2輪


~~~♪~~~♪


毎朝聞いているアラームが鳴り響く


久しぶりに見た...思い出したくもない惨めな過去


私の頬から流れるものを感じる。


アラームを消し、ベットから出ようとしたところに電話が鳴った


自分の体がビクッとするのがわかる


スマホの画面には【かい君】の文字


『も、しもし』

「お前出んのおせーよ。」

『ごめん』

「チッ。まいいや。金貸してくんね?」

『こないだ貸して、もうないよ...』

「あ”?」

『ご、ごめんね』

「....あそ。陽菜は俺の事なんてどうでもいいんだろ?残念だよ」

『まっ、まって!!わかった!貸すから、』

「おっマジ?さんきゅー♪今日取りに行くから」


私が言葉を発する前にブチッと一方的にきられてしまった


大丈夫。私は愛されている。

だって、彼は今日も来てくれる。

大丈夫。


.......大丈夫。


高校には行けなかった。行きたいとも思わなかった。

あの頃に願いは、ただ早く家を出ること。


16になると同時にコンビでバイトをした。

勿論、中卒の私を正社員で受け入れてくれるところなんか無くて

唯一受け入れてくれたのが、コンビニ。


19歳になってからは深夜にまわしてもらい、

もうコンビニで働いて5年経とうとしている。


今年で21。コンビニから抜け出そうともするけど

やはり中々無くて難しい。

先日、お金を少しづつためてやっと父親から逃げられた。


安いアパートで虫もでたりするけど、そんなことよりも

やっと自分の居場所が出来たことが嬉しくて仕方なかった。


そして、今は恋人だっている。


私幸せだよね。




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