やる夫と学ぶ野村克也

※1か所AAを貼ってますので横読み推奨です。


 私がやる夫スレにハマったきっかけのスレです。


 元楽天イーグルス、阪神タイガース、ヤクルトスワローズ、南海ホークス監督で、南海、ヤクルトではリーグ優勝、ヤクルトでは3回日本一を達成。

 選手としても長く南海ホークスで正捕手を務め、その後ロッテ、西武に在籍。

 第二次世界大戦後初の三冠王に輝く。

 『通算試合出場数は日本プロ野球歴代2位(実働年数は歴代2位)、通算の安打、本塁打、打点、塁打数は歴代2位で、いずれもパ・リーグ記録である。捕手を務めながら通算RCWINでも歴代5位を記録した球史に残る名選手であり、選手・監督時代を通じ、勝つために様々な工夫や駆け引きを重ねており、野球理論・野球技術の発展に貢献した』wikipedia野村克也(概要)より。

 

 日本のプロ野球の歴史を語る際に、今後何があろうと必ず語られるであろう人である野村克也さん。昨年2020年2月11日に84歳でお亡くなりになりましたが、亡くなった直後は各TV局で特集が組まれたりしたのでご存じの方も多いでしょう。

 亡くなる直前までTBSで解説とかされていたので本当に驚きました。


 「やる夫と学ぶ野村克也」は、そんな野村克也さんの人生をやる夫スレ化したものです。

 2012年3月23日から投下されており、投下する板(掲示板)を変えて今はしたらば掲示板のやる夫スレヒロイン板(新)に投下されています。最新の番外編は2021年5月5日に投下。間が数年空いていたこともありますが、作者さんの書き込みによると「どれくらいかかるかわからないが、最後まで描き切りたい」とのことです。

 現在本編は33話、ライバルやオールスターの話を描いた番外編が7話投下されています。

 まとめサイトは「嗚呼! やる夫道」(32話まで)「泳ぐやる夫シアター」(31話まで)にまとめられていますが、残念なことに今はどちらも更新停止しています。どこかのまとめサイトが引き取ってくれることを願ってます。


 「やる夫と学ぶ野村克也」は、やる夫スレの中でも比較的古い形式になる「学ぶ系」の体裁を取っています。

 「学ぶ系」はその名の通り、プロ野球について殆ど知識のないやる夫と、2012年当時の楽天イーグルスファンで元監督のノムさんファンだけれど昔のプロ野球に詳しくないやらない夫に、古くからのプロ野球ファンだった海原雄山(原作:美味しんぼ)が、野村克也さんの辿った人生とその所属球団や取り巻く他球団の歴史を語り2人が学ぶという形式で進行していきます。


 京都府京丹後市網野町で産まれた野村克也(ドラえもん 原作:ドラえもん)は父を中国戦線で亡くし、病弱な母(カーチャン :2chキャラAA)と兄の義明(プロシュート 原作:ジョジョ第5部)に育てられます。食べたいものも満足に食べられない、着たいものも満足に着られない、非常に貧乏だった野村家。克也少年は病弱な母に楽をさせるため大金を稼げる職業に就こうと考え、プロ野球選手になろうと決意します。

        __

     /  ̄    ̄ \

     /        ヽ

   /            |  だめだ、いくら反論しても話を聞いてくれない

   |     , -===- 、i

    |   /         ヽ

    ヽ /          | |

      |_|           |_|

      (.__.)       |_)

       │     -● |

       |     |  |

       ⊂二二⊃⊂二⊃

    【母に進学を反対される野村克也少年】


 しかし母からは中学を卒業したら高校に進学せずに丁稚奉公するように言われてしまいます。説得しようとしても聞いてくれない母の言う事に渋々従おうとした克也少年でしたが、兄の義明の金銭的後押しと母を兄が説得したことにより高校に進学することができました。(第1話)

