ネット上で議論は成立するのか


 結論から言うと、議論は成立しません。


 参加者が余程建設的な議論の仕方に慣れていて、常に論点は何かを共有し続けていれば別ですが、Twitterやオープンな掲示板では絶対に無理です。


 逆に言えば通常の、ネット上ではない議論の場、例えば会社の会議、地域の会議、学校のHRなどで、司会進行者が常にその時の論点をブレずに捉え、参加者の意見をしっかり吟味し補足してようやく成立することが、各々が好き勝手なタイミングで何度も意見を書き込めるネット上でどうして成立するのでしょうか。


 私はAC長野パルセイロと言うサッカークラブを応援していますが、そのチームの5ちゃんねるスレッドや、超板と呼ばれるサッカー系では有名な掲示板を見ていただければ一目瞭然です。

 チームの調子が悪くなり負けが込みだすと、普段応援している人の書き込みでも、チームに対する過激な攻撃的意見ばかりになり、少し冷静な書き込みなどは攻撃されます。それに乗じてなりすましや荒らしがワラワラと現れてきます。

 その過程では議論など一瞬たりとも成立していません。

 自分と違った意見は敵認定し、敵の意見を否定するために前提条件やら誤字脱字やら表現の仕方やら相手の人格やら、あらゆる否定が次々に書き込まれます。

 そして冷静な書き込みをしている人が諦めて去ると、攻撃していた方は勝利宣言をします。

 勝利宣言したあとは、延々と自論の書き込みが続きますが、敵がいなくなると流石に飽きが来て書き込みの勢いが衰えるのです。

 まあ結局何一つ建設的なことは生まれず、敵認定した相手に勝ったという傍から見たら不毛な満足感を得ている人たちを展示している生け簀いけすみたいになるんですね。

 敵が来てくれている時が一番生き生きしちゃったりしてね。


 こういった書き込み数が増えることを「議論が活発になった」と捉える方や、最後に勝利宣言をした方が議論の勝利者だと思う人がいるのならば、私からは「それは良かったですね~」としか言えません。


 多分議論とは何かという認識が根本から違ってますので。


 今5試合連続無得点中のAC長野の掲示板はひどいことになっているでしょう。

 わざわざ覗きに行って書き込んだりして不快になる必要もないのでまったく見に行ってません。

 ネット掲示板やSNSって別に見なきゃ生きていけないものでもないですからね。




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