真・女神転生シリーズ




 今回の好きな物は真・女神転生シリーズですね。


 このゲームも皆様当然のようにご存じだと思いますが。

 私なりに考察すると、この真・女神転生シリーズというのは現在のいわゆる「なろう系」にも多大な影響を及ぼしていると思うのです。


 タイトルに転生が入ってるし。

 現在モフモフな強大モンスターの代表格、フェンリルをモフモフに描いたのも多分シリーズの初期から悪魔デザインを担当している金子一馬氏だと思いますし。

 敵のモンスターを仲間(仲魔)にするというのも女神転生シリーズがドラクエよりも早かったはずです。


 真・女神転生シリーズは元々「デジタル・デビル物語ストーリー女神転生」という西谷史様が書いた伝記小説が元になっており、OVAなどのメディアミックス作品でした。メディアミックスの一環としてファミコンでRPGゲームも出ていました。

 これが記念すべきRPGゲーム女神転生の始まりです。

 最初から悪魔を仲魔にし、仲魔を合体させて強化していくというシステムになっており、ダークな世界観とマッチしていました。

 そして一歩歩くのも躊躇われる鬼畜な難易度。

 これが他のRPGゲームとは一線を画し、一部では人気が出たのでしょう。

 ファミコン版「女神転生Ⅱ」も出てスマッシュヒットとなります。


 まあ私はファミコン版をプレイしたことはないのですが、その後スーパーファミコンで出たファミコン版のⅠとⅡをリメイクした「旧約女神転生」をプレイしたことで鬼畜難易度を散々味わいました。

 私に真・女神転生シリーズを手取り足取り教えてくれた友人によると「これでも大分楽になってる。ファミコンの頃は方眼紙に自分でマップ書きながら攻略してた」と言って得意がっていましたので、どんだけだったのかと思います。


 真・女神転生シリーズは、ファミコン版の「女神転生」を制作していた会社アトラス(発売はナムコ)が、ファミコン版のシステム等は継承しつつ、設定などを変えて自社ブランドとして出したシリーズです。

 真・女神転生のナンバリングタイトルはⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴまで出ていて、

 Ⅲはマニアクス、マニアクスクロニクルとバージョンがあり、ⅣもⅣ FINALというシステムは同じでストーリーが違うものがあったりします。

 外伝作品としてif、NINE、STRANGE JOURNEY。

 また、派生作品も多く、今や完全に独立したペルソナシリーズや、デビルサマナーシリーズ、デジタルデビルサーガシリーズやシミュレーションRPGの魔人転生シリーズなど。

 全て知りたい方はWikipediaを見て下さい、というくらい多いです。


 私が真・女神転生を知ったのはけっこう遅く、大学生の頃で、入学して友人になった田端くん(仮名)という友人に、前述したように手取り足取り教えてもらいました。

 田端くん(仮名)自身、何と言うかアグレッシブなのに怪しさ全開なオタクでして、こうゆうタイプはそれまで身近にいなかったので、けっこう仲良くなって彼のアパートに出入りするようになったのですが、彼にはファミコン、スーファミのRPGを叩きこまれましたね。

 ドラクエ、FFの1~6くらいは彼の家でやりました。

 そして、最終兵器 真・Ⅰも。

 だいたい、悪魔合体なんて他のRPGには出てきませんし、彼に聞きながら次は何を仲魔にして、何を作って、と全て教えて貰いながらやりました。

 しかし、いちいち長々ウンチク垂れられるので、反抗して彼の言う事を聞かずにやって、結果彼の鼻をあかしてやるのも楽しかったです。泣きを見て渋々従うことの方が多かったですけど。

 彼の鼻をあかした思い出で最大のものは、当時出ていた攻略本では、ニュートラルルートでのカテドラルへの入り方が載っておらず彼も四苦八苦していましたが、私がギンザ大地下道の謎の場所があったのを覚えていて、彼より先に属性ニュートラルでカテドラルに入った時ですね。内心の動揺を隠しながら平然としている風を装っていた彼を見た時は最高でした。


