またしても要人テロ




 昨日、和歌山応援遊説中の岸田総理大臣を狙い、爆発物が投げ込まれるという事件がありました。


 銀色の爆発物が投げ込まれ、すぐにSPが岸田総理らを退避させたため岸田総理らの命に別状はなく、爆発物の威力も大きくはなかったため怪我人も出なかったようです。

 犯人が2発目の爆発物を投げ込もうとしたところを近くにいた地元漁師らが抑えつけ、犯人の身柄は確保されました。

 犯人の素性については兵庫県に住む24歳男性で氏名も公表はされていますが、ここでは触れません。



 昨年の安倍元首相の遊説中の襲撃と落命以来、どうにも日本の治安が揺らいでいるように思います。


 自分と主義主張が大きく違っている、政治など物事を決める際に大きな影響力を持った人物を排除するためにはどんな手段を取っても良い、というような『気分』がじわりじわりと広がっている、そんな気がします。

 目的が正しければ手段は全て肯定される、という目的の正しさの担保となるものが、SNS上の「いいね」の多さであったり、更に身近なところの「自分の周囲の人間が否定はしなかった」だったりと、根拠としては薄く、閉じた集団内のエコーチェンバーをそのまま信じてしまう人たちが多くなっているように思われるのです。


 自分達が気に入らない相手を消すためにどんな手段を取っても良い、というのは非常に魅力的な考えで、人を酔わせます。

 それに正当な根拠を感じることができる場合、人によってはそれを行うハードルは低くなるでしょう。


 そして安倍元首相が殺害された後のメディアの取り上げ方が、この傾向に拍車をかけました。

 殺害した犯人にも一理ある、としてしまったのですから。


 今後も要人を殺害した後で一理あると世間に思わせてしまえば、殺害犯でも同情が集まり、上手く行けば世間に祭り上げられるという風潮を作ってしまったのです。


 あの時、断固として「暴力で世の動きを変えようとする試みは否定する」と言い続けなければならなかった。

 しかし「統一教会」という悪の総本山を攻撃することが正しいことなのだとメディアは元首相殺害という事実の重さから逃げて報道の方向を捻じ曲げてしまった。


 これが全てです。


 SNSは個人の意見を自由に発信できるから大手メディアの偏向した報道よりも信用できると多くの人が思いつつありますが、実際のところ現在のSNSも大手メディアの影響を受けていない訳ではありません。

 SNSで拡散される情報の元ソースは大手メディアの報道であることが大半です。

 そして大手メディアの記者や元記者が発する意見が大きく取り上げられ拡散したりしているのです。そこに個人が乗っかり発信しているだけ。


 今回の現役総理大臣襲撃について、今後どのような報道がなされるのか。


 注目していく必要があります。



 岸田総理の進める政治について、私は決して全肯定するものではありません。

 財務省の提言をすべて受け入れる姿勢は、正直何も考えていないのではないかと感じています。


 ですが、だからと言って殺害して総理を変えるべきとは、とても思えません。

 そうした行為に対しては断固として反対します。




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