第28話 また準備中
そして時間が流れるのは早いことで翌週。休みってあっという間なんだよな。吉野が少し居たが。吉野が帰った後はフリー。のんびり過ごしていたのだが……時間はあっという間だったという……なんで休みの時だけ時間の経過が早いんだろうな。不思議だわ。学校の授業とかめっちゃ長く感じるのに……。
とまあさっきも言ったが翌週だ。
「久遠。集合集合」
なんかまた嫌な声が聞こえてきた。
「拒否権を発動する」
「ないからないから。どうせ今日も暇だろ?」
「……」
また放課後。讃大に捕まった。最近放課後すぐに帰れないんだが――俺の平日の自由時間どこ行った……。
そして結局当たり前のように讃大に捕まり生徒会室へ。まあなにをするかは知っている。また大混雑。主に讃大周辺だろうが……うん。学校のイベントの1つ遠足。なぜか1泊2日バージョンの資料。冊子作りだ。
ヤダヤダ。行きたくない。参加したくない。今も帰りたい。が本音である。
――だが。まあ休むと生徒会室で古市がな。騒ぎそうだからな。って、生徒会室に着いてびっくり。
「なんだこれ……?」
「あっ、葛先輩に讃大先輩お疲れ様です。先生から印刷済みのプリントがさっき来たのですが……すごい数です」
「……段ボール前より多くないか?」
「多分多いです。全学年分ですからね。あと、いろいろあるみたいですごい量です」
「っか、遠足ってあれだろ?テーマパーク行って翌日は施設やら自由行動でなんやかんやして帰ってくるだろ?にしては紙多すぎじゃないか?」
「ちらっと見たら。施設の案内や、決まり事。とかいろいろでしたね」
「作るのやだわー」
「まあ2人ともやるぞ」
「って、讃大先輩。ちゃんと先生に話してくれましたか?部屋割りは考えた方がいいと」
「一応言ったんだがな。まあ大丈夫だろうってことになったな」
「……」
やばいやばい。古市怒ってないか?とか思っていると――。
「葛先輩」
急に古市が距離を詰めてきた。近いな。おい。急接近するなよ。
「う、うん?」
「私のガードお願いしますね?」
「はい?」
「同じグループですから。守ってくださいよ?」
「何からだよ?」
「まあ、いろいろ考えちゃうお年頃の生徒からですかね?讃大先輩がしっかり言ってくれないから。身の危険を感じました」
「いやいや楓華。ちゃんと言ったぞ?それに先生らもそのことはわかっているみたいだからなんか対策あると思うんだがな」
「でも、全然変わってないじゃないですかー」
うん。あれだ。最近会長と副会長が仲がよくないですね。俺逃げたい。うん。バトルとかやめてくれよ?と思っていると――。
「だから、葛先輩だけが頼りです」
「頼られてもな」
「だって」
まあなんやかんやと言いながら作業作業。毎回だが地味に時間かかるんだよなぁ。順番に並べて揃えてまとめる。その繰り返しだがなかなか進まないんだよ。
「そういえば葛先輩」
「なんだ?」
「夜空ちゃんとなにかありました?」
「吉野と?いやなんでだ?」
「なんか今日夜空ちゃんに葛先輩の話をしたら殺気を感じたんですよ」
「何故に!?俺ヤられるのか?って俺の居ないところで噂をするなよ」
「まあま、で、結局夜空ちゃんはなにも言ってくれなかったのでわからなかったのですが。先輩。何かしたんですか?」
「いやいや、ただ吉野が人の家に泊まって……って、これは秘密だったか」
「その話知りません。詳しく!」
「……」
吉野よ。悪いなんか口が滑ったわ。
「最近また泊まったんですか?いつですか?いつの話ですか?」
「やけに食いつくな……いやこの前な。学校帰りに今日は1人だからとかでそのまま居た」
「で、先輩が何かしちゃった。納得しました。だから夜空ちゃんから殺気だったんですね」
「ないからな。勝手に納得するなよ」
「あれですよね?お風呂覗いたとか?」
「刺されるよ。もしやったら。もうこの世に俺いないよ」
「でも絶対何かしましたよね?あの夜空ちゃんの雰囲気からは……」
「いや……してないはず」
「えー、怪しいなー」
古市とそんなことを話しつつも作業作業って、俺なんでこんなにまじめに作業手伝っているをんだろうか……とか思いつつ作業である。
当たり前だが1日で完成するわけもなく。とりあえずできたクラス分だけ生徒会室から職員室へ運んだ。っか先生らも印刷までするなら。最後までできないんかね?やっぱあれか。時間が足りないのか?先生もいろいろやることがあって。
まあとりあえず少し終わった。終わったのだが……生徒会室で讃大と古市と分かれて。ちょっと教室に忘れ物があったので教室に寄ってから帰ろうと廊下を歩いていると――。
「あー。葛先輩ー!いいところに手伝ってください」
なんか、めっちゃ知っている人の声がまた聞こえてきてしまった。
「……今日の手伝いは終わったはずなんだが?」
「先生から体育館倉庫に荷物運んで欲しいと言われまして」
「……先生も下校時間過ぎてるのに何頼んでいるんだが」
わかっていると思うが俺の目の前に居るのは台車を押している古市だった。
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