第13話 手、の埋葬

ふさぎこんだ ゆうぐれ 百万遍を超える幽霊。


ひとつ、ふたつ、みっつ……


指折り数えて、手、を運んでいく

皺だらけの、バネ指の、瑞々しい

数多の、手、が運ばれていくのだ


指きりしている、ふたりの手をひき離す

ふたつ、の手を、僕らは掲げて歌いだす

リボンで飾れ、花を散らして、穴に落す


花よ、花よ、花が散る、火花散る、ナイアガラの滝

しらうお、きんぎょ、手、が彼岸へと泳ぎはじめた

あの手、この手、で手という手たちが埋葬、される


かおをあげる ゆうぐれ

すいへいせんまでのびるかげ

また くるからと わらう


今日は電車に乗って、遠くへいけそうだ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る