第23話 命が危ない海のスポーツ
タイのプーケット島で水上パラセーリングを見ていた。
ライフジャケットを着た客をモーターボートて引っ張り、ビーチボーイが棒か何かに捕まって飛んだ客のバランスを取るものだった。
高く飛ぶパラシュートを見事だなぁと見ていたら、突風が吹きパラシュートがいきなり墜落した。
10m以上の高さから水面に激突。
意識はあるのか?
ライフジャケットを着ていないビーチボーイはどうなる?
墜落事故を見たボートが四方から押し寄せて助け出されたされたようだ。
その後の情報はない。
海外は危ないのか?
日本国内なら大丈夫なのか?
普通のパラグライダーで、着地した足場が悪く複雑骨折した人を知ってる。
水上バイクで亡くなった知人がいる。
スキューバダイビングをしにサイパンに行った時の事である。
同じ船に大学生サークルがいて、ダイビングの後にすごく楽しそうに笑いながら皆が喜んでいた。
さぁ、船を出そうという時に海からヨロヨロと女性が浮かび上がってきた。
そして船を目指して力尽きた。
船員が緊迫した空気に包まれ慌てて救助に走り、女性は甲板に横たえられた。
意識不明の重体。
……潜水病。
水中ゴーグルの視野は狭い。
ほんの数分よそ見しただけで、インストラクターも仲間も見えなくなってしまう。
懸命に探しても誰も見つからない。
スキューバダイビングをした後は、体内の窒素ガスを減らす為に浅瀬でしばらく待機する。
急激に浮上したら体内の窒素ガスが体中に詰まり塞栓を起こす。
でもエアがなかったら?
探しに来ないのだから、誰も気づかず置き去りにされるかもしれない。
潜水病の危険を犯しても、生き残りをかけて浮上したのだろう。
息を吐きながら急浮上するという手段はあるが、インストラクター以外やらないし初心者にそんな知識はない。
船員は慌ただしく無線連絡をしアメリカ軍の病院に搬送された。
潜水病治療は高圧酸素療法が必要である。
早ければ早いほど後遺症が少ない。
一分一秒を争う。
その設備があり一番近いのがアメリカ軍病院だった。
船は最高スピードで発進した。
行きとうって変わって帰りの船内は重苦しい雰囲気に包まれた。
誰もが暗い顔をして、すすり泣いていた。
点呼も取らず、一人足りない事にも気づかず、さっさと帰ろうとしていたのだから。
浮上が数分遅かったら置いていかれて死んでいた。
重症でも死亡例があり、永続的は下半身や手足の麻痺を起こす場合がある。
例えば素潜りでも耳抜きをしないで深く潜れば鼓膜が破れる。
無医村だから医者に診てもらえず放置して50年後に倒れて脳外科の手術を受けた人を知ってる。
海は美しい。
海のスポーツは何事もなければ楽しい思い出だけが残るだろう。
だがどうか、海の危険を知り万全の対策を取って臨んで欲しいと切に願う。
ちなみにスキーやスノボの骨折もよく見かける。
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