 まあ私にとってそんな青春の1ページみたいなところもあって思い出に残っているのですが、このゲーム自体、他のRPGとは一線を画した画期的なものでした。

 根幹を成す悪魔合体システムもそうですが、属性と言う概念があって、これ次第でエンディングが変わると言うマルチエンドも画期的でした。

 属性というのは通常の戦闘や回復施設でも微妙に変わりますが、基本的にはイベントで大きく変わります。

 真・Ⅰの世界は、日常の東京に突然悪魔が現れ、戒厳令が敷かれた世界です。

 そんな中、メシア教という一神教の教義を信じる集団と、ガイア教という力のために多神を崇める集団との対立を軸にストーリーは進みます。

 この一神教の秩序を重んじ、すべては法の下に管理されるべきであるという考えが Law(ロウ)という属性で、多神教の実力至上主義で自由のために秩序は忌むべきものとする考えがChaos(カオス)という属性になります。

 どちらでもない中間の属性はNeutral (ニュートラル)です。

 主人公はゲーム開始当初はニュートラルですが、様々な要因で属性がロウとカオスに揺れ動きます。

 フィールド移動中の主人公のキャラクターアイコンが肩を揺らすようにしていればニュートラルですが、回転が始まるとどちらかの属性に寄っています。もう心を決めた、違う属性には戻らないぜ、と完全にどちらかの属性に偏ると、キャラクターアイコンが物凄い速さで回転します。

 この属性は全ての登場悪魔に設定されているので、完全に属性が寄ってしまうと対立する属性を持つ悪魔は会話しても敵対的で交渉できず仲間にすることができません。

 また、悪魔合体で作った悪魔でも完全に属性が違っていれば召喚して戦わせることも出来なくなります。

 また、イベントも、完全に属性が偏った場合には発生しないものもあります。

 この、考え方の対立する世界で、主人公の自分はどういう道を選んでいくのか、というのが若かりし頃の自分にはヒットしましたね。


 この悪魔を仲魔にする、合体させて強化する、属性でストーリーに変化が出る、というのはナンバリングタイトルに共通している部分です。

 と書いていますが実はナンバリングタイトルはⅢまでしかやったことがなくて、ⅣとⅤはどうなのか、正確には知らんのですけど。

 理由は単純に私がPS2以降のゲーム機を持っていないからなんですね。

 年ですね。


 でまあ、私がこの真・女神転生シリーズで惹かれた部分は、属性=自らの意思によってストーリーが変わる部分もそうですけど、コンピューターのプログラムで悪魔召喚を操作すると言う部分と、サブウェポンで銃が使えるという部分でしたね。

 それと、魔法や攻撃ごとの耐性が細かく決められており、ザコ敵の攻撃であっさり死ぬというシビアなゲームバランス。これがけっこうヒドイのですが、クリアするとやり遂げたって気分になります。

 真・Ⅰだったらうっかり低レベルで赤い館に入ってテング8体とエンカウントし、シバブーでずーっと金縛りにされてボコられるとか、あるあるですよね。

 あと呪殺一発昇天とか。

 このシリーズは基本一部を除いて主人公が死んだらゲームオーバーです。

 主人公含め人間の耐性は破魔無効呪殺100%ですから、仲魔が一発でやられるハマはまあいいとして、呪殺のムドを使ってくる敵はどれだけレベル差があろうと油断できないというね。

 呪殺無効の防具は防御力が低かろうと手放せません。

 ですが、ソウルハッカーズの力王の籠手みたいに「呪殺無効、破魔に弱い」をつけていると地霊コロポックルの破魔で一発昇天、なんてこともあったりします。


 真・Ⅲでも雑魚戦で死ぬのはよくあることで、プレスターンバトルという戦闘方式に替わったおかげで、この辺のシビアさは上がってます。

 一番最初に戦う敵、いわばチュートリアルで戦う幽鬼ガキにクリティカルを出されてしまうと連続攻撃で昇天、とか、雑魚敵の殺意が上がってますね。


 私にとって真・Ⅲは、前に挙げたこのシリーズの魅力、コンピュータで悪魔召喚するという部分と、武器で銃がある、と言う部分が損なわれてしまったので、正直残念でした。

 とはいえ岡田、金子コンビが作ってるので、テイストはしっかり引き継がれていたって思います。

 これまで私がプレイした中で、一番この辺りの醍醐味を感じさせてくれたのはソウルハッカーズでしょうかね。テクノロジーと悪魔召喚の融合と言う部分に惹かれていた訳ですから、アプリを入れ替えてハンドヘルドコンピュータの機能を拡張するというのは凄くたまりませんでした。ヒロえもんで戦闘後アイテムを拾うと、ピコピコ光って拾いましたよーアピールするのとか嬉しかったですね、

 あと、ソウルハッカーズとデビルサマナーには仲魔の忠誠度というものが設定されていて、仲魔にしても忠誠度が低いと言う事を聞いてくれないという縛りが新たに出来たのです。これにもリアリティを感じたのですが、デビルサマナーでは忠誠度を上げるのがとにかく難しく時間がかかり、忠誠度が上がった頃には完全にレベルが劣り戦力にならないとか良くありました。

 これがソウルハッカーズになると多少忠誠度が上がりやすくなった上、忠誠タイプを変えて忠誠度を上げるアイテムとして「酒」が出て来ました。これも大分良かったですね。


 さて、長々書いてきましたが、シリーズで括らず1作ごとに書けば良かったなと反省しましたけど、まあ良し。


 最後にちょっとプチ自慢+プチ得情報? で終わります。


 真・女神転生ifでアキラルートに入ると、幽閉の塔と呼ばれるダンジョンに入ってしまい、他の3人のルートとは全く違う展開になります。

 他の3人のルートで途中で思い出して戦って倒して仲間にするであろうフロッピーディスクに閉じ込められた悪魔、LV43魔獣ケルベロス。

 ケルベロスは「デジタル・デビル物語ストーリー」の頃から特別扱いの悪魔で、真・Ⅰでは主人公の飼っていた犬と主人公が仲間にした悪魔どれとでもの合体でケルベロスが誕生します。

 残念ながらあまり真・Ⅰでは活躍の機会は少なく、ドウマン戦後に行方不明になり 東京ディスティニーランド前で再会した時には主人公のレベルと釣り合わなくなってたりしますが、それでもケルベロスは特別です。

 真・Ⅱでも初期に飼い主のマダムからの命令で主人公に同行し活躍したりしますしね。

 それでifのアキラルートでは、他のパートナーのルートのように何度も学校に戻って来れる訳ではなく、一度幽閉の塔に入ってしまうと二度と学校には戻れません。従って他のパートナールートのようにケルベロスに挑めるくらい強くなってから学校に戻って倒すということができず、フロッピーディスクに閉じ込められたケルベロスを仲間にすることは出来ないのです。

 しかし、本当にそうでしょうか?

 実は幽閉の塔に行く前にケルベロスに挑むことはできます。

 ただ、仲魔にするためにはケルベロスを倒さなければいけません。

 ほぼ初期のレベル、渡り廊下に出て来る悪魔を倒してもせいぜいレベル10くらいまでしか上がらないアキラルート。武器だってピッケルと金属バット、防具も初期装備。

 これでLV43に挑むとどうなるか。

 一撃死です。

 ケルベロスが殴って来たら、1ターンでほぼ一人ずつ死にます。

 仲間を召喚しても、LV2妖精ウイリーか、LV3妖精ピクシーしか仲間には居ない頃。

 ファイアブレスを使われたら1ターンで全滅します。

 そしてこっちの攻撃はダメージ1とか2しか与えられません。

 下手したら中ボス戦よりも無慈悲。


 無理じゃん。


 そう思うでしょう。

 普通ならそうです。


 ですが、私PS移植版を久々にやってた時に思いました。

 誰かハマかムドを使えれば、倒せるんじゃないだろか、と。

 雑魚戦で簡単に死ぬ、と書いたとおりこのシリーズは、呪殺と破魔の一撃死魔法がとにかく強い。レベル差があっても、当たれば死ぬのです。

 ケルベロスは呪殺も破魔も通る相手。

 でもこの時点では悪魔合体はできませんし、蠱毒皿とか破魔矢とかの呪殺、破魔効果のあるアイテムも入手できない。

 いや、このゲームif特有のシステム「ガーディアンシステム」なら、アキラにムドかハマを使えるガーディアンを宿せばアキラが使えるようになる!

 圧倒的閃き!

