1輪
「クソアマにてめぇは日に日に顔が似てくるなあ?」
『っつ...やめっ..』
髪の毛全て抜けてしまうのではないかと、思うほど強い力で私の髪を掴む父親。
..いや父親といっていいのかさえ分からない。
ドゴォ
『う”っ....ゲホッゲホッ』
鈍い音と共に床に寝っ転がる
「失せろ」
蹴られたお腹に手を添えながら外に出る。
走る。とにかく走った。
近くの森を駆け抜ける
痛い。痛い。痛い。
蹴られたところが?
心が?痛い辛い。
どうして?
「ふっ..うっ」泣きたくなくても涙は流れる
走ってた私の体はゆっくり遅くなる
歩くことをやめ、地面に座り込んだ。
殴られることには確かに慣れてしまったのかもしれない
誰も助けてくれないこの世界にも慣れてしまっているのかもしれない
いっそ死んでしまおうか。なんて考える
そんな勇気もないくせに。
カサカサカサ.....
音なる方へ顔を向ける
カサカサカサ
『誰?』
もちろん返事は返ってこない
立ち上がり生い茂っている草をかき分けると
古い祠があった。
もう何年も手入れされてないのだろう
コケや草、小さな虫の住処になっている
カサカサカサ
ハッとし、祠の横をみる
石が、蛇を下敷きにしていた
いつもなら見て見ぬ振りをするかもしれない
でも、私はできなかった
『んっ、』なかなか重い石をどかす
蛇は凄い速さで、私の足の下をくぐっていった。
.......
ダブってしまった。
石で身う動きが取れない蛇を見て。
自分を見ているように感じた
『誰か私を助けて』
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