第24話 [悲報]スギナに負けた(泣)
「雑草という植物はありません」
それは素晴らしい言葉だが、庭仕事をする人間にとって日々雑草との戦いである。
一番厄介なのがスギナ。
♫つくし誰の子スギナの子♫
のどかな童歌で表現されるような可愛らしいものではない。
スギナの別名は「地獄草」
朝に抜いても夕には地下茎から別の芽が出る。
根から掘りだそうとすると垂直茎が下へ下へと伸びてゆく。
半年放置すると地下茎が10メートルにまで伸びる。
対策①農薬を使う。一番簡単だ。
対策②熱湯をかける。自分が火傷する危険性があるし、何メートル伸びてるかわからない垂直茎まで届くかどうか?
対策③塩を撒く。
しばらく前に Twitter で話題になっていた。市役所が雑草対策に塩をと指導し、町役場が公園に塩をまいたそうだ。 NACL は分解されない。ずっと塩害として残り続ける。さらに雨によって周辺の草木に害を及ぼす。実は本当に庭に塩撒いてる人がいた。
お願いだから塩だけは撒かない欲しい。
対策④人力でひたすらスギナを抜き続ける。
私は人力派だ。
毎日数十本のスギナを抜き続けているが、終わりが全く見えない。
この田舎はスギナだらけなのだ。
じゃあ、食べたらいんじゃない?
ツクシは植物毒アルカロイドのニコチンを含むし、スギナになると更にビタミン B 1破壊酵素を含む。食べ過ぎたら脚気になるな。
野草全てが健康に良いわけではない。
おばあちゃんはドクダミ信者だった。
「ピーマンにはドクダミの利尿成分クエルシトリンが入ってる。ピーマン食べなさい!!」
おばあちゃんは現在黙々とピーマンを食べている。
引っ越しの時に大切なクリスマスローズを持ってきた。
僅か1センチのドクダミと根が絡みついていたらしく育って行くのが悲しい。
花屋の店員が言った。
「スギナに負けて庭をやめた人がいる」
ちょっとうらぶれて歌ってみた。
♫雑草に負けた。
いいえ。スギナに負けた♫
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます