第6話 オバケちゃん
「もしかして俺が閉め忘れ……?」
自分の家の階に帰って来た俺は非常階段のドアが半開きになっていたことに気が付いて、誰も入ってないよな?急に不安に襲われた俺。
この階には小さな子とかはいないと。確か住んでる人も少ないはずだし。
でももしかして――があるとなのでちょっと心配になり。俺は非常階段の方へ向かった。
そしてとりあえず屋上へと向かってみる。
ギイィ……。
相変わらずの重たく賑やかなドアをあけると。誰も居ないのが普通なのに――普通なのに。
今日は先客が居た。俺の嫌な予感は当たったいうのか。いや、でもうん。予想していたのは、ドアが開いていたから小学生くらいの子とかが。ドアが開いているから入り込んで、屋上に来てしまっていないだろうか。とかだったから。現状を見る限りはハズレか。
そして音がしたからか。先客の方はこちらを――7見ているはず。
見ているはず。というのは振り向いては、いると思うのだが。首が動いていたから。でも長い前髪で表情が全くわからないから。
って、ホラーか!?
まあとりあえず。わかることを言えば、足はある。うん。確認よし。そして俺と同じ学校の制服を着た女子生徒が1人屋上に立っていた。見た感じ同級生?いや後輩?古市よりちょっと背丈は小さい感じか。そんなことを思っていると。風がフワッと吹き彼女の髪を揺らしてくれた。
「……!」
風のおかげで表情がちょっと見えて俺と目があった。うん。彼女は驚いた表情をしている。まあ俺も驚いた顔をしていると思うが。
「……何してるんだ?こんなところでお前は?」
とりあえず聞いてみた。
「……誰ですか?」
初対面で大変失礼かと思うが。先程から長い髪で表情がほぼ見えなかったので偶然風が吹いてオロオロしている感じの彼女の表情が見えなければ。
もう少しで俺が悲鳴をあげていたかもしれない。いやホント。一瞬ホラー。だったからな。明るい時間に出た!?とかになるとこだったよ。
とりあえず心の中では謝っておいた「ごめん。失礼な事考えた。俺の前にいる誰かさん」と。と俺はそんなことを思いながら。
「えっと――まあ、俺はここの住人。なんか非常ドアが開いてたから。気になって一応屋上に来てみたらお前が居た。以上」
「……私はたまたま――そう。ここに来ただけで」
「そうか」
「……失礼します」
誰かさん。同じ制服を着た女子生徒はそう言い。
俺の横を小走りで通過していった。っか、一瞬だが近くで見ると、ホント髪が長いな全体的にも。とくにあの前髪邪魔じゃないんかな。とか思っている俺だった。
いやホントに長かったからな。全く表情が見えないというか。あれは――隠している?というか。ホント綺麗に顔が見えなかったからな。
◆
後からわかることをここで先にバラしてしまうと。これが
ちなみに2度目の遭遇はすぐに訪れたのだった。
……普通なら未来のことはまだわからないので現在の俺に戻るか。
◆
はい、現在になりました。戻りました。何があったかは俺はわかってません。何もなかったと言っておこう。
でだ。女子生徒が立ち去ったあとはもちろん俺1人が屋上に取り残された。
まあせっかく屋上まで来たのでしばらくボーっとしていた俺は夕焼けを見てから自分の家へと戻った。
一応非常階段のドアを開ける際はそっと。誰か居るとなんでね。まあ先ほども少し触れたが。この階はあまり気にする必要はないが。何故かって?今俺のところ以外多分空き部屋だからな。だからさっきも『この階には小さい子は……』と俺はわかっていたということ。そもそも人が居ないからな。
いやでももしかしたら誰かまだ住んでいるかもだが。2つくらい部屋が離れるとわからないんだよな。両隣は空き部屋とわかっているんだが――理由は知らないが。バタバタと連続で引っ越していったのは知っているんだがな。
現在は静かな階となっている。他の階は普通に人がいるみたいなんだが。この階不人気?なのだろうか?そりゃうるさいよりはいいが。
俺はそんなことを思いながら屋上から自分の家の階に戻ってきてそして家へと入った。
室内は当たり前だが。静か。静寂である。何度も言うが俺は今一人暮らしだからな。誰か居る方が怖い。
まあごくごくまれに親がいるかもしれないということはあるが。高校になってからは完全に放置。そんな感じだな。まあ俺も1人の方が楽だし。普通に1人で生活できる支援を受けているからな。まあ感謝感謝である。変なことは言わないに越したことはない。うん。
俺は荷物を置いてソファーに座ってリラックス。そのあとはいつも通り。1人暮らしを満喫していた俺だった。
ちょっと屋上にいた女子生徒が気にはなっていたがな。
この時は、まさかこれからあんなにかかわることになるとは、俺は思ってもいなかったがな。
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