらよ? ビンタされて、『最低』って言われたからさ、でも、これは学年一とヤるチャンスって思って付き合うことにした」

「く、クソ野郎だろ……お前……」

「んだよ、いいじゃねぇかよ。青春は一度っきりだぞ?」

「ま、そうか……」


 俺は他人事のように返事をした。

 

 まぁ、別に翔太が幸せならそれでいい。


「ん? LINEだ……わりぃ耕平。少し、用事が……」

「お、おう……」


 きっと、春川さんだろう。

 やれやれ……。


 今日はうららは用事っつってたし……一人で帰るか……その前に少し寝てから……。


 と俺は机に顔を伏せて寝た。



『完全下校のお時間となりました……』


 そう、アナウンスが流れている。


「や、やべ……」


 外を見ると夕焼けが綺麗な空だった。


「ま、まじかよ……」と俺はカバンを握り、教室を出ると……聞き覚えのある女子の喘ぎ声がした。


 おいおい……こんなところでAVでも観てんのかよ?


 俺は面白半分に喘ぎ声がするところへ向かった。


 くく、馬鹿にしてやろ!!


 そして……その場所についた。

 教室から二つ離れた空き教室だった。


「おいおい……溢れすぎ……」


 ん? ……この声は……翔太?

 おいおい、もしかして……春川さんと……か?

 学校ですんなよ……。


「もっと……」


 え……。


 俺はその場で冷や汗と共に青ざめた。


「うらら先輩……」

「後輩くん……」


 そう、その声は……うららの声だった。


 ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ。


 次の瞬間、それだけで頭の中が染まる。


 え……。


 俺は恐る恐る、中を覗いた……。


 それと共に目からは大量の涙が……。


 はは……嘘だろ……ぁああああああああああ!!

 俺は何度も頭を床に打ちつける。


 

 あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ。


 なんでだよ……なんで、なんでだよ……。

 うらら……浮気しないって……言ったじゃねぇかよ……。


 しかし、止まないうららの喘ぎ声。


「くそ、くそ、くそ……なんで、こんな時に……元気なんだよ……」


 そして、俺は下腹部に手をやった。

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