第11話 何処かの惑星で

ぼくらはみずでできていて

ヘッドフォンは本来いらない

うるさい夜には耳栓はほしいけど


部屋の植物が水を吸い上げる音、はなひらくのだ


鳳仙花の種みたいに、宣言する、波紋が波紋を

打ち消す前にそれはいいうれしいきらいではない

みのうちのみずが境い目をなくして波濤になり


ガラスはひび割れる、がぶがぶのみくだして

孤独の視界のそとから未知のひとを待っている

どこまでもいけそうなふらつく足取りで踏み外す


みず、が水となって流れていく

川と、海、循環する空からみずが

ふる、異星からきたひとの嘆息


空からからみずが降るなんて なんて原始的なんだろう


みみからみずがはいってくる きりのあさには

とおくなり ちかくよせる みずたちとふれあう

あ ら ゆ る もの うたい ふるえる ためいき


楽の音に震える

コップに注いだ

水。をみながら


あ、からはじめて、ん、と言う

みのうちでふるえるみずのこえ

遠い星へ導かれてかえってきた

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