第26話 ナース達の残念チャレンジ(笑)
「那由他さん。今度秘書検定2級を受けようと思うの。一緒に受けない?」
「いーよ」
やはり同僚に誘われ気軽に受けた。
秘書検定はファイリング等の実務理論と接遇の2種の試験がある。
ちょちょっと勉強して行った。
試験会場にはスーツに化粧と綺麗な人が多かった。人種が違うな。
そして私は実務理論に受かり接遇に落ちた。
「いつもお世話になっております。○○課鈴木です」
「こちらこそ、お世話になっております。那由他と申しますが田中課長いらっしゃいますか?」
「田中は只今席を外しております」
「ではお戻りになられたらお電話下さるようお伝え願えますか」
「そのように申し伝えます。私鈴木が承りました」
こんな感じが会社の普通らしい。
うんうん。
今日かかってきた電話で「いつもお世話になっております」と言われたが、全くお世話していないので変な人だとスルーしてしまった。
勉強が活きてない(汗)
「課長は3時まで会議に出ております」とかバツで、所在を知られたらよくない場合があるらしい。
マナー研修は2回受け特に敬語は満点だったが、キャビンアテンダントも一般社会の電話対応は説明しなかった。
必要な接遇知識は職場によって違う。
私達には縁のない世界だなぁ。
仕事として必要最小限の言葉で端的に事実だけを伝える努力をいつもしてきた。
「那由他さんの話し方ってニュースキャスターみたいね」
最終的にはそうなる。
敬語は習うものではなく慣れるものだ。
普段から全て敬語だった時期があり、敬語で冗談が言えるのはいいが、思考まで敬語になり、普通の話し方ができなくなった事がある。
更にあまりにも丁寧すぎる敬語は皆が理解できない。
「御美足はいかがですか?」
→おみあしがどこにある? キョロキョロ。
「ご要件はうけたまっておりますか?」
→えっ?!何言ってんのかしら?
私も目が点になった事がある。
昔のお嬢様学校卒業生がとても嬉しそうに言っていた。
「皆様!今日はハメを外してバイキングに行きませんこと!!」
→……。
何事もほどほどが一番いい。
最近兄妹が秘書検定2級を受けた。
「一緒にやろうよ」
「やらない」
「えっー!」
「私はもう余分なものは抱え込まないんだ」
みんなお茶を飲む感覚で試験に誘うが、私の知らない世界だと十分にわかったからいいだろう。
今は楽譜の読み方勉強してるからと弁解しておこう(笑)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます