第2話 龍王の生活 昼

 朝食を食べ終わって今はお昼前。しかし、あの騒動は終わってなかった。


「だから、ネフィラとコーネリアはオヤジと一緒に出掛けたんだから今日は、俺だ。」

「いや、私だよ。ここ一週間私、主様と一緒にお出掛けしてないんだから。」

「いや、俺だね」

「いいや、私」


 こういう言い争いが小一時間ほど続いている。まずそもそも己の主エクステティアがこの館の敷地内から出ることは珍しい、他の者が二人っきりで出かけている中自分たちは、行ってないからという理由でついさっきマウントをとられたのだ。なので二人は引こうにも引けないのである。

 だが、たまたまた近くを通ったメイド龍によって休戦させられた。


「もういっそのこと、ご主人様に聞いてみたらどうですか?」





「ーーーーそれで俺のこのとこに来たと。それでアロは何でここにいる?」

「何か楽しそうだったので」

「あぁなるほど…」

「それで主様、今日はどちらと……」


 ゴクリッ

 二人の期待の眼差しが俺に刺さる。

 本当にまじでどっちと行くかなんて決めてない。どうしよう。どっち選ぼうかな?マルコを選んだらアリアが哀しそうな顔するし、アリアを選んだらマルコが、この世の終わりみたいな顔するし。どうしよう?うーん

 あっ!ここ数年皆で出掛けた記憶持ってないな。全員で行こう。そっちの方がいい、楽しそうだ。ウンウンそっちの方がどっちも悲しませることこがない。よし、そうしよう。いや別に考えるのがめんどくさかなったとか、ひよったとかじゃないから。

 俺は意を決して、二人に告げた。


「よしっ決めた。全員で出かけるようにしよう!ここ数年一緒に出かけてないだろ。」

「そ、そうですか。オヤジがそう言うなら。」

「ですよねー何かそんな気がしたんですよねー」


 あれ?みんなの反応がおかしい。


「はぁ〜〜〜〜〜」

「な、なんだよアロ」

「その、ご主人様ぽいですねと、思いまして。」

「それなら、ため息つかなくてでいいだろ!」

「ため息つかれたくないのであればもっとご自身の配下を大切にして下さい。」

「え?俺優しくないの?」

(ま、マジかぁ〜今日の朝もそうだったけど自分の配下たちにそんなこと思われてたのか。たしかに記憶では昔結構やんちゃしてたけど。後でパワハラだ!とかで訴えてられそう元高校生にはきついよ。) 

「いや、主様は優しいです。私の最高の主です。それに昔よりもとっても優しくなってますよ。なのでそんなに気を落とさないでください!」


 うぅアリスの励ましが一番効くわ、癒される。


「ありがとうアリア、まぁそう言うことだ。マルコ、アリスみんなにも今日は全員で出かけるって伝えといてくれ。門のまえで集合で頼む。」

「「了解しました。」」


 そう言ってアリスとマルコは、部屋を出ていきアロは仕事の受け渡しに行くと言って部屋から出て行った。

 3人が、出て行ったとこで椅子に寄り掛かり脱力した。


「ふぅ、配下に優しくか‥」


 昔も俺はやんちゃやってたからな。そうなると昔の俺よりは優しくなったのかな。俺は、過去の記憶に浸った


「ま、この記憶は俺のじゃないんだけどな。」

『トントン』


 ん?誰か来たな。椅子に座り直し入室を促した。


「ご主人様、全員集合いたしました。」

「わかった今いく。」


 そういえばこの屋敷から出るのは、初めてじゃないか?転生する直前はこの世界を見て回りたいとか言ってたけど色々あって行ってないな。いろんなところに行きたいな、まぁそろそろ考えるか。

 なんて事を考えながら集合場所へ着き。


「さ、みんな行こうか。」

『はい!』


 俺は転生して数ヶ月初、お外へ出かけます。


















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