第5話 生徒会室
そろそろ現在に戻ってこようか。
◆
今はというと、俺は讃大に付いて構内を歩いている。そして最近よく来る生徒会室に着いたところだった。
「あっ、讃大先輩お疲れ様です。あっ、葛先輩もいらっしいでーす」
生徒会室に着くと明るい声が聞こえてきた。
副会長がいつものように笑顔でお出迎えをしてくれた。
いつも。ということは俺はよくここ。生徒会室に来ているということだ。
って、まあ副会長は讃大を待っていたのだろう。俺はおまけだろうな。でも俺から見ると最近では唯一話したりすることがある後輩だったりする。
「
讃大は副会長に声をかけながら荷物を机の上に置いた。
「はい!ちなみに授業はちゃんと受けてますよー。終わったらすぐにこっちに来てますが」
俺は副会長のそんな明るい声を聞きながら……。
「なるほど……資料作りに俺は呼ばれたのか」
「そーいうことさ。いい暇つぶしだろ?」
生徒会室に着いてから呼ばれた内容を知る俺。まあよくあることだ。
そういえばちゃんと自己紹介してなかった気がするので……ちょうど今。この場に俺の知り合いが全員揃っているので自己紹介をしてしまおう。
まず俺の前に居る
さっきも言ったが。俺の起こした?騒動を何故か知っている。というか、うん。なんか確信している人間である。ホントどこで調べてきたのか。まあ学校がずっと同じだから、讃大レベルならどこでも聞いてこれるか。でもな、知っている人はいないはずなんだが。ってこのままだと進まないから放置しよう。
最近もよく行動を共にする数少ない俺の友人?友人いうのか……人手不足を理由に俺を常に確保している生徒会会長か。そして勉強、スポーツ何やらしても良し。あと爽やか系イケメンとでも言うのか。アイドルみたいとかいえばいいのか。学校ではファンクラブがあるとかないとか。多分あるな。
まあちょっと人気があり過ぎるからか。たまに揉め事やらも起こっているみたいだが。
そのうち何かやらかすかもしれない。とか俺は思っている。簡単だがこれが福神讃大とか言うやつだ。追加情報は追々でいいだろう。
次は、先ほど出迎えてくれた副会長。名前は
讃大曰く。仕事も出来る即戦力ルーキーらしい。まあ1年生で生徒会に立候補する人だから。古市は凄い。あと見た目情報をプラスすると、セミロングの茶髪。足が長い子。今時の若者は足が長い。
簡単に言えば美少女だな。ちなみに余談。本人がよく言っているのは、胸だけ成長しないである「胸だけ小学生のままなんです!」とか。いやそれ男子に言ってもなんだが。反応に困るわ。でも数回、俺なんかでも聞いたか。
かなり身体の一部を気にしている様子だ。個人的には気にしなくてもなんだがね。
あと古市の情報は、俺との接点は今のところはこうして生徒会室で会うだけかな?たまに廊下ですれ違うと挨拶くらいはするが。
わざわざ話しに行くとかそんなことはない。
ちなみに多分俺の勝手な勘では古市も讃大を狙っている。
というのは雰囲気からわかる。讃大に対しての態度が明らかに違うからな。さすがに俺でも少し見ていたらわかった。ちなみに古市は俺の過去は知らない。多分な。
俺のことはよく讃大に捕まっている讃大のクラスメイトで便利屋さんとか思っているかと思う。
最後に、知り合いを紹介したのは俺。
なんか1人の時間が多いと自然と勉強するようになってな。ちょっかいも無くなりかなり暇な時間が学校でも増えたからな。
あと、スポーツはであるが。スポーツは変わらずだ。
そうそう現在は一人暮らしだ。
俺が高校に上がった時に親は仕事の都合でどこかへぶっ飛んでいったからな。
忙しいこだ。ホント。でも、俺が生活できているから感謝である。
今どこにいるんだろうな。なんかこの前連絡が来た時は、全く聞いたことない地名を言っていたような。もしかした国内には居ないのかもしれない。
はい。以上である。
ちなみに余談として讃大と行動する機会が中学生あたりから増えたからか。まあ勝手に讃大が俺の近くによく居たという方が正解か。で、讃大はホントよくどこでも人と話すので一緒に居るとまあ俺にも、と言うので。最近では誰とでもそこそこ話せるようになった気がする。うん。讃大に感謝だな。っかホント讃大を見ていると、常に誰かに捕まっていたり話しているからな。人気者も大変だ。まあ俺にはほとんど関係ないことだがな。
俺に人が集まるとかないからな。あっ、腕やらの傷がバレるとざわざわは起こるか。
そうそうあと現在のこの学校の生徒会正規のメンバーは讃大と古市だけである。
なぜかって?立候補者が居なかったんだと。会計、書記に。でもあまり選挙に時間もかけられないから……とかで会長、副会長だけで今は頑張っていると。
生徒会も大変だ。少子化で生徒数減ったからか?って、立候補と少子化は関係ないか。いろいろあって人手不足だから暇人の俺がよく捕まっているということだ。