 そこで攻略データベースでアキラのガーディアンで呪殺系か破魔系を使えるものを調べました。

 LV27地霊ツチグモがハンマ、LV45破壊神ホクトセイクンがムドオン、マハンマ。

 LV69の魔神ラーもマハンマを持っていますが、流石に、ねえ。

 正直この学校の段階でLV27のツチグモをガーディアンに付けるだけで、どれだけレベル上げしなきゃならんのだ! 無理! 主人公たちのLVが上れば主人公たちよりもLVが低い悪魔から貰える経験値とGP(ガーディアンポイント)はどんどん少なくなっていくというのに!

 学校渡り廊下じゃせいぜいLV3の悪魔しか出ない!

 と思った時、ふと、あれ? と思ったのです。

 つまり主人公たちのレベルが低ければ、LVが低い悪魔からでもそこそこ経験値とGPが貰えるってことだよな? と。

 悪魔の中には特技で「なかまをよぶ」を持っているものがいて、これを使われると同じ種類のピンピンした元気な悪魔を新しく呼ばれてしまうのです。けっこう嫌な特技です。

 しかし、戦闘で敵を全滅させた後、倒した敵の数によって経験値等が入る訳ですから、主人公たちのLVが低い状態で一度の戦闘で多くの敵を倒せば、それに応じて経験値が入る、ってことは仲間を呼ばせて次々に倒して戦闘終了しなければけっこう多くの経験値とGP入るんじゃね? と思ったのです。

 そして、渡り廊下に出現する悪魔の中でLV1屍鬼ゾンビドッグという敵がいます。こいつらは「なかまをよぶ」を持っていてけっこう嫌な敵なんですが、何気にプレイしていると向こうの攻撃が全然当たらない時があったりするのです。

 試しにプレイしてみると、月齢がFull、New、Halfの時は普通にゾンビドックの攻撃はこちらに当たりますが、それ以外の月齢の時は殆どゾンビドックの攻撃はこちらに当たらず、クリティカル判定の時だけ攻撃が当たる(ダメージは1とか2)ということに気づいたのです。

 おいおい、これって完全にそういうことよね。

 そう悟った私。

 つまり月齢でLV1ゾンビドッグの攻撃が殆ど当たらない時に、ゾンビドッグから最大の経験値とGPが貰えるLVのうちに、ちまちま倒しつつ全滅させず「なかまをよぶ」で新手を呼び寄せてそれをまた倒していけば、大量の経験値とGPゲットできんじゃん。それでアキラに破魔系か呪殺系を使えるガーディアンを着ければケルベロスを倒して仲魔に出来ますよっていう製作者のメッセージやんけ! と。

 実際どうか知りませんけど。

 でまあ攻略wikiとか見て大体の計算をして、戦闘開始です。

 これがけっこう長かったなー。

 多分2時間くらいずーっとこの作業戦闘やってたと思います。

 実際途中で勢い余って全部倒しちゃったりしたこともありました。

 そして大まかに計算してもういいだろうと思った後、ガーディアンを付けて見たらツチグモじゃなくてその上の魔人ゴトウになっちゃったりとか。

 きっちり計算して、何体倒したか数えながらやれば良かったんでしょうけどね、そこまできっちりした性格じゃないので。

 とりあえず悪戦苦闘してツチグモをアキラに付けて。

 これも、ガーディアンを宿すには一度死なないといけないんですよね。

 と言ってもツチグモ付くくらいのGP貯めると経験値もけっこう入って渡り廊下の雑魚敵相手では簡単にやられないくらいにレベル上がるので、結局ケルベロスに一度挑んでやられてガーディアンつける、みたいなことしないといけませんけど。

 まあ努力の結果は裏切らない。

 見事アキラのハンマで、ケルベロスはキューンと昇天し、仲間になりました。


 そして意気揚々と幽閉の塔に向かった私とアキラですが、もう自分達もそこそこ強くなっちゃってるし、マグネタイトが勿体ないので連れ歩きませんがケルベロスは強いしで、スーファミ版で苦労した幽閉の塔の再序盤が楽勝すぎましたね。


 「一歩歩くのも怖い」という鬼畜難易度も魅力の一つなのに、それを自分で半減させてしまいましたとさ。

 いや、あの作業戦闘は面倒だったけども。


 いやいやプチと言いながら長くなってしまいました。











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