ウマ娘3期




 ウマ娘3期、全13話で終了しましたね。


 全部見終わっての感想は「あっさりしてたなー」。


 まあ主役トウカイテイオー、準主役メジロマックイーンだった2期と比べてしまうと、どうしても「あっさりしてたなー」となってしまうのは仕方ないとは思うのですけど。


 私は未だにプレイしていないのですけど、アプリ版がリリースされて「ウマ娘」の世界観が固まった状況で作られた作品だったこともあって、キャラクターイメージを大きく崩したりするアニメオリジナル要素などを取り入れる冒険がしづらかったこともあるでしょう。


 アニメ1期、2期は「チームスピカ」内の関係性を大きなドラマの主軸としていました。

 1期ではスペシャルウィークとサイレンススズカ、2期ではトウカイテイオーとメジロマックイーン。

 そこに、チーム外のウマ娘との関係を上手く絡めて描いていたと思うのですが、今回の3期はキタサンブラック個人に焦点を当てた話作りだったため、キタサンブラックが1期、2期の主人公が所属している「チームスピカ」に所属していることが、あまり作品の設定として機能していなかったことも、何かあっさりしている感想に繋がった要因の一つかも知れません。

 2期の設定だった「トウカイテイオーに憧れているキタサンブラック」を3期でも踏襲しトウカイテイオーが所属する憧れの「チームスピカ」にキタサンブラックも所属するという流れでしたが、3期の話の中で「チームスピカ」にキタサンブラックが所属しているが故に起こるドラマは全く無かったと言って良いでしょう。

 3話で引退したゴールドシップとの絡みが唯一の「チームスピカ」関連の出来事でしたが、元々自由奔放なゴールドシップですから、キタサンブラックが他のトレーナーに付いていたとしても十分成立してしまう話でしたし、むしろ「チームスピカ」沖野トレーナーの役回りをミホノブルボンの黒沼トレーナーに変えても違和感が無い、むしろかえってスッキリした気すらします。


 また、幼なじみのサトノダイヤモンドとの友人からライバルへ、という関係性の変化についても5歳秋の有馬記念で終了してしまい、以降はほとんどサトノダイヤモンドは物語に関わりません。

 寮の同室としてすらも描写が無くなり、レースで対峙するシュヴァルグランやサトノクラウンの方が描写が多くなります。

 これについては実際の史実通りと言えなくもありませんが。


 こうして書いていて思ったのですが、キタサンブラック主人公の3期の作劇は、史実のキタサンブラックにウマ娘のフィルターを被せただけで、そのまま史実をなぞった作りだったのかな、と思いました。

 1期のスペシャルウィークとサイレンススズカの間には史実での繋がりは鞍上武豊、父サンデーサイレンス以外にはほとんどありませんでしたが、アニメでは二人を同じチームの先輩後輩としてドラマを作っていました。

 2期のトウカイテイオーとメジロマックイーンも、92年天皇賞での直接対決以外はさしたる関りはありませんでしたが、同じチームの同い年のライバルとして、切磋琢磨しつつも支えあうというドラマを作っていました。

 こうしたアニメオリジナルの設定と関係性に、史実のレース結果や故障を絡めて作られたドラマ性が1期、2期の面白さだったと思うのですが。


 3期のキタサンブラックは「そして、みんなの愛馬になった。」というJRAヒーロー列伝を意識し過ぎたのでしょうか。

 チームスピカ所属の先輩ウマ娘は皆キタサンブラックを気にかけ応援しているというのは当然の大前提となっていて描写も少なく、他のライバルウマ娘たちや他チームの先輩、地元商店街の人たちとの関りを満遍なく描いていました。

 それ故に「みんなに好かれている」という雰囲気は出ましたが、逆に特定の関係性、絆というものが見えづらくなってしまい、それが「あっさりしてるなー」という感想に繋がったのかと思いました。

 まあ、この描き方の方がアプリ版に新登場させるウマ娘との絡みが描きやすいという事情もあるでしょうね。


 これはあくまで私の感想なので、強いキタサンブラックが泥臭く必死に走るところが神作画で丁寧に描かれていてそれが故に皆に愛されているのが見れたし小ネタで色々とブッコンできたし、神アニメ! という感想を持つ方がいても全くそれを否定しようとは思いません。


 アニメーションとして見た場合には動き的には非常に滑らかで、表情も細かく描かれており相当出来が良かったと思います。


 私は単純に、ゴールドシップの号令でグラサンとマスクを着けた姿で、スペシャルウィーク、ウォッカ、ダイワスカーレットらと一緒に誰かをズタ袋に入れてチームスピカの部室に拉致するキタサンブラックを見たかったな、と思った次第です。


 あと、食堂の食事シーンの背景に写り込むのはビワハヤヒデの変装をしたオグリキャップであって欲しかったくらいですね。













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