俺がいろいろ思っていると。
「久遠。それ10枚で1セットな」
余計なことを考えつつ立っている間になんか目の前の机の上に紙の山が準備されているのだが。これは何だ?である。俺はそれを見ながら。
「めっちゃ量あるんだが――1日で終わるか?これ」
現在机の上には山。紙の山があった。今地震が来たら――生き埋め。そしてぐちゃぐちゃにまざったら。泣く。絶対長期間ここに拘束される作業が始まってしまう。それは嫌だ家でゲームしたいし。ダラダラと放課後はしたい。
と、とにかく、早くやって終わらそう。とか思っている俺だった。
にしても毎回というか。助っ人で俺は手伝っているが。果たして俺が助っ人になっているのかは微妙である。
どうみても讃大と古市のスピードが早い。慣れている手付きだし。俺が1つ作る間に讃大は5つ。古市も3つは作っている。
俺がちょっと周りを見ていると讃大が話しかけてきた。
「1週間もあれば多分終わるだろ。まあ全校生徒用だからな」
「なげーよ。っか、そりゃ山だわな」
「葛先輩。手が止まってますよー」
「……悪い」
ちなみに俺は後輩によく注意されます。はい。
「あっ葛先輩。でも無理はしないでくださいね?ここの職場ブラックですから。適度に自分で休まないと。ですからねー」
そんなこと笑いながら言う古市。うん。ブラックな生徒会と理解はしているらしい。
「マジでブラックだよな?」
「はい。びっくりするくらい真っ黒ですよ。入ってびっくりしてますよ。真っ黒過ぎて」
そうそうちなみにできる後輩は俺なんかにもとっても優しい。ほんといい子である。
それから放課後まで俺は生徒会のお手伝いだ。3人でなんやかんやと作業していたが。半分も終わらなかったな。
まあ仕方ない。俺がトロいからな。
って3人で全校生徒分とか無理だからー。このブラックが!担当者出てこい!だな。とか俺が思っていると。
「じゃ、終わらなかったし久遠。しばらくの間協力頼むわ」
「ブラックだ。って暇だったらな。っか、俺助っ人になってるか?俺居なくてもあまり変わらない気がするんだが」
「なってるなってる。って常時暇だろ?」
「……ノーコメントだ」
常時暇ってなんだよ。と、思ったが。まあ放課後は……なのでなにも言い返すことはなかった。
「お疲れ様です。葛先輩。葛先輩は貴重な戦力ですよ?普段2人ですからね。2人は2人でなかなか進まないんですよ。また手伝ってください。あっ、讃大先輩この後時間ありますか?」
今日も古市の讃大へのアタックは続くみたいだった。よく見る光景だ。生徒会室で讃大を捕まえれるアドバンテージが古市にはあるからな。まあ俺は気にする事なく生徒会室をあとにする。
頑張れ古市。
誰もいない廊下を歩きながら俺は制服の腕をめくる。
落ちた時の傷は今もしっかりまだある。まあ普段は制服で見えない。
ちなみに不自由とか言うことはない。ちょっと違和感くらいが残っているだけ。決して作業が遅い理由を見せているわけではなく。ふと腕まくりをしただけである。マジで大変だったんだよ。さっきの作業。で、今は廊下に誰も居ないからな。こういう時にちょっとで涼しさを感じないとやってられないんだよ。暑いからな。
まあこの傷があるのは自分の原因なんだがね。
とか1人で思いつつめくった腕をもどした。うん。長袖の制服着ていればほぼ、いや全く見えないな。でも……暑い。なんかした時。動いたときはホント暑い。
生徒会室を出たあとはとくに誰とも話す事なく俺は自宅マンションへ帰ってきた。
先程も言ったが俺は現在一人暮らしだ。部屋は親が居た時と同じなので広すぎるくらいである。なお親の部屋はほぼ何も物がない。荷物はほぼ全部ないと困るやらで持って行ったからな。まあいつ帰ってくるかわからないやらで今は俺が自由に使っている。
完全に空き部屋だが。
ちなみに男1人だからゴミ屋敷だろ?とかではない。ちゃんと掃除してるし。そこそこ綺麗にはしている。
って、そんなことより。俺は自分の部屋のある階に来た際に違和感を感じた。
「……なんで開いているんだ?」
俺が気になったのは非常階段へのドアが少し開いていたことだ。
普段は閉まっているのが当たり前。というか。うん。基本日常で使う人はいないと思うので、こうやって半開き?いうのか開いているのが珍しかったため気がついた。
ちなみに俺は今でも屋上にはちょくちょく行く。あっ、決して第2回人は飛べるか実験ではなく。ボーっとしたい時に。星や月を見に行く。静かだし。誰も邪魔してこないし。いいところっちゃいいところなんだよ。で、確か昨日も――って、あれ?もしかして俺が閉め忘れたのか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます