第29話 まだ学校

生徒会のお手伝いを今日も頑張った俺。

ちょっと忘れ物をしたので教室に寄ってとっとと帰ろうと思っていたらまた副会長に捕まった。確かさっき別れたはずなんだが……どうしてこうなったか……。


「って、讃大は?それこそ大好き讃大に手伝ってもらったらどうだ?」

「讃大先輩は別の荷物を持って視聴覚室に行きました」

「じゃ、俺は生徒会じゃないんで」

「台車で間違えて先輩にアタックしますよ?これ結構な重さありますからね?」

「怖いからやめろ。っか、ホント重そうだからさらにやめろ。迫って来るな」

「なら手伝ってくださいよ」


と、古市と話していると。


「失礼しました……」

「……」

「……」

「—―あっ」


生徒指導室のドアが開いて――何故か中から吉野登場。こいつ――職員室や生徒指導室呼ばれまくりだな。ホント。とか思いつつ……。


「なにしてるんだ吉野」


とりあえず声をかけてみた。


「……居残りです」

「あれ?夜空ちゃんに殺気がなくなった?」

「さ、殺気なんか出してないから」

「えー、朝は葛先輩の名前出したらすごかったじゃん?」

「……やっぱ俺ヤられるのか?」

「な、違います。古市さんが勝手に……言っているだけです」

「葛先輩。早く謝っておいた方がいいんじゃないですか?」

「だからなんでだよ」

「古市さん」

「っか、古市。荷物どうするんだよ」


話を変えるために俺は古市の前にある台車を指さしつつ古市に言う。


「あー、じゃ葛先輩一緒に運んでください」

「……あっ……あの私も」

「うん?なんだ吉野」

「わ、私も付いていっても……?」

「まあ、うん。古市いいよな?」

「はい!じゃ3人でゴーです」


と、なんかわからないが俺が台車を押し体育館倉庫へ向かった。なお台車を押しているのは俺だけ。古市と吉野は隣を歩いている。ちなみにガチで重たい。めっちゃ押すの大変だった。

だから。先生よ。女の子にこんなの頼んじゃダメだって。とか思ったりしつつ頑張って押した。


ちなみに中身は新しい体育道具?まあなんか授業やらで使うやつらしい。


体育館倉庫は体育館の裏にある。中にも倉庫はあるがそっちではなく。外にあるコンテナ?の方に入れておくらしい。つまり外で使うものが入っていたようだ。


「っか、こんな重たい物を古市に頼む先生も先生だな」

「ですよねー。私をムキムキにしたいんですかね?」

「まあ、これだけでムキムキにはならんだろうが」

「えー」


そんなことを話しながら荷物を台車から下ろしてコンテナの中に――って初めてみたが結構いろいろはいってるんだな。なんか知らないものがたくさんという空間だった。


「古市。置き場所は適当でいいのか?」

「コンテナの中しか聞いてませんから。空いているところで大丈夫だと思います」

「なら適当でいいか」


俺が荷物をコンテナの中に運ぶ。にしても重い。引きずるように台車から降ろし。一番手前に置いた。


よし。任務完了である。


荷物を運び終えたので台車を返しに職員室へ。そのあとは古市が荷物はまだ生徒会室にあるので……やらで結局俺はまた生徒会室に戻って来た。ちなみに吉野も付いてきている。


そして生徒会室では讃大が待っていた。


「おつかれおつかれ。って久遠も居たのか」

「帰ろうとしていたのに捕まった。余計仕事したよホント」

「お、吉野さんも居たのか」

「あ、はい」

「あっ、讃大先輩。忘れる前に」

「うん?なんだ楓華」

「明日の作業ですが私ちょっと遅れます。日直でして」

「了解。久遠が居るからな」

「俺—―すでに入ってるのかよ……」

「ありがとうございます。葛先輩」

「っか。そうだそうだ久遠。担任の先生がまだ久遠が居るなら職員室に帰り寄るようにとか言ってたぞ?」

「何故に?」

「なんか書類?の確認とか言ってたな」

「あ、今日提出したあれか?」

「さあな?そこまでは聞いてない」

「……ならまあ。なんやかんやで居たから行くか。って帰れねー」

「先輩」

「うん?なんだ吉野」

「すぐ終わりますか?」

「わからん、って待ってようとしてるか?」

「えっと。まあ荷物運び終わったら帰るかと思いまして」

「あー、まあ、すぐだと思うが……まあわからん」


うん。何で呼ばれているかわからなんからな。っか、このまま帰って明日でもいい気がしたが、、、。面倒なのは終わらしておく方がいいだろうしな。俺がそんなことを思っていると。


「なら夜空ちゃん一緒に待ってようよ。で、遅くなったから葛先輩に家まで送ってもらおう!」

「おい」


なんか古市がそんなことを言い出したが――まあ、とりあえず俺は職員室へと向かった。


結局。単に俺が授業のとき提出した紙に名前書いてなかったから呼ばれたのだった。

おかしいな。書いたつもりだったんだが……俺だけが白紙だったからすぐにわかったらしい。って、これはあとでわかったことだが。提出しなくていい紙に名前が書いてあったというね。まあ単なる授業の紙でよかったよかった。テストでやらかしたら0点だからな。うんうん。


まあすぐ終わったのでその後は待っていた後輩2人を家まで送りましたとさ。

って最近後輩とともに移動する時間が長い俺だった。

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