第三十五話 ハナニラ
続
やっと、パスタ来たねぇ。美味しそう〜! 私は、梅とシソのパスタよ。ダイエットしてるから。あなたはカルボナーラ?カルボナーラ最高よね。
あ、そうそう、さっきとは別の話なんだけど、お見舞いに来る人の中にはシクラメン持ってくる人もいるのよー。『死ぬと苦しいで死苦ラメン』だからね?
あとね、自分ちで栽培した花を束にして持ってくる人もいるんだから驚きよね。
あ、パスタ美味しい〜。
でね、ハナニラっていう青と白の可愛い星型の花を花束にして持ってきた方がいたの。患者さんはコップにさして置いたんだけど、翌日部屋に行ったら臭くて臭くて……ネギとかニラみたいな臭いでさぁ。それがハナニラの葉から出た臭いだってわかったから即撤去よ。笑えるでしょう〜!
捨てたあとに先輩から聞いたんだけどハナニラの花言葉は卑劣、恨み、なんですって。知らないで持ってきたのかしら? 大惨事よね。
ちょっと、笑いすぎよ〜!
世の中色んな人がいるわよね。
あ、その患者さんは普通のおばさんよ。よく喋る人でさ〜失礼なことばっかり言うのよ。『結婚は?』とか『彼氏は?』『一人暮らしなの?』『あなたの年にはとっくに結婚してたよ!』『早く産まないと大変よ!』とか、口うるさいの! 挙げ句に『私なんて21で結婚して子ども産んだ』とかマウントかましてくるのよ。
花を持ってきた人の気持ちわかるわ〜。
あ、パスタの梅肉大きいのあった!
『ハナニラ 花言葉 卑劣・恨み』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます