おれのなつやすみ④
1.いやー、鮫は強敵でしたね
ビーチを襲った謎の鮫との死闘は日没まで続いた。
いや、単純な強さで言えば俺とティーツの方が上だったんだよ?
でも殴り殺したり斬り飛ばしたりする度に分裂したり、
分裂したのがくっついたりと……兎に角死なねえんだよあの鮫。
’がんばえー、おにいちゃんたちがんばえー’
’いやあ、良い見世物だな’
途中からある種のショーみたいになってたからね。
海から避難した観光客も、飲み物や食べ物片手にビーチで暢気に観戦決め込む始末だ。
釈然としないまま戦う俺とティーツ、戦いは始終俺たちの優勢で進んでいた。
だが俺らは奴を殺し切れない、奴は俺らに太刀打ち出来ない。
にっちもさっちもいかないとはこのことだな。
最終的に再生出来ないレベルで消し飛ばしてやりゃ良いと、
ティーツと一緒に合体技を放って灰にしてやったが……ちょっと不安。
いやまあ、あそこまでやったんだし多分死んでるだろ。
「あの鮫、結局何だったんだ?」
「とりあえず、調べた限りではモンスターじゃないと思うけど」
顎に人差し指を当てて小首を傾げるアンヘル。
ああ、戦ってる最中に調べてくれてたんだ。
「というか鮫ですよあれ。調べた限りでは本当に普通の生物としての鮫です」
「うごごごご、普通の鮫とは一体……わしの常識が壊れる」
つーかティーツ、何でお前の俺(と伯父さんの)部屋に居るんだよ。
いや、他の面子は良いよ?
夕飯まで暇だからーつって集まって来ても全然不思議じゃない。
お前、相方はどうしたんだ。放置か? ババアは寂しいと死ぬ生き物なんだぞ。
「アイツなら繁華街じゃ」
「……何か良からぬことしてんじゃねえだろうな?」
「まあ、良からぬことと言えば良からぬことじゃが……犯罪ではないから安心せい」
あん?
「ほら、アイツ浜辺でカップルの邪魔しとったじゃろ?」
ああ……イチャついてるカップルの間を走り抜けるというアホ臭い遊びな。
後で小耳に挟んだんだが、ビーチの七不思議とか呼ばれてたぞ。
ますます妖怪染みてきやがった。
「でも鮫の襲来でそれが中断されたもんじゃから、ストレスが発散し切れてないようでのう」
「えー……」
それで繁華街まで赴いてカップルの邪魔してんの?
嘘だろお前、世間で持て囃されてる義賊様のやるこっちゃねえだろ。
世のため人のため、闇の正義を執行する信念の人。
指名手配もされているから大っぴらに公言する奴はいないが、
一部界隈じゃアイドル並に人気があるんだぞデリヘル明美。
そんな奴の正体が面白義賊とか……ファンが可哀想だわ。
「ま、アレのことはどうでもええんじゃ。今はオフじゃしのう」
ああ、例のお仕事ね。
確か明後日だっけ? 洞窟の水が引くのは。
手伝うと言った手前、やるだけのことはやらせてもらう。
(決行は……やっぱ夜だろうな)
詳しい時間が決まったら教えろと視線を飛ばす。
ティーツもそれを察してくれたようで小さく頷いた。
「「「……」」」
あん?
何やら視線を向けてくる三人娘。
俺の顔が男前なのはもう知ってるから言わなくて良い……いややっぱ言って良いぞ。
褒め言葉は何度受け取っても飽きないものだからな。
「兄様。そこは普通、自分の顔に何かついてる? ではないでしょうか」
「そうでしたっけ? ま、どうでも良いわ。で、何よ?」
「あ、うん。二人は仲が良いんだなって」
仲が良いってか腐れ縁だよ。
発酵が進み過ぎて、もう何かカラッカラになってる感がある腐れ縁。
「まあ、わしらとカールはずっ友じゃけえな」
「気持ち悪いこと言うな」
ああ、わし”ら”で思い出したんだが……。
「ティーツ、他の幼馴染連中って今何してんだ?」
「さあ? 前にも言うたがわしはさっさと街を出たからのう」
「使えん奴め」
「そういうカールは知らんのか?」
「俺もタイミングとしてはお前のちょっと後だったからなあ」
出来れば地元で大人しく封印されてて欲しいんだがな。
あんな奴らを解き放ったら郷里の恥になっちまうよ。
既に一人、特大の糞が排出されてるわけだし。
「カール、自分を卑下するのは良くないぞ」
「テメェだよッッ!!」
そりゃ俺も……まあ、若干ふしだらな生活は送ってるよ?
でも犯罪に手を染めたことは一切ない。
人斬りとは比べるまでもなく善良な社会人やってるっつーの。
「…………幼馴染、か」
「おや、ラインハルトさんも郷里の友人を思い出しましたか?」
シャルが興味深そうな顔で問うた。
少しでも伯父さん情報を充実させたいんだろうが、馬鹿だなあお前。
「……いや、俺はこんなだから友達はいなかった…………」
「あ」
な?
性格考えれば分かるだろ。
伯父さんがダチとつるんではしゃいでる光景なんぞ想像できねえわ。
「時たま、ハインツに誘われて遊びに連れて行ってもらったが……」
親父の友達であって伯父さんの友達じゃないしなあ。
まあ、親父のダチだからあんま気にしてねえだろうけどさ。
でも伯父さんはそういうとこ気にするよね。考えちゃうタイプだよね。
「だから……カールが…………少し、羨ましい……」
やべえな、俺ちょっと泣きそうだわ。
見ろよ、シャルだけじゃない。
アンヘルやアーデルハイド、庵も気まずそうに目を逸らしてるぜ。
ああでも、アーデルハイドの場合はちょっと違うかな。
アンヘルと庵は友達居るけど、アイツ友達居なさそうだもん。
感じてる気まずさは別種のものだろう。
「「「「「「「…………」」」」」」」
ほら、どうすんだよこの空気。
誰か何とかしてくれ。
そんな俺の願いが天に通じたのか、ノックの音が室内に響き渡った。
「あ、私が出ますね」
ぱたぱたと駆けていく庵、この場を離れたかったんだろうが……ずるくね?
というか俺と伯父さんの部屋だし、どっちかが出るべきだと思うんだけど、まあ良いか。
「あらまあ、えらい可愛いお嬢さんやねえ」
ドアを開けるとそこには見知らぬ葦原の女が立っていた。
ウェーブのかかったセミロングの綺麗な黒髪と、
左目元の泣き黒子が目を引く二十代後半ほどの色っぽい姉ちゃん。
誰かの知り合いか? と視線を向けるが庵を除く全員が首を横に振った。
「あの、どちら様でしょうか?」
「こら失礼。うちは
帝国の方には馴染みがないようですが、姓はありませんのや」
少し困ったように笑う女。
帝国だと庶民でも普通に苗字を持っているが、
葦原ではある程度社会的地位が高い奴らしか苗字の所持は許されていないのだ。
そう、以前に庵から教えてもらった。
まあ日本も昔はそうだったらしいからなあ。
「同郷ですし、知っていますよ。私は庵。私も姓はありません」
「見た目で葦原の血が流れとるとは思っとったけど帝国の生まれやと思いましたわ」
まあ、そうだよな。
ちょいちょい葦原の人間を見かけるので気づき難いが、
鎖国をしている国から出るってのはかなり大変だ。
子供単身で、もしくは子供を連れてなんてよっぽどの事情がないと厳しいと思う。
だから幽羅も庵が帝国に帰化した葦原人だと勘違いしたのだろう。
「ああいえ、生まれは帝国ですよ。
両親から聞いたことがあっただけで。同郷と言ったので勘違いさせてしまいましたね」
庵もミスったと考えたのだろう。
言い繕い、申し訳ありませんと頭を下げた。
幽羅は庵を知らないようだが、
”事情があって葦原を飛び出した幼児が居た”なんて情報は残したくないものな。
気にし過ぎと言えばその通りかもしれないが、事情が事情だしな。
(まあそれ言うならこんなとこ連れて来るなって話だが……)
庵一人だけハブとかあり得んし、
堂々とこんなところで遊んでるってのが逆にカモフラージュにもなるしな。
つか実際、どうなのかねえ。
命を狙った黒幕は、こっちの大陸に人を送り込んでるのか。
いやまあ、既に庵は俺の女だから何があろうと俺が護るけどさ。
「いえいえ。ところで、カール・ベルンシュタインはんいう方はおりますやろか?」
って俺?
首を傾げつつドアの前まで行き俺がカールだと名乗り出る。
すると幽羅は嬉しそうに手を叩き、深々と頭を下げた。
「この度はえらいお世話になりまして」
「???」
「ああ、こら失敬。うちはアダム・バルツァー様の秘書をさせて頂いとるんですわ」
アダム・バルツァー……って言えばおい、例の商人の名前じゃねえか。
何でそんな奴の秘書が俺んところに? それに世話になったって?
「ビーチに現れた鮫を撃退してもろたようで感謝の言葉もありませんわ。
カールはんのお陰で死者も負傷者も出ずに済んだようで」
「あー……はいはい、そういうあれか。でもあれ、俺だけの手柄ってわけじゃありませんよ」
「それはも承知しとります。ただぁ……その、もう一方の名前が……」
ああ、俺は途中パフォーマンスがてら名前名乗ってたけどティーツはやってねえからな。
ドドド、ドッドッド――ドン!
誰が至強か!? 誰が至強か!? 誰が至強か!?
それは誰か!? ドン! カール!!
みてえなコールやってもらったんだが超楽しかったわ。
流石リゾート地だけあって皆、ノリが良いのな。
「そいつもこの部屋に居るよ」
「! ほんまですか!?」
ティーツに視線を向けると、のそのそとこっちへやって来た。
合法的にアダムに会えそうな流れだからな。
アイツにしても願ったり叶ったりの展開だろうさ。
「わしはティーツ・ベックマンじゃ」
「ティーツはんですね。この度のこと、アダム様はえろう感謝しとって……」
「ひょっとしてもう、ホテルに?」
「ええ。せやから、お時間ありましたら……どうでっしゃろ?」
断る理由はない。
皆に少し出かけて来ると告げ、ティーツと共に部屋を後にする。
「アダム様、例の御二人が参られました」
扉の向こうから応答が来るのを待ち、幽羅が貴賓室の扉を開ける。
中で待っていたのは、少し疲れ気味だが人の良さそうな老人だった。
この人がアダム・バルツァーか。
「カール・ベルンシュタインです」
「ティーツ・ベックマンいいます」
「カールさんにティーツさんですな。私はアダム、アダム・バルツァーと申します」
立ち上がったアダムが頭を下げようとするのを手で制する。
感謝の気持ちはありがたいが、
バカンスを邪魔されたくないという私情でやったことだから変にかしこまられても困るのだ。
「なのでどうか、お気になさらず」
「いえいえ、そういうわけにもいきますまい。
御二人のお陰で皆様の安全と、ダグーンビーチの評判が守られたわけですし」
まあ確かに死者が出てりゃ大打撃だったろうけど、何だかなあ。
さっさとそっちの用を済ませろとティーツに視線を送る。
あっちもむず痒さを覚えていたようで、小さく頷き一歩前に出た。
「それよりアダムさん。ちいと聞きたいことがあるんですが、ええですかいのう?」
「? 何でしょうか。それと、どうか楽になさってください」
「ほうですか? ほな……アダムさん、アレクシス・フランツの名を覚えとるか?」
その名を聞いた途端、アダムが驚愕を露にした。
「ええ……ええ、覚えていますとも。いえ、片時も忘れたことはありません。彼は私の大切な親友です」
懐かしむように、悔いるように、アダムは答えた。
やはり彼も過去の事件を引き摺っているようだ。
「しかし、共に故郷を飛び出し別れてからはその行方も……ティーツさん、何故アレクシスの名を?」
「アレクシス爺さんの頼みで、わしゃあジャーシンに来たんじゃ」
「アレクシスの頼み……それは……」
「例の事件じゃ。爺さんは、ずっと気に病んでおったようでのう。
自分から出向くのが当然なんじゃろうが、爺さんもええ歳じゃ。
とてもここまで来れるような体力がなくてな、じゃけえわしが代わりに来たんじゃ」
話を聞かせてくれるか?
ティーツがそう問うとアダムは深く頷き、ぽつぽつと語り始めた。
「アレクシスから話を聞いたのなら察しはついていると思いますが……」
予想通り、アダムがジャーシンに戻って来たのは後悔からだったらしい。
開発にかこつけて行方不明になった親友を探そうとしていたという予想もどんぴしゃり。
「ですが、何も見つけられませんでした。
それどころか自らの感傷に付き合わせ新たな犠牲まで出してしまい……私は本当に愚かな人間です」
しょうがない部分もあると思うけどな。
だって、昔友達が行方不明になった時は知らなかったんだろ?
洞窟の中に危険なモンスターが住み着いてるなんてさ。
いや、そもそもそのモンスターが犯人かどうかも怪しいぞ。
だって友達が行方不明になったのはアダムらが少年だった頃。
んでアダムがジャーシンに戻って来たのはその何十年も後の話だ。
その何十年の間に、モンスターがやって来た住み着いたという可能性もある。
俺がそう指摘すると、
「若い命を散らせてしまったことは揺ぎ無い事実です、弁解のしようがありません。
あそこには近付くべきではなかったのです。
現に、洞窟に踏み入った者以外で唸り声や影を見たなどという話は出ていないのだから」
その話から察するに、調査は一度しか行ってないっぽいな。
一度目の調査でモンスターの影がチラついたから、
二度目、冒険者でも雇って送り込んでるものだと思っていたがこの様子だとな。
(トラウマかあ)
何十年も引き摺り続けてるトラウマを刺激されたから無理もないよな。
冒険者ってのは死と隣り合わせの職業だ。
アダムもそこらは理解しているだろう。
だが、この件に限っては自分の罪に関わる問題だ。
例え死を覚悟した冒険者であっても巻き込みたくはないのだと思う。
(そうなると……)
ティーツを横目で見ると奴も同じ考えのようで小さく溜め息を吐いている。
「申し訳ありません、ティーツさん。アレクシスには……」
「爺さんもええ大人じゃ。聞いて来てくれとは言うたが、頭では分かっとるじゃろう」
確かに望んでいたような情報ではなかった。
だが、何もかもが無駄ってわけじゃない。
今も尚苦しみ続ける爺さんにとっては、これはこれで知っておくべき事実だ。
「のうアダムさん。例の友人の墓とかはこの辺にあるんか?」
「……ええ。アイツには親類が居ませんでしたからね。私が戻って来た時、建立させて頂きました」
「ほなら、その場所を教えてもろてええか? 爺さんの代わりに花を手向けたいんじゃが」
「分かりました。少し、分かり難い場所にあるのでメモをお書きしますね……幽羅」
「はいな」
幽羅から手渡された手帳にペンを走らせるアダム。
ちらっと覗き込んでみたが……この人、字も絵も上手いな。
絵はともかく字の方は羨ましい。
悪筆だからなあ、俺。いや、俺としては丁寧に書いてるつもりなんだがな。
「では、これを」
「すまんのう」
「いえ。ところで、その、アレクシスは今どこに? よろしければお教え願えませんか?」
「ああ、分かっとる。爺さんは今……」
会いたい、よなあ。そりゃ。
罪を分かち合う唯一の友なんだから。
特にアレクシスって爺さんは老い先短い感じだし、
アダムは……健康そうには見えるがこれぐれえの歳になると何が起こるか分かんねえしな。
脳卒中やら心筋梗塞やら……おお、怖い怖い。
「アイツ、そんな遠くに……いや、僕も人のことは言えないか……」
「なるべく早よう会いに行ったってくれや」
「ええ、それは勿論。互いに老い先短い身の上ですからね。
ティーツさん、本当にありがとうございます。
あなたが居なければ私はアレクシスに会いに行こうなどと思うことはなかったでしょう」
だろうねえ。
商人として大成功を収めたのだ、人一人を探すために金を惜しむことはないだろう。
だけどアダムはそうしなかった。後ろめたかったのだろう。
故郷に戻ったのに結局何も出来なかった自分が。
そして、もし友人が過去を忘れ幸せに暮らしてるならって考えも頭をよぎってたんじゃないかな。
(会いたくて、でも会うのが怖くて)
だが、ティーツから話を聞いたことで友が今も苦しんでいると知った。
そうなりゃもう、行くしかねえよなあ。
自分のためにも、友達のためにも。
「あ、申し訳ありませんカールさん。私的な話ばかりしてしまい」
「良いよ良いよ。俺もティーツから事情は聞いてたし」
とりあえずこれで用は済んだ、と言いたいがアダム的にはそうもいかないらしい。
どうやら鮫の一件はまだ終わっていないようだ。
「是非にお礼をさせて頂きたく……」
「いやいや、ありがとうって言ってくれたじゃん。それで十分だって。なあ?」
「うむ。さっきも言うたがわしらは個人的事情で目障りなゴミを片付けたに過ぎん」
「どうかそう仰らずに」
つってもなあ。
どうする? とティーツに目で問うと好きにせいとの返答が来た。
好きにせいと言われても俺だって、んな直ぐには思いつかねえよ。
「ここは一つ、私の顔を立てると思って」
〈遠慮なさらず望みを言って欲しい〉
カースを発動させてみたが、駄目だ。
あらかじめ報酬が用意してあるとかなら、
カースで拾ってそれをそのまま口にして場を流せたんだがなあ。
〈……様……ひ……ん〉
ん?
一瞬、ほんの一瞬ノイズのようなものが聞こえた気がする。
「どうかなされましたか?」
……気のせいか。
カースをOFFにし、頭を捻る。
どうしよう、一旦保留にして――あ、思いついたわ。
「アダムさん、ジャーシンって葦原風の料理が食べられる店あるんだよな?」
「? ええ、ジャーシンの成立には国を飛び出した多くの葦原人が関わっていましたからね」
「なら、おススメの店何件か教えてよ。んで、そこで存分にタダ飯食わせてくれない?」
これぐらいが無難だろう。
店を教えるだけじゃアダムの気が済まないだろうが、
複数の店でタダ飯をって条件もくっつけたんだしここらで妥協して欲しい。
「分かりました。手配しておきましょう。店の場所は、フロントに伝えておきますので」
「了解。食べ歩きに行く時はフロントに寄ってくよ」
それからしばし、他愛のない雑談を交わしてから俺たちはこの場を辞した。
「真正面からアダムには会えたが、結局洞窟には不法侵入かあ」
「ま、しゃーない。あの様子じゃ許可は貰えんじゃろ」
「だな。むしろ、恩を感じてるみたいだから何が何でも引きとめようとするだろ」
だから俺はあの場で洞窟の立ち入りについて言及しなかったのだ。
してたら、潮が引いて侵入が可能になった途端、警備の人間を配置されてたかも。
それでも問題なく侵入出来そうだが……変に気ぃ揉ませるのも忍びないしな。
「ま、当初の予定通りっちゅーことじゃな。期待しとるぞカール」
「おう。にしても、不法侵入かあ……ん?」
「どした?」
そうだよ、こういう時こそアレの出番じゃないか。
時たまスラムでガキどもに見せ付ける以外で出番はなかったけど、今回は……クフフ。
胸元の紫水晶に触れ、ほくそ笑む。
「期待してろよティーツ、生涯残る感動ってもんを見せてやるぜ」
「嫌な予感しかせんのじゃが……」
変わるわよ。
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