 克也少年の進学した峰山高校は野球は弱小校で、万年1回戦負け。更に克也少年が打つ打球で度々ガラスを割ったりして、生活指導部長でもある清水先生(糸色望 原作:さよなら絶望先生)らは野球部廃部を主張します。そんな中、克也少年は清水先生に野球の楽しさを理解してもらおうとあの手この手を駆使します。そうした努力が実り、清水先生は南海ホークス監督の鶴岡監督(ギム・ギンガナム 原作:∀ガンダム)ら在版球団の監督に手紙を書き、南海の入団テストを受けることになった克也少年のために旅費も立て替える良き理解者にして恩人となります。

 南海の入団テストも、落ちそうなテスト種目もありますが、好意的な球団職員の黙認等もあり合格します。(第2話)

 本編パートは野村克也=ドラえもんが主人公の話となっており、ドラえもんが様々な人と出会い様々な出来事に会い、様々な人の優しさや思いやり、悪意や負の感情に接しながら何度も成功と挫折を繰り返し成長していく物語となっています。


 やる夫やらない夫海原雄山の3人で話す勉学パートで話した内容に応じてドラえもん=野村克也が主人公の本編パートが進行し、話の終わりは勉学パートで締める、と言う構成が殆どです。

 海原雄山の話を聞いて行くうちにやらない夫はノムさんへの理解と好意を深め、やる夫はノムさんを理解しつつもノムさん以外の人物や球団、鶴岡監督や後年の阪急ブレーブスが好きになっていきます。同じ話を聞きながらも違った感想を感じる二人。  

 この二人の感想の違いが野村克也と言う人物とそれを取り巻く人物や出来事、球団や歴史的背景などの、複雑な魅力を醸し出しているのです。


 この「やる夫と学ぶ野村克也」は私が初めて触れたやる夫スレでしたが、今思うと登場人物に当てられたAAの大半を私が知っていて、そのAAがその人物に非常に合っていたというのもこのスレを好きになった理由の一つだったと思います。

 第1話のプロシュートの兄貴は、本当に頼れる兄貴でしたし、カーチャンAAは本当に困っているように見えます。

 また野村の人生において良くも悪くも大きな影響を与えた鶴岡ギンガナムはまさに武人です。

 共に南海優勝を勝ち取った杉浦忠はベジータ(原作:ドラゴンボール)で、これは巨人に入団しスーパースターとなる杉浦の同期長嶋茂雄が孫悟空(原作:ドラゴンボール)という繋がりもあると思います。

 野村克也現役前半の最大のライバル稲尾和久はガッツ(原作:ベルセルク)で、こいつには生半可じゃ勝てないと思わされますし、後年兼任監督になった際の再生工場で再生した選手江本孟紀はルパン三世(原作:ルパン三世)で、飄々とした毒舌の実力者であった江本氏を上手く表していました。

 野村克也さんのAAであるドラえもんは多くのAAで表情豊かに表現されていて、悲しい時、腹立たしい時、嬉しい時を過不足なく見る者に伝えてくれます。

 野村さんのAAがドラえもんになった理由は、愛弟子的存在の古田敦也さんが現役時代のび太と呼ばれていたことと、楽天時代最後の再生工場で再生された選手の代表山崎武司さんが多分ジャイアンであろうことから推測されます。


 のび太とジャイアンが出てくるまでこの作品は続けていただきたいですし、登場する日を待ち望んでいます。


 現在のパリーグは隆盛を誇っていますが、かつては球場の観客より両チームの選手の方が多い、なんてことがザラでした。そうなってしまった原因の一つである黒い霧事件などにもこの作品は触れています。

 作者さんはこのスレを書くに当たって多くの資料に当たって調べておられ、時系列に沿って構成しているので非常に解りやすく、未曽有の事件の中での各球団や選手の苦闘なども描かれておりますので、野村克也さん一個人の記録というだけではなく、プロ野球の歴史を辿る資料として読んでも興味深いかと思います。


 是非一度、触れてみてください。


 嗚呼!やる夫道 やる夫と学ぶ野村克也 目次

http://gokumonan.blog87.fc2.com/blog-entry-2339.html

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る