どうする家康




 とりあえず現在第6話までの視聴ですが、やっぱり前年の大河ドラマが傑作だったこともあって、当初は冗長だな~という感想でした。

 多分演出の違いだと思うんですけど。

 ただ、この「どうする家康」は非常に細かいところに拘って作っているのが見て取れるのが良いですね。

 主君である家康と家臣団の関係性とかですね。

 この時代の主君(大名)は家臣団に担がれてナンボといいますか、家臣団の意を汲んでくれない主君は排除され挿げ替えられることもあるという、絶対的な権力者なんかではなかったんですが、その辺りを非常に上手く描いてます。

 第3話で家康が酒井忠次と石川数正に誘われ野を歩き、貧しい三河を見せられて駿河帰還を断念させられるシーンがありましたが、あそこで家康は泣き喚いて駿河を思う気持ちを吐露しつつ、結局は土下座までした酒井忠次と石川数正の意向を受け入れて三河に留まることを決めました。

 あのシーンなどは見ていてヒヤヒヤしました。

 おそらく家康は泣き喚いたから助かったのです。

 冷静にきっぱり断っていたり、嵩にかかって二人をなじっていたとしたらおそらく酒井忠次に斬られていたでしょう。

 酒井忠次は在三河の家老おとなで、家康を斬ったとしてもある程度どうとでもできる立場なのですから。

 松平家は家康の父広忠も祖父清康も、家臣に斬られて亡くなっています(父広忠暗殺は一部資料の一説ですが)。

 そうしたことを家康は教えられていたのかというと、長期間の人質生活送っていた訳ですからハッキリとは知らなかったでしょう。駿河に付いていった家臣団の口からもそのようなことは伝えづらかったはずですし。

 そう考えると、泣き喚くという正解が出たのはまさに家康は「持っていた」のです。

 何となく、この後もひたすら泣き喚くことで窮地を紙一重で乗り越えていって欲しいし、そんな脚本だったらいいなと期待してしまいます。

 正室の瀬名の描き方もこれまでの家康を描いたドラマとは違っておしどり夫婦ですし、本当に新解釈で楽しめそうです。

 ただまあ、おしどり夫婦に描かれることで悲劇的なあの事件の扱いはどうなるのか。少し怖い気もしますが、介錯役は山田孝之なんでどんな形にしろ見てみたいものです。

 そして主役の松潤、いい演技してます。

 あんなに泣き喚く演技とか、第一線でアイドルをやっていた男が振り切ったな~と思いました。

 第6話でもめっちゃ家康のクセである爪噛みガシガシやってましたし、似合う。三方ヶ原の大敗後のしかみ像のまんまでした。

 もう間違いなく伊賀越えまでは泣き喚くでしょうから楽しみです。


 これまでに私が見た家康の中で最も人間臭い家康を演じられたのは「真田丸」の内野聖陽さんでした。特に最晩年の大阪の陣の辺りの演技は凄かった。


 松潤の家康が内野家康を超えたら凄いなあ。






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