第45話 みんな 幽体離脱するよね…
幽体離脱=アストラルプロジェクション
それはストーカーの最終形態である。
①『誰もいないはずなのに』
弟の家に泊まりに行った。
夫婦は2階。
私は1階で布団を敷いて1人で寝ていた。
チョンチョン
頬を突かれた。
目を開けると とても綺麗な男の子が、逆さまに私を上から覗き込んでいた。
(この人 眠っているよ。体を持ってきてない)
気づいてそのまま気絶した。
とても綺麗な男の子は、なかなか時間が合わず会えなかった 彼氏だった。
「きゃあー!お化けみたい!!」
➁『幽体離脱の意識 コントロール』
私のことを好きだった男の子は 幽体離脱かできるようになったらしい 。
下足箱ですれ違った時 相手がちょっとビビっていた。
そして自分の姿って見えてないんだから 堂々としてればいいじゃんと 開き直ったらしい。
見えてんだよっ!!
自分の体がなかったら好きな人と24時間一緒にいられる。
それを至福と思う人はいるだろうか?
私は単なる痴漢だと思う。
私は痴漢が嫌いだ。
彼は最初 幽体離脱に意識の大部分を持っていかれたらしく 虚ろな顔をしていた。
時間が経つにつれて仕事をしながら意識の一部だけ飛ばせるようになっていったらしい 。
とても嫌な目つきになった。
もちろん私はずっと それを観察していた。
「お化けだな!!」
③『来てるよ 来てる!!』
SNS で知り合った ICU のナースと喋っていた。
話題は共通の友人のことである。
「那由他さんがいない那由他さんがいない」
彼女は毎日毎日 狂ったように私の文章や足跡を探し回るのだという。
「今頃、幽体離脱してそこら辺に浮かんでるんじゃないの?」
「浮かんでるよ!本当に浮かんでるよ!!」
小鼻からのワンピース 来てニヤニヤと笑いながら彼女は私を見下ろしていた。
「速攻メール止めますっ!!」
④『そこに私はいない』
本当だよ 今夜は東京の友達の家に泊まりに行く予定だった。
友達に熱が出たと 中止になったのだ。
真夜中に友達が来た。
おばあちゃんの所にだ。
「なんで友達が私の所に来るんだよ!!」
おばあちゃんは夜中の2時まで半狂乱で騒ぎ 怒った。
友達のために描いた絵がある。
その絵を目指してきたのだろう。
「助けて助けて」
何度もそう言っていたそうだ。
持病もある、 コロナの後遺症もある。
過労で熱が出る。 けれども 人がいないから仕事をしなければならない。
私に会いたいけれども 看病させるわけにもいかない。
とても悲しく苦しいだろう。
「でも、私にどうしろと?!」
死んでる お化けは仕方がないが生きてるお化けは自分でどうにかして欲しい。
見える人には見えるんだから!!
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