第14話 屑の犀 散文詩
くたびれた皿のうえで笑っている膝ともたれかかってくる胃腸。真実を知るのはくびられた衣服だけだ。寝ぼけた鼻先を切り落とされていく折紙、追いかけてはゴミ箱のなかで眠っている。
捨てられるときに捨てなければ、それはもう生涯をともにするしかない。屑のなかで眠る、寄せ集まれば幾らかあたたかい。屑の角、は犀の角とは似て非なるものだ。それでも犀の角のようにただ独り歩め、と念じるなら屑の角もひとつになり歩めるだろう。飾られたものを蹴散らして奔れ。そのとき私は、私たちは襤褸をまといつぎはぎした唯一の模様で歩む一匹の犀である